Daily-EROtic シックスナイン

10/6
 ぴた、ぴた…
「ど…どうなんですか?」
 ぴた…ぴた。
 芹香の手に握られた、黒い吸盤のようなものが琴音の額や頬に当てられる。材質の出自はいかにもいかがわしそうだが、平凡な光沢を放っているところを見るとただのゴム製のようだ。もっとも、ロウソクの光しかない部屋の中ではそれなりに不気味な道具に見えるのは間違いない。
 琴音はそれが顔に当てられる度に目をつむったり首を動かしたり、落ち着かない様子だった。実際、あまり心地よい感触ではないだろう。しかも、浩之の勧めでこのオカルト研究会に入ってからと言うものの、琴音は芹香の魔術実験で何度かおかしな目に遭ってきた。冗談で済まされるようなものばかりだったが、突然ずぶ濡れにされたり30センチばかりの空中歩行をさせられてからひっくり返されたりと、琴音本人にとっては決して楽しいものではない。
「………」
 芹香が吸盤をポケットにしまう。そして黒いとんがり帽子を頭から取って、部屋の脇にある棚の上に置きにいった。
「終わったんですか…?」
 琴音は芹香の後ろ姿を見て、自分の額と頬を撫でながら訊く。
 ぱさ…
 芹香はマントも脱いだ。普段通りの制服姿になる。それを丁寧に畳んで棚の上に置こうとしているのを、琴音はもどかしそうに見つめていた。しかし芹香はいつまで経っても返事をしない。
「あの…」
 その時、くる、と人形のような動作で芹香が振り向く。
 琴音が黙ると、芹香は身をかがめて上履きを脱ぎ始めた。
「??」
 上履きにとどまらず、白のソックスも脱いでしまう。琴音は芹香が何をしようとしているのか予想がつかず、不思議そうな目でそれを見ていた。
 ぴた、ぴた。
 そして、芹香はさっき吸盤を押し当てていた時のような音を立てながら、ワックスの掛かった床の上を歩み寄る。琴音は何とはなしに嫌な予感を覚えたが、状況が分からない以上どうする事もできなかった。
「あの、さっき飲んだ種…もうこれでいいんですよね」
 おずおず、と琴音は問う。芹香は、嘘をつくようなタイプではない。
「………、……、……」
「え…!? あの…先輩? なんで呪文…」
 芹香が不意に目を閉じてかすかな声で詠唱を始め、琴音は慌てふためく。
「な、なんの呪文なんですかっ…教えてくれないと…」
「………」
 琴音が芹香の手をつかもうとした所で、芹香の詠唱は終わってしまった。琴音は不安そうな顔で自分の身体をきょろきょろと見回す。見えるところには、表面的な変化が起こった様子はない。
 しかし…
「えっ…え…う、うそっ…これ…な、なんですかっ…これは…」
 びくり、と琴音が身体を震わせる。恐怖と、それから身体の中に生まれた奇妙な感覚のせいだ。
「い、い…いやっ…」
 一瞬の躊躇のあと、琴音はがばっと両手で自分のスカートを覆い隠す。というより、その最も中心の部分、ショーツに包まれている辺りだ。
 ぐ…ぐぐ…ぐぐぐっ
「きゃ、きゃあっ! う、うそっ…先輩…や、やめてくださいっ! 止めてくださいっ!!」
 ぐぐぐ…ぐぐ…しゅぽんっ!
 何かが狭い所から飛び出したような音がする。その瞬間、琴音は顔を蒼白にした。
「な、なんでっ…こんなの…」
 琴音は凍り付いた表情で食い入るように自分の手の押さえている部分を見つめている。そこは、両手で押さえきれないほどに大きく膨らんでいた。テントのように、一点を頂点として生地が張りつめている。
「………」
「そ、そんな」
 芹香が何かを短く言うと、琴音は悲痛な声を出した。
「…………」
「だ、だったら、最初から言ってくれるのが…」
 琴音は沈んだ声で言う。嘘をつかないタイプだが、説明が足りない事はある。故意にしろ、そうではないにしろ。
「…こっ。こんなのってひどすぎます…」
 かなりの長い沈黙の後、琴音は泣きそうになりながらも自らスカートに手をかけて、それを下ろしていく。その下に見える薄いピンクのショーツは、はち切れんばかりの膨らみを見せていた。
 芹香も全く同じようにスカートを下ろすが、もちろん芹香の恥丘はいたって普通の膨らみしか見せていない。ショーツも、何事もないかのように脱いでしまう。
「うっ…いや…こんなの…」
 だが琴音はそうもいかない。スカートを脱いだ時に比べれば3倍以上の時間をかけて、やっとショーツを下ろす。その下から、窮屈そうに押し込められていた巨大な肉棒が一気に飛び出した。固く勃起して熱を帯びたそれは、琴音の華奢な肉体と比べればあまりに不釣り合いだ。
 重そうに伸びているそれを引きつったまなざしで見ながら、琴音は床の上に身を横たえる。芹香はその横に回ると、琴音の身体とは逆向きになって覆いかぶさった。
「そ、そんなにじっと見ないでくださいっ…先輩…」
 視界が芹香の身体によってふさがれる。自分で見つめているのも恥ずかしいが、自分が見えないのに他人がじっくりと見ているというのはもっと恥ずかしい。しかも、芹香の目は覆いかぶさろうとしている時に不自然なほどうっとりとしていた。そんな目で異形の肉棒を観察されているのかと思うと、琴音はいたたまれなくなる。
 ちゅるん…
「ひやっ…」
 琴音はピクッ…と身体をひくつかせる。芹香の舌が、肉棒の先の部分を回すように舐めたのだ。
 ちゅるん……ちゅるん……
「う…あ…」
 味見をするように何度も舐められると、未知の快感がジンジンと伝わってきた。微細な一点をこねくり回されるのではなく、ある程度の大きさを持った部分を舌でこねられるというのは恐怖感に似た快感だった。相手に無防備な部分を晒しているという思いを強くしてしまう。自分が隠している所に相手が中へ中へと侵入してくるのなら諦めもつくが、今の状況はまるで触って欲しいと自分から敏感な部分を露出しているようなものだった。
 つつーっ…じゅる。
「っ…ふぅぅぅぅっ…!」
 芹香は口で思い切り肉棒を覆うことはせず、舌先を使って肉棒の一点一点を移動していくような刺激を加えてくる。琴音はいたぶられるような刺激に、背筋を通る快感をどんどん高鳴らせてしまった。そうすると、身体の中から肉棒に何かが流れ込んでいくような気がしてくる。
 初めの内は糸のように細い流れだったのが、次第に鉛筆くらいの太さになり、それと共に琴音は息苦しさのようなものを覚えていった。何かが吸い取られていくような気分だ。
「せ、先輩…くるしい…ですっ…」
「……………」
「えっ…えぇっ…」
 芹香が何かを告げると、琴音ははぁはぁと呼吸を乱しながら、目の前を呆然と見つめる。そこには、布地に覆われていない芹香のヒップがあった。
「はぁっ…はぁっ…んっ…」
 ちゅぷ…
 琴音はそこに顔を近づけて、芹香の恥丘に唇を押しつける。そして、ぐりぐりと中の粘膜の辺りまで口を押し進めると、
 ちゅうっ…じゅる…じゅるる…
 苦しげな顔をしながらそこを吸った。すぐに芹香の中からは透明な蜜がしたたって琴音の乾いた口の中を潤していく。その酸味がかった香りが口腔を満たしていくほどに、琴音は段々と息苦しさがなくなってくるのを感じていた。
 じゅる…じゅるっじゅっ…じゅるる…
 酸素ボンベでも求めているかのように、琴音は一生懸命になって芹香の蜜を吸う。それだけではなく、ふと思いついたかのように指を秘部に這い込ませると芹香の勃起した突起を撫でる。
「…………」
 琴音が生やされた肉棒とは比べ物にならないほど小さな部分だが、快感を産むという意味では勝るとも劣らない部分だ。芹香は凝縮された官能に腰をくねらせながら、ますます琴音の肉棒を大胆に舐め立てる。汗でぺったりと何本かの髪を額に張りつけながら、真っ赤な舌を操る芹香の顔は恍惚としたものになってきていた。
 じゅる、じゅる。
 琴音自身の努力にもよってますますあふれ返る芹香の蜜液に、琴音は息苦しさをほとんど感じなくなってきていた。何かが肉棒に流れ込む感覚は消えていなかったが、それが今度は甘美な快感に感じられてくる。琴音は肉棒に何かが蓄積されつつあるのを感じつつ、夢中になってべろべろと舌を動かした。
「くぅ…ううっ…うううっ…先輩…私…なんだかっ…」
 舌の動きは琴音も慣れたものだったが、普段している行為により近いぶん芹香の方が有利だった。芹香は顔色ひとつ変えずにフェラチオを続けているのに、琴音は声を出して最期を訴える。
 ちゅぽ、ちゅぽ、ちゅぽ。
 すると、芹香は琴音の肉棒をぱっくりとくわえこんで上下に顔を振った。生き物のような動きを見せる口腔に擦られ、琴音は瞬間的に追いつめられてしまう。
「い、いやああああ…私…私っ」
 琴音は芹香の秘部を舐める事を放棄し、快感に身を任せてしまった。
 …びゅびゅびゅっ! びゅっ、びゅく、びゅくぅっ!
 激しい勢いで脈動した肉棒からほとばしった白濁の液体。芹香はそれを、深々と肉棒をくわえこむ事で一滴残らず受け止めた。そして、嬉しそうに、本当に嬉しそうにそれを飲み込んでいった。
「はぁ…はぁっ…はぁぁっ…はぁ…」
 激しい運動の後のように琴音は放心状態になっている。
 ちゅうっ、ちゅうう…
 段々と縮み、琴音の身体の中に消えていきそうになる肉棒を芹香は追うようにして残った液体を求めようとした。
「う…うう…うっ」
 琴音は放出後の敏感な部分を刺激され、うめくような声を出す。
 そんな悲惨な絶頂でも、琴音に救いがあるとすれば、最近浩之を感じることができずに欲求不満になっていたということだった。芹香もまた、浩之を口の中に感じなくなって久しかった。
「………」
「はぁ…」
 お互いの思惑を感じているのかいないのか、二人は逆さまに絡み合ったまましばし動かなかった。



9/29
(ONE=To Heartのパクリ説をなんとなく思い出した土曜日の昼下がり…)
「…はぁっ…」
 浩平がモノを引き抜くと、茜は感極まったような声を出した。
「茜、すごかったな」
「こ、浩平だから…浩平だからです」
 未だ絶頂の余韻に身を震わせつつ、茜がつぶやくように言う。恥ずかしさと嬉しさの入り交じった茜の肢体も、二人の離れていた長い時の前では美しさすら感じさせた。
「茜…」
 浩平はどこか遠い目をしながら茜の事を見つめる。そして、茜のふとももの辺りをしばらくの間ずっと撫でていた。
「でも、私ばかり気持ちよくなって浩平は」
「あ?そんなわけないだろ、俺も…」
「私のしたいようにずっとしちゃいましたから…」
 確かに茜の乱れようは、茜の方が浩平の上にまたがっているのではないかと思うほどだった。が、浩平も同じように激しく茜を求めたのだし、不公平感など感じていない。
「浩平…」
 茜がベッドに横たえていた身を起こす。
「なんだ?」
「今度は、浩平の方が気持ちよくなってください」
 そう言うと、茜はベッドの上に座った姿勢の浩平に身を寄せてきた。二人で正座しながら向かいあっているような状態だ。しかし茜はその姿勢にとどまらず、さらに上半身を乗り出して前傾させてきた。
「お、おい、茜…」
「うまくできるかどうか、わかりませんけど…」
 そう言うと、茜は長い髪をかき上げて耳にかけた。そして、細い指をそおっと浩平のモノに絡める。
「茜…お前、結構大胆だな」
「え…そ、そうですか?」
 浩平が言うと、茜は浩平のモノを見つめていた顔をはっと上げる。
「普通、二回目でそんなことしないと思うけどな」
「そ、そう…そう…ですか」
 茜は珍しく動揺を見せて、ぎごちなく答えた。モノに絡めた指に入れた力を抜いて、それでも指を離すことはできず、どうしようかと戸惑っている様子だ。どうやら、ごく当たり前の事だと思って行為に臨もうとしていたらしい。
「あ、いや、やめろなんて言ってないぞ。淫乱でも茜は茜だからな」
「………」
 そこに加わった浩平的なストレート表現に、茜は沈黙してしまう。
「…どうした?」
「こ、こういうのするのって異常なんでしょうか」
「いや、30組に1組くらいは普通にやっていることなんじゃないか?」
「…………」
 茜は再度沈黙した。
「普通の女は嫌がるからな」
「………それは…男の子の方は、嫌がらないってことですか…?」
「当然すぎると思うぞ」
「………」
 茜はまだ精液の残っているモノを見つめながら、考え込んだ。
「…私は…」
 そして、妙に真剣な顔で言葉を吐く。
「…浩平が大好きですから…浩平の身体の部分も、浩平の中から出てきたものも、全部好きです…」
 自分に言い聞かせるような言葉だった。そして、茜は家族のために戒律を破る信者のような表情で浩平のモノに口を近づけていく。
「浩平…」
 そしてモノを眼前に迎えると、茜は唇をゆっくりと開いて。そろりと顔を浩平の股間にうずめていった。
 はぁ、はぁとモノに息がかかってくる。唇はモノの表面からわずかにだけ離されていた。浩平のモノはどんどん茜の口の中に吸い込まれていったが、まだ直接的には茜の口づけを受けていない。
 くにゅ。
「………!」
 そこに、浩平は突然腰を動かした。茜の唇と舌に、べとっと浩平のモノが密着する。
「ん…んぅ…」
 茜は目を白黒させていたが、やがて少しずつ唇と舌を動かし始めた。
「んっ…ん」
 ぢゅぅっ…
 深々とくわえこんだ浩平のモノの根元を、くっと唇でくわえてゆっくりとしごき上げる。それで溜まった精液を、舌でぺろぺろと舐め取って集め、唾液と一緒にこくんと飲み下していく。
「上手いんじゃないか?茜」
「………」
 浩平の評価に、茜は一瞬だけ心配そうに目を上げた。
 だが、すぐまた浩平のモノを愛し始める。精液をぬぐいとって掃除をするという段階はもう終わっていた。茜は一定のペースでモノを上下にしごき、舌をべろべろと動かしてランダムな刺激とする。もともと勢いが失われていなかった浩平のモノは、さっきのセックスの時より隆起しているように見えるほど大きくなってきていた。
「気持ちいい。茜の口、気持ちいいぞ」
「んっ…んっ…」
 茜は時間が経つごとに行為に慣れてきた様子で、舌だけでなく手も動かす余裕が生まれてくる。その手は当然のように浩平の袋の部分に向かい、赤ん坊を愛でるようなソフトなタッチで揉み上げていた。
「でもさ、お前苦いのは嫌いじゃなかったのか」
「………いえ」
 浩平がそう言うと、茜はちゅぽっと口を離して言った。一度顔を上げてよだれをぬぐい、また垂れてきた髪を耳に掛け直す。
「嫌いですけど…大好きな浩平のなんですから…すごく、おいしいです」
「そっか」
 浩平は茜の大げさな表現にも興味がないような声を出した。そしてベッドの横に置いてあったティッシュボックスから数枚のティッシュを抜き取る。
「…浩平?」
 茜が不思議そうに言った瞬間、浩平はいきなり茜の脚の間に飛び込むように顔を入れた。
「っ…!浩平、な、なにをするんですか」
「俺ばっかり気持ちいいんじゃ不公平だからな。茜、腰上げてくれ」
「そ、そんな」
「上げないんなら俺があげる」
 浩平はティッシュの玉を持った手で、茜の一番恥ずかしい部分を押し上げる。実際には前に押しているような状態になってしまったが、茜は慌てて腰を上げて膝立ちになった。不意の乱暴な快感に、身体が反応してしまったのかもしれない。
「よっと…」
 茜の股の下に頭を通してから、浩平は仰向けの姿勢になった。まるで茜が浩平に顔面騎乗しようとしているような状態になってしまう。
「こ、こんな格好は…ああっ!?」
 茜が羞恥を示した瞬間、浩平はティッシュの玉を茜の秘部に押しつけて、ぐりぐりとこすり始めた。
「あっ、あっ…浩平…いやです…」
「どうした?汚いから拭いてやってるだけだぞ」
「で、でもっ…くぅぅっ…」
 精子と愛の雫の混ざった液で満たされていた茜の性器を拭いていると、かなり多めのティッシュもすぐ水分を吸ってしまった。その粘液を吸ったぬるぬるとした部分で、茜は改めて性器の中を撫でられてしまう。狙いをつけているわけではない動きだったが、動いている部分があまりに大きすぎてピンク色の真珠の部分もひっきりなしの刺激を受けてしまう。
「ああああっ…ああああっ…」
 新たに生まれた快感の波に、茜は膝立ちの不安定な姿勢のままで身体を踊らせた。さらさらとロングヘアが揺れて、そのたびに茜は前髪を耳に掛け直す。その頻度は、茜の悶えが大きくなるほど増えていった。
 ちゅく…
 浩平は一度ティッシュの玉を離し、まだ乾いている部分で丁寧に秘部の中を清める。
 じわ…じわ…
「拭いてやったのに、また濡れてきてるな」
「こ、浩平が…」
「今度は俺も舐めてやるよ。茜も続きをしてくれ」
「え、え…」
 茜が不安な声を出した瞬間、浩平は頭を持ち上げて茜の秘部にキスをした。
「あああっ!」
 新鮮な雫があふれ出す秘部の中を、浩平は舌を大きく使って舐め上げる。
「っく…んあああっ」
 茜は喘ぎ声を上げながら、倒れ込むような形で必死に浩平のモノに顔を戻した。さっきとは逆向きになった肉棒を、何かにすがりつくようにくわえこむ。勢いで髪がまた前に垂れてきたが、今度はそれを直している余裕もないようだった。じゅぽっじゅぽっと音をさせながら、顔を上下に思い切り振って、快感から生まれてくる衝動に耐える。
「茜の、すっぱくてうまいぞ」
「んう…ふんんぅっ…」
「こんなにうまいなら、初めての時も舐めてれば良かったな」
「んっ…んんっ…」
 浩平が言う度に、じゅくじゅくと茜の中から熱い雫がほとばしってしまう。なぜそうなってしまうのかは茜には分からなかったが、とにかく恥ずかしかった。もっと舐めてほしいと言っているようで。もっとも、実際にはそれが真実だったかもしれない。
 その感情を隠すように、茜は目に涙すら浮かべて激しく頭を振った。もう前髪は目を隠すほどになってしまっているが、気にせず浩平のモノをしごきあげ、舌で先っぽを中心に舐め立てる。
「んんんっ!んふぅっ…」
 そうすると、浩平も同じくらい強い勢いで舐めてきた。最も弱い真珠が転がされると、全身の力が抜けるような気がしてしまう。
 浩平の事を思って何度となく自分の指でこすったそこが、本当に浩平の舌で舐められているのだ。している時には浅ましいと思ってしまった行為と妄想が、今では不思議なほど綺麗なものに見えていた。多すぎて処理に困っていた愛の雫も、全て浩平が舐め取ってくれる。茜は至福の感情に包まれていた。
「茜…一緒に、イケそうか?」
「…は…はいっ…!」
 浩平の声にも、茶化すような調子は消えてきている。だいぶ高まってきているようだ。
「よし…」
 その言葉を合図に、二人は再び互いの性器に口づけて、全力で刺激する。互いの最も弱そうな部分に目をつけて舌先で集中的に転がし、指は互いの性器の形状に合わせた部分を愛撫した。
「ひぅっ…くぅぅ…」
 茜は環状にした指で浩平の幹の部分をしごき…
「っっ……っ…」
 浩平は指を二本まとめて茜の中に入れ、ピストン運動を行っていた。
 二人の叫びだしそうな衝動と、口がふさがれている事による沈黙が不安定なバランスを取っている。そしてくちゅくちゅ、ぐちゅぐちゅという水音は部屋中に響いて、二人の心をいやらしく煽っていた。
「んっ…んぅ…」
「っ…んぉっ…」
 二人の身体はそれと分かるほどに緊張していた。絶頂は近い。
 じゅぽっ…
「こ、浩平ぃぃーっ!」
 そしてまさに達しようかという瞬間、茜は激情のあまりモノから口を離して叫んでしまう。
 …ビクンッ…ビクンッ…ビクンッ…ビクビクッ…!
 ぶびゅっ…ぶぴゅっ…ぴゅるっ…びゅっ…
 べとっ。ぺと…べとっ。
「………あ…ああ…浩平のが…」
 当然の帰結として顔面に叩きつけられた浩平の精液を、茜は恍惚とした顔で受け止めていた。本当に嬉しそうなその表情の前では、顔が汚されているという印象はない。むしろ、白濁の液によって彩られているようだった。
「茜…」
 ひくっ…ひくっ…と震えながら透明な雫を垂らす茜の秘部を、浩平は優しく撫でる。未だ敏感なその部分に弱めの刺激を加えて、茜の絶頂を心地よく長引かせてやる。
「んはぁっ…」
 つながり合うのとは違う交歓の形。今茜が迎えた絶頂は浩平のいなかった間にしてきた自慰の時の絶頂に近いが、感じている想いは全く違う。その幸せと切なかった毎夜の想い出を合わせて感じながら、茜は顔中のなまあたたかな感触を楽しんでいた。



9/15
 ぺろ。ぺろ…
「んあぅっ」
 郁未がまぶたを閉じて口を大きく開く。
 ちゅ…ぺろっ、れろっ…
「………!あ…あ…そ、そこ…」
 何かを求めるような、甘く切ない声。ふるふると顔を左右に振りながら、郁未は身体を震わせていた。
「気持ちいいのね?」
「き、気持ちいい」
 自分の上に乗った少女の声に、郁未は素直にうなずいていた。
 ちゅっ、ちゅっ、ちゅぅぅっ…
「あ、あっ!も、もっと…もっと、してっ…」
「こうされることが何よりの望みだったんでしょう?」
「………」
 郁未はかくかくと頭を縦に振る。
「それ以上に望む事もあるんじゃないの?」
「………」
 郁未が薄く目を開く。
 目の前には、郁未の上に乗っている少女のヒップがあった。何も身につけていない。少女のクレヴァスも、ごくごく近くにある。
「ほら」
 促されるかのように、少女は腰を落としてきた。もう少女の恥ずかしい部分は、郁未の口から数センチしか離れていない位置になっている。そこから少女の香りがした。
「ほら…」
 ちゅっ。ぺろぺろぺろ…
「んっ!んんーっ!」
 声と共に、再び攻撃が始まる。郁未は反射的に唇を押しつけていた。
「んっ、んっ、んっ」
 闇雲に唇を動かし、クレヴァスを割るように舌を出して中の粘膜を無茶苦茶に舐め上げる。しばらく経つと、郁未の舌は少女のかなり大きめのクリトリスに向かっていた。じゅるっ、じゅるっと唾液をたっぷりまぶすように舐め上げる。弱ってきたところで、ぐりっと強く転がして包皮をくるりと剥いてしまう。
「………」
 郁未は舌をべろんと出し、はぁはぁと息を荒くしながら少女のクリトリスを観察した。固く勃起して紅真珠色の部分が丸見えの、少女にとって最も隠すべき部分だ。そこを刺激されれば、どんなに清楚な少女であっても牝としての本能を目覚めさせられてしまうのだから…
 ぺろぺろっ。
 郁未の舌が、愛おしそうに少女のクリトリスを繰る。
「…くっ」
 どこか悔しそうな声がした瞬間、郁未の舌先に酸味の強い液体の味が触れた。
「んむぅ…んふぅっ」
 じゅるじゅる…じゅるっ。
 郁未は舌を少女のヴァギナに当てて、吐き出された少女のエキスを思う存分に舐めて味わった。さらりとした感触で、量が多い。一度あふれ出すと全く止まらないようで、郁未の口元はすぐべとべとになっていった。それでも郁未は夢中になって少女の興奮の証拠を味わっていく。
「ココ、好きなのよね」
「んん…」
 郁未は舌を動かし続けた。
「自分で舐めたくても、どうしても舌が届かなくて…仕方なく、指ですくってぺろぺろ舐めていたのよね?」
 じゅるじゅるっ。
 何も言わず、郁未は少女のヴァギナを吸い立てる。
「美味しいでしょう?あなたの愛液は」
「お…おいしい」
 郁未は舌を離し、理性を失った声でつぶやいた。
「思う存分味わいなさい、あなたの愛液と、あなたの舌を」
 ちゅっ。ぐりゅっ。ぐりゅぐりゅ。
「うああ…あっ、あっ」
 少女は再び舌を動かし始めた。郁未のクリトリスはもうとっくに露出させられて、少女の巧みな舌の攻撃にさらされている。身体の奥からはしたなくあふれ出す液体をとどめる事など、不可能だった。失禁したかのように自分の中から液体を漏らしているのを感じながら、郁未は自分も舌を動かし始める。
「ん…んんぅ!」
 郁未は口をぴたっとクレヴァスにつけて、好きなだけ少女の愛液を舐め、味わい、飲み干した。時折クリトリスも舌先に絡めて、そのくりくりと固い感触を楽しむ。郁未は、仮に一方的に少女へ奉仕をしている体勢だったとしても、自分がそうされたらという妄想だけで濡らしてしまっただろう。ましてや今は実際に少女の舌戯が郁未のクリトリスにも向いているのである。郁未の中の淫乱な本性には燃え盛る火がついてしまっていた。
 そう、少女は郁未の舌に連動させて郁未を責めているようだった。郁未がクリトリスを舐めれば少女もクリトリスを、ヴァギナを舐めればヴァギナを。それは取りも直さず、郁未が自分の性器を舐めている行為に他ならなかった。
「う…あ…あっ」
「イクのね」
 …くりゅっ、くりゅっ。
「ほら…ほら、イキなさい」
(だめっ…)
「我慢できると思っているの?」
(でもっ…)
 郁未の腰がピクッピクッと速いペースで痙攣し始める。郁未は少しでも少女の行為を阻害しようと舌を激しく動かしたが、少女はそれに連動して郁未のクリトリスを強烈に責め立てた。
(イ…イク…)
「ほら…ほらっ!」
「あ…あ…イクっ!私…イクっ!」
 ついに郁未が口を離し、絶叫する。
 全て見抜かれているというのは分かっていたのだ。郁未の抵抗は、爆発寸前の性感を限界まで押さえ込んで、狂おしい快感を感じたかっただけに他ならない。
「ほんと、救いがないほどいやらしいのね」
 しかし、それもやはり見抜かれているのだ。それを知っていて、郁未を言葉でも責めたのだ。
「う…ああっ、イクぅぅ…っ」
 少女の言葉を聞いた瞬間、郁未の性感のボルテージが突き抜ける。
 ビクビクビクッ!ビク…ビクン!ビクビク…
 郁未は若鮎のように激しく身体を躍らせて悶えた。背中をビクンビクンと反らせて、少女の顔に性器を何度も押しつける。それを、絶頂の波が続く間延々と続ける。
「はぁっ…!はぁっ…はあああっ…!」
 息も絶え絶えになりながら、それでも郁未は最高の快感を逃すまいと少女の口の刺激を自らの動きによって感じていた。
 ヒク…!ヒク…!
 そして絶頂が収まってきた辺りで、郁未の意識はブラックアウトしていった…

「………」
 ただ無言で見つめ合う。
 郁未も少女も、きちんと服に身を包んでいた。一瞬前までの痴態の様子など、カケラも感じさせない。身体も興奮している様子はない。
「………」
「なにか言ってよ…」
「………」
「なにか言ってってば…」
 郁未の震えた声。
「………」
 蔑んだ眼。
 痛い。
「なんとか言ってよおぉっ!」
「………」
「…今したことをよく反芻してみることね」
 それだけを言い残し、郁未と同じ姿をした少女は消えた。


7/9
「あ、あ…ご主人様、すごくお綺麗です」
「別の呼び方にしてください…そう、『弥生さん』で構いません」
「弥生さん…それでよろしいんですか?」
「ええ」
 長い髪を軽くかき上げながら、弥生は言った。広々とした寝室に、落とし気味の照明。むしろ挑発的な色彩の下着を纏っていた方が、弥生の姿が映えるかもしれない。
 しかしそれは既に脱ぎ払われて、弥生は張りのある肌を露わにしていた。つやのあるロングヘアーが、滑らかなヴェイルのように一部を覆っているだけである。
 その豊満なボディに比べれば、マルチはまるでどこからか迷い込んだ少女のようにしか見えない。もちろん、持ち主が服を身につけていないのにメイドロボットが身につけているという道理もなく、マルチも恥ずかしげに小柄な体躯を示していた。
「あ、あの、そしたら」
「そうですね」
 マルチの声に応じて、二人は大きなダブルベッドに上がる。
「わっ、はわわっ」
 スプリングの利いたベッドに転げそうになりながらも、マルチは何とか直立した。一方の弥生は、極めて平静にマルチの事をじっと見つめている。
「え、ええっと、弥生さんは横になってください」
「わかりました」
 弥生はゆっくりと身体を屈折させて、ちょうど枕に頭が乗るような形で身をシーツの上に横たえる。マルチもそれに従うように身を屈めて、弥生の脚の間に割って入っていった。
「あの、ご奉仕させて頂きます」
「あなたも…」
「えっ?」
 マルチは一度下げかけた顔を上げる。
「こう…脚を、私の方に向ける形で乗ってみてください」
「え…でも、そうしたら」
「いいですから…やってみてください」
「は、はい」
 マルチはぎごちなく体勢を変えて、弥生の身体に逆向きに覆いかぶさるような形を作った。
「重くないですか?」
「大丈夫です…もうちょっと、身体を私の方に近づけてください」
「で、でも」
「いいですから」
「は……はい…」
 マルチはずりずりと弥生の顔の方にずれていく。その状態になれば、弥生の眼前に恥ずかしい部分がさらけ出されてしまうのは避けられない。
「あんまり見ないでくださ…ぁっ!?」
 がしっ、と脚が掴まれたと思った瞬間、秘部に生暖かい感触が走った。
「そ…そんな!それは、私の仕事ですぅっ…ひうぅっ」
 弥生の舌が割れ目の間に侵入してくる。マルチは顔をぶんぶんと振って、髪を振り乱しながら叫んだ。しかし、無理矢理に弥生から逃れたりする事はできない。主人の行為を甘んじて受け入れるのは鉄則なのだ。
「あ、そこわ、そこわっ…だめぇ…ですっ!ひぃっ、そこは、一番…」
 マルチは身体をぶるぶる震わせながら行為の産み出す快感に耐えていた。そして透明な雫がマルチの身体の奥からあふれ出た瞬間、マルチは呆けた表情になったが、
「あっ…わ、私、すいませんっ!自分の仕事もせずにっ…」
 それがきっかけで我に返り、慌てて弥生の秘裂に唇を押しつける。
 意外と繊細な構造を維持しているその部分を、マルチは優しいタッチで舐め上げていった。弥生の強烈な舌の動かし方につられてしまいそうになりながらも、あくまで大切に快感を膨らませていくような丁寧なタッチを心がける。
「………!」
 弥生は舌を動かしたまま、声無き声を上げた。それほどの快感では無かったはずだが、弥生はぴくぴくと脚を震わせて敏感に反応する。
「あ…弥生さんも、気持ちよくなられていますか?私、嬉しいです…」
「…気持ちいいですから…しばらく、何も言わずに続けてもらえますか…」
「は、はい、すいませんっ、無駄な事を言ってばかりでっ…!」
 マルチは再び行為を開始する。ぺちゅ、ぺちゅという水音が次々に生まれた。やや焦りが生じたためか、繊細さは少々失われているかもしれない。だが、弥生はどんどん頬を紅く火照らせ、全身にうっすらとした汗を浮かばせていく。
 じゅわ…
 液体があふれるのも、あっという間だった。時間で言えばマルチよりも早かったかもしれない。そして、マルチとは違って半透明で酸味の強いそれを、マルチは愛おしそうに舐め上げた。
「あ、ありがとうございます…私…」
「そ…」
 マルチは思わず返事しそうになったが、さっきの弥生の台詞を思い出して黙り込む。
「ここ、とろとろになっちゃっていますね…」
 弥生は言葉を続けて、マルチの液体のあふれ出てくる部分を指先でくすぐった。夢見るような視線が、無垢ながらもぐっしょりと濡れそぼった秘裂に向けられている。
「気持ちいいですか…私の指…」
 マルチは腰をくねらせてそれに応える。そうしながら、弥生の粘膜を強く吸い上げた。
「はぁっ…上手…ですね」
 弥生が感極まったような顔になる。それをマルチが見る事はできなかったが、満足している様子は感じ取り、同じ行為をひたすらに続けた。その吸い立てる位置も段々と動かしていき、ついには膨らみきった突起に照準が向けられる。
 つんっ…
『!』
 弥生がマルチのそこを指先でつついたのと、マルチが舌先でつついたのは同時だった。一瞬、互いの身体が強烈に反応し合う。
「一緒に…なりましょう」
 つぶやく。そして、再び弥生もクンニリングスを再開した。ねっとりと濃厚な口唇の愛撫に負けそうになりながらも、マルチも必死で突起を重点に置いた舐め上げを繰り返す。やがて二人の性感はぎりぎりまで高められていった。
 マルチの秘部は既にひゅくひゅくという小さな痙攣を開始しており、状態を余すことなく弥生に知らしめていた。弥生も、もはや身体の中心に集まった欲望の結晶が融解するのを押しとどめられなくなったのを自覚している。
 ぐちゅっ。ぐちゅ、ぐちゅっ!
 弥生が愛液をかき回すような強い舌の動きを加えた。マルチもそれに応えて、がむしゃらな舌戯を行う。二人とも、五秒と持たなかった。
「…さんっ!」
 ビクッッ!
 そして二人の絶頂が合一した。
 びくん…びく、びくん
 痙攣の余韻を感じつつ、弥生はしっかりとマルチの脚をつかんで離さなかった。目は閉じられている。知性のゆるみの間に、弥生の幸せそうな、あるいは口惜しそうな表情が浮かんだ。


6/28
 ぬちゅ…
「あ…」
「……」
 同時に二つの水音が生まれ、くぐもった声もまた二つ生まれる。
 ぺろっ…ぬちっ、ぬちゅっ
「あっ…舞、いいっ」
「……」
 佐祐理は舞のヒップを思い切り抱え込むようにして、秘部に差し込まれた舞の舌がもたらす刺激に耐える。一方の舞は、黙々と佐祐理の感じる部分を舌全体でなで回していった。長身の舞が上になっているという事もあり、やはりどこか舞によって佐祐理が押さえ込まれている形に見える。
 舞の舌は無遠慮に動いているように見えて、佐祐理の秘部を知り尽くしている知識をいかんなく発揮していた。この位強い刺激をした方が佐祐理は悦ぶのだ。もちろん、元々佐祐理が敏感であるから。
 早くも舞が指を狭い部分に差し入れると、熱く粘った液体が出てきていた。
「ふあ…舞」
 佐祐理は腰を引こうとするが、舞の体重が乗っている状態では動かす事もできない。舞の細長い指は、段々と奥深くに侵入していった。
「きっ…きついよ、舞…抜いて」
「佐祐理、舌が止まっている」
「あっ…あ、ごめんねっ、舞」
 佐祐理はふぅっ…と息をはき出してから、舞の秘部に再び口づける。
「ひうっ」
 しかし、舞が攻撃の手を全くゆるめないため、うまく舌を使うことが出来ない。唇を押しつけたまま、それをぐいぐいと動かす単調な動きに止まってしまう。
 その熱っぽいキッスは舞の心を高ぶらせたが、快感を感じるという点においては十分ではなかった。
「佐祐理…」
「な、なにっ?舞」
「ここ…ここを、吸って」
 舞は佐祐理のクリトリスに重点的な愛撫を加える。
「きゃぅっ…こ、ここっ?」
「そ、そう…そこ」
 ようやく痺れるような強い刺激を感じて、舞は身体の奥に溜まっていた感情が抜け出ていくような感覚を覚える。
「ん…んんっ、んっ」
 佐祐理は無我夢中でその部分を吸い立てた。ちゅっちゅっという大げさな音を立てながら吸われるのは、単純ではあるが十分に快感である。舞の方は、突き立てた指をヴァギナの中で曲げて中をこする動きと舌であちこちを刺激する動きを組み合わせていた。
 強弱もつけられた巧妙な性戯に、佐祐理の限界が近づいてきているのは佐祐理がどんどん吸い立てる力を強くしている事からもわかる。
 舞は左の手を自分の乳房に当てて、佐祐理の身体と密着している先端の部分を何とか刺激する事で限界を早めようと試みる。だが、間に合わなかった。
 きゅぅっ…と佐祐理が脚と脚を縮めたと思うと、佐祐理の身体がビクッと震える。
「佐祐理…」
「あ…あ…」
 口を舞の秘部から離し、完全に呆けた声を上げながら、佐祐理は何度も何度も腰を舞の顔に向かって突き上げた。佐祐理の秘裂が押しつけられて、舞の顔は愛液でべとべとになる。
「……」
 そして、ついには力つきて佐祐理の身体はぐったりとしてしまった。
「佐祐理?」
 顔についた愛液を拭きながら、舞は問う。
 返事は無かった。
「佐祐理」
 舞が腰を引き、身体を持ち上げて振り向くと、佐祐理は荒い息をつきながら目を閉じている。気絶してしまったのだ。
「佐祐理…」
 舞はやや不満足そうな顔をしながら、馬乗りの姿勢のまま佐祐理の秘裂の辺りに自分の腰を動かしていった。前屈姿勢になると、わずかに秘裂と秘裂が接触する。
 その体勢で、舞は自分のクリトリスに指を当てながらくいくいと腰を前後に移動させ始めた。髪の毛をリズミカルに揺らしながら腰を動かすその動きは、寡黙であるがゆえに淫乱の様相を強く見せている。
 ちゅぷちゅぷという小さな水音は、舞自身の部屋にずっと響いていった。




5/29
 ぺちゅっ、ぷちゅ、ぐぢゅっ…
 淫靡な水音がハーモニーを奏でる。
 なぜなら、ここにいる少女達はシックス・ナインに励んでいるからだ。
 くりゅっ…
「ひっ」
 クリトリスを舐められた。下になっていたあゆが小さな声を上げる。もちろん、その間舌の動きの方はおろそかになってしまう。
 くりゅくりゅ、くりゅっ…
「………!」
 間断無き舌の攻撃に腰をぴくつかせながらも、あゆは懸命に佐祐理の秘部に舌を割り入れて闇雲に動かした。佐祐理はぎゅっと目を閉じ、眉をしかめてその刺激に耐えながらも、一度捉えたあゆの幼い突起を執拗になめ回して離さない。
「あ、あ」
 あゆがまた舌の動きを止めた。その機に、佐祐理は半開きに目を開けて人差し指をあゆの中に勢い良く挿入する。
 つぶっ…
「ううーっ!」
 もはやあゆの意識は朦朧として、佐祐理の秘裂を舐めるどころではなくなっている。佐祐理のクンニリングスは、恐ろしく上手かった。
「だ…だめ…」
 あゆが観念しても、佐祐理は容赦ない舌の動きを全く緩めようとしなかった。尋常ではなく大きな波があゆの細腰に迫ってくる。
「…ああっ!」
 びくんっ!びくん、びくんっ!びくんっ!
 その瞬間、あゆの全身が激しく痙攣した。指が挿入されていたにも拘わらずヴァギナの隙間からは愛液がほとばしり、佐祐理の頬を濡らした。
 ヴーッ…ヴーッ…
 そして、低い音のブザーが鳴り響く。同時にプシューという空気音がして、壁の一部が開く。佐祐理の後ろの方に部屋の出口ができていた。
 佐祐理は立ち上がり、気絶したようになってぴくぴくと震えるあゆを見下ろした。良く見ると、二人とも剃られたように秘部がつるつるとしている事がわかる。
「ご、ごめんなさい…佐祐理は、ここから出て、会わなきゃいけない人がいるんです…」
 小さく頭を下げながら、佐祐理は部屋から出ていく。
 佐祐理が部屋を出た瞬間、また空気音がする。それは佐祐理の出ていった出口が閉まった音であると同時に、逆側に入り口が出来た音だ。
「あ…あゆちゃん!?」
 それは聞いた事のある声だった…
「な、名雪さん…」
 倒れたままの姿勢であゆはつぶやく。
 やがてあゆの視界に入ってきたのは、果たして全裸の名雪の姿だった…。無論、秘部にはわずかなヘアすら生える事を許されていない。
「い、いやだよ…ボク、名雪さんとこんな事したくないよ…」
「………」
「ねぇ、名雪さんもそうでしょっ!?ねぇ、答えてよっ!」
「ご、ごめん、あゆちゃん…私…ここから出るの…家に帰るの…」
「名雪さんっ!?」
 絶望的な声。
「ごめんね…本当にごめんね…」
 泣きそうな声。同時に、ピピッ…と電子音がどこからともなく響く。さっきのブザーから、きっかり30秒後だ。
 名雪はかがみ込んで、倒れ込んだあゆの秘部に思い切り顔を近づける。
 ぬち…
「いやっ!」
 舌が秘裂に侵入してくる。絶頂を迎えたばかりのあゆにとって、それは激烈すぎる刺激だった。
 佐祐理に比べれば稚拙な動きなのは否めない。しかし、身体は興奮しきっており、愛液もたっぷりとあふれ返っているのだから、あっという間に快感の渦が巻き起こってくる。それを知ってか知らずか、名雪の舌は最初からピンピンに膨れ上がったクリトリスを責めていた。
「だ、だめ…ボク、またイッちゃうよぉっ!」
 快感のボルテージが下がりきらないうちに刺激を受けているのだ。あゆは、すぐに絶頂の崖っぷちまで追いやられてしまう。必死で踏みとどまろうと耐えるが、名雪の攻撃が続く限り時間の問題なのは明らかだった。
「ゆ、許して、名雪さん…ボク、これでイッちゃうと『三回目』だから…だめ…なの…」
 名雪は聞こえていないとばかりに指をヴァギナに突き刺す。
「ああっ!だめ!な、名雪さん、助けてっ!一緒にここから出ようよっ!」
 あゆの腰がひゅくひゅくと震え始める。あゆは最後の坂道を一気に押し上げられていく。もはや、名雪が舌の動きを止めても絶頂を避ける事はできないだろう。
「ボ、ボク…イっちゃううっ…!」