(12/6の続き)
「佐藤先輩…」
「…!?」
ぐったりと廊下の床に崩れ落ちそうになった雅史の耳に、聞き慣れた声が飛び込んでくる。
「こ、琴音ちゃんっ…」
恐る恐るに顔を上げた雅史の視界にあったのは、果たして琴音の姿だった。浩之の部屋にいた時と全く変わっていない。一糸纏わぬ肢体も、その足の付け根から確実な勃起を見せている肉棒も…
そして琴音は一人ではなかった。
「く、来栖川先輩もっ…?」
「姉さん…」
じゅぷっ…
「あうっ」
綾香が言いながら腰を引くと、雅史は不意の刺激に小さくうめく。
「こ、これは…どういう…」
まだ物が挟まっているような秘部の感覚に眉をしかめながらも、雅史は芹香に問うた。リビングからちらっと見たときとは違い、裸の上にマントの状態である。
ただし、芹香の裸体はごく普通の少女のままだった。幸いと言うべきか、この状況下ではもはやほとんど意味はないと言うべきか。平気で雅史の前に秘部を晒している事を考えると、まともな判断力を失っているという意味で綾香や琴音と同じと言えるかもしれない。
「…………」
「え? あの、もう少し大きな声で…」
「ごめんなさい、だって」
綾香が通訳した。
「え、えっと、どうしてこうなったのか、どうやったら治るのか、状況を教えて欲しいんですけど…」
返ってくる答えが怖かったが、雅史は訊く。
「魔力を集めるための実験だったそうです」
応じたのは琴音だった。
「で、でも、なんでそのために僕が…こんな、身体になんなくちゃ…」
雅史は言いながら顔が赤くなってくるのを感じる。しかしどうにも身の隠しようはなかった。綾香に突かれていた姿勢のまま、ぽつぽつと言葉を続ける。
「ほんとうは、こうなっちゃうはずじゃなかったらしいんですけれど…」
「…………………」
「琴音ちゃんが、佐藤君にもっと積極的に責めて欲しいから姉さんにお願いして…」
「そ、そういうわけじゃっ!」
綾香の通訳を琴音が慌てて遮った。
「た、ただ、クリスマスに佐藤先輩と一緒になれたらうれしいなって…でも、みんながいるのにこのお家の中でするのって恥ずかしいですし…パーティに出ているみんなが、ちょっと酔っぱらっちゃったみたいな感じになったらいいなって…」
「きょ、今日は僕の家誰もいなかったのに…」
「え、えっ? そうだったんですか?」
「……うん」
雅史は全身から力が抜けるような心地になりながら首を縦に振っていた。普通の状態の時に、雅史が自分の家に琴音を呼ぶ勇気があったかどうかはわからないが…初体験も、琴音の部屋だったのだから。
「で、それが魔力を集める実験にもなっていたから、一石二鳥って事だったわけね」
こく。
芹香がうなずく。
「ところが、集めなくちゃいけない魔力を大きく設定しすぎて、まだ全然足りてない…そんなとこかしら?」
こくん。
「綾香さん、鋭いですね」
「伊達に長年妹やってないわよ」
「か…軽く言わないでくださいよ…僕は、どうしたら…」
「もっと佐藤君を気持ちよくさせたらいいんじゃないの?」
「あ、綾香さんっ!?」
雅史の引きつった叫び。
「ええ、そうらしいです」
それを軽く流し、琴音は芹香の方を見ながら答えた。
…すると、ポッと芹香が顔を赤らめる。
「それが術を使った人と一緒になると、もっといいらしいですよ」
「じゃあ姉さんと佐藤君が一緒にイッちゃえば一番いいってこと?」
「正解です」
琴音は芹香の横から抜け出して、綾香の方に歩いていった。
「ちょ、ちょっとっ…琴音ちゃんっ…! そ、そんなのっ…」
自分の体の後ろに回り込もうとしている琴音に、雅史は必死に訴えかけた。だが琴音は全く意に介さず、綾香の横に並ぶ。
「綾香さんはさっき楽しんだんですから…私にさせてくださいね」
「琴音ちゃんだって、雅史君の中に入れたんでしょ? しかも初めての時に」
「佐藤先輩と私、恋人なんですよ? それなのに、綾香さん勝手にしちゃって…」
「…そうだけれどね」
「ふ、二人とも、そんな勝手にっ…あっ!」
後ろを向いていた雅史。その視界の端が、すぅ…とかげった。
「く、来栖川先輩っ…」
目の前に迫った秘裂から視線を上げていくと、芹香の身体が、そして欲情を映した芹香の瞳が雅史の目を奪う。琴音と同じくらいスレンダーでいて、豊満であるべき所は十分に発達している魅力的な肉体だ。芹香はそのどこをも隠さずに、雅史の目の前を支配していた。焦点のぼやけ気味の瞳は、あふれんばかりの性の欲望をふるふると雅史に訴えかけてきている。
「………」
芹香が、雅史に聞き取れない何かをつぶやいた。
「いきますよ、佐藤先輩っ…」
琴音の華奢な手が、がっしりと雅史の腰をつかんだ。
「あ…あっ…」
雅史に出来た事は、判断停止のかすれた声だけで…
…ぬちゅぷっ。
ぐに…
「んんんっ…!!」
ドロドロになった部分に固い物が侵入してくるのと、雅史の顔に柔らかな恥丘の膨らみが押しつけられたのは同時だった。
ぬちゅるっ、ぬちゅっ、ぬちゅ…
「んっ…んーっ…」
「佐藤先輩の中、すっごいぬるぬるしてます…」
「んん…んん…」
雅史はハイペースの琴音の抽送に、快感の曲線をぐんぐんと上げながら声を漏らす。雅史の柔壁は、もう固く熱い侵入物を悦んで受け入れられるようになってしまったようだった。綾香のモノよりは小さいが、小さいなりにあちこちをぐりぐりとこすり立ててくる。琴音の小柄な身体はネコのようにすばしこく動き、雅史の身体を蹂躙していた。
ぐに…ぐにっ
「んふっ…んんう…」
芹香はいつまで経っても責めてこない雅史に、腰をより強く押しつけて上下左右に動かす。
「ほらっ、佐藤君…姉さんもイカせてあげないと、何度イッても終わらないわよ」
「んっ…んうーっ…!」
綾香は雅史の身体の横に回り込んで、胸の微細な乳頭部分を指でふにゅふにゅと転がしてきた。決して強い刺激ではないが、頭の先からつま先まで犯されているかのような感覚がじわーっと雅史を満たしていく。
「んっ…んふぅっ…!」
ぬちゅ…
「………!」
興奮が芽生えてきたのか、雅史が舌を芹香の秘裂の間に割り込ませる。芹香は一瞬顔をしかめてから唾をこくりと飲み込んでいた。
ぬちゅ…ぬちゅ…ちゅく
「………っ………」
芹香は口を半開きにして、腰を強く押しつけたまま腰をグラインドさせる。雅史はゆっくりと移動する芹香の秘部を追いながら、丁寧に舌で舐め上げていった。自分がさっき自慰をするときに発見してしまった敏感な突起を、集中的に舌の先で転がし続ける。
じゅぷっ、じゅる…じゅぐじゅぐ
「ん…んんん…」
雅史はそれを極力慎重な動きにしようとしていたが、琴音の激しいストロークの連続に段々コントロールできなくなってきたようだった。芹香の大切な部分に舌をべったりと当てて、べろべろと動物のように舐める動きになっていく。舌の真ん中に小粒の箇所が引っかかるのを感じながら、琴音の腰使いと同じくらいの勢いで芹香に口唇での奉仕を行う。
「……………!!」
芹香が目を閉じて天井を仰いだ。
ちゅぷ…
雅史の舌の上に、酸味を帯びた液体があふれ出す。生まれて初めて味わうそのエキスを、今の自分も分泌しているはずのそのエキスを、雅史は従順に舐め取っていった。そうすればするほどに芹香の愛液は量を増し、雅史の舌が舐め取れないほどになっていく。
ちゅる…ちゅく
綾香の出した液体がそのままだから分からないものの、今の自分もそうなっているのだろうか?
そう思うと、自分の体がじゅくっと熱い液体をにじませてしまったような気がした。
じゅぐっ、じゅぐ…じゅぐ
「んふ…んっ、んっ」
雅史はさらさらの前髪を芹香の下腹部に押しつけながら頭を左右に動かす。もう雅史の快感も爆発に近づいてきたようだ。
「…琴音ちゃん、ストップ!」
「え…?」
綾香の鋭い声に、感極まったような顔で雅史に覆いかぶさっていた琴音が動きを止める。
「え…何、このロッド?」
「そんな…私、もうすぐだったんですよ…」
「そうしなきゃいけないって姉さんが言うんだったら、しょうがないでしょ。佐藤君の中で一回ずつしてあげたから、おあいこでいいじゃない」
「………」
ぬぷ…
琴音が肉棒を雅史の中から引き抜いた。相変わらず顔を芹香の秘部に覆われている雅史は、何が起こっているのかよくわからない。ロッドというのが何を指す単語なのか、雅史は記憶の中を探ったが正解は見あたらなかった。
「でも、私にさせてくださいよ」
「…ま、いいけれど。それより、琴音ちゃん、こうやって…」
「わぁ…なんだか、すっごくエッチですね」
琴音がそう言い…
…ぬぢゅぅぅ…
「っ!?」
雅史の中に、巨大な何かが侵入してくる。
「んーっ! んんっ!」
綾香のモノよりも、さらに大きくて固かった。そして、入ってきた部分の一番先だけが物凄く熱い。
ぬぢゅっ、ぬぢゅぅぅ…
「んんー、んんっ! んっ!」
雅史は悲鳴を上げそうになったが、芹香は雅史の頭を押さえ込んでクンニリングスを止めることを許そうとしなかった。
ぬぢゅっ、ぬぢゅっ…
「んっ、んっ、んんっ!?」
観念した雅史がまた舌の動きを再開すると、侵入してきた何かもまた前後の運動を始める。ところが中が裂けてしまいそうに大きいのに、熱い部分が雅史の中をこするとビリビリと痺れるほどの快感が生まれ始めた。
「んっ、んふぅぅ、んんーっ! んっ、んーっ、んーっ!」
雅史は抗えない官能の連続に衝き動かされ、メチャクチャに舌を動かす。芹香はその雅史の奉仕に、かくんかくんと性交しているように腰を押しつけてきた。雅史の顔を強い圧迫が襲い、息苦しさが生まれる。雅史の顔は少女の欲望を溶かした液体でべとべとになっていた。
ちゅる…べろっ…べろべろっ…ちゅく
ぬぢゅっ、ぬぢゅっ、ぬぢゅうぅぅっ!
「んっ、んっ、んうううーっ!!?」
雅史は芹香の身体にしがみつくようにして、全身を硬直させ…
ビクンッ、ビクンッ、ビク…ビク、ビクッ!
芹香と一緒に、少女の肉体を思い切りわななかせて絶頂に達してしまっていた。
びゅびゅっ、びゅびゅびゅるるっ、びゅびゅ、びゅっびゅるる…
どこからか自分の体になまあたたかい液体が大量に掛けられるのを感じつつ、雅史はまた意識を暗転させていた…
「うー…頭痛いわ…あんまバカして飲むんやなかったな」
「アタシも…こんなに遅くなっちゃったらDadに怒られちゃうヨ…」
「ふーっ…ビールやチューハイと違って、ワインってきっついのね…松原さんが30分で寝ちゃったのを見たときはまだまだアマイとか思ってたけど…これじゃあたしも人の事言えないわー…」
「ど、どうしよう…こんな時間になっちゃって、お母さんに怒られちゃいます」
「もうこんな時間! 良太達、心配してるだろうな…お酒なんて飲むの初めてだったから、こんなに眠くなっちゃうなんて思わなかったよ…」
「綾香さん、芹香先輩あっちにいましたよ」
「あ、ありがと琴音ちゃん。参ったなー…あのワイン、あんなに強いのだなんて思わなかったから…長瀬さん、目が三角じゃ済まないでしょーねー」
「あ、あれ…浩之ちゃん…?」
「えっ…おっ、おいっ!? あかり、これはどういう事だっ!?」
「ど、どういうって…わ、私も…ひ、浩之ちゃん、これはどういう…」
「俺はやってねーぞ! 知らねーっ!」
「私だってっ…知らないよぉっ…」
「た、確か、今日は12月24日だよな」
「う、うん…」
「俺ん家でパーティだったよな」
「うん…」
あかりは周りをきょろきょろと見て、自分達が間違いない浩之の部屋にいる事を確認する。
「ワイン飲んで…それで…それで…覚えてないな…そしたら…」
「………そうしたら…それで、浩之ちゃんで…私が…」
きゅ…
「うわっ! お、お前締めるなっ!」
「ご、ごめんっ…!」
「き、きついんだよっ…力抜けっ…」
浩之が腰を後ろに引こうとする。
「で、でも…どうやったらいいのか…」
きゅ、きゅぅ…
「あかり、お前かえって締めてるぞ!」
「ご、ごめんなさいっ!」
雅史はたどりついた自分の部屋のベッドにがっくりと倒れ伏していた。
「………」
体力的にはともかく、精神の方は部活で朝から晩までみっちりしごかれた時よりも疲れ果てている。家まで帰ってくる間に何度も転びそうになったほどだ。
あの後、雅史が気を取り戻すと…藤田家にいる人間は全員気を失っていたのだ。芹香も綾香も琴音も、全員服を脱いだまま廊下に寝転がっていた。その身体はみんな普通の少女の物に戻っており、行為の痕跡を感じさせる体液のような物は綺麗さっぱり消えていた。
雅史の身体も、ちゃんと元に戻っていた。
そしてリビングにあった自分の服を身につけると、雅史は家中を回りながら裸で倒れ伏していた皆に服を着せていったのだ。浩之とあかりだけは例外だったが。
いつ裸の女の子が目を覚ますかと恐怖しながら雅史はその難儀な作業を終え、逃げるようにして藤田家のドアを開けた。
その時…芹香がちょうど目を覚ました。しどろもどろになる雅史に、芹香は全員記憶が飛んでいるはずだという事を告げた。
それを聞いて、最低限の安堵を得てから雅史は誰もいない自分の家に帰ってきたのだ。
「はぁ…」
雅史の前にある目覚まし時計が、24時を指そうとしている。
「メリー…クリスマス…」
ほとんど自虐的にそうつぶやきながら、雅史はとんでもないクリスマス・イヴの幕を閉じていった…
「佐藤先輩…」
「…!?」
ぐったりと廊下の床に崩れ落ちそうになった雅史の耳に、聞き慣れた声が飛び込んでくる。
「こ、琴音ちゃんっ…」
恐る恐るに顔を上げた雅史の視界にあったのは、果たして琴音の姿だった。浩之の部屋にいた時と全く変わっていない。一糸纏わぬ肢体も、その足の付け根から確実な勃起を見せている肉棒も…
そして琴音は一人ではなかった。
「く、来栖川先輩もっ…?」
「姉さん…」
じゅぷっ…
「あうっ」
綾香が言いながら腰を引くと、雅史は不意の刺激に小さくうめく。
「こ、これは…どういう…」
まだ物が挟まっているような秘部の感覚に眉をしかめながらも、雅史は芹香に問うた。リビングからちらっと見たときとは違い、裸の上にマントの状態である。
ただし、芹香の裸体はごく普通の少女のままだった。幸いと言うべきか、この状況下ではもはやほとんど意味はないと言うべきか。平気で雅史の前に秘部を晒している事を考えると、まともな判断力を失っているという意味で綾香や琴音と同じと言えるかもしれない。
「…………」
「え? あの、もう少し大きな声で…」
「ごめんなさい、だって」
綾香が通訳した。
「え、えっと、どうしてこうなったのか、どうやったら治るのか、状況を教えて欲しいんですけど…」
返ってくる答えが怖かったが、雅史は訊く。
「魔力を集めるための実験だったそうです」
応じたのは琴音だった。
「で、でも、なんでそのために僕が…こんな、身体になんなくちゃ…」
雅史は言いながら顔が赤くなってくるのを感じる。しかしどうにも身の隠しようはなかった。綾香に突かれていた姿勢のまま、ぽつぽつと言葉を続ける。
「ほんとうは、こうなっちゃうはずじゃなかったらしいんですけれど…」
「…………………」
「琴音ちゃんが、佐藤君にもっと積極的に責めて欲しいから姉さんにお願いして…」
「そ、そういうわけじゃっ!」
綾香の通訳を琴音が慌てて遮った。
「た、ただ、クリスマスに佐藤先輩と一緒になれたらうれしいなって…でも、みんながいるのにこのお家の中でするのって恥ずかしいですし…パーティに出ているみんなが、ちょっと酔っぱらっちゃったみたいな感じになったらいいなって…」
「きょ、今日は僕の家誰もいなかったのに…」
「え、えっ? そうだったんですか?」
「……うん」
雅史は全身から力が抜けるような心地になりながら首を縦に振っていた。普通の状態の時に、雅史が自分の家に琴音を呼ぶ勇気があったかどうかはわからないが…初体験も、琴音の部屋だったのだから。
「で、それが魔力を集める実験にもなっていたから、一石二鳥って事だったわけね」
こく。
芹香がうなずく。
「ところが、集めなくちゃいけない魔力を大きく設定しすぎて、まだ全然足りてない…そんなとこかしら?」
こくん。
「綾香さん、鋭いですね」
「伊達に長年妹やってないわよ」
「か…軽く言わないでくださいよ…僕は、どうしたら…」
「もっと佐藤君を気持ちよくさせたらいいんじゃないの?」
「あ、綾香さんっ!?」
雅史の引きつった叫び。
「ええ、そうらしいです」
それを軽く流し、琴音は芹香の方を見ながら答えた。
…すると、ポッと芹香が顔を赤らめる。
「それが術を使った人と一緒になると、もっといいらしいですよ」
「じゃあ姉さんと佐藤君が一緒にイッちゃえば一番いいってこと?」
「正解です」
琴音は芹香の横から抜け出して、綾香の方に歩いていった。
「ちょ、ちょっとっ…琴音ちゃんっ…! そ、そんなのっ…」
自分の体の後ろに回り込もうとしている琴音に、雅史は必死に訴えかけた。だが琴音は全く意に介さず、綾香の横に並ぶ。
「綾香さんはさっき楽しんだんですから…私にさせてくださいね」
「琴音ちゃんだって、雅史君の中に入れたんでしょ? しかも初めての時に」
「佐藤先輩と私、恋人なんですよ? それなのに、綾香さん勝手にしちゃって…」
「…そうだけれどね」
「ふ、二人とも、そんな勝手にっ…あっ!」
後ろを向いていた雅史。その視界の端が、すぅ…とかげった。
「く、来栖川先輩っ…」
目の前に迫った秘裂から視線を上げていくと、芹香の身体が、そして欲情を映した芹香の瞳が雅史の目を奪う。琴音と同じくらいスレンダーでいて、豊満であるべき所は十分に発達している魅力的な肉体だ。芹香はそのどこをも隠さずに、雅史の目の前を支配していた。焦点のぼやけ気味の瞳は、あふれんばかりの性の欲望をふるふると雅史に訴えかけてきている。
「………」
芹香が、雅史に聞き取れない何かをつぶやいた。
「いきますよ、佐藤先輩っ…」
琴音の華奢な手が、がっしりと雅史の腰をつかんだ。
「あ…あっ…」
雅史に出来た事は、判断停止のかすれた声だけで…
…ぬちゅぷっ。
ぐに…
「んんんっ…!!」
ドロドロになった部分に固い物が侵入してくるのと、雅史の顔に柔らかな恥丘の膨らみが押しつけられたのは同時だった。
ぬちゅるっ、ぬちゅっ、ぬちゅ…
「んっ…んーっ…」
「佐藤先輩の中、すっごいぬるぬるしてます…」
「んん…んん…」
雅史はハイペースの琴音の抽送に、快感の曲線をぐんぐんと上げながら声を漏らす。雅史の柔壁は、もう固く熱い侵入物を悦んで受け入れられるようになってしまったようだった。綾香のモノよりは小さいが、小さいなりにあちこちをぐりぐりとこすり立ててくる。琴音の小柄な身体はネコのようにすばしこく動き、雅史の身体を蹂躙していた。
ぐに…ぐにっ
「んふっ…んんう…」
芹香はいつまで経っても責めてこない雅史に、腰をより強く押しつけて上下左右に動かす。
「ほらっ、佐藤君…姉さんもイカせてあげないと、何度イッても終わらないわよ」
「んっ…んうーっ…!」
綾香は雅史の身体の横に回り込んで、胸の微細な乳頭部分を指でふにゅふにゅと転がしてきた。決して強い刺激ではないが、頭の先からつま先まで犯されているかのような感覚がじわーっと雅史を満たしていく。
「んっ…んふぅっ…!」
ぬちゅ…
「………!」
興奮が芽生えてきたのか、雅史が舌を芹香の秘裂の間に割り込ませる。芹香は一瞬顔をしかめてから唾をこくりと飲み込んでいた。
ぬちゅ…ぬちゅ…ちゅく
「………っ………」
芹香は口を半開きにして、腰を強く押しつけたまま腰をグラインドさせる。雅史はゆっくりと移動する芹香の秘部を追いながら、丁寧に舌で舐め上げていった。自分がさっき自慰をするときに発見してしまった敏感な突起を、集中的に舌の先で転がし続ける。
じゅぷっ、じゅる…じゅぐじゅぐ
「ん…んんん…」
雅史はそれを極力慎重な動きにしようとしていたが、琴音の激しいストロークの連続に段々コントロールできなくなってきたようだった。芹香の大切な部分に舌をべったりと当てて、べろべろと動物のように舐める動きになっていく。舌の真ん中に小粒の箇所が引っかかるのを感じながら、琴音の腰使いと同じくらいの勢いで芹香に口唇での奉仕を行う。
「……………!!」
芹香が目を閉じて天井を仰いだ。
ちゅぷ…
雅史の舌の上に、酸味を帯びた液体があふれ出す。生まれて初めて味わうそのエキスを、今の自分も分泌しているはずのそのエキスを、雅史は従順に舐め取っていった。そうすればするほどに芹香の愛液は量を増し、雅史の舌が舐め取れないほどになっていく。
ちゅる…ちゅく
綾香の出した液体がそのままだから分からないものの、今の自分もそうなっているのだろうか?
そう思うと、自分の体がじゅくっと熱い液体をにじませてしまったような気がした。
じゅぐっ、じゅぐ…じゅぐ
「んふ…んっ、んっ」
雅史はさらさらの前髪を芹香の下腹部に押しつけながら頭を左右に動かす。もう雅史の快感も爆発に近づいてきたようだ。
「…琴音ちゃん、ストップ!」
「え…?」
綾香の鋭い声に、感極まったような顔で雅史に覆いかぶさっていた琴音が動きを止める。
「え…何、このロッド?」
「そんな…私、もうすぐだったんですよ…」
「そうしなきゃいけないって姉さんが言うんだったら、しょうがないでしょ。佐藤君の中で一回ずつしてあげたから、おあいこでいいじゃない」
「………」
ぬぷ…
琴音が肉棒を雅史の中から引き抜いた。相変わらず顔を芹香の秘部に覆われている雅史は、何が起こっているのかよくわからない。ロッドというのが何を指す単語なのか、雅史は記憶の中を探ったが正解は見あたらなかった。
「でも、私にさせてくださいよ」
「…ま、いいけれど。それより、琴音ちゃん、こうやって…」
「わぁ…なんだか、すっごくエッチですね」
琴音がそう言い…
…ぬぢゅぅぅ…
「っ!?」
雅史の中に、巨大な何かが侵入してくる。
「んーっ! んんっ!」
綾香のモノよりも、さらに大きくて固かった。そして、入ってきた部分の一番先だけが物凄く熱い。
ぬぢゅっ、ぬぢゅぅぅ…
「んんー、んんっ! んっ!」
雅史は悲鳴を上げそうになったが、芹香は雅史の頭を押さえ込んでクンニリングスを止めることを許そうとしなかった。
ぬぢゅっ、ぬぢゅっ…
「んっ、んっ、んんっ!?」
観念した雅史がまた舌の動きを再開すると、侵入してきた何かもまた前後の運動を始める。ところが中が裂けてしまいそうに大きいのに、熱い部分が雅史の中をこするとビリビリと痺れるほどの快感が生まれ始めた。
「んっ、んふぅぅ、んんーっ! んっ、んーっ、んーっ!」
雅史は抗えない官能の連続に衝き動かされ、メチャクチャに舌を動かす。芹香はその雅史の奉仕に、かくんかくんと性交しているように腰を押しつけてきた。雅史の顔を強い圧迫が襲い、息苦しさが生まれる。雅史の顔は少女の欲望を溶かした液体でべとべとになっていた。
ちゅる…べろっ…べろべろっ…ちゅく
ぬぢゅっ、ぬぢゅっ、ぬぢゅうぅぅっ!
「んっ、んっ、んうううーっ!!?」
雅史は芹香の身体にしがみつくようにして、全身を硬直させ…
ビクンッ、ビクンッ、ビク…ビク、ビクッ!
芹香と一緒に、少女の肉体を思い切りわななかせて絶頂に達してしまっていた。
びゅびゅっ、びゅびゅびゅるるっ、びゅびゅ、びゅっびゅるる…
どこからか自分の体になまあたたかい液体が大量に掛けられるのを感じつつ、雅史はまた意識を暗転させていた…
「うー…頭痛いわ…あんまバカして飲むんやなかったな」
「アタシも…こんなに遅くなっちゃったらDadに怒られちゃうヨ…」
「ふーっ…ビールやチューハイと違って、ワインってきっついのね…松原さんが30分で寝ちゃったのを見たときはまだまだアマイとか思ってたけど…これじゃあたしも人の事言えないわー…」
「ど、どうしよう…こんな時間になっちゃって、お母さんに怒られちゃいます」
「もうこんな時間! 良太達、心配してるだろうな…お酒なんて飲むの初めてだったから、こんなに眠くなっちゃうなんて思わなかったよ…」
「綾香さん、芹香先輩あっちにいましたよ」
「あ、ありがと琴音ちゃん。参ったなー…あのワイン、あんなに強いのだなんて思わなかったから…長瀬さん、目が三角じゃ済まないでしょーねー」
「あ、あれ…浩之ちゃん…?」
「えっ…おっ、おいっ!? あかり、これはどういう事だっ!?」
「ど、どういうって…わ、私も…ひ、浩之ちゃん、これはどういう…」
「俺はやってねーぞ! 知らねーっ!」
「私だってっ…知らないよぉっ…」
「た、確か、今日は12月24日だよな」
「う、うん…」
「俺ん家でパーティだったよな」
「うん…」
あかりは周りをきょろきょろと見て、自分達が間違いない浩之の部屋にいる事を確認する。
「ワイン飲んで…それで…それで…覚えてないな…そしたら…」
「………そうしたら…それで、浩之ちゃんで…私が…」
きゅ…
「うわっ! お、お前締めるなっ!」
「ご、ごめんっ…!」
「き、きついんだよっ…力抜けっ…」
浩之が腰を後ろに引こうとする。
「で、でも…どうやったらいいのか…」
きゅ、きゅぅ…
「あかり、お前かえって締めてるぞ!」
「ご、ごめんなさいっ!」
雅史はたどりついた自分の部屋のベッドにがっくりと倒れ伏していた。
「………」
体力的にはともかく、精神の方は部活で朝から晩までみっちりしごかれた時よりも疲れ果てている。家まで帰ってくる間に何度も転びそうになったほどだ。
あの後、雅史が気を取り戻すと…藤田家にいる人間は全員気を失っていたのだ。芹香も綾香も琴音も、全員服を脱いだまま廊下に寝転がっていた。その身体はみんな普通の少女の物に戻っており、行為の痕跡を感じさせる体液のような物は綺麗さっぱり消えていた。
雅史の身体も、ちゃんと元に戻っていた。
そしてリビングにあった自分の服を身につけると、雅史は家中を回りながら裸で倒れ伏していた皆に服を着せていったのだ。浩之とあかりだけは例外だったが。
いつ裸の女の子が目を覚ますかと恐怖しながら雅史はその難儀な作業を終え、逃げるようにして藤田家のドアを開けた。
その時…芹香がちょうど目を覚ました。しどろもどろになる雅史に、芹香は全員記憶が飛んでいるはずだという事を告げた。
それを聞いて、最低限の安堵を得てから雅史は誰もいない自分の家に帰ってきたのだ。
「はぁ…」
雅史の前にある目覚まし時計が、24時を指そうとしている。
「メリー…クリスマス…」
ほとんど自虐的にそうつぶやきながら、雅史はとんでもないクリスマス・イヴの幕を閉じていった…
「………」
芹香の唇から、ぽそぽそと呪文が紡ぎ出される。
ほとんど聞こえないほどの小さな声による詠唱ではあったが、少し濡れた唇が動く様子はなにかの言葉を発しているのを感じさせた。巻き舌の発音が多い、日本語とはかなり離れた様子の言葉。それが、途切れ途切れに発せられている。
「………、…………」
もちろん、途切れ途切れになっているというのは芹香の口の動きがそうなっているというだけのことだ。実際には口をほとんど閉じているように見えても呪文を唱え続けているのかもしれないし、口を開けていても呪文を唱えていないという事はあるかもしれない。
それでも、芹香の口が閉ざされる時のパターンを見ていると、それが呪文の詠唱とほぼ一致している可能性は極めて高いように思える。
「…………、…………」
芹香が口を閉ざすのは、決まって芹香の指が動くときだったからだ。芹香の秘部に這わされた、芹香自身の人差し指。それが動く度に芹香の口がきゅっと閉ざされる。芹香が何に反応しているのかは一目瞭然だった。
その指を当てている所を、芹香は隠そうともしない。もっとも、見られる心配はないのだからそれは当然とも言える。部室のドアにはしっかりとカギが掛けられていたし、分厚い黒のカーテンはいつも閉めっぱなしだ。芹香の行為が誰かに見とがめられる心配はない。
とは言え、学校の中で半裸になってそういう行為をしているのが、かなり大胆であるのは間違いない。
芹香の体は魔術師のマントと帽子に覆われていたが、その下に普段は着ている制服がなかった。それは下着やブラウスと一緒に部屋の脇に丁寧に畳まれている。
「……、………、……」
だから、芹香は体の背中の方や横の方はマントに覆われているのに、前面は裸という極めて無防備な状態だった。胸は谷間の部分が見えているし、ヘアの薄い秘部は割れ目のラインがくっきりと見えている。そこに指を差し込んでいじくっている様子も丸見えだった。中がどうなっているのかまでは見えないが、芹香の指が恥丘の膨らみの下で積極的に動いているのはよく分かる。
「………」
そして秘裂の中に指を入れているのと逆の手には、銀色の小皿が握られていた。芹香はそれを自分の股の下に持ってきている。脚をそれなりの広さに開いている姿勢は、かなりはしたないものだ。
「……、……、………」
そこに、時折芹香の蜜液がぽたっと垂れる。指戯が生んだ官能を凝縮したようなその液体を、芹香は何とかして集めようとしているようだった。
暗い部屋の中、銀皿に溜まった液体が時折ロウソクの光で照らされてきらめく。ようやく小皿の全体に液体が行き渡った、といった感じだった。深さにすれば1〜2ミリ程度、大した量ではない。しかしその液体の由来を考えれば、決して少ない量ではないという事が分かる。
「…、……、………、……」
それだけ集めるのにどれほど時間を掛けたのかはわからないが、芹香も相当に高ぶってきているようだった。呪文の詠唱が途切れる感覚が短くなり、普段はあまり表情の変化を見せない顔が物欲しそうな色を見せる。
…とんっ。
ついに芹香は耐えきれなくなったようで、不意にしゃがみこむと愛液を溜めた銀皿を魔法陣のじゅうたんの上に置いてしまった。そして立ち上がり、指を秘裂の中に差し込む。
ぐりっ、ぐりっ…
どこか緩慢だったこれまでの動きとは打って変わって、芹香の指は激しく動き始めた。指の位置からして、明らかにクリトリスを押し込んでいると分かる。逆の手は乳房をわしづかみにして、ぐにぐにと揉みしだいていた。
芹香は惚けた目で天井を見つめながら、自らの手で性感を突き詰めていく。
ぐりっ…
「………!!」
指が、強烈に芹香のクリトリスを押しつぶした。芹香は声無き悲鳴を上げて、わなわなと全身を震わせ始める。
ビクッ!
そして芹香は半裸の体を激しく跳ねさせながら、エクスタシーに達してしまった。
ビク…ビク…
芹香のマントだけに覆われたなまめかしい体は、絶頂の激しさと相まって、普段制服の上からマントを身につけているときとは比べ物にならないほど悪魔的に見える。
やがて痙攣が収まると、芹香は魔法陣の中心にひざまづくような姿勢でしゃがみこみ、クリトリスをやわやわと愛撫し始めた。魔法陣の中心に、自らの愛液を染み込ませようと試み始めたのだ。
「………」
低い姿勢で再び自慰を行い始めた芹香の表情は、淫乱であると同時に何かの目的を感じさせた。これも、芹香にとっては魔法のための大切な儀式なのだ。
副次的な快感の激しさのあまり、半分習慣になりつつあったとしても…
芹香の唇から、ぽそぽそと呪文が紡ぎ出される。
ほとんど聞こえないほどの小さな声による詠唱ではあったが、少し濡れた唇が動く様子はなにかの言葉を発しているのを感じさせた。巻き舌の発音が多い、日本語とはかなり離れた様子の言葉。それが、途切れ途切れに発せられている。
「………、…………」
もちろん、途切れ途切れになっているというのは芹香の口の動きがそうなっているというだけのことだ。実際には口をほとんど閉じているように見えても呪文を唱え続けているのかもしれないし、口を開けていても呪文を唱えていないという事はあるかもしれない。
それでも、芹香の口が閉ざされる時のパターンを見ていると、それが呪文の詠唱とほぼ一致している可能性は極めて高いように思える。
「…………、…………」
芹香が口を閉ざすのは、決まって芹香の指が動くときだったからだ。芹香の秘部に這わされた、芹香自身の人差し指。それが動く度に芹香の口がきゅっと閉ざされる。芹香が何に反応しているのかは一目瞭然だった。
その指を当てている所を、芹香は隠そうともしない。もっとも、見られる心配はないのだからそれは当然とも言える。部室のドアにはしっかりとカギが掛けられていたし、分厚い黒のカーテンはいつも閉めっぱなしだ。芹香の行為が誰かに見とがめられる心配はない。
とは言え、学校の中で半裸になってそういう行為をしているのが、かなり大胆であるのは間違いない。
芹香の体は魔術師のマントと帽子に覆われていたが、その下に普段は着ている制服がなかった。それは下着やブラウスと一緒に部屋の脇に丁寧に畳まれている。
「……、………、……」
だから、芹香は体の背中の方や横の方はマントに覆われているのに、前面は裸という極めて無防備な状態だった。胸は谷間の部分が見えているし、ヘアの薄い秘部は割れ目のラインがくっきりと見えている。そこに指を差し込んでいじくっている様子も丸見えだった。中がどうなっているのかまでは見えないが、芹香の指が恥丘の膨らみの下で積極的に動いているのはよく分かる。
「………」
そして秘裂の中に指を入れているのと逆の手には、銀色の小皿が握られていた。芹香はそれを自分の股の下に持ってきている。脚をそれなりの広さに開いている姿勢は、かなりはしたないものだ。
「……、……、………」
そこに、時折芹香の蜜液がぽたっと垂れる。指戯が生んだ官能を凝縮したようなその液体を、芹香は何とかして集めようとしているようだった。
暗い部屋の中、銀皿に溜まった液体が時折ロウソクの光で照らされてきらめく。ようやく小皿の全体に液体が行き渡った、といった感じだった。深さにすれば1〜2ミリ程度、大した量ではない。しかしその液体の由来を考えれば、決して少ない量ではないという事が分かる。
「…、……、………、……」
それだけ集めるのにどれほど時間を掛けたのかはわからないが、芹香も相当に高ぶってきているようだった。呪文の詠唱が途切れる感覚が短くなり、普段はあまり表情の変化を見せない顔が物欲しそうな色を見せる。
…とんっ。
ついに芹香は耐えきれなくなったようで、不意にしゃがみこむと愛液を溜めた銀皿を魔法陣のじゅうたんの上に置いてしまった。そして立ち上がり、指を秘裂の中に差し込む。
ぐりっ、ぐりっ…
どこか緩慢だったこれまでの動きとは打って変わって、芹香の指は激しく動き始めた。指の位置からして、明らかにクリトリスを押し込んでいると分かる。逆の手は乳房をわしづかみにして、ぐにぐにと揉みしだいていた。
芹香は惚けた目で天井を見つめながら、自らの手で性感を突き詰めていく。
ぐりっ…
「………!!」
指が、強烈に芹香のクリトリスを押しつぶした。芹香は声無き悲鳴を上げて、わなわなと全身を震わせ始める。
ビクッ!
そして芹香は半裸の体を激しく跳ねさせながら、エクスタシーに達してしまった。
ビク…ビク…
芹香のマントだけに覆われたなまめかしい体は、絶頂の激しさと相まって、普段制服の上からマントを身につけているときとは比べ物にならないほど悪魔的に見える。
やがて痙攣が収まると、芹香は魔法陣の中心にひざまづくような姿勢でしゃがみこみ、クリトリスをやわやわと愛撫し始めた。魔法陣の中心に、自らの愛液を染み込ませようと試み始めたのだ。
「………」
低い姿勢で再び自慰を行い始めた芹香の表情は、淫乱であると同時に何かの目的を感じさせた。これも、芹香にとっては魔法のための大切な儀式なのだ。
副次的な快感の激しさのあまり、半分習慣になりつつあったとしても…
ぱたん。
「ここって…」
「姉さんのとこの部室よ」
綾香が雅史に向き直る。着ているのはいつも通りの寺女の制服だ。
「……」
雅史がドアの方を振り向くと、後ろ手で戸を閉めた芹香がこくりとうなずいた。
「そう…なんですか」
部屋は薄暗かった。学校の中だというのに、証明は燭台に灯(とも)されたロウソクだけだ。入り口のドアも、ただの学校の引き戸とは思えないほどにぴったりと閉まって廊下からの光を遮断している。何か細工をしてあるのかもしれない。
ぱたっ、ぱたっ…
「あの…」
小さく声を出す雅史に、前後から二人が近づいてくる。上履きが木の床を叩く乾いた音が、妙に雅史の不安感を煽った。
「そ、それで、僕に何の用事なんですか? 浩之のことですか?」
雅史は問う。
本来なら、もっと前にしておくべき質問だったのかもしれない。しかし、浩之を通じて多少知っているといった程度の関係の芹香と綾香に校庭で話しかけられてしまった時、雅史はすっかり面食らってしまっていた。しかも、他校の制服を着ている綾香が雅史の制止も聞かずに校舎の中に入っていって閉まった。堂々と校内を歩き回ろうとする綾香を放っておくこともできず、雅史は二人が歩くままについてきてしまったのだ。
だから、人目につく事を恐れて、廊下を歩く間は何も会話をしていない。
「そうねぇ…」
綾香が、口元に楽しそうな笑いを浮かべていった。思わず雅史が芹香の方を振り向くと、こちらは全くの無表情だ。どちらの表情も、この状況では雅史の不安を煽ることしかしない。
「え、えっと」
雅史は綾香の方に一歩後ずさり、それからまた芹香の方に一歩踏み出した。動くことが出来ない。何とも言えないプレッシャーが雅史の動きを押さえつけてくる。
すたっ…
「!?」
軽やかなステップの音がしたかと思うと、雅史の背中が強く抱きすくめられる。
「え、えっ…!」
雅史がびくっと顔を後ろに向けると、綾香の顔が眼前に迫って雅史の顔をのぞきこんでいた。つり目がちな綾香の瞳が、誘惑の色を帯びて光っている。
慌てて綾香から顔をそらし、視線を前に向けると芹香は懐から何かを取りだそうとしていた。
「こ、これは…」
雅史の頬を、汗がつたう。
その雅史の細いあごを、ぱし、と綾香の手がつかんだ。そのまま、ゆっくりと綾香の方を向かせる。
「しばらくの間、私たちに付き合ってもらえるかしら?」
「つ、つきあうって、何をするんですか…?」
あごを支える手の力はあくまで弱いものだったが、雅史は綾香の吸い込むような視線に顔を動かせなくなってしまう。既に少し震え始めた声で、問い返すのがやっとだった。
「い・い・こ・と」
明らかに作り声とわかる言葉でも、綾香の大人びたトーンが耳元でささやかれると雅史の緊張は一気に高まってしまう。それに加えて、綾香の手が雅史のYシャツのボタンの辺りに絡んできた。
ぷつっ…
「あっ」
最初から外されていた第一ボタンを素通りし、二番目のボタンが外される。下からランニングのシャツがのぞく。
きゅぽ…
その時何かを引っこ抜くような音がした。見ると、芹香の手に透明な色をした液体の入った小瓶がある。今のは、その栓を抜く音だったようだ。
「な、なんでこんなことを」
ぷつっ。
三番目のボタンも外される。芹香が小瓶を持って、綾香の方に近づいていく。どんどん進展していく状況に、雅史も落ち着いてはいられなくなってきた。
「ん」
ちゃぽちゃぽ…
綾香が口を開け、芹香がそこに小瓶の中身を注ぎ込む。量はそれほど多くない。栄養ドリンクの瓶の半分もないかもしれない。だが、綾香はそれが口の中に注ぎ込まれても飲み込もうとはしていないようだった。口の中に、注ぎ込まれた液体を溜め込んでいるように見える。
一体どうすればいいのかわからず、雅史は途方に暮れていた。しかし、その途方に暮れる時間すら長くは続かない。綾香の手が再度雅史のあごに掛かり、綾香の方を向かせる。
雅史はそれに大人しく従ったが、綾香の指が雅史の唇に触れると驚きの表情を深めた。
くちゅっ…
「!!」
そして、綾香の唇が自分の半開きになった口に押しつけられると、声にならない言葉が漏れる。反射的に顔をそらしそうになったが、綾香に背中を押さえられているために逃げ切れなかった。覆いかぶさるような口づけが雅史の薄桃の唇を襲う。
ちゅる…ちゅるっ
「ふんっ…んんーっ!」
生まれて初めてのキッスに、雅史は目を白黒させるしかなかった。しかも、口に含んだ液体を綾香がどんどん送り込んでくる。アルコールのような匂いのする液体が、雅史の口腔の中を満たしていく。
ちゅるん…れろっ…れろっ…
すっかり液体を雅史の中に流し込んでしまうと、綾香は舌を差し込んで雅史の舌をくすぐった。完全に未知の感覚に、抵抗力のない雅史は耐えきれず筋肉を弛緩させてしまう。倒れ込みそうになる雅史を、芹香が前から支えた。前後から少女の柔い肉体に挟まれた雅史は、それ以上に弱々しい表情を浮かべて綾香のキッスに身を委ねてしまっていた。
こく…こくん
初めは液体を飲み込むことを拒んでいた雅史も、やがて綾香の唾液と混ざったそれを少しずつ嚥下していく。既に潤み始めていた雅史の目が、じわっと揺れた。それでも綾香は雅史の胸をまさぐるような動きを加えながら情熱的に雅史の唇をついばみ続ける。
芹香も、ただ雅史の体を支えているだけではなかった。積極的な動きこそしないものの、さりげなく内股に回した手で微妙なところを撫でる。薄い学生ズボンの生地を通して、細長い芹香の指が楽器を奏でるように雅史を触った。それに加えて、下腹部をゆるゆると雅史に押しつける。あまり身長の高くない雅史は、芹香とも綾香とも身長差が少ない。芹香の敏感な部分は、そのまま雅史の敏感な部分に密着した。
「………」
芹香は、既に雅史の股間の固いものを感じている。この状況下で、健康な少年が勃起しないわけがない。しかし、初(うぶ)な雅史にとっては縮み上がるほど恥ずかしい経験だった。
そうする内に、雅史は全身が熱くなってくるのを感じる。顔とペニスだけではない。ちょっとした料理屋に行った時に飲まされたワインのように、喉から熱さが広がって、それがとどめようもないほどに広がっていった。アルコールの比ではない、すさまじいスピードで全身に熱さが広がっていく。頭のてっぺんから指の先まで、熱っぽい血流が巡っているような気分だった。
ちゅぷんっ。
「ふむんっ…はぁ…もういいかしらね」
「…はあぁぁ…はあぁっ…」
綾香がようやく雅史の唇を解放すると、雅史は震えた声で泣いているような息をしながら呼吸を整え始めた。単に呼吸が苦しかったとか、興奮したとかいうだけでは済まない。明らかに体が変調を起こしていた。
その中でも一番おかしくなっているのが…自分の先輩のスカートに押しつけてしまっている、固い肉棒だ。もちろん、雅史も勃起するのが初めてということはない。だが、これほどまでに熱く大きく固くなった状態が継続するというのは経験したことがなかった。何か熱い心棒でも通されたように肉棒が勃起しっぱなしになって、抑えようがないのだ。
「姉さん、どいて」
こく。
綾香が言うと、芹香が雅史から少しずつ体を離していった。綾香は雅史の体を両手でしっかりと抱え込んで、崩れ落ちそうになる雅史を支える。
「あら? 佐藤君、これは何かしら?」
また耳元に口を近づけて、綾香が言う。学生ズボンを激しく突き上げている隆起を指摘されているのは明らかだ。
「ううっ!」
それを強調するかのように、身を離した芹香が指先だけを雅史の股間に近づけて頂点の部分をなぞった。雅史の体に、電流にも近い快感が走る。
「姉さんの指、どんな気分?」
「や、やめてくださいっ…そこは…」
芹香の愛撫は地面に絵でも描いているような単調で軽いタッチのものだったが、雅史は弛緩しきった体を必死に動かそうとして悶える。間接的な刺激なのに、恐ろしいほどの快感が生まれていた。
「気持ちいいでしょ?」
「い、いやっ、そんなっ…だ、だめですっ! 来栖川先輩っ、やめてください! も、もう…!!」
「えっ」
綾香が意外そうな顔をした瞬間、雅史は弛緩していたはずの体を激しく痙攣させた。
びゅくん、びゅくん、びゅくん…!
「うっ…あ…ああっ…」
雅史がうなだれて、屈辱にまみれたうめき声を上げる。そして、一定の間隔で体を震わせる。
芹香も多少の驚きの表情を見せていた。止まった指の先には、確かな肉棒の振動と、何かが叩きつけられるような感触が感じられる。そして、さっきまでと比べて、明らかに温かくなっている。
「ひっ…や、やめて…くだ…」
芹香が確かめるように指をぐいぐいと押し込むと、ズボン越しにもぬるんとした感触が返ってきた。雅史はようやく絶頂が収まり始めたばかりの所に敏感な部分を刺激され、悲痛な声を漏らす。
「佐藤君、早すぎるわよ? いつもちゃんと自分でしてる?」
「そ、そんな、こと」
「ふふふ…ちゃんと自分でもできるようにお勉強しなくちゃね。それから、学校でお漏らししちゃったお仕置き…」
「え、えっ」
綾香は、雅史を支えていた手をするっと引き抜く。
「あっ…」
既に全身の力を失っていた雅史は、膝からがくっと床に倒れ込んだ。そのまま、仰向けになって床に転がってしまう。
そこに、芹香と綾香は獲物を捕らえる肉食獣のように飛びついた。芹香が上半身、綾香が上半身。
「………」
抵抗できない雅史は、自分の服が剥かれていくのをただ見ているだけしかできなかった。きちんとズボンの中に入れていたYシャツの裾が芹香の手で引っぱり出され、ボタンが全部外される。綾香が、黒いベルトを機械でも扱うように事務的かつ効果的な手つきで外す。そして学生ズボンのホックとジッパーを素早く取ると、一気にぐいっと膝の辺りまで脱がせてしまう。
「こんなに出したんだ」
白い綿のランニングとブリーフの雅史。そのブリーフはべっとりと濡れて、隙間から半透明の白濁液がこぼれてきていた。雅史はついに目を閉じてしまう。まぶたから、涙の雫があふれた。
綾香は雅史の体の左に回り込み、右に位置している芹香と一緒に雅史のランニングをつかむ。そして、子供にするような手つきでずるずるとランニングを脱がしていく。
「よっ」
最後に雅史の髪をばさっと揺らしながら、二人は雅史のランニングを完全にはぎ取ってしまった。髪の毛が乱れた雅史は、ますます憔悴したように見える。それなりに筋肉はついているが、どこか華奢なイメージを隠しきれない肉体が露わになっていた。
残っているのは汚れたブリーフだけという、惨めな格好を二人の少女の前に晒している。雅史は何も考えないようにしたが、涙ぐんでしまうのを止めることはできなかった。
ちゅく。
「!?」
だが、突然胸に濡れた感覚が走ると雅史は再び体を跳ね上げそうになる。
ちゅく…ちゅくっ。
「んっ…んん」
両方の胸の、ごく小さな突起のある部分が舐められている。綾香と芹香、それぞれが舌を出して雅史の乳頭をくすぐっているのだ。じらしの全くない、突起の部分だけを執拗に舐める動きである。初めはくすぐったさが先に立ったが、じきに背を這い上がるような快感が生まれてきてしまった。決して小さくないが、どこか間接的な刺激が雅史の体を再び熱くしていく。
「はぁ、はぁ、はぁっ…」
そんな所を刺激されるとは思っていなかった雅史も、すぐに呼吸を熱くしてしまった。肉棒を触られていたときよりもずっと被制圧感の強い愛撫に、雅史は無意識のうちに虜になってしまったようだった。
「佐藤君、男の子もここ感じるの知らなかったでしょ?」
「………」
雅史は少し顔を芹香寄りに向けながら、無言だった。
「でも、一番好きなのはやっぱりこっちね」
綾香が言うと、雅史はまた体を震え上がらせてしまう。そして、雅史にとってはかなりの長い沈黙を挟んだ後、ブリーフをつかまれたのが感じられた。
芹香と綾香は、ランニングの時と全く同じようにブリーフをつかみ、ゆっくりと下ろしていく。べっとりとしたブリーフが下ろされて、粘液のついた肉棒が外気に晒されるのがわかった。さっき放出したばかりなのにもう固さを取り戻している肉棒を屹立させながら、雅史はブリーフが下ろされ、途中でズボンと合流し、最後に上履きと一緒に脱がされるのを固唾を飲んで待つ。
ぱさっ…ぱたっ。
そして、雅史は靴下しか身につけていない状態にされた。
「ふぅん…早いけれど…結構大きいのね」
にちゃっ。
「くぅ…」
指が肉棒に絡むと、さきほどの愛撫を彷彿とさせる快感がびしっと雅史を突き抜けた。
「姉さん、来て」
目を閉じている雅史には、無言で行動する芹香が何をしようとしているのかはさっぱりわからない。ただ、次の刺激がどこに生まれるのかだけは明白だった。そう思うだけで、その部分が異様に敏感になってきてしまう。
ぺろん…
「あっ…うあっ!」
ぺろ…つぅぅっ…
次の瞬間、雅史は大声を上げていた。
舌だ。綾香と芹香が、両脇から同時に雅史の肉棒に舌を這わせたのだ。放出された白濁液を舐め取るように、二人で半分ずつを丁寧に舐め上げる。
ちゅるん。
「ふぅ…どう? 気持ちいいでしょ?」
雅史はぴくぴくと体を震わせることしかできなかった。液体を舐め取るためだけの目的だったのか、それほど長い時間の舌戯ではなかったが、雅史にショックと背徳感を与えるには十分すぎる行為だ。
「じゃ、今度は私たちの番ね」
「…?」
雅史は意味を取りかねたが、いきなり肉棒の先にぬめついたひだひだの感触が感じられると、さすがに狼狽する。雅史は、芹香も綾香もまだ服を着ていると思っていたのだ。だが、突然生まれた指でも口でもない特殊な感触は、綾香の秘めた部分なのだと本能的に雅史に伝える。
「あ、あ」
…じゅるんっ!
「あああああっ!?」
一瞬にして、雅史は童貞を失っていた。
じゅぷ、じゅぷ…
「うんっ…はぁ、なかなか…いいわよ…こんな可愛い顔した男の子を私の物にしたって聞いたら…怒る子、きっと多いんでしょうね…」
肉棒全体が、ジューシィな感触の柔らかい媚肉に包まれている。そこが生き物のようにうごめき、上下に動いて雅史の肉棒をしごくように刺激する。
初経験のぬめった膣内と、綾香のきつい締め付け。雅史は目がくらむような快感を感じながら、うっすらと目を開けようとした。
「…!?」
目の前が真っ暗になっていた。そう思ったが、違う。
ぬちゅ…
「う…ううんっ…うっ」
雅史の口は、何か温かなもので覆われていた。そして口腔の中に、酸っぱい液体が流れ込んでくる。酸味に交じって、ふんわりとした甘めの香りも交じっていた。秘部の味と香りなのだと、雅史は再び本能的に理解していた。
じゅぷ、じゅぷ…
「ふぅ…んん」
雅史の肉棒は、未だ綾香の膣内でねんごろな摩擦を受けている。つまり、今雅史の口に押しつけられているのは芹香の性器ということになる。
ぺろ。ぺろ…
全身の興奮と淫乱な少女達の空気に飲まれ、雅史は舌を動かしていた。何もわからないが、とにかく舌を上下左右に動かす。口の中に流れ込んできた酸っぱい液体は、舐め取って飲み込む。
ぺろ、ぺろ。
雅史は同じ箇所をただ舐め続けた。そうすると、芹香は自ら腰を動かして望む位置に雅史の舌を誘導する。
ぺろ、ぺろ…
舌の先に、固い粒が引っかかるようになった。雅史は同じ舌の動きを続ける。芹香は腰の位置を微調整して、雅史の舌の先がぴったりと粒に当たるようにした。
「姉さん、佐藤君の舌、どう…?」
雅史には、芹香が綾香にどう反応を返したのかわからない。ただ、口の中に流れ込む液体の量がそれとわかるほどに多くなってきているし、芹香の腰が時折震えるようになってきたのもわかった。雅史は忠実に同じ位置で舌を動かし続ける。
「う、うん…私も…すごく、いい…」
綾香の声が、随分と切羽詰まったものになってきていた。しかし腰を振る動きはますます激しくなってきている。雅史の肉棒は、早くも二回目の放出に近づきつつあった。
「さ、佐藤君も動きなさいっ! こ、腰を上げて…そ、そうっ!」
雅史は綾香の命令に従い、あるだけの力で腰を跳ね上げる。綾香はそれに合わせて、全体重を叩き落とすように腰を下ろした。強い衝撃に、綾香の中がぎゅううっと強烈に締まる。
芹香も官能を高めているようだった。腰のグラインドを強めて、雅史の舌の位置よりも強く突起を雅史の舌に押しつけることを重視した動きになっている。痙攣も、より頻繁に起こるようになってきたようだった。
「うっ…イ、イク…」
綾香が絶句して、雅史の肉棒を搾り取るように膣が収縮する。
ビクッ…ビク、ビク、ビクっ…!
びゅ…びゅくっ、びゅくん、びゅく…
完全に絶頂は合一し、雅史は極みを迎えた綾香の膣内に激しく放出した。
同時に、芹香の腰もぶるぶると震えて雅史の顔にありたけの力で押しつけられる。芹香も、雅史の舌だけで絶頂してしまったようだ。
「は…はぁっ…サイコー…」
綾香がそう言い放った。
「姉さん…ん…んんっ」
そして、二人の姉妹は雅史の上にまたがりながら口づけを始める。
雅史は二度目の絶頂に放心しながら、一週間ばかり学校を休んでいる浩之がどうしたのかをぼんやりと考えていた。
「ここって…」
「姉さんのとこの部室よ」
綾香が雅史に向き直る。着ているのはいつも通りの寺女の制服だ。
「……」
雅史がドアの方を振り向くと、後ろ手で戸を閉めた芹香がこくりとうなずいた。
「そう…なんですか」
部屋は薄暗かった。学校の中だというのに、証明は燭台に灯(とも)されたロウソクだけだ。入り口のドアも、ただの学校の引き戸とは思えないほどにぴったりと閉まって廊下からの光を遮断している。何か細工をしてあるのかもしれない。
ぱたっ、ぱたっ…
「あの…」
小さく声を出す雅史に、前後から二人が近づいてくる。上履きが木の床を叩く乾いた音が、妙に雅史の不安感を煽った。
「そ、それで、僕に何の用事なんですか? 浩之のことですか?」
雅史は問う。
本来なら、もっと前にしておくべき質問だったのかもしれない。しかし、浩之を通じて多少知っているといった程度の関係の芹香と綾香に校庭で話しかけられてしまった時、雅史はすっかり面食らってしまっていた。しかも、他校の制服を着ている綾香が雅史の制止も聞かずに校舎の中に入っていって閉まった。堂々と校内を歩き回ろうとする綾香を放っておくこともできず、雅史は二人が歩くままについてきてしまったのだ。
だから、人目につく事を恐れて、廊下を歩く間は何も会話をしていない。
「そうねぇ…」
綾香が、口元に楽しそうな笑いを浮かべていった。思わず雅史が芹香の方を振り向くと、こちらは全くの無表情だ。どちらの表情も、この状況では雅史の不安を煽ることしかしない。
「え、えっと」
雅史は綾香の方に一歩後ずさり、それからまた芹香の方に一歩踏み出した。動くことが出来ない。何とも言えないプレッシャーが雅史の動きを押さえつけてくる。
すたっ…
「!?」
軽やかなステップの音がしたかと思うと、雅史の背中が強く抱きすくめられる。
「え、えっ…!」
雅史がびくっと顔を後ろに向けると、綾香の顔が眼前に迫って雅史の顔をのぞきこんでいた。つり目がちな綾香の瞳が、誘惑の色を帯びて光っている。
慌てて綾香から顔をそらし、視線を前に向けると芹香は懐から何かを取りだそうとしていた。
「こ、これは…」
雅史の頬を、汗がつたう。
その雅史の細いあごを、ぱし、と綾香の手がつかんだ。そのまま、ゆっくりと綾香の方を向かせる。
「しばらくの間、私たちに付き合ってもらえるかしら?」
「つ、つきあうって、何をするんですか…?」
あごを支える手の力はあくまで弱いものだったが、雅史は綾香の吸い込むような視線に顔を動かせなくなってしまう。既に少し震え始めた声で、問い返すのがやっとだった。
「い・い・こ・と」
明らかに作り声とわかる言葉でも、綾香の大人びたトーンが耳元でささやかれると雅史の緊張は一気に高まってしまう。それに加えて、綾香の手が雅史のYシャツのボタンの辺りに絡んできた。
ぷつっ…
「あっ」
最初から外されていた第一ボタンを素通りし、二番目のボタンが外される。下からランニングのシャツがのぞく。
きゅぽ…
その時何かを引っこ抜くような音がした。見ると、芹香の手に透明な色をした液体の入った小瓶がある。今のは、その栓を抜く音だったようだ。
「な、なんでこんなことを」
ぷつっ。
三番目のボタンも外される。芹香が小瓶を持って、綾香の方に近づいていく。どんどん進展していく状況に、雅史も落ち着いてはいられなくなってきた。
「ん」
ちゃぽちゃぽ…
綾香が口を開け、芹香がそこに小瓶の中身を注ぎ込む。量はそれほど多くない。栄養ドリンクの瓶の半分もないかもしれない。だが、綾香はそれが口の中に注ぎ込まれても飲み込もうとはしていないようだった。口の中に、注ぎ込まれた液体を溜め込んでいるように見える。
一体どうすればいいのかわからず、雅史は途方に暮れていた。しかし、その途方に暮れる時間すら長くは続かない。綾香の手が再度雅史のあごに掛かり、綾香の方を向かせる。
雅史はそれに大人しく従ったが、綾香の指が雅史の唇に触れると驚きの表情を深めた。
くちゅっ…
「!!」
そして、綾香の唇が自分の半開きになった口に押しつけられると、声にならない言葉が漏れる。反射的に顔をそらしそうになったが、綾香に背中を押さえられているために逃げ切れなかった。覆いかぶさるような口づけが雅史の薄桃の唇を襲う。
ちゅる…ちゅるっ
「ふんっ…んんーっ!」
生まれて初めてのキッスに、雅史は目を白黒させるしかなかった。しかも、口に含んだ液体を綾香がどんどん送り込んでくる。アルコールのような匂いのする液体が、雅史の口腔の中を満たしていく。
ちゅるん…れろっ…れろっ…
すっかり液体を雅史の中に流し込んでしまうと、綾香は舌を差し込んで雅史の舌をくすぐった。完全に未知の感覚に、抵抗力のない雅史は耐えきれず筋肉を弛緩させてしまう。倒れ込みそうになる雅史を、芹香が前から支えた。前後から少女の柔い肉体に挟まれた雅史は、それ以上に弱々しい表情を浮かべて綾香のキッスに身を委ねてしまっていた。
こく…こくん
初めは液体を飲み込むことを拒んでいた雅史も、やがて綾香の唾液と混ざったそれを少しずつ嚥下していく。既に潤み始めていた雅史の目が、じわっと揺れた。それでも綾香は雅史の胸をまさぐるような動きを加えながら情熱的に雅史の唇をついばみ続ける。
芹香も、ただ雅史の体を支えているだけではなかった。積極的な動きこそしないものの、さりげなく内股に回した手で微妙なところを撫でる。薄い学生ズボンの生地を通して、細長い芹香の指が楽器を奏でるように雅史を触った。それに加えて、下腹部をゆるゆると雅史に押しつける。あまり身長の高くない雅史は、芹香とも綾香とも身長差が少ない。芹香の敏感な部分は、そのまま雅史の敏感な部分に密着した。
「………」
芹香は、既に雅史の股間の固いものを感じている。この状況下で、健康な少年が勃起しないわけがない。しかし、初(うぶ)な雅史にとっては縮み上がるほど恥ずかしい経験だった。
そうする内に、雅史は全身が熱くなってくるのを感じる。顔とペニスだけではない。ちょっとした料理屋に行った時に飲まされたワインのように、喉から熱さが広がって、それがとどめようもないほどに広がっていった。アルコールの比ではない、すさまじいスピードで全身に熱さが広がっていく。頭のてっぺんから指の先まで、熱っぽい血流が巡っているような気分だった。
ちゅぷんっ。
「ふむんっ…はぁ…もういいかしらね」
「…はあぁぁ…はあぁっ…」
綾香がようやく雅史の唇を解放すると、雅史は震えた声で泣いているような息をしながら呼吸を整え始めた。単に呼吸が苦しかったとか、興奮したとかいうだけでは済まない。明らかに体が変調を起こしていた。
その中でも一番おかしくなっているのが…自分の先輩のスカートに押しつけてしまっている、固い肉棒だ。もちろん、雅史も勃起するのが初めてということはない。だが、これほどまでに熱く大きく固くなった状態が継続するというのは経験したことがなかった。何か熱い心棒でも通されたように肉棒が勃起しっぱなしになって、抑えようがないのだ。
「姉さん、どいて」
こく。
綾香が言うと、芹香が雅史から少しずつ体を離していった。綾香は雅史の体を両手でしっかりと抱え込んで、崩れ落ちそうになる雅史を支える。
「あら? 佐藤君、これは何かしら?」
また耳元に口を近づけて、綾香が言う。学生ズボンを激しく突き上げている隆起を指摘されているのは明らかだ。
「ううっ!」
それを強調するかのように、身を離した芹香が指先だけを雅史の股間に近づけて頂点の部分をなぞった。雅史の体に、電流にも近い快感が走る。
「姉さんの指、どんな気分?」
「や、やめてくださいっ…そこは…」
芹香の愛撫は地面に絵でも描いているような単調で軽いタッチのものだったが、雅史は弛緩しきった体を必死に動かそうとして悶える。間接的な刺激なのに、恐ろしいほどの快感が生まれていた。
「気持ちいいでしょ?」
「い、いやっ、そんなっ…だ、だめですっ! 来栖川先輩っ、やめてください! も、もう…!!」
「えっ」
綾香が意外そうな顔をした瞬間、雅史は弛緩していたはずの体を激しく痙攣させた。
びゅくん、びゅくん、びゅくん…!
「うっ…あ…ああっ…」
雅史がうなだれて、屈辱にまみれたうめき声を上げる。そして、一定の間隔で体を震わせる。
芹香も多少の驚きの表情を見せていた。止まった指の先には、確かな肉棒の振動と、何かが叩きつけられるような感触が感じられる。そして、さっきまでと比べて、明らかに温かくなっている。
「ひっ…や、やめて…くだ…」
芹香が確かめるように指をぐいぐいと押し込むと、ズボン越しにもぬるんとした感触が返ってきた。雅史はようやく絶頂が収まり始めたばかりの所に敏感な部分を刺激され、悲痛な声を漏らす。
「佐藤君、早すぎるわよ? いつもちゃんと自分でしてる?」
「そ、そんな、こと」
「ふふふ…ちゃんと自分でもできるようにお勉強しなくちゃね。それから、学校でお漏らししちゃったお仕置き…」
「え、えっ」
綾香は、雅史を支えていた手をするっと引き抜く。
「あっ…」
既に全身の力を失っていた雅史は、膝からがくっと床に倒れ込んだ。そのまま、仰向けになって床に転がってしまう。
そこに、芹香と綾香は獲物を捕らえる肉食獣のように飛びついた。芹香が上半身、綾香が上半身。
「………」
抵抗できない雅史は、自分の服が剥かれていくのをただ見ているだけしかできなかった。きちんとズボンの中に入れていたYシャツの裾が芹香の手で引っぱり出され、ボタンが全部外される。綾香が、黒いベルトを機械でも扱うように事務的かつ効果的な手つきで外す。そして学生ズボンのホックとジッパーを素早く取ると、一気にぐいっと膝の辺りまで脱がせてしまう。
「こんなに出したんだ」
白い綿のランニングとブリーフの雅史。そのブリーフはべっとりと濡れて、隙間から半透明の白濁液がこぼれてきていた。雅史はついに目を閉じてしまう。まぶたから、涙の雫があふれた。
綾香は雅史の体の左に回り込み、右に位置している芹香と一緒に雅史のランニングをつかむ。そして、子供にするような手つきでずるずるとランニングを脱がしていく。
「よっ」
最後に雅史の髪をばさっと揺らしながら、二人は雅史のランニングを完全にはぎ取ってしまった。髪の毛が乱れた雅史は、ますます憔悴したように見える。それなりに筋肉はついているが、どこか華奢なイメージを隠しきれない肉体が露わになっていた。
残っているのは汚れたブリーフだけという、惨めな格好を二人の少女の前に晒している。雅史は何も考えないようにしたが、涙ぐんでしまうのを止めることはできなかった。
ちゅく。
「!?」
だが、突然胸に濡れた感覚が走ると雅史は再び体を跳ね上げそうになる。
ちゅく…ちゅくっ。
「んっ…んん」
両方の胸の、ごく小さな突起のある部分が舐められている。綾香と芹香、それぞれが舌を出して雅史の乳頭をくすぐっているのだ。じらしの全くない、突起の部分だけを執拗に舐める動きである。初めはくすぐったさが先に立ったが、じきに背を這い上がるような快感が生まれてきてしまった。決して小さくないが、どこか間接的な刺激が雅史の体を再び熱くしていく。
「はぁ、はぁ、はぁっ…」
そんな所を刺激されるとは思っていなかった雅史も、すぐに呼吸を熱くしてしまった。肉棒を触られていたときよりもずっと被制圧感の強い愛撫に、雅史は無意識のうちに虜になってしまったようだった。
「佐藤君、男の子もここ感じるの知らなかったでしょ?」
「………」
雅史は少し顔を芹香寄りに向けながら、無言だった。
「でも、一番好きなのはやっぱりこっちね」
綾香が言うと、雅史はまた体を震え上がらせてしまう。そして、雅史にとってはかなりの長い沈黙を挟んだ後、ブリーフをつかまれたのが感じられた。
芹香と綾香は、ランニングの時と全く同じようにブリーフをつかみ、ゆっくりと下ろしていく。べっとりとしたブリーフが下ろされて、粘液のついた肉棒が外気に晒されるのがわかった。さっき放出したばかりなのにもう固さを取り戻している肉棒を屹立させながら、雅史はブリーフが下ろされ、途中でズボンと合流し、最後に上履きと一緒に脱がされるのを固唾を飲んで待つ。
ぱさっ…ぱたっ。
そして、雅史は靴下しか身につけていない状態にされた。
「ふぅん…早いけれど…結構大きいのね」
にちゃっ。
「くぅ…」
指が肉棒に絡むと、さきほどの愛撫を彷彿とさせる快感がびしっと雅史を突き抜けた。
「姉さん、来て」
目を閉じている雅史には、無言で行動する芹香が何をしようとしているのかはさっぱりわからない。ただ、次の刺激がどこに生まれるのかだけは明白だった。そう思うだけで、その部分が異様に敏感になってきてしまう。
ぺろん…
「あっ…うあっ!」
ぺろ…つぅぅっ…
次の瞬間、雅史は大声を上げていた。
舌だ。綾香と芹香が、両脇から同時に雅史の肉棒に舌を這わせたのだ。放出された白濁液を舐め取るように、二人で半分ずつを丁寧に舐め上げる。
ちゅるん。
「ふぅ…どう? 気持ちいいでしょ?」
雅史はぴくぴくと体を震わせることしかできなかった。液体を舐め取るためだけの目的だったのか、それほど長い時間の舌戯ではなかったが、雅史にショックと背徳感を与えるには十分すぎる行為だ。
「じゃ、今度は私たちの番ね」
「…?」
雅史は意味を取りかねたが、いきなり肉棒の先にぬめついたひだひだの感触が感じられると、さすがに狼狽する。雅史は、芹香も綾香もまだ服を着ていると思っていたのだ。だが、突然生まれた指でも口でもない特殊な感触は、綾香の秘めた部分なのだと本能的に雅史に伝える。
「あ、あ」
…じゅるんっ!
「あああああっ!?」
一瞬にして、雅史は童貞を失っていた。
じゅぷ、じゅぷ…
「うんっ…はぁ、なかなか…いいわよ…こんな可愛い顔した男の子を私の物にしたって聞いたら…怒る子、きっと多いんでしょうね…」
肉棒全体が、ジューシィな感触の柔らかい媚肉に包まれている。そこが生き物のようにうごめき、上下に動いて雅史の肉棒をしごくように刺激する。
初経験のぬめった膣内と、綾香のきつい締め付け。雅史は目がくらむような快感を感じながら、うっすらと目を開けようとした。
「…!?」
目の前が真っ暗になっていた。そう思ったが、違う。
ぬちゅ…
「う…ううんっ…うっ」
雅史の口は、何か温かなもので覆われていた。そして口腔の中に、酸っぱい液体が流れ込んでくる。酸味に交じって、ふんわりとした甘めの香りも交じっていた。秘部の味と香りなのだと、雅史は再び本能的に理解していた。
じゅぷ、じゅぷ…
「ふぅ…んん」
雅史の肉棒は、未だ綾香の膣内でねんごろな摩擦を受けている。つまり、今雅史の口に押しつけられているのは芹香の性器ということになる。
ぺろ。ぺろ…
全身の興奮と淫乱な少女達の空気に飲まれ、雅史は舌を動かしていた。何もわからないが、とにかく舌を上下左右に動かす。口の中に流れ込んできた酸っぱい液体は、舐め取って飲み込む。
ぺろ、ぺろ。
雅史は同じ箇所をただ舐め続けた。そうすると、芹香は自ら腰を動かして望む位置に雅史の舌を誘導する。
ぺろ、ぺろ…
舌の先に、固い粒が引っかかるようになった。雅史は同じ舌の動きを続ける。芹香は腰の位置を微調整して、雅史の舌の先がぴったりと粒に当たるようにした。
「姉さん、佐藤君の舌、どう…?」
雅史には、芹香が綾香にどう反応を返したのかわからない。ただ、口の中に流れ込む液体の量がそれとわかるほどに多くなってきているし、芹香の腰が時折震えるようになってきたのもわかった。雅史は忠実に同じ位置で舌を動かし続ける。
「う、うん…私も…すごく、いい…」
綾香の声が、随分と切羽詰まったものになってきていた。しかし腰を振る動きはますます激しくなってきている。雅史の肉棒は、早くも二回目の放出に近づきつつあった。
「さ、佐藤君も動きなさいっ! こ、腰を上げて…そ、そうっ!」
雅史は綾香の命令に従い、あるだけの力で腰を跳ね上げる。綾香はそれに合わせて、全体重を叩き落とすように腰を下ろした。強い衝撃に、綾香の中がぎゅううっと強烈に締まる。
芹香も官能を高めているようだった。腰のグラインドを強めて、雅史の舌の位置よりも強く突起を雅史の舌に押しつけることを重視した動きになっている。痙攣も、より頻繁に起こるようになってきたようだった。
「うっ…イ、イク…」
綾香が絶句して、雅史の肉棒を搾り取るように膣が収縮する。
ビクッ…ビク、ビク、ビクっ…!
びゅ…びゅくっ、びゅくん、びゅく…
完全に絶頂は合一し、雅史は極みを迎えた綾香の膣内に激しく放出した。
同時に、芹香の腰もぶるぶると震えて雅史の顔にありたけの力で押しつけられる。芹香も、雅史の舌だけで絶頂してしまったようだ。
「は…はぁっ…サイコー…」
綾香がそう言い放った。
「姉さん…ん…んんっ」
そして、二人の姉妹は雅史の上にまたがりながら口づけを始める。
雅史は二度目の絶頂に放心しながら、一週間ばかり学校を休んでいる浩之がどうしたのかをぼんやりと考えていた。
ぴた、ぴた…
「ど…どうなんですか?」
ぴた…ぴた。
芹香の手に握られた、黒い吸盤のようなものが琴音の額や頬に当てられる。材質の出自はいかにもいかがわしそうだが、平凡な光沢を放っているところを見るとただのゴム製のようだ。もっとも、ロウソクの光しかない部屋の中ではそれなりに不気味な道具に見えるのは間違いない。
琴音はそれが顔に当てられる度に目をつむったり首を動かしたり、落ち着かない様子だった。実際、あまり心地よい感触ではないだろう。しかも、浩之の勧めでこのオカルト研究会に入ってからと言うものの、琴音は芹香の魔術実験で何度かおかしな目に遭ってきた。冗談で済まされるようなものばかりだったが、突然ずぶ濡れにされたり30センチばかりの空中歩行をさせられてからひっくり返されたりと、琴音本人にとっては決して楽しいものではない。
「………」
芹香が吸盤をポケットにしまう。そして黒いとんがり帽子を頭から取って、部屋の脇にある棚の上に置きにいった。
「終わったんですか…?」
琴音は芹香の後ろ姿を見て、自分の額と頬を撫でながら訊く。
ぱさ…
芹香はマントも脱いだ。普段通りの制服姿になる。それを丁寧に畳んで棚の上に置こうとしているのを、琴音はもどかしそうに見つめていた。しかし芹香はいつまで経っても返事をしない。
「あの…」
その時、くる、と人形のような動作で芹香が振り向く。
琴音が黙ると、芹香は身をかがめて上履きを脱ぎ始めた。
「??」
上履きにとどまらず、白のソックスも脱いでしまう。琴音は芹香が何をしようとしているのか予想がつかず、不思議そうな目でそれを見ていた。
ぴた、ぴた。
そして、芹香はさっき吸盤を押し当てていた時のような音を立てながら、ワックスの掛かった床の上を歩み寄る。琴音は何とはなしに嫌な予感を覚えたが、状況が分からない以上どうする事もできなかった。
「あの、さっき飲んだ種…もうこれでいいんですよね」
おずおず、と琴音は問う。芹香は、嘘をつくようなタイプではない。
「………、……、……」
「え…!? あの…先輩? なんで呪文…」
芹香が不意に目を閉じてかすかな声で詠唱を始め、琴音は慌てふためく。
「な、なんの呪文なんですかっ…教えてくれないと…」
「………」
琴音が芹香の手をつかもうとした所で、芹香の詠唱は終わってしまった。琴音は不安そうな顔で自分の身体をきょろきょろと見回す。見えるところには、表面的な変化が起こった様子はない。
しかし…
「えっ…え…う、うそっ…これ…な、なんですかっ…これは…」
びくり、と琴音が身体を震わせる。恐怖と、それから身体の中に生まれた奇妙な感覚のせいだ。
「い、い…いやっ…」
一瞬の躊躇のあと、琴音はがばっと両手で自分のスカートを覆い隠す。というより、その最も中心の部分、ショーツに包まれている辺りだ。
ぐ…ぐぐ…ぐぐぐっ
「きゃ、きゃあっ! う、うそっ…先輩…や、やめてくださいっ! 止めてくださいっ!!」
ぐぐぐ…ぐぐ…しゅぽんっ!
何かが狭い所から飛び出したような音がする。その瞬間、琴音は顔を蒼白にした。
「な、なんでっ…こんなの…」
琴音は凍り付いた表情で食い入るように自分の手の押さえている部分を見つめている。そこは、両手で押さえきれないほどに大きく膨らんでいた。テントのように、一点を頂点として生地が張りつめている。
「………」
「そ、そんな」
芹香が何かを短く言うと、琴音は悲痛な声を出した。
「…………」
「だ、だったら、最初から言ってくれるのが…」
琴音は沈んだ声で言う。嘘をつかないタイプだが、説明が足りない事はある。故意にしろ、そうではないにしろ。
「…こっ。こんなのってひどすぎます…」
かなりの長い沈黙の後、琴音は泣きそうになりながらも自らスカートに手をかけて、それを下ろしていく。その下に見える薄いピンクのショーツは、はち切れんばかりの膨らみを見せていた。
芹香も全く同じようにスカートを下ろすが、もちろん芹香の恥丘はいたって普通の膨らみしか見せていない。ショーツも、何事もないかのように脱いでしまう。
「うっ…いや…こんなの…」
だが琴音はそうもいかない。スカートを脱いだ時に比べれば3倍以上の時間をかけて、やっとショーツを下ろす。その下から、窮屈そうに押し込められていた巨大な肉棒が一気に飛び出した。固く勃起して熱を帯びたそれは、琴音の華奢な肉体と比べればあまりに不釣り合いだ。
重そうに伸びているそれを引きつったまなざしで見ながら、琴音は床の上に身を横たえる。芹香はその横に回ると、琴音の身体とは逆向きになって覆いかぶさった。
「そ、そんなにじっと見ないでくださいっ…先輩…」
視界が芹香の身体によってふさがれる。自分で見つめているのも恥ずかしいが、自分が見えないのに他人がじっくりと見ているというのはもっと恥ずかしい。しかも、芹香の目は覆いかぶさろうとしている時に不自然なほどうっとりとしていた。そんな目で異形の肉棒を観察されているのかと思うと、琴音はいたたまれなくなる。
ちゅるん…
「ひやっ…」
琴音はピクッ…と身体をひくつかせる。芹香の舌が、肉棒の先の部分を回すように舐めたのだ。
ちゅるん……ちゅるん……
「う…あ…」
味見をするように何度も舐められると、未知の快感がジンジンと伝わってきた。微細な一点をこねくり回されるのではなく、ある程度の大きさを持った部分を舌でこねられるというのは恐怖感に似た快感だった。相手に無防備な部分を晒しているという思いを強くしてしまう。自分が隠している所に相手が中へ中へと侵入してくるのなら諦めもつくが、今の状況はまるで触って欲しいと自分から敏感な部分を露出しているようなものだった。
つつーっ…じゅる。
「っ…ふぅぅぅぅっ…!」
芹香は口で思い切り肉棒を覆うことはせず、舌先を使って肉棒の一点一点を移動していくような刺激を加えてくる。琴音はいたぶられるような刺激に、背筋を通る快感をどんどん高鳴らせてしまった。そうすると、身体の中から肉棒に何かが流れ込んでいくような気がしてくる。
初めの内は糸のように細い流れだったのが、次第に鉛筆くらいの太さになり、それと共に琴音は息苦しさのようなものを覚えていった。何かが吸い取られていくような気分だ。
「せ、先輩…くるしい…ですっ…」
「……………」
「えっ…えぇっ…」
芹香が何かを告げると、琴音ははぁはぁと呼吸を乱しながら、目の前を呆然と見つめる。そこには、布地に覆われていない芹香のヒップがあった。
「はぁっ…はぁっ…んっ…」
ちゅぷ…
琴音はそこに顔を近づけて、芹香の恥丘に唇を押しつける。そして、ぐりぐりと中の粘膜の辺りまで口を押し進めると、
ちゅうっ…じゅる…じゅるる…
苦しげな顔をしながらそこを吸った。すぐに芹香の中からは透明な蜜がしたたって琴音の乾いた口の中を潤していく。その酸味がかった香りが口腔を満たしていくほどに、琴音は段々と息苦しさがなくなってくるのを感じていた。
じゅる…じゅるっじゅっ…じゅるる…
酸素ボンベでも求めているかのように、琴音は一生懸命になって芹香の蜜を吸う。それだけではなく、ふと思いついたかのように指を秘部に這い込ませると芹香の勃起した突起を撫でる。
「…………」
琴音が生やされた肉棒とは比べ物にならないほど小さな部分だが、快感を産むという意味では勝るとも劣らない部分だ。芹香は凝縮された官能に腰をくねらせながら、ますます琴音の肉棒を大胆に舐め立てる。汗でぺったりと何本かの髪を額に張りつけながら、真っ赤な舌を操る芹香の顔は恍惚としたものになってきていた。
じゅる、じゅる。
琴音自身の努力にもよってますますあふれ返る芹香の蜜液に、琴音は息苦しさをほとんど感じなくなってきていた。何かが肉棒に流れ込む感覚は消えていなかったが、それが今度は甘美な快感に感じられてくる。琴音は肉棒に何かが蓄積されつつあるのを感じつつ、夢中になってべろべろと舌を動かした。
「くぅ…ううっ…うううっ…先輩…私…なんだかっ…」
舌の動きは琴音も慣れたものだったが、普段している行為により近いぶん芹香の方が有利だった。芹香は顔色ひとつ変えずにフェラチオを続けているのに、琴音は声を出して最期を訴える。
ちゅぽ、ちゅぽ、ちゅぽ。
すると、芹香は琴音の肉棒をぱっくりとくわえこんで上下に顔を振った。生き物のような動きを見せる口腔に擦られ、琴音は瞬間的に追いつめられてしまう。
「い、いやああああ…私…私っ」
琴音は芹香の秘部を舐める事を放棄し、快感に身を任せてしまった。
…びゅびゅびゅっ! びゅっ、びゅく、びゅくぅっ!
激しい勢いで脈動した肉棒からほとばしった白濁の液体。芹香はそれを、深々と肉棒をくわえこむ事で一滴残らず受け止めた。そして、嬉しそうに、本当に嬉しそうにそれを飲み込んでいった。
「はぁ…はぁっ…はぁぁっ…はぁ…」
激しい運動の後のように琴音は放心状態になっている。
ちゅうっ、ちゅうう…
段々と縮み、琴音の身体の中に消えていきそうになる肉棒を芹香は追うようにして残った液体を求めようとした。
「う…うう…うっ」
琴音は放出後の敏感な部分を刺激され、うめくような声を出す。
そんな悲惨な絶頂でも、琴音に救いがあるとすれば、最近浩之を感じることができずに欲求不満になっていたということだった。芹香もまた、浩之を口の中に感じなくなって久しかった。
「………」
「はぁ…」
お互いの思惑を感じているのかいないのか、二人は逆さまに絡み合ったまましばし動かなかった。
「ど…どうなんですか?」
ぴた…ぴた。
芹香の手に握られた、黒い吸盤のようなものが琴音の額や頬に当てられる。材質の出自はいかにもいかがわしそうだが、平凡な光沢を放っているところを見るとただのゴム製のようだ。もっとも、ロウソクの光しかない部屋の中ではそれなりに不気味な道具に見えるのは間違いない。
琴音はそれが顔に当てられる度に目をつむったり首を動かしたり、落ち着かない様子だった。実際、あまり心地よい感触ではないだろう。しかも、浩之の勧めでこのオカルト研究会に入ってからと言うものの、琴音は芹香の魔術実験で何度かおかしな目に遭ってきた。冗談で済まされるようなものばかりだったが、突然ずぶ濡れにされたり30センチばかりの空中歩行をさせられてからひっくり返されたりと、琴音本人にとっては決して楽しいものではない。
「………」
芹香が吸盤をポケットにしまう。そして黒いとんがり帽子を頭から取って、部屋の脇にある棚の上に置きにいった。
「終わったんですか…?」
琴音は芹香の後ろ姿を見て、自分の額と頬を撫でながら訊く。
ぱさ…
芹香はマントも脱いだ。普段通りの制服姿になる。それを丁寧に畳んで棚の上に置こうとしているのを、琴音はもどかしそうに見つめていた。しかし芹香はいつまで経っても返事をしない。
「あの…」
その時、くる、と人形のような動作で芹香が振り向く。
琴音が黙ると、芹香は身をかがめて上履きを脱ぎ始めた。
「??」
上履きにとどまらず、白のソックスも脱いでしまう。琴音は芹香が何をしようとしているのか予想がつかず、不思議そうな目でそれを見ていた。
ぴた、ぴた。
そして、芹香はさっき吸盤を押し当てていた時のような音を立てながら、ワックスの掛かった床の上を歩み寄る。琴音は何とはなしに嫌な予感を覚えたが、状況が分からない以上どうする事もできなかった。
「あの、さっき飲んだ種…もうこれでいいんですよね」
おずおず、と琴音は問う。芹香は、嘘をつくようなタイプではない。
「………、……、……」
「え…!? あの…先輩? なんで呪文…」
芹香が不意に目を閉じてかすかな声で詠唱を始め、琴音は慌てふためく。
「な、なんの呪文なんですかっ…教えてくれないと…」
「………」
琴音が芹香の手をつかもうとした所で、芹香の詠唱は終わってしまった。琴音は不安そうな顔で自分の身体をきょろきょろと見回す。見えるところには、表面的な変化が起こった様子はない。
しかし…
「えっ…え…う、うそっ…これ…な、なんですかっ…これは…」
びくり、と琴音が身体を震わせる。恐怖と、それから身体の中に生まれた奇妙な感覚のせいだ。
「い、い…いやっ…」
一瞬の躊躇のあと、琴音はがばっと両手で自分のスカートを覆い隠す。というより、その最も中心の部分、ショーツに包まれている辺りだ。
ぐ…ぐぐ…ぐぐぐっ
「きゃ、きゃあっ! う、うそっ…先輩…や、やめてくださいっ! 止めてくださいっ!!」
ぐぐぐ…ぐぐ…しゅぽんっ!
何かが狭い所から飛び出したような音がする。その瞬間、琴音は顔を蒼白にした。
「な、なんでっ…こんなの…」
琴音は凍り付いた表情で食い入るように自分の手の押さえている部分を見つめている。そこは、両手で押さえきれないほどに大きく膨らんでいた。テントのように、一点を頂点として生地が張りつめている。
「………」
「そ、そんな」
芹香が何かを短く言うと、琴音は悲痛な声を出した。
「…………」
「だ、だったら、最初から言ってくれるのが…」
琴音は沈んだ声で言う。嘘をつかないタイプだが、説明が足りない事はある。故意にしろ、そうではないにしろ。
「…こっ。こんなのってひどすぎます…」
かなりの長い沈黙の後、琴音は泣きそうになりながらも自らスカートに手をかけて、それを下ろしていく。その下に見える薄いピンクのショーツは、はち切れんばかりの膨らみを見せていた。
芹香も全く同じようにスカートを下ろすが、もちろん芹香の恥丘はいたって普通の膨らみしか見せていない。ショーツも、何事もないかのように脱いでしまう。
「うっ…いや…こんなの…」
だが琴音はそうもいかない。スカートを脱いだ時に比べれば3倍以上の時間をかけて、やっとショーツを下ろす。その下から、窮屈そうに押し込められていた巨大な肉棒が一気に飛び出した。固く勃起して熱を帯びたそれは、琴音の華奢な肉体と比べればあまりに不釣り合いだ。
重そうに伸びているそれを引きつったまなざしで見ながら、琴音は床の上に身を横たえる。芹香はその横に回ると、琴音の身体とは逆向きになって覆いかぶさった。
「そ、そんなにじっと見ないでくださいっ…先輩…」
視界が芹香の身体によってふさがれる。自分で見つめているのも恥ずかしいが、自分が見えないのに他人がじっくりと見ているというのはもっと恥ずかしい。しかも、芹香の目は覆いかぶさろうとしている時に不自然なほどうっとりとしていた。そんな目で異形の肉棒を観察されているのかと思うと、琴音はいたたまれなくなる。
ちゅるん…
「ひやっ…」
琴音はピクッ…と身体をひくつかせる。芹香の舌が、肉棒の先の部分を回すように舐めたのだ。
ちゅるん……ちゅるん……
「う…あ…」
味見をするように何度も舐められると、未知の快感がジンジンと伝わってきた。微細な一点をこねくり回されるのではなく、ある程度の大きさを持った部分を舌でこねられるというのは恐怖感に似た快感だった。相手に無防備な部分を晒しているという思いを強くしてしまう。自分が隠している所に相手が中へ中へと侵入してくるのなら諦めもつくが、今の状況はまるで触って欲しいと自分から敏感な部分を露出しているようなものだった。
つつーっ…じゅる。
「っ…ふぅぅぅぅっ…!」
芹香は口で思い切り肉棒を覆うことはせず、舌先を使って肉棒の一点一点を移動していくような刺激を加えてくる。琴音はいたぶられるような刺激に、背筋を通る快感をどんどん高鳴らせてしまった。そうすると、身体の中から肉棒に何かが流れ込んでいくような気がしてくる。
初めの内は糸のように細い流れだったのが、次第に鉛筆くらいの太さになり、それと共に琴音は息苦しさのようなものを覚えていった。何かが吸い取られていくような気分だ。
「せ、先輩…くるしい…ですっ…」
「……………」
「えっ…えぇっ…」
芹香が何かを告げると、琴音ははぁはぁと呼吸を乱しながら、目の前を呆然と見つめる。そこには、布地に覆われていない芹香のヒップがあった。
「はぁっ…はぁっ…んっ…」
ちゅぷ…
琴音はそこに顔を近づけて、芹香の恥丘に唇を押しつける。そして、ぐりぐりと中の粘膜の辺りまで口を押し進めると、
ちゅうっ…じゅる…じゅるる…
苦しげな顔をしながらそこを吸った。すぐに芹香の中からは透明な蜜がしたたって琴音の乾いた口の中を潤していく。その酸味がかった香りが口腔を満たしていくほどに、琴音は段々と息苦しさがなくなってくるのを感じていた。
じゅる…じゅるっじゅっ…じゅるる…
酸素ボンベでも求めているかのように、琴音は一生懸命になって芹香の蜜を吸う。それだけではなく、ふと思いついたかのように指を秘部に這い込ませると芹香の勃起した突起を撫でる。
「…………」
琴音が生やされた肉棒とは比べ物にならないほど小さな部分だが、快感を産むという意味では勝るとも劣らない部分だ。芹香は凝縮された官能に腰をくねらせながら、ますます琴音の肉棒を大胆に舐め立てる。汗でぺったりと何本かの髪を額に張りつけながら、真っ赤な舌を操る芹香の顔は恍惚としたものになってきていた。
じゅる、じゅる。
琴音自身の努力にもよってますますあふれ返る芹香の蜜液に、琴音は息苦しさをほとんど感じなくなってきていた。何かが肉棒に流れ込む感覚は消えていなかったが、それが今度は甘美な快感に感じられてくる。琴音は肉棒に何かが蓄積されつつあるのを感じつつ、夢中になってべろべろと舌を動かした。
「くぅ…ううっ…うううっ…先輩…私…なんだかっ…」
舌の動きは琴音も慣れたものだったが、普段している行為により近いぶん芹香の方が有利だった。芹香は顔色ひとつ変えずにフェラチオを続けているのに、琴音は声を出して最期を訴える。
ちゅぽ、ちゅぽ、ちゅぽ。
すると、芹香は琴音の肉棒をぱっくりとくわえこんで上下に顔を振った。生き物のような動きを見せる口腔に擦られ、琴音は瞬間的に追いつめられてしまう。
「い、いやああああ…私…私っ」
琴音は芹香の秘部を舐める事を放棄し、快感に身を任せてしまった。
…びゅびゅびゅっ! びゅっ、びゅく、びゅくぅっ!
激しい勢いで脈動した肉棒からほとばしった白濁の液体。芹香はそれを、深々と肉棒をくわえこむ事で一滴残らず受け止めた。そして、嬉しそうに、本当に嬉しそうにそれを飲み込んでいった。
「はぁ…はぁっ…はぁぁっ…はぁ…」
激しい運動の後のように琴音は放心状態になっている。
ちゅうっ、ちゅうう…
段々と縮み、琴音の身体の中に消えていきそうになる肉棒を芹香は追うようにして残った液体を求めようとした。
「う…うう…うっ」
琴音は放出後の敏感な部分を刺激され、うめくような声を出す。
そんな悲惨な絶頂でも、琴音に救いがあるとすれば、最近浩之を感じることができずに欲求不満になっていたということだった。芹香もまた、浩之を口の中に感じなくなって久しかった。
「………」
「はぁ…」
お互いの思惑を感じているのかいないのか、二人は逆さまに絡み合ったまましばし動かなかった。
ある朝。綾香の股間に違和感があった。
「…ね・え・さ・ん?」
ぎぎっ…と首を動かして、綾香はベッドの脇にちょこんと座っている芹香に目をやる。
いつ部屋に入ってきていたのかはわからないが、朝から帽子にマントの魔術師ルックでは「私が犯人です」と言っているようなものだ。綾香は頭痛に頭を抱えながら、芹香の顔と不自然に膨らんでいる自分の股間を交互に見やる。起き抜けの眠気を綺麗に吹き飛ばすような状況だった。
「…………」
綾香が布団をめくって自分の状態を見せると、芹香はゆるりとした動作で立ち上がる。どちらが起き抜けなのか分からないほどの緩慢な動きだった。
「…いくらなんでも、これはないんじゃない?」
罪悪感が無さそうな芹香に、綾香は苦々しく言う。同意・非同意に拘わらず散々芹香の魔法に付き合わされてきたが、今回のパターンはこれまでで最悪なのは間違いなかった。
「お願いだから、説明してくれる…?」
こくん。
芹香は綾香の膨らんだ所を見つめて、少しだけ頬を染めながらうなずいた。
「姉さんがやったんでしょ…姉さんに恥ずかしがられちゃ、世話ないわよ」
こく。
「…まぁいいわ…出来れば早く説明してもらって、元に戻してほしいんだけど…」
非難されているのに素直にうなずく芹香に、綾香は呆れ顔だった。
「いっとくけど、もう元に戻せないってのはナシよ?前の時は本気で死のうかって思ったくらいなんだから…」
ふるふる。
芹香は首を横に振る。
「そう…じゃあなんでこうなったのかをきっちり説明してね」
こくん。
「いちいちうなずかなくてもいいから…」
こく…
半分だけうなずいて、芹香はまた顔を赤くした。
綾香はよっぽど何か言ってやろうかと思ったが、また遅くなりそうなので我慢する。
「……………………」
「魔力ぅ?私に?」
こく…
芹香はまた半分だけうなずいて、またもや顔を赤くする。
「いいから。姉さんがうなずこうがうなずかなかろうが…それで、これとどういう関係があるの?」
「………………」
「はい…?」
「……………」
「なんで…よりにもよってそんな方法を使うのよ…」
「…………」
「ひどい話ね…」
綾香はごんごんと自分の頭を叩いて、疲れきった顔をする。
「いやよ…いくら姉さんだからって勝手にこんなのされて、付き合う義理なんてないもの」
芹香からそっぽを向いて、綾香は腕組みした。
「早く消して、こんなの」
「…………」
「…あのね」
「……………」
「姉さん、嘘ついてない?」
ふるふる…
「ほんとーに?」
こくん。
「……………ああああああああああっ」
綾香は芹香の目をじぃっと見ていたが、芹香のぽーっとした瞳が何も語ろうとしないのを見て諦めたようだった。
「…私が彼氏できないのって、姉さんの影響がすごくありそうな気がするんだけど、気のせい?」
こくん。
「……あああっ!もう、わかったわよっ…どーとでもして」
腕組みをしたまま、綾香は言い切る。
そう言うと同時に、芹香はベッドに上がってきた。まだ綾香が寝ていたあたたかさの残る敷き布団の上をすりすりと動いて、綾香の真正面にちょこんと正座する。
「…もう…」
綾香は腕組みの姿勢を崩さないまま、芹香の事を見ていた。もちろん非難の色濃くにじみ出た視線だったが、芹香は何事もないかのように身を乗り出して、綾香の膝の上に手を乗せる。
帽子のつばをぶつけそうにしながら、芹香は綾香のブルーのパジャマに指をかけた。そして、まるで自分の服を脱いでいるときのような普通の動作でパジャマとショーツを一緒に下ろしていく。
ぷるっ…
「うわ…」
芹香の帽子で視界は遮られていたが、肉棒がショーツの中から飛び出した感触はわかった。押さえ込むものがなくなった肉棒は、勢い良く屹立して外気に晒される。
「く、くすぐった…」
既に、芹香のかすかな息が肉棒にかかり始めていた。綾香は思わず緊張してしまう。さっさと済ませてくれとは言ったものの、実際にされるとなると妙な不安感が生まれてきた。
はぁ…はぁっ…
芹香の息が近づいては離れる。そして、帽子のつばがお腹の辺りに何度も押しつけられた。
「な、なにしてんの…姉さん、帽子取ればいいでしょ」
声がうわずってしまったのは、まるで焦らされているような気がしてしまったからだ。綾香は芹香の帽子のつばをつかんで、すぽっと外す。
その瞬間、舌をぺろっと出した芹香の顔が自分の股間から生えた肉棒に迫っているのが視界に入ってきた。そして二人の目が合う。
「や、やだ…早くしてよ」
透明な目で見られていると、ますます不安になってきた。綾香は帽子を脇に投げて、また腕組みの姿勢に戻る。
はむっ。
「あうっ!?」
ぺろぺろ…ちゅぽっ
帽子を投げたのとほぼ同時に、芹香がぱっくりと綾香の肉棒をくわえこんでいた。そして、すぐに舌が先っぽの部分をこねくり回し始める。
「つ、つよすぎよ…姉さん」
綾香は体験したことのない激しい快感に、動揺していた。そもそも、綾香は性感についてまるっきりの純潔だ。「感じる」というのがどういう事なのか、知識の上でしか知らない。
ぺろぺろっ。ぺろ…
「い、いやあっ…こんなの…こんなの…」
くちゅくちゅくちゅ。ちゅぽっ…ちゅぽっ…ちゅぽっ…
そんな綾香にとって、敏感な肉棒に加えられる口唇の刺激は強烈すぎた。しかし快感は快感だ。綾香が感じているのは痛みでもくすぐったさでもなく、激烈な快感だ。
だが、芹香は口を黙々と動かし続けていた。段々としごき立てる動きが中心となってきたが、時折舌が先端をめちゃくちゃにこねくり回す動きも混じる。綾香は腕組みは崩していなかったが、芹香が先端を舐める度にびくっとベッドから身体を浮き上がらせていた。目はいつのまにか閉じられ、顔は芹香とはややずれた方向を向いていた。表情は何かに耐えているようなものになっている。
「い、いつまで続けるのよぉ…これ」
ちゅぼちゅぼっ…
綾香がそう言うと、芹香は口の動きをさらに激しくした。綾香は電撃を受けたように身体を震わせる。
「くぅぅっ…!…もうやめて…姉さん…変になる…」
ついに綾香は腕組みを崩して、芹香の頭を両手で押さえつけた。しかし綾香が露骨な反応を示すほどに芹香は舌と口の動きを活発にして、綾香の肉棒をどんどん追いつめていく。
無論、芹香は綾香の感じているのが射精感だと気づいていた。綾香がそれに気づいていないだけだ。少女が体験するはずもない感覚なのだからある意味では当然とも言えるが、綾香が状況を理性で判断をする余裕をなくしている証拠とも言える。
「ゆっ…許して…本当に…頭の中と…これがっ…お…おち○ちんがっ…壊れるぅっ」
綾香は、肉棒をそう形容するしかなかった。他に言いようがなかったのだ。綾香は外国に長くいたとは言え、英語で婉曲(えんきょく)に述べているだけの時間も理性も失っていた。
芹香はそれを聞き、綾香がいよいよ我慢しきれなくなった事を悟る。飛び出してくる液体に備えるべく、芹香は口の中いっぱいに綾香の肉棒をくわえこんだ。さらに、綾香の女性器の部分も優しくさすって綾香の絶頂をうながす。
「い、い、いやぁぁ!いや…姉さん、どいてぇぇッ!?」
どんっ!
「!」
綾香は芹香の頭を跳ね飛ばそうとする。
「いや!だめぇ!…あああああーっ!?」
びゅるっ…びゅぴゅるっ…びゅるるぅっ…!!
それとほぼ同時に綾香は耐えきれなくなって絶頂し、肉棒が射精を開始した。
「うあっ、うあっ、うあっ…うああっ…うあっ…」
綾香はひとつの放出ごとに、情けない声を出してジャンプするように腰を跳ね上げる。芹香は頭を突き飛ばされ、くわえる位置が根元から先端近くまで移動していたが、何とか濃厚な白濁液を口の中に受け止めようと試みた。
びゅる。びゅる…びゅ
身体を跳ねさせる綾香の動きに合わせて芹香は必死に肉棒を追う。
「くっ…くぅぅっ…うあああああっ…」
が、綾香の射精が止まるまでには顔や髪のあちこちに白い液体がこびりついてしまっていた。特に額から右の目辺りにかけては、たっぷりと白濁液がついて垂れてきている。一回だけ、綾香が完全に虚空に放出するのを許してしまったのだ。
「………」
ばたっ。
大の字に伸びてしまった綾香を後目に、芹香はぺろぺろと顔についた白濁液をぬぐい取って舐め始めた。
ちゅるちゅるっ…ぺろん。
確かにこれは精液ではなくて魔力を媒介する大切な液体ということにはなるが、無表情な芹香が美味しそうに顔中に付着した白濁の液体をこそげとって舐めているのは非常に淫靡な光景だ。
ちゅるん。
そして一通り舐めてしまったところで、芹香が困った表情になる。
「…………」
「え…?」
放心状態の綾香が、寝転がったまま返事する。
「……………」
「す、すこし足りないって…そ、そんなっ…もう…だめっ…私…!」
はむっ。
「いやああっ!姉さんっ…もう許してぇっ…」
ちゅうちゅう。
芹香は幾分小さくなった綾香の肉棒を片手でしごきながら、出てきた白濁の液体をいとおしそうに吸い取っていた…
「…ね・え・さ・ん?」
ぎぎっ…と首を動かして、綾香はベッドの脇にちょこんと座っている芹香に目をやる。
いつ部屋に入ってきていたのかはわからないが、朝から帽子にマントの魔術師ルックでは「私が犯人です」と言っているようなものだ。綾香は頭痛に頭を抱えながら、芹香の顔と不自然に膨らんでいる自分の股間を交互に見やる。起き抜けの眠気を綺麗に吹き飛ばすような状況だった。
「…………」
綾香が布団をめくって自分の状態を見せると、芹香はゆるりとした動作で立ち上がる。どちらが起き抜けなのか分からないほどの緩慢な動きだった。
「…いくらなんでも、これはないんじゃない?」
罪悪感が無さそうな芹香に、綾香は苦々しく言う。同意・非同意に拘わらず散々芹香の魔法に付き合わされてきたが、今回のパターンはこれまでで最悪なのは間違いなかった。
「お願いだから、説明してくれる…?」
こくん。
芹香は綾香の膨らんだ所を見つめて、少しだけ頬を染めながらうなずいた。
「姉さんがやったんでしょ…姉さんに恥ずかしがられちゃ、世話ないわよ」
こく。
「…まぁいいわ…出来れば早く説明してもらって、元に戻してほしいんだけど…」
非難されているのに素直にうなずく芹香に、綾香は呆れ顔だった。
「いっとくけど、もう元に戻せないってのはナシよ?前の時は本気で死のうかって思ったくらいなんだから…」
ふるふる。
芹香は首を横に振る。
「そう…じゃあなんでこうなったのかをきっちり説明してね」
こくん。
「いちいちうなずかなくてもいいから…」
こく…
半分だけうなずいて、芹香はまた顔を赤くした。
綾香はよっぽど何か言ってやろうかと思ったが、また遅くなりそうなので我慢する。
「……………………」
「魔力ぅ?私に?」
こく…
芹香はまた半分だけうなずいて、またもや顔を赤くする。
「いいから。姉さんがうなずこうがうなずかなかろうが…それで、これとどういう関係があるの?」
「………………」
「はい…?」
「……………」
「なんで…よりにもよってそんな方法を使うのよ…」
「…………」
「ひどい話ね…」
綾香はごんごんと自分の頭を叩いて、疲れきった顔をする。
「いやよ…いくら姉さんだからって勝手にこんなのされて、付き合う義理なんてないもの」
芹香からそっぽを向いて、綾香は腕組みした。
「早く消して、こんなの」
「…………」
「…あのね」
「……………」
「姉さん、嘘ついてない?」
ふるふる…
「ほんとーに?」
こくん。
「……………ああああああああああっ」
綾香は芹香の目をじぃっと見ていたが、芹香のぽーっとした瞳が何も語ろうとしないのを見て諦めたようだった。
「…私が彼氏できないのって、姉さんの影響がすごくありそうな気がするんだけど、気のせい?」
こくん。
「……あああっ!もう、わかったわよっ…どーとでもして」
腕組みをしたまま、綾香は言い切る。
そう言うと同時に、芹香はベッドに上がってきた。まだ綾香が寝ていたあたたかさの残る敷き布団の上をすりすりと動いて、綾香の真正面にちょこんと正座する。
「…もう…」
綾香は腕組みの姿勢を崩さないまま、芹香の事を見ていた。もちろん非難の色濃くにじみ出た視線だったが、芹香は何事もないかのように身を乗り出して、綾香の膝の上に手を乗せる。
帽子のつばをぶつけそうにしながら、芹香は綾香のブルーのパジャマに指をかけた。そして、まるで自分の服を脱いでいるときのような普通の動作でパジャマとショーツを一緒に下ろしていく。
ぷるっ…
「うわ…」
芹香の帽子で視界は遮られていたが、肉棒がショーツの中から飛び出した感触はわかった。押さえ込むものがなくなった肉棒は、勢い良く屹立して外気に晒される。
「く、くすぐった…」
既に、芹香のかすかな息が肉棒にかかり始めていた。綾香は思わず緊張してしまう。さっさと済ませてくれとは言ったものの、実際にされるとなると妙な不安感が生まれてきた。
はぁ…はぁっ…
芹香の息が近づいては離れる。そして、帽子のつばがお腹の辺りに何度も押しつけられた。
「な、なにしてんの…姉さん、帽子取ればいいでしょ」
声がうわずってしまったのは、まるで焦らされているような気がしてしまったからだ。綾香は芹香の帽子のつばをつかんで、すぽっと外す。
その瞬間、舌をぺろっと出した芹香の顔が自分の股間から生えた肉棒に迫っているのが視界に入ってきた。そして二人の目が合う。
「や、やだ…早くしてよ」
透明な目で見られていると、ますます不安になってきた。綾香は帽子を脇に投げて、また腕組みの姿勢に戻る。
はむっ。
「あうっ!?」
ぺろぺろ…ちゅぽっ
帽子を投げたのとほぼ同時に、芹香がぱっくりと綾香の肉棒をくわえこんでいた。そして、すぐに舌が先っぽの部分をこねくり回し始める。
「つ、つよすぎよ…姉さん」
綾香は体験したことのない激しい快感に、動揺していた。そもそも、綾香は性感についてまるっきりの純潔だ。「感じる」というのがどういう事なのか、知識の上でしか知らない。
ぺろぺろっ。ぺろ…
「い、いやあっ…こんなの…こんなの…」
くちゅくちゅくちゅ。ちゅぽっ…ちゅぽっ…ちゅぽっ…
そんな綾香にとって、敏感な肉棒に加えられる口唇の刺激は強烈すぎた。しかし快感は快感だ。綾香が感じているのは痛みでもくすぐったさでもなく、激烈な快感だ。
だが、芹香は口を黙々と動かし続けていた。段々としごき立てる動きが中心となってきたが、時折舌が先端をめちゃくちゃにこねくり回す動きも混じる。綾香は腕組みは崩していなかったが、芹香が先端を舐める度にびくっとベッドから身体を浮き上がらせていた。目はいつのまにか閉じられ、顔は芹香とはややずれた方向を向いていた。表情は何かに耐えているようなものになっている。
「い、いつまで続けるのよぉ…これ」
ちゅぼちゅぼっ…
綾香がそう言うと、芹香は口の動きをさらに激しくした。綾香は電撃を受けたように身体を震わせる。
「くぅぅっ…!…もうやめて…姉さん…変になる…」
ついに綾香は腕組みを崩して、芹香の頭を両手で押さえつけた。しかし綾香が露骨な反応を示すほどに芹香は舌と口の動きを活発にして、綾香の肉棒をどんどん追いつめていく。
無論、芹香は綾香の感じているのが射精感だと気づいていた。綾香がそれに気づいていないだけだ。少女が体験するはずもない感覚なのだからある意味では当然とも言えるが、綾香が状況を理性で判断をする余裕をなくしている証拠とも言える。
「ゆっ…許して…本当に…頭の中と…これがっ…お…おち○ちんがっ…壊れるぅっ」
綾香は、肉棒をそう形容するしかなかった。他に言いようがなかったのだ。綾香は外国に長くいたとは言え、英語で婉曲(えんきょく)に述べているだけの時間も理性も失っていた。
芹香はそれを聞き、綾香がいよいよ我慢しきれなくなった事を悟る。飛び出してくる液体に備えるべく、芹香は口の中いっぱいに綾香の肉棒をくわえこんだ。さらに、綾香の女性器の部分も優しくさすって綾香の絶頂をうながす。
「い、い、いやぁぁ!いや…姉さん、どいてぇぇッ!?」
どんっ!
「!」
綾香は芹香の頭を跳ね飛ばそうとする。
「いや!だめぇ!…あああああーっ!?」
びゅるっ…びゅぴゅるっ…びゅるるぅっ…!!
それとほぼ同時に綾香は耐えきれなくなって絶頂し、肉棒が射精を開始した。
「うあっ、うあっ、うあっ…うああっ…うあっ…」
綾香はひとつの放出ごとに、情けない声を出してジャンプするように腰を跳ね上げる。芹香は頭を突き飛ばされ、くわえる位置が根元から先端近くまで移動していたが、何とか濃厚な白濁液を口の中に受け止めようと試みた。
びゅる。びゅる…びゅ
身体を跳ねさせる綾香の動きに合わせて芹香は必死に肉棒を追う。
「くっ…くぅぅっ…うあああああっ…」
が、綾香の射精が止まるまでには顔や髪のあちこちに白い液体がこびりついてしまっていた。特に額から右の目辺りにかけては、たっぷりと白濁液がついて垂れてきている。一回だけ、綾香が完全に虚空に放出するのを許してしまったのだ。
「………」
ばたっ。
大の字に伸びてしまった綾香を後目に、芹香はぺろぺろと顔についた白濁液をぬぐい取って舐め始めた。
ちゅるちゅるっ…ぺろん。
確かにこれは精液ではなくて魔力を媒介する大切な液体ということにはなるが、無表情な芹香が美味しそうに顔中に付着した白濁の液体をこそげとって舐めているのは非常に淫靡な光景だ。
ちゅるん。
そして一通り舐めてしまったところで、芹香が困った表情になる。
「…………」
「え…?」
放心状態の綾香が、寝転がったまま返事する。
「……………」
「す、すこし足りないって…そ、そんなっ…もう…だめっ…私…!」
はむっ。
「いやああっ!姉さんっ…もう許してぇっ…」
ちゅうちゅう。
芹香は幾分小さくなった綾香の肉棒を片手でしごきながら、出てきた白濁の液体をいとおしそうに吸い取っていた…
「本気なのか?先輩…」
……こくん…
頭を下げてから上げるまでに長いブランクがある、かなりゆっくりとしたうなずき方だった。
「嬉しいことは嬉しいんだけどなぁ…」
わずかに顔を上げ、芹香は固唾を飲んで浩之の次の言葉を待つ。ロウソクの光に照らされた頬が、ぽーっと紅くなっているのが分かった。もっとも、それは芹香がブラジャーを半分はだけ、ショーツを脱いで後はソックスだけという極めて扇情的な格好をしていたから仕方がないのかもしれない。
「い、いや、そんな真剣な表情をされても…なんつーか、俺達いつになったらフツーにやれるのかなって」
「………」
芹香はぱちぱちと目をしばたたかせた後で、段々顔を伏せていく。
確かに処女・童貞の喪失が媚薬とローションのプレイで騎乗位、二回目がフェラチオとなれば多少通常から外れているのかもしれない。しかし芹香の危険日をずらす事はできなかった。
薬でずらせる「かもしれない」という申し出を浩之が断ったのは言うまでもない。そして、童貞を捨てたばかりの浩之が毎日避妊具を学校に持ってくるほどに気が回るわけはなかった。
「気にしないでいいって…先輩」
…こく。
また躊躇があったが、芹香は素直にうなずいた。
そのまま膝立ちの姿勢になると、目の前で天井を仰いでいる浩之のペニスに冷ややかな指を触れさせる。
「うん…」
浩之はなんとなくうなずいた。そして、芹香の可憐な唇がすこしだけ開き、徐々に先端に向かって近づいてくる。真っ赤な舌がのぞいていた。
ぴと…
最初に生まれたのは、舌先が先端部分へソフトにタッチする感触である。それを追うように、唇が雁首の部分をくるんでくる感触が生まれた。
浩之は何も言わなかったが、その行為は想像以上にいやらしく、芹香の中に入っていた時と同じくらい気持ちよかった。感触がなめらかなぶん、こっちの方が気持ちいいかもしれない。
そういう想像に頭が至っていなかったのは、あるいは最初に大胆なプレイを経験してしまっていたからかもしれなかった。媚薬よりフェラチオの方がまだ一般的かもしれない。しかしだからといって行為の質が劣るという事では決してない。ぬーっと芹香の唇がペニスをくるみ込んでいく様子は、芹香の性格、社会背景、ルックスなどを内包して極めて淫靡だった。
「大丈夫か?先輩」
芹香の口に入るところまで入ったところで、声をかける。返事はなかったが、落ち着いて舌をうねうねと動かし始めている様子を見る限り大丈夫なようだった。
ふぅ…と浩之は大きく息を吐き出す。血流が高まるのが自らわかるほどに浩之の性感は刺激され始めた。
ひとしきりなめ回したあとで、また唇をペニスに伝わせながらぬーっと顔を引いていく。芹香の口腔に触れた部分は、唾液で濡れて光を反射していた。芹香は雁首だけをくわえる位置まで顔を引き、そこでストップする。
ちゅぷちゅぷ…。
今度は唾液の音を立てながら、先端に近い部分を集中的に舐め始めた。尿道口に近すぎる所を刺激された瞬間痛みに近い感覚が生まれるが、そんな事をとがめている場合ではなかった。エロティックな空気は濃度を増しつつある真っ最中なのだ。
「先輩、エッチだよな…」
芹香が上目に浩之の事を見る。どこか許しを請うような目だった。しかし口と舌の動きは止めず、献身的に浩之の性器官を愛撫し続ける。そこまで芹香が隷属的な振る舞いをするのを見たことはなかったため、浩之はぞくりとするものを覚えた。
「でも、俺は先輩が大好きだ」
少しいじめるとどうなるのかという気もしたが、浩之はそこまで意地悪になりきれない。
芹香は感慨するような瞳で、お礼するかのように浩之のペニスをじゅぽじゅぽと唇全体で大きくしごき立てた。そうやってしごかれていると、限界まで膨張したペニスがますます太く固くなってくるような気がする。
その感覚に酔いしれているうちに、腰の奥には熱い物が溜まり始めていた。
「先輩、また先っぽ舐めてくれるか?」
すぐに芹香は浩之の言葉に従う。ここまでの大きな動きを補うような、舌先での繊細な愛撫が亀頭部分を襲った。首の部分をそぉっと舐められると、じわじわと高まりが位置を上げてくるような気がする。
…ところが、それが止まらなかった。
「あ、あれ?とっ、とっ…」
浩之は慌てて括約筋に力を入れる。ところが、その高まりは一向に止まらなかった。もう尿道の根元の部分に迫ってしまっている。
「あ、やべっ…せ、先輩とめ…」
止まるはずのモノが止まらなかった。幹の部分を念入りに舐められていたせいかもしれない。気が付かないうちに、浩之の身体の内部は相当に興奮してしまっていたのだ。
どぴゅっ!
「!!」
「あ、せ、先輩…」
強烈な脈動に芹香の唇からこぼれ出たペニスが、至近距離から芹香の頬に精液をぶちまけた。
どぴゅ、どぴゅ…
浩之は後ろにバックするが、その間に強烈な脈動が芹香の顔を立て続けに襲う。射程距離から離れた時には、芹香は顔も髪も精液でべっとり汚れてしまっていた。ぴゅっぴゅっと床に精液を垂れ流しているペニスがみじめだ。
「わ、わりぃっ!まだ出すつもりじゃなかったんだけど…うわー…」
浩之はようやく脈動を止めたペニスをどう処置する事もできずに、がにまた気味の間抜けな体勢で詫びる。
だが芹香は、興味津々の目で自らの顔に付着した液体をこそげ取っていた。
「………………」
「え?この前は舐めなかったら舐めますって?ちょ、ちょい先輩っ?」
ぺろ…
芹香が愛おしそうに指についたそれを舌で舐め取った。
「…………」
「む、無理しないでいいって」
…ふるふる…
芹香は浩之から恥ずかしそうに視線をそらしながらも、首を横に振っていた。
……こくん…
頭を下げてから上げるまでに長いブランクがある、かなりゆっくりとしたうなずき方だった。
「嬉しいことは嬉しいんだけどなぁ…」
わずかに顔を上げ、芹香は固唾を飲んで浩之の次の言葉を待つ。ロウソクの光に照らされた頬が、ぽーっと紅くなっているのが分かった。もっとも、それは芹香がブラジャーを半分はだけ、ショーツを脱いで後はソックスだけという極めて扇情的な格好をしていたから仕方がないのかもしれない。
「い、いや、そんな真剣な表情をされても…なんつーか、俺達いつになったらフツーにやれるのかなって」
「………」
芹香はぱちぱちと目をしばたたかせた後で、段々顔を伏せていく。
確かに処女・童貞の喪失が媚薬とローションのプレイで騎乗位、二回目がフェラチオとなれば多少通常から外れているのかもしれない。しかし芹香の危険日をずらす事はできなかった。
薬でずらせる「かもしれない」という申し出を浩之が断ったのは言うまでもない。そして、童貞を捨てたばかりの浩之が毎日避妊具を学校に持ってくるほどに気が回るわけはなかった。
「気にしないでいいって…先輩」
…こく。
また躊躇があったが、芹香は素直にうなずいた。
そのまま膝立ちの姿勢になると、目の前で天井を仰いでいる浩之のペニスに冷ややかな指を触れさせる。
「うん…」
浩之はなんとなくうなずいた。そして、芹香の可憐な唇がすこしだけ開き、徐々に先端に向かって近づいてくる。真っ赤な舌がのぞいていた。
ぴと…
最初に生まれたのは、舌先が先端部分へソフトにタッチする感触である。それを追うように、唇が雁首の部分をくるんでくる感触が生まれた。
浩之は何も言わなかったが、その行為は想像以上にいやらしく、芹香の中に入っていた時と同じくらい気持ちよかった。感触がなめらかなぶん、こっちの方が気持ちいいかもしれない。
そういう想像に頭が至っていなかったのは、あるいは最初に大胆なプレイを経験してしまっていたからかもしれなかった。媚薬よりフェラチオの方がまだ一般的かもしれない。しかしだからといって行為の質が劣るという事では決してない。ぬーっと芹香の唇がペニスをくるみ込んでいく様子は、芹香の性格、社会背景、ルックスなどを内包して極めて淫靡だった。
「大丈夫か?先輩」
芹香の口に入るところまで入ったところで、声をかける。返事はなかったが、落ち着いて舌をうねうねと動かし始めている様子を見る限り大丈夫なようだった。
ふぅ…と浩之は大きく息を吐き出す。血流が高まるのが自らわかるほどに浩之の性感は刺激され始めた。
ひとしきりなめ回したあとで、また唇をペニスに伝わせながらぬーっと顔を引いていく。芹香の口腔に触れた部分は、唾液で濡れて光を反射していた。芹香は雁首だけをくわえる位置まで顔を引き、そこでストップする。
ちゅぷちゅぷ…。
今度は唾液の音を立てながら、先端に近い部分を集中的に舐め始めた。尿道口に近すぎる所を刺激された瞬間痛みに近い感覚が生まれるが、そんな事をとがめている場合ではなかった。エロティックな空気は濃度を増しつつある真っ最中なのだ。
「先輩、エッチだよな…」
芹香が上目に浩之の事を見る。どこか許しを請うような目だった。しかし口と舌の動きは止めず、献身的に浩之の性器官を愛撫し続ける。そこまで芹香が隷属的な振る舞いをするのを見たことはなかったため、浩之はぞくりとするものを覚えた。
「でも、俺は先輩が大好きだ」
少しいじめるとどうなるのかという気もしたが、浩之はそこまで意地悪になりきれない。
芹香は感慨するような瞳で、お礼するかのように浩之のペニスをじゅぽじゅぽと唇全体で大きくしごき立てた。そうやってしごかれていると、限界まで膨張したペニスがますます太く固くなってくるような気がする。
その感覚に酔いしれているうちに、腰の奥には熱い物が溜まり始めていた。
「先輩、また先っぽ舐めてくれるか?」
すぐに芹香は浩之の言葉に従う。ここまでの大きな動きを補うような、舌先での繊細な愛撫が亀頭部分を襲った。首の部分をそぉっと舐められると、じわじわと高まりが位置を上げてくるような気がする。
…ところが、それが止まらなかった。
「あ、あれ?とっ、とっ…」
浩之は慌てて括約筋に力を入れる。ところが、その高まりは一向に止まらなかった。もう尿道の根元の部分に迫ってしまっている。
「あ、やべっ…せ、先輩とめ…」
止まるはずのモノが止まらなかった。幹の部分を念入りに舐められていたせいかもしれない。気が付かないうちに、浩之の身体の内部は相当に興奮してしまっていたのだ。
どぴゅっ!
「!!」
「あ、せ、先輩…」
強烈な脈動に芹香の唇からこぼれ出たペニスが、至近距離から芹香の頬に精液をぶちまけた。
どぴゅ、どぴゅ…
浩之は後ろにバックするが、その間に強烈な脈動が芹香の顔を立て続けに襲う。射程距離から離れた時には、芹香は顔も髪も精液でべっとり汚れてしまっていた。ぴゅっぴゅっと床に精液を垂れ流しているペニスがみじめだ。
「わ、わりぃっ!まだ出すつもりじゃなかったんだけど…うわー…」
浩之はようやく脈動を止めたペニスをどう処置する事もできずに、がにまた気味の間抜けな体勢で詫びる。
だが芹香は、興味津々の目で自らの顔に付着した液体をこそげ取っていた。
「………………」
「え?この前は舐めなかったら舐めますって?ちょ、ちょい先輩っ?」
ぺろ…
芹香が愛おしそうに指についたそれを舌で舐め取った。
「…………」
「む、無理しないでいいって」
…ふるふる…
芹香は浩之から恥ずかしそうに視線をそらしながらも、首を横に振っていた。
「ね…姉さんっ…なんか、やっぱりこれ変よ」
「…………」
芹香はパラパラと手に持った分厚い本をめくりながら、綾香に答えた。綾香の手には小さな空の小瓶がある。芹香によれば、そこに入っていた薬には簡単な睡眠薬の効果があるということだった。最近眠れないという綾香の愚痴から、いつのまにかそこまで話が進んでいったのだが…
「え…なに…間違えちゃったみたい?ちょっと…大丈夫だって言ったじゃない」
ぺこり…
芹香は頭を下げる。表情の変化に乏しいせいか、あまり謝っているようには見えない。
「それで、これってなんだったの」
「……」
「…ちょ…ちょっと!」
「………」
芹香の声が、言いながらどんどん小さくなっていった。それでも綾香は聞き取れているのだから、大したものである。
「シャ、シャレになんないでしょっ!どうすんの…直す薬とかないの?」
「…」
「姉さんっっ」
綾香は困り切った顔になって抗議する。綾香の身体はどんどん熱くなってきていた。綾香は自分の腹を押さえるようにして耐えようとしていたが、それだけではどうしようもなかった。
「どうするのよぉ…これ」
「…、……、…」
「え?」
「………、……」
芹香が視線を下の方に落としながら、ぽそぽそと名詞を口にする。
「しっ!知らないわよっ、そんなの」
綾香は顔面を真っ赤にして叫んだ。余裕のなさは、薬の効果がどんどん進行してきている事によるのか、はたまた綾香がこういった事にあまりに無垢であるからだったのか。
叫んでから、綾香は両手で腹をきゅうぅっと押さえて泣きそうな顔をする。
「あ、頭がおかしくなっちゃうっ…助けて…助けてよ、姉さんっ!」
綾香は悲痛な声を上げた。それは多少大げさだったかもしれないが、芹香はその声に打たれたように、確信した瞳になって綾香の元へ歩き始める。
「ね、姉さん?なんか、あるの?」
「……」
「え…」
「…ふむっ!」
芹香の唇が、綾香の唇を優しくふさいだ。
「ん…んっ」
驚いた目をする綾香。芹香は舌を少しだけ出して、唇の間に滑り込ませてから浅く撫でていく。ゆるめのキスだったが、綾香はひどい戸惑いの色を見せていた。芹香の方もやや戸惑っているようだったが、目に確信が宿っているためか、積極性のようなものすらあるように見える。
「んっ…」
芹香が唇を離すと、つっ、と細い糸が伝った。
「ね、姉さん…」
綾香はもう本当に泣き出しそうな顔になっている。今のキスで落ち着いたのか、ますます熱情を煽られたのか、それはわからない。ただ、綾香がこのままで済むわけがないのは確かだ。
「……」
「や、やだ…」
芹香の言葉に、拒絶の言葉を示しながらも綾香の手は動いた。震える手で、パジャマのズボンをショーツと一緒に下ろしていく。その様子は、普段の綾香と違って非常に幼く見えた。つり目がちな目が、弱々しく潤んでいるせいもあるかもしれない。
「…」
「やだ…やだよっ、こんなの」
綾香は言いながら脚を開く。どこか操られているようにも見えるが、動かしているのは間違いなく綾香の意志だ。
ひとつ年下の妹の性器は、思ったよりもずっと幼かった。大人びた役割を演ずるのが好きな少女も、この方面にかけて潔癖であったのは本当らしい。
芹香は身をかがめ、慎重に綾香のその部分に触れた。はじめは産毛を撫でているような微細な動きだったが、次第にはっきりと綾香の身体に指を這わせ始める。
「こっ…こわいっ…」
「……」
大丈夫、と芹香は言った。綾香の身体は恐怖のためかか苦悶のためか、ずっと震えている。綾香は、強力な相手に対峙したときにも、自分の身体に打撃を加えられた時にもそんな感覚を感じた事はないだろう。内部から沸き上がってくる感覚には、綾香は全く無力だった。
一方の芹香は、あまりに冷静な表情で行為を続けている。姉妹の対比は滑稽なほどだったが、どちらもこの事態を何とかしたいという気持ちは同じだ。
「…ひっ!」
芹香の指がはっきり粘膜に触る。綾香は鋭い声を上げた。
「……」
大丈夫、大丈夫と子供に諭すように芹香は問いかけた。年の離れていない二人はどちらが年上なのかわからなくなる事も多いが、こういう時には年齢に即した反応の差が出てしまうようだった。
芹香はゆっくり指を動かし始めた。すると、綾香は上げた声ほどには痛みなどを感じていない事がわかってくる。痛いなら、そう言うだろう。それに、その部分の帯びている熱から、既に快感を感じる準備が出来ているという事を自分の経験から推測できた。
「あ…な、なんか変」
綾香は少し落ち着いた声を出す。芹香は安心して指の動きを強めた。
「っくっ…そ、そこ…そこ、いやっ…」
嫌という反応が示すものを芹香は論理的に導いた。芹香は左の手で包皮を剥いて、すぐに右手で直接的にさわり始める。
「あっ…だめっ…姉さん、やめて…」
綾香は腰やら脚やらをしきりによじらせて、もたらされる強い刺激から逃げようとする。しかし芹香が愛撫しやすいように綾香の腰に左手を回して固定すると、それすらも出来なくなる。後は激烈な感覚が生まれてくるのを受け止めるしかない。
もはや、綾香にも快感を否定する事が出来なくなってきたようだった。そうなると、行為への恐怖より相手が姉であるという安心感の方が強くなってくる。ふるふると顔を振りながらも、そこにはほとんど拒絶の様子がない。
「ね、姉さん、なにか、なにか来るっ」
「……」
「ひ、ひっ…なに…これっ、おかしいっ…私の身体…」
綾香がぐぐーっと脚を閉じて、自分の身体を両の腕で抱きしめる。
「っ……!!」
その瞬間に、温かで透明な液体が少しあふれた。綾香の生まれて初めてのエクスタシーだ。
「…………これで、済んだの」
それからだいぶ経ってから、消耗しきった顔で綾香が問う。
「……」
「しゅ、習慣性があるってこと!?」
「…………」
「お、おんなじよ…」
「………」
「できないわよっ!そんなこと……私、寝るから」
綾香はショーツとズボンを上げる。その時、はじめて液体の存在に気づいたようだった。
「…………」
芹香はパラパラと手に持った分厚い本をめくりながら、綾香に答えた。綾香の手には小さな空の小瓶がある。芹香によれば、そこに入っていた薬には簡単な睡眠薬の効果があるということだった。最近眠れないという綾香の愚痴から、いつのまにかそこまで話が進んでいったのだが…
「え…なに…間違えちゃったみたい?ちょっと…大丈夫だって言ったじゃない」
ぺこり…
芹香は頭を下げる。表情の変化に乏しいせいか、あまり謝っているようには見えない。
「それで、これってなんだったの」
「……」
「…ちょ…ちょっと!」
「………」
芹香の声が、言いながらどんどん小さくなっていった。それでも綾香は聞き取れているのだから、大したものである。
「シャ、シャレになんないでしょっ!どうすんの…直す薬とかないの?」
「…」
「姉さんっっ」
綾香は困り切った顔になって抗議する。綾香の身体はどんどん熱くなってきていた。綾香は自分の腹を押さえるようにして耐えようとしていたが、それだけではどうしようもなかった。
「どうするのよぉ…これ」
「…、……、…」
「え?」
「………、……」
芹香が視線を下の方に落としながら、ぽそぽそと名詞を口にする。
「しっ!知らないわよっ、そんなの」
綾香は顔面を真っ赤にして叫んだ。余裕のなさは、薬の効果がどんどん進行してきている事によるのか、はたまた綾香がこういった事にあまりに無垢であるからだったのか。
叫んでから、綾香は両手で腹をきゅうぅっと押さえて泣きそうな顔をする。
「あ、頭がおかしくなっちゃうっ…助けて…助けてよ、姉さんっ!」
綾香は悲痛な声を上げた。それは多少大げさだったかもしれないが、芹香はその声に打たれたように、確信した瞳になって綾香の元へ歩き始める。
「ね、姉さん?なんか、あるの?」
「……」
「え…」
「…ふむっ!」
芹香の唇が、綾香の唇を優しくふさいだ。
「ん…んっ」
驚いた目をする綾香。芹香は舌を少しだけ出して、唇の間に滑り込ませてから浅く撫でていく。ゆるめのキスだったが、綾香はひどい戸惑いの色を見せていた。芹香の方もやや戸惑っているようだったが、目に確信が宿っているためか、積極性のようなものすらあるように見える。
「んっ…」
芹香が唇を離すと、つっ、と細い糸が伝った。
「ね、姉さん…」
綾香はもう本当に泣き出しそうな顔になっている。今のキスで落ち着いたのか、ますます熱情を煽られたのか、それはわからない。ただ、綾香がこのままで済むわけがないのは確かだ。
「……」
「や、やだ…」
芹香の言葉に、拒絶の言葉を示しながらも綾香の手は動いた。震える手で、パジャマのズボンをショーツと一緒に下ろしていく。その様子は、普段の綾香と違って非常に幼く見えた。つり目がちな目が、弱々しく潤んでいるせいもあるかもしれない。
「…」
「やだ…やだよっ、こんなの」
綾香は言いながら脚を開く。どこか操られているようにも見えるが、動かしているのは間違いなく綾香の意志だ。
ひとつ年下の妹の性器は、思ったよりもずっと幼かった。大人びた役割を演ずるのが好きな少女も、この方面にかけて潔癖であったのは本当らしい。
芹香は身をかがめ、慎重に綾香のその部分に触れた。はじめは産毛を撫でているような微細な動きだったが、次第にはっきりと綾香の身体に指を這わせ始める。
「こっ…こわいっ…」
「……」
大丈夫、と芹香は言った。綾香の身体は恐怖のためかか苦悶のためか、ずっと震えている。綾香は、強力な相手に対峙したときにも、自分の身体に打撃を加えられた時にもそんな感覚を感じた事はないだろう。内部から沸き上がってくる感覚には、綾香は全く無力だった。
一方の芹香は、あまりに冷静な表情で行為を続けている。姉妹の対比は滑稽なほどだったが、どちらもこの事態を何とかしたいという気持ちは同じだ。
「…ひっ!」
芹香の指がはっきり粘膜に触る。綾香は鋭い声を上げた。
「……」
大丈夫、大丈夫と子供に諭すように芹香は問いかけた。年の離れていない二人はどちらが年上なのかわからなくなる事も多いが、こういう時には年齢に即した反応の差が出てしまうようだった。
芹香はゆっくり指を動かし始めた。すると、綾香は上げた声ほどには痛みなどを感じていない事がわかってくる。痛いなら、そう言うだろう。それに、その部分の帯びている熱から、既に快感を感じる準備が出来ているという事を自分の経験から推測できた。
「あ…な、なんか変」
綾香は少し落ち着いた声を出す。芹香は安心して指の動きを強めた。
「っくっ…そ、そこ…そこ、いやっ…」
嫌という反応が示すものを芹香は論理的に導いた。芹香は左の手で包皮を剥いて、すぐに右手で直接的にさわり始める。
「あっ…だめっ…姉さん、やめて…」
綾香は腰やら脚やらをしきりによじらせて、もたらされる強い刺激から逃げようとする。しかし芹香が愛撫しやすいように綾香の腰に左手を回して固定すると、それすらも出来なくなる。後は激烈な感覚が生まれてくるのを受け止めるしかない。
もはや、綾香にも快感を否定する事が出来なくなってきたようだった。そうなると、行為への恐怖より相手が姉であるという安心感の方が強くなってくる。ふるふると顔を振りながらも、そこにはほとんど拒絶の様子がない。
「ね、姉さん、なにか、なにか来るっ」
「……」
「ひ、ひっ…なに…これっ、おかしいっ…私の身体…」
綾香がぐぐーっと脚を閉じて、自分の身体を両の腕で抱きしめる。
「っ……!!」
その瞬間に、温かで透明な液体が少しあふれた。綾香の生まれて初めてのエクスタシーだ。
「…………これで、済んだの」
それからだいぶ経ってから、消耗しきった顔で綾香が問う。
「……」
「しゅ、習慣性があるってこと!?」
「…………」
「お、おんなじよ…」
「………」
「できないわよっ!そんなこと……私、寝るから」
綾香はショーツとズボンを上げる。その時、はじめて液体の存在に気づいたようだった。
ぬちゅ…
「………っ」
「うわ…」
浩之が、呆れたような感動したような、妙な声を漏らす。
「こんな…なってたのか、先輩」
「………」
芹香ははぁはぁと息を荒げながらも、頬を染めて浩之から視線をそらす。自ら腰を落として結合させた部分からは、隙間から溢れた液体がロウソクの光の中でぬらりとした光を見せていた。
「先輩…」
浩之が手を伸ばして、芹香の豊かな乳房をつかむ。そして、やわやわとした刺激を与える。
「……!」
きゅっ、と芹香の中が締まった。浩之は下半身に痺れるような快感を感じつつ、芹香の乳房を揉み続ける。その一動作ごとに、芹香のヴァギナは正確にきゅっきゅっと収縮した。
「先輩…腰、動かせないか?」
「………」
一瞬の間があってから、こくん、と芹香はうなずく。
じゅぶ…
芹香は浩之の腹に手をつくと、深々と突き刺さったペニスをゆっくり抜いていった。そして、がくんと一気に腰を落とす。
「………!」
ずん、と奥深くを突かれた。芹香は眉をしかめながらも、快感に酔いしれた表情を浮かべる。浩之にとっても、それは強烈な快感だった。
じゅぶ…じゅぐっ、じゅぶ…じゅぐっ、という、間を置いた定期的な水音が響いていく。暗く、おどろおどろしい装飾をされた部屋の中で、いかにもいかがわしい行為というムードが際だった。何と言っても、二人は魔法陣の描かれた絨毯の真ん中で行為に及んでいたのだから。
「せ、先輩、大丈夫か?」
「………」
ふるふる、と力無く頭を横に振る。長い髪の毛が揺れた。
「先輩、先にイッちゃってもいいから」
浩之が言うと、芹香は困ったような顔を浮かべつつも抽送の速度を速めた。じゅ、じゅ、じゅっ、じゅぷっという速く浅い上下運動が始まる。芹香の中から分泌された液体のおかげで、行為に不慣れな芹香でも容易に腰を動かす事ができているようだった。
じゅっ、じゅっ、じゅぷっ!
最後にひときわ強く腰を打ち込むと、芹香はおとがいを激しく反らせて身体を硬直させた。
「先輩…」
その激しい絶頂を見て、浩之は圧倒されつつも小さく名前をつぶやいた。
「………」
芹香は、ぱたんと浩之の胸に倒れ込む。せわしなく呼吸しながら、とろんとした瞳で浩之の顔をじっと見つめる。
「先輩…この体勢でするの辛そうだからさ…口で、いいか?」
「………」
芹香は未だ媚薬の影響の残る身体の感覚を感じながら、頬をますます紅潮させてうなずいた。
「………っ」
「うわ…」
浩之が、呆れたような感動したような、妙な声を漏らす。
「こんな…なってたのか、先輩」
「………」
芹香ははぁはぁと息を荒げながらも、頬を染めて浩之から視線をそらす。自ら腰を落として結合させた部分からは、隙間から溢れた液体がロウソクの光の中でぬらりとした光を見せていた。
「先輩…」
浩之が手を伸ばして、芹香の豊かな乳房をつかむ。そして、やわやわとした刺激を与える。
「……!」
きゅっ、と芹香の中が締まった。浩之は下半身に痺れるような快感を感じつつ、芹香の乳房を揉み続ける。その一動作ごとに、芹香のヴァギナは正確にきゅっきゅっと収縮した。
「先輩…腰、動かせないか?」
「………」
一瞬の間があってから、こくん、と芹香はうなずく。
じゅぶ…
芹香は浩之の腹に手をつくと、深々と突き刺さったペニスをゆっくり抜いていった。そして、がくんと一気に腰を落とす。
「………!」
ずん、と奥深くを突かれた。芹香は眉をしかめながらも、快感に酔いしれた表情を浮かべる。浩之にとっても、それは強烈な快感だった。
じゅぶ…じゅぐっ、じゅぶ…じゅぐっ、という、間を置いた定期的な水音が響いていく。暗く、おどろおどろしい装飾をされた部屋の中で、いかにもいかがわしい行為というムードが際だった。何と言っても、二人は魔法陣の描かれた絨毯の真ん中で行為に及んでいたのだから。
「せ、先輩、大丈夫か?」
「………」
ふるふる、と力無く頭を横に振る。長い髪の毛が揺れた。
「先輩、先にイッちゃってもいいから」
浩之が言うと、芹香は困ったような顔を浮かべつつも抽送の速度を速めた。じゅ、じゅ、じゅっ、じゅぷっという速く浅い上下運動が始まる。芹香の中から分泌された液体のおかげで、行為に不慣れな芹香でも容易に腰を動かす事ができているようだった。
じゅっ、じゅっ、じゅぷっ!
最後にひときわ強く腰を打ち込むと、芹香はおとがいを激しく反らせて身体を硬直させた。
「先輩…」
その激しい絶頂を見て、浩之は圧倒されつつも小さく名前をつぶやいた。
「………」
芹香は、ぱたんと浩之の胸に倒れ込む。せわしなく呼吸しながら、とろんとした瞳で浩之の顔をじっと見つめる。
「先輩…この体勢でするの辛そうだからさ…口で、いいか?」
「………」
芹香は未だ媚薬の影響の残る身体の感覚を感じながら、頬をますます紅潮させてうなずいた。