Daily-EROtic 沙織

12/9
「い、いやだっ…祐君っ!!?」
 沙織ちゃんが信じられない物を見るような目で僕の事を見てくる。
 待てよ、そもそも、沙織ちゃんは僕の事を信じていただろうか?
 今日会ったばかりの冴えない男に、どれくらいの信頼を置いていたのか。考えてみれば、けっこう疑わしい。沙織ちゃんは割と男の前で演技をしちゃうタイプみたいに見えるし、それを僕のような人間の前でしていても全然おかしくないような気がする。
 どこから見ても爽やかな性格の沙織ちゃんが、裏でいろいろ考えている…なんだか、そっちの方が説得力があるような気がした。
 ちゅる…
「ひっ…うあっ…!!?」
 ちゅく、ちゅぷ…
「やだっ、やめてっ、祐君っ…!? お、おかしくなっちゃうよぉっ…」
 暗くてよく見えない中、指で熱く濡れている部分を触ると沙織ちゃんが引きつった叫びを上げる。
 これも演技なのかな?
 ただひとつだけ確かなことがあるとすれば…もうこんな事を僕がした以上、沙織ちゃんは僕の事を絶対に信頼しないだろうということと…沙織ちゃんの身体が驚くほど興奮しているということだ。
「はぁっ…はぁっ…はぁぁっ…!」
 沙織ちゃんは更衣室の埃っぽい床に長い髪を広げて、裸の下半身をぴくぴく言わせている。運動選手らしいひきしまった脚のラインは、学校の外の光が窓から入ってくるだけの中でもよく見えた。その付け根にある、まだ一度もみた事のない部分はよくわからない。ブラウスの裾に隠れかかっているそこは、沙織ちゃんのヘアがやっとわかるくらいで筋の部分がどこなのかもはっきりしなかった。
 でも、僕の指先は女の子の柔らかいクレヴァスがどうなっているのかをしっかり感じている。女の子が濡れた時にどうなるのかも、ねばねばとした熱い感触で伝わってきている。
 僕は自分の知識だけを頼りに、指を上の方に少しずつ動かしていった。
 ぐにっ。
「うあああーっ……!? あっ、あっ、ふあああーーーーーっ!」
 沙織ちゃんが学校中に響きわたりそうな絶叫を上げる。
 僕はその声で驚いて一瞬指を離してしまったが、すぐにそこに指を戻して確かめる。
 ぐに…ぐにゅ
「いやあああっ、あっ、ふあっ、あっ、くはああっ…!? ゆ、祐君、そこはダメっ、ダメっ…ダメだよぉーっ!?」
 そこには、アズキよりも少し小さそうなくらいの肉の膨らみがちゃんとあった。沙織ちゃんの、最も弱い部分だ。元々の大きさが分からなくても、ぷっくりとした感触を確かめてしまえば勃起していることは明らかだった。
 ぐにゅ…ぐにゅ
「だ、だめっ、だめぇっ、だめぇぇーっ!!?」
 沙織ちゃんが背中をぐぐぐーっと反らせる。
 ビクッ、ビクッ…ビクビクビクッ…!
 そして、沙織ちゃんは電気を小刻みに流されているように身体を何度も痙攣させた。僕の指に腰をむりやり押しつけてくるような感じだ。僕はそれに合わせてギュッギュッと指を押し込んで、女の子の絶頂を自分の手にしっかりと焼き付けた。
 こうするしか仕方ない。沙織ちゃんのどこにペニスが入っていくのか確かめるには、この更衣室はあまりに暗かったのだから…
 僕はこの場でする事ができる代償行為が何なのか、沙織ちゃんの滑らかな太股を優しく撫でながら考えていた…



9/13
「い、いやっ…やめてっ!」
 沙織ちゃんは狂ったように泣きわめいていた。でも、左右の二人から空中に持ち上げられている状態で、とても逃げられそうにない。沙織ちゃんは無茶苦茶に手や足を振り回そうとしているはずなのに、びくともしていなかった。
 分かっていたつもりでも、月島さんに操られた女の子達の力が恐ろしいものだという事が改めて見せつけられるとすくみあがりそうになってしまう。それでも、僕は何とかして起きあがって逃げようとした。
「もう無駄と分かっている努力は諦めたらどうだい?」
「っ……!っ……!」
 月島さんが冷ややかに言う。僕は額に汗を浮かべながら全力で体を動かそうとしたが、どうしても動かなかった。
「や、やああっ…!」
 沙織ちゃんの声が段々小さくなってきて、恐怖の色が強くなってくる。もう沙織ちゃんの身体は、床から数十センチの所まで下がってきていた。当然、床に寝かせられている僕の身体との距離も小さくなる。
 そこで女の子達は動きを止めて、片方が僕のズボンのジッパーに手をかけた。
「や、やめ…」
 沙織ちゃんを支えるのが片手だけになっても、全然辛そうな様子ではない。沙織ちゃんを空中に浮かせたまま、髪が短い方の女の子は無造作に僕の股を探ってくる。あっという間にズボンはブリーフごと下げられてしまった。
「ゆっ…祐くん」
「………」
 浅ましく勃起しているそれを沙織ちゃんに見られて、僕は死にたい気分になる。こんな事態でも、下半身は正直に反応してしまっていた。脚を無理矢理広げさせられた沙織ちゃんのヌードをずっと見せつけられていたのだから、性的な興奮を覚えずにいるのが難しかったのは確かだ。それでも、この上なく情けないのは事実だった。
 なのに、僕は顔をそらす事すら出来ない。凍り付いたように僕のペニスを見つめている沙織ちゃんの表情が、苦しかった。
「やって」
 月島さんが短く言い放つ。
「い、いやっ!」
 髪の短い方は、僕のペニスを垂直に立たせたまま持っている。もう片方の髪が長い方が、沙織ちゃんの割れ目をぐいっと広げた。そして、沙織ちゃんの性器と僕のペニスの距離がどんどん近づいてくる。
「いや、いや…」
 沙織ちゃんはこわばった声を出した。
 いくら女の子達が怪力を持っているとはいえ、今の二人は片手ずつでしか沙織ちゃんを支えていない。肩と腰の部分だ。その状態なら脚をばたつかせる事くらいはできるはずだが、沙織ちゃんは無抵抗だった。月島さんが電波を送ったのかもしれない。
「や、やめろっ!」
「いいじゃないか。女の子のはじめてを捧げてもらえるんだぞ?はじめての女の子の中がどうなっているのか、よく味わえよ」
「やだ、やだぁっ…!」
「くっ…くそっ!」
 僕は全身の力を込めて、身体を少しでも動かすように試みる。もう無駄だという事は半ば以上わかっていたが、それでもそうせずにはいられなかったのだ。このまま沙織ちゃんを受け入れたら、この行為に同意した事になってしまう。
「ひ、ひっ…」
 もう、僕のペニスの先端が広げられた沙織ちゃんの割れ目の間の空間に入っていくまでになってきていた。沙織ちゃんは絶望的な声を上げる。
 次の瞬間、僕のペニスは生暖かい感触に触れていた。それはすぐにペニスの先をくるむような感触に変わっていき、くるまれる感触もどんどんペニスの根元に向かって下りてくる。
「あ…あっ!」
 埋まっている部分が大きくなるにつれて、沙織ちゃんの表情がどんどん苦しそうになってくる。
「ご、ごめん…沙織ちゃん…」
 一向に縮もうとしないペニスが憎かった。しかしその意志に反して、とてもきつく狭くて温かい感触がペニスに伝わる度、どうしようもない快感が生まれてしまう。
「う、ああ…!」
 先っぽがほとんど埋まりそうになった辺りで、沙織ちゃんの表情がひときわ辛そうになった。ペニスの先にも、少し固い部分に触れている感触がある。
「離して」
「えっ…」
「あ…きゃああぁぁっ!?」
 すとん、と沙織ちゃんの身体が落ちる。僕のペニスは、一気に根元まで沙織ちゃんの中に侵入していた。
「い、いたいっ、いたいっ、いたいよぉっ…」
 僕にとってはぐぢゅ、と肉が絡みついてくるような感触だったのだが、沙織ちゃんにとっては切り裂かれたような痛みが一瞬のうちに走り抜けたはずだ。全く支えることができない自分の体重が、全部僕との結合部分に掛かったのだから。
 倒れ込みそうになった沙織ちゃんを、二人の女の子はまた素早く支える。
「いたい、いたいっ…」
 沙織ちゃんはぽろぽろ涙を流しながら、うわごとのように繰り返した。コントロールできない自分の体重で処女を奪われるショックは、ものすごく大きい物だったはずだ。
「な、なんてことをっ…」
「済むんだったら一瞬の方がいいだろう?ゆっくりやってもおんなじ事さ」
「……!」
 そう言う月島さんを、にらみつける事すらできなかった。
 ずずっ、ずぐっ…
「あ、あぅっ!い、いたい!やめて!お願いぃっ!!」
「や、やめろっ…!」
 何の前触れもなしに、二人の女の子は沙織ちゃんの身体を持ち上げては下ろし始める。下ろす方は、まるで叩き落とすような勢いだった。沙織ちゃんの中と僕のペニスがこすれ合っているのがよくわかる。
「いたいっ…いたいよぉ…」
 傷口を無理矢理にこすられているようなものだ。しかも、かなり乱暴な勢いで。痛々しく広がった沙織ちゃんの性器から血が流れてくるのが見えた。
「やめろ!もうやめるんだ!」
「何を言っているんだ。こんなに快感を感じているくせに」
「感じてなんかいない!」
 僕は叫んだ。その間にも女の子達は沙織ちゃんの身体を上げ下げし、僕のペニスにひっきりなしの刺激を与えてくる。
「沙織ちゃんを…解放しろ!」
 ちりちり…
「…っ!」
 …僕の意識に、何かが流れ込んできた。
 ちり…ちりちりちり…
「っ…やめろっ!やめろっ!」
 電波が送り込まれてきている…
 それ自体は不快だったが、それが頭の中に行き渡る度にペニスに感じられる快感が増幅されていく。元々生まれて始めて感じるほどの気持ちよさがあったのに、さらにそれが倍増されるのだ。
「あっ…ううっ…」
 もう叫ぶ気力すら失っていたように見える沙織ちゃんが、うめき声を漏らす。沙織ちゃんの中で、僕のペニスがさらに大きくなってしまったのだ。
 ちり…ちりちり…
「やめ…や…」
 快感が、どこまでも膨らんでいく…
 それはすぐに臨界点を突破して、僕の身体の奥底に熱いものが生まれてしまった。
「……!………!」
 僕はありたけの力でそれを押さえ込もうとする。しかし、元々力など入れる事ができない状態では押さえ込む事など不可能だった。
「う…うっ」
 一瞬で、僕はバルブを締め付けておく事ができなくなる。
「もう限界だろう?我慢しても無駄だよ」
「…ごっ…ごめんっ…!」
 月島さんの言葉に反応するヒマもない。僕は思わず目を閉じた。
 びゅっ…、びゅっ、びゅっ…
「あ…ああ…」
 ぐちゅ、ぐちゅ。
 …僕は、沙織ちゃんの中で、果ててしまった…。
 未だに容赦なく女の子達は沙織ちゃんの身体を上下に動かし続けている。精液がかき回される汚らしい水音が立って、沙織ちゃんの性器の隙間から桜色の液体があふれ出てきた。
「ほら。君だって、はじめての女の子とセックスして快感を感じたんだろう?」
「さっ……沙織ちゃんは…!」
 沙織ちゃんの目はもう虚ろだった。いつもの快活さなど、カケラも見えない。
「そうだね。彼女もこのままじゃ可哀想かな」
「だったら…」
「…んぅっ!?」
 突然、沙織ちゃんがかっと目を見開いた。
「さ、沙織ちゃん!?」
「!…!?や、やめっ…」
「やめろ!なにをしたんだ!?」
「別にどうもしないよ。彼女にも気持ちよくなってもらおうと思っただけさ」
「い、いやっ…や、や、や…」
 ぶるっ、と沙織ちゃんの身体が震える。すると、沙織ちゃんの中に精液とは違うあたたかな感触が生まれてきた。
「だ、だめ、だめ」
 ちゅぐっ…ちゅくちゅく
 女の子達の上下運動によって沙織ちゃんが感じるものも、違ってきたようだった。
「あっ…ああっ!あぅぅ…」
 沙織ちゃんの上げ始めた甘い声に、僕は呆然としているしかなかった…



8/16
「いやっ!」
 沙織が肌の上に乗せられた手を払う。
 砂のようなノイズが走っている不安定な意識の中でも、それだけは拒むべき行為として認識できたのだ。細く柔らかい指の感触と、背中に押しつけられている胸の突起の感触。交わるべき相手ではない事を、身体が精一杯に告げていた。
 もっとも、その指がもう少し無骨なものだったら、あるいは胸がもう少し厚く扁平だったなら、沙織は抵抗の意思を産み出す事はできなかったかもしれない。
 ちりちりちり…
「うっ、ううっ、ううううっ…」
 触れてきた手を払うと、沙織はまた頭を押さえて苦しみの声を上げ始めた。今なお走り続けるノイズは、確実に沙織の意識を蝕(むしば)んでいるのだ。砂のようなノイズ、と言っても均一な粒子のノイズではない。砂利と言ってもいいような粒子が含まれていたり、目の細かな粒子で沙織の神経の隅の隅まで埋め尽くしたり、沙織は単調の中に慣れを見出すこともできない。
 そして、その苦痛でしかない意識の蝕みは、沙織のある感覚システムを強引に目覚めさせてきていた。なぜ意識をざらざらしたものでかき回されるような感覚が甘くたぎるような感覚に結びついてくるのかはわからない。
 ぷちゅ…!
「いやあああぁぁぁぁぁっ…」
 しかし、決定的な音を立ててスリットの間から透明な雫がにじみ出すと、沙織はもう自分に対する言い逃れも他人に対する言い逃れも出来なくなっていた。
 その瞬間は、自分の身体に誰も何も触れていなかったという事実が、さらに沙織の屈辱を深くする。
「おやおや…」
「おねがいっ…見ないでよっ…」
 涙でびしょびしょになった瞼を開くと、目の前に少女の顔が飛び込んでくる。さっき沙織の太股の辺りに触れてきた少女であるのは間違いない。その向こうには、椅子に腰掛けた生徒会長の姿がある。
 淫行の現行犯。単身夜の生徒会室に飛び込んで、タンカを切りながら格好良く生徒会長に人差し指を突きつけたまではよかったのだが…
「藍原さん、広げてやって」
「ヘ、ヘンタイ…表で善人気取ってるくせに…」
「まだ随分元気みたいだねぇ」
 ちりちりちり…
「きゃああっ…!!」
 沙織がビクッと身体を跳ね上げて、全身をわなわなと震わせる。かっと開かれた目は、空中の一点を狂ったように見据えていた。
「口の聞き方を間違えると、そういうことになる…ヒロイン気取りでばかりいると、もっと苦しくて恥ずかしい目に遭うよ」
「ぐ…うくっ…」
 ちゅぷり。
「ひあっ…」
 強烈な電波の残滓に苦悶する沙織に追い打ちを掛けるように、少女の指が沙織のスリットを思い切り横に広げる。
「いやぁ…やめてよぉ…」
 沙織は焦点のほとんど合っていない目で目の前の少女の事を見た。小柄で眼鏡を掛けたおとなしそうな見た目と、一糸纏わぬ姿で恥ずかしそうにもしていない姿のギャップが大きい。何より、その意思の感じられない目が怖かった。沙織の目には、冷たく光る少女の瞳がぎらぎらと映る。
 下半身が露出されている恥辱と相まって、沙織は精神をずたずたに切り裂かれそうになっていた。
「してやって」
 つんっ。
「ひいいぃぃぃっ…!?」
 生徒会長の声に、スリットを広げていた指が躊躇無く沙織の粘膜の一箇所を突いた。沙織の身体を電撃のような感覚が走り抜ける。
「っはぁっ…はぁっ…はぁ…」
 その瞬間はあまりの衝撃に痛みのように感じられたが、やや収まってくるとそれが恐ろしいほどの快感である事がわかってきた。
 くりくりくり…
「あ、あっ!?ああああっ!?」
 突起を触られている。沙織はクリトリスをいじるという事がどういう事なのかを、生まれて初めて知った。全身をビリビリと貫く快感によって。
「いや…いやよぉぉ…」
 沙織はどんどん身体を縮め、頭を胸に押しつけるように伏せていく。身体の震えで、ロングヘアーがさらさらと音を立てていた。
 むしろそういう髪を触られたり、性感帯にほど遠い肌を触られていた方が同性の愛撫としてはねつける事ができたかもしれない。しかし、あまりに敏感な突起をいじくられる行為は、その主体が誰であるのかを完全に沙織から忘れさせていた。
 綺麗な処女地であった部分を、淫液が濡らしていく。沙織がどれほどに純潔であっても、その液体で濡れた様子は淫乱な少女であるようにしか見えなかった。
「はぁ、はぁ、はぁ、はぁぁっ」
 沙織の呼吸のペースが速まる。次第に絞り出すようになってきた呼吸は、もはや悲鳴と言ってもよいようなものだった。それでも少女は全く手をゆるめず、厳しい責め立てを未開発のクリトリスに行う。充血しきったその部分は、狂った少女の指先に耐える事は出来なかった。
 びくっ。
 沙織が瞬間的に身体をぎゅっと縮こまらせる。
 びくっびくっ…
「だめ…私…私…はじめて…いやだよ…」
 沙織がうわごとのようにつぶやく。だが痙攣は止まらなかった。絶頂の真っ最中にある沙織を残酷に刺激する指の動きによって、必死で自分の痴態をストップさせようとする沙織の試みはいとも簡単に打ち消されていたのだ。
「ごくろうさま。じゃあ今度は新城さんの開通式だね。…これがいいかな」
「!」
 開通式という恐怖の言葉に思わず顔を上げた沙織を襲ったのは、さらなる恐怖だった。黒光りするバイブレータ。長々とコードがついているのを見れば、それが挿入されて終わりのモノではない事は沙織でも想像できた。恐怖は人の想像力を高めるのだ。
「藍原さん、やってやって」
「…!!」
 ひょいと生徒会長が投げたそれを、コードも含めて少女は器用にキャッチした。
 ヴィイイイ…
 そして早くもスイッチが作動させられた。


7/6
「ゆうくんっ…」
「や、やっぱり沙織ちゃんのココ、すごいね」
「やだっ…そんなに見ないで」
「うん…ごめん」
 沙織は手で目を覆ってしまった。祐介は出来るだけそこに目をやらないようにしながら指を手探りで動かしたが、ちゅぐっ、ちゅぐっという派手な水音は視覚による情報抜きでもそこがどうなっているのかをありありと伝えてくる。
「だ、だめ…恥ずかしいよっ…」
「さ、沙織ちゃん」
 祐介は思わず指の動きを止めて、弱った表情になる。顔を覆い隠すようにして顔を左右に振る沙織の姿は、普段のような元気の良さなどカケラも見えない。落差が激しいだけに、祐介に与える不安も大きいのだ。
「や、やめちゃだめ…」
「…えっ」
「ゆ、祐くん、やめないで…」
「でも、沙織ちゃん、いいの?」
「は、恥ずかしいけど…とっ、止まらないのっ、どうしても…このままじゃ…」
「う、うん…」
 何が止まらないのか定かではなかったが、ニュアンスは伝わってくる。既に夜の校舎でいちど経験した状態であったのだから。
 沙織は未だ目を覆って視界を閉ざした状態だったが、それでも祐介は律儀に目をそらしながら指を動かした。我ながら闇雲な指の動かし方だと祐介は思ったが、それでも熱く指先に絡みついてくる粘膜と愛液は、沙織の激しい乱れようをこの上なく表していると言えるだろう。
 時折混じるかん高い沙織の嬌声を聞くにつけて、祐介自身の中の欲望も段々膨らみ上がってくる。そうなってくると、「後遺症」とでもいうべきこの沙織の症状も消えて欲しくないという不謹慎な想いが浮かび上がってきたりもするのだが…
「祐くん、もうわたし我慢できないようっ…」
「…うん」
 沙織の懇願が発せられると、そんな思考も消えた。理性的な欲望よりも、肉体的な欲望の充足の方が勝ってきたのだ。
 祐介がズボンとブリーフを脱いでいる間にも、沙織の身体はかすかに震えているように見えた。これまであまり目をやっていなかった部分にちらりと視線をやると、合わさった秘裂から、あふれ出したという表現が相応しいほどに粘りのある液体が垂れている。もちろん、その下のシーツはじっとりと濡れて変色していた。
「は、はやくっ…わ、わたし…」
 うわずりきった沙織の声に、祐介のペニスが反応する。
 祐介は手早く沙織の上にのしかかると、指で秘裂を開いて入り口の部分を確認した。そしてペニスの狙いをつけたかと思うと、間髪入れずに腰を押し出して侵入していく。
「あはぁっ…」
 抵抗は無かった。豊富すぎる潤滑の液によって、沙織はいとも簡単に祐介を受け入れてしまったのだ。はじめての時に比べれば締め付けの強さは劣っていたかもしれないが、熱く粘りつくような感触ははじめての時以上である。ペニス全体に、ジーンと痺れるような気持ちよさがあった。
「は…はぅっ…うああっ」
 一方でしきりに声を上げるのは沙織である。祐介がぎごちなく腰を前後させるだけで、沙織は切羽詰まった声を上げながら身をよじらせた。処女の時に絶頂を迎えるような身体に仕立て上げられたのだから、それは当然なのかもしれないが。
 だから、祐介は未熟な動かし方であることを気にせずに、いろいろと試してみる事ができた。スピードやら動かす向きやらを微妙に変えて、動かしやすいペースをつかんでいく。
 そうしていく内に、一番ヴァギナの内部と強く擦れ合う角度をつかんできた。疲れない程度に速い抽送のペースもわかってくる。
「ひっ、ひっ、ひいいっ!」
 それは沙織にとって、最も強い快感が休みナシに続く事を意味する。だらしなく空いた口から唾液が垂れだしているのが見えた。絶叫にも近い喘ぎ声を上げ続けながら、手足をわなわなと震わせている。
 一方の祐介も、次第に余裕を無くしていった。最初に比べれば弱いとは言え、沙織の締め付けは十分だったし、中の感触も激しく祐介の官能を煽るのだ。腰の奥に、熱いカタマリが集まってくるのが感じられた。
「沙織ちゃんっ…」
「ゆうくん…祐くん!」
 二人は呼び交わし合い、自然とお互いの手を求めて固く握り交わし合う。祐介は後先考えず、出来うる最高の力で沙織の中を突いていった。
「あああーっ!」
 沙織が顔を反らせて悶える。手がどけられても目は閉じられていたが、淫らに喘ぐその顔はたまらなく祐介の心を動かした。
 これが、女の子の本性…
 チリチリチリ…
「っぁっ!?なにっ!?なんなのっ!?」
 突然沙織が目を見開いて叫ぶ。
 チリチリ…チリチリチリ…
「あ、あ…やめて、やめてっ!やめてよぉっ!だめ、やめてぇっ!おかしく…おかしくなるぅっ!」
 沙織は狂ったように訴えた。しかしそれも一瞬のことだ。
 どくんっ!
 ビクビクっ…ビクビク、ビクビクビクビクっ!!
 どくっ、どくっ、どくん…
 ビク…ビクビクっ…
 祐介が放出したのと、沙織が全身を痙攣させたのはそのすぐ後だったからだ。ただし、沙織の絶頂は尋常ではない。背中を大きく反らせたまま、身体が壊れてしまいそうな痙攣を何十秒も続けていたのだから…
 その間、ヴァギナも強烈な締め付けを繰り返した。祐介の出した白濁液を一滴も残らず搾り取るような勢いで、幾度も幾度も収縮を繰り返す。
 ばさっ…
 最後に力つきたように、自らのロングヘアーの中へ沙織は落ち込んだ。完全に気絶してしまったらしい。
 どろっ…
 祐介がペニスを引き抜くと、大量の液体がそこからあふれ出た。
「今のは…」
 ひとりつぶやく。一瞬の内に消えていった感覚がなんだったのか、祐介は必死に思い出そうとしていった。