Daily-EROtic 名雪

12/28
 はぁ…はぁ…
 名雪の息は、ひどく荒い物になっている。
 壁につけられたベッドのその隅に、脚を伸ばして座った状態。真っ赤になった頬と耳は、平坦な壁紙に隙間無く押しつけられていた。しかしその壁の冷気を帯びた感触も、一向に名雪の温度を醒まそうとはしない。
 名雪が脚の間に入り込んだ気に入りのぬいぐるみを、上下に動かして敏感な部分に擦りつけている限りは…
『うっ…うぐぅ…祐一君、そんなに舐めちゃ…いやだよっ…!』
『ウソつけ、あゆ…こんなになってるぞ?』
『だっ…だめっ! 祐一君…そこはっ…そこはっ!』
 そして、壁越しに聞こえてくるいやらしいやり取りが止まない限りは。
「う…う…んっ…!」
 名雪は祐一の意地悪な声質に煽られて、股間のぬいぐるみを一層激しく動かしてしまう。パジャマの上からの刺激でも、自分の好きなように動かし続けている間にすっかり名雪の体は興奮してしまっていた。ショーツはもうぐっしょりとなっているだろうし、内に秘められた真珠もぷくりと勃起して自己主張している事だろう。
『うあっ…うあっ…! う…うぐ…うぐぅっ…祐一君…いやああああぁ…』
 しかしそれでも、あゆの感じている悦びには到底及ばないのは間違いない。子供っぽいあゆの声が、高くうわずって官能をこれでもかと言うほどに訴えているのだ。
「う…ううー…ゆういち…」
 あゆの普段とのギャップの激しさに、祐一の行っている行為への想像は膨れ上がる。名雪はうめきながらぬいぐるみを凝視し、その「顔」を思い切り股間に擦りつけたが、それでも決して満足する事はできなかった。どれほどぬいぐるみを両脚で締め付けても、それを強く股間に押し当てても、祐一の舌が直接舐めてくるのに代えられるわけがない。きっとぬるぬるしてなま暖かい、いとこの舌。そこが名雪の敏感な部分をこれでもかというほど舐めてきて、名雪のあふれさせた液体を綺麗に舐め取っていく。
「んふっ…」
 甘美すぎる想像に、名雪は思わずぶるぶるっ、と身を震わせてしまっていた。体の奥からはじけ出すように熱い物がとろけ出すのが自分でもわかる。
「あ…」
 ふとぬいぐるみを上げてみると、その鼻先が湿っていた。ショーツの外まであふれ出た液体が、パジャマの生地まで完全に湿らせてしまったようだ。
『あ…ああーっ! ゆ、祐一君っ!』
 その時、壁に当てた耳に絶叫とも安堵ともつかない声が入ってくる。
 祐一が挿入した…何度とない盗み聞きの経験から、名雪は直感的に理解していた。
『あゆ…すごいぬるぬるしてるぞ』
『う…うぐ…恥ずかしいよ…』
 ギシ、ギシッというベッドのきしみが名雪にもしっかり伝わってくる。名雪自身も、思わず腰を前後させてベッドを揺らしてしまった。
『うっ、うっ…んふぅ…うぐぅ…祐一君…』
『いいか?』
『う…うんっ…ボク…気持ちいい…』
 跳ねとぶようなリズムに乗った、あゆの直接的な告白。名雪の頭の中が、かーっと熱くなっていく。あゆの小柄な体が、名雪に似た長い髪が祐一のベッドの上で躍っている様を、名雪はありありと想像できた。
 しかし、名雪に出来るのは…
 …くぢゅっ…!
「んうー…」
 半纏(はんてん)のすそに覆われそうなパジャマのズボンの中へ、名雪の指が侵入する。熱く溶けきってしまった秘裂の内側で、名雪の指はわき目もふらずに一点を目指した。
 ぐりゅっ、ぐりゅ…
「あ…あ…」
 名雪は潤んだ瞳で天井を見上げる。
 指の腹で名雪が押しつぶしているのは、あゆとは違う部分だ。気持ちいいのは間違いない。クセになってしまいそうな、とても素直な快感であるのは間違いない。あゆだって、ソコをいじられるのは大好きなはずだ。
『ううーっ、うっ…ゆ、祐一君…ゆういちくーんっ!』
『あゆ…すごいな』
『だ、だって…祐一君のがっ…祐一君のがっ…ボクの中に、いっぱいっ…』
 でも、あゆが恥じらいを全部かなぐり捨てて祐一に求めてしまうような、そういう快感じゃない。別にしなくてもいいんだし、しても後でちょっと空しくなる。
 あゆが今感じているのは、本当にそれなしではいられなくなってしまうような、した後にも幸福感に包まれてしまうような、そういう快感だろう。あゆの様子を見ているだけで、分かる。家に泊まりに来るのも、一週間に2回では済まなくなってきた。それでも秋子は何も言わない。きっとあゆの上げている大声に気づいているんだろうけど、何も言わない。
「うー…ううー…」
 名雪がぐっしょりと濡らしたショーツを洗濯カゴに入れているのも気づいているのかもしれないが…秋子は何も言わない。
 祐一があゆもいる時にきわどい話題を持ち出しても、秋子は何も言わない。いつものような微笑みを浮かべたまま、ほんの少しだけ困った表情を見せるだけである。名雪が皮肉っぽい事を言っても祐一は全然気にしてない。むしろ秋子にたしなめられているような気がして、名雪の方が気分を悪くしてしまったほどだ。
 ぐちゅっ…ぐちゅ…
 名雪は目頭がジーンとしてくるのを感じながら、ぐりぐりと快感のスポットをこすり続ける。腰の辺りもジンジンと痺れ始めてきた。
『あゆ…俺、もうそろそろだ』
『う、うんっ…祐一君…ボクの中に…いいよっ…!』
 ひょっとしたら、名雪と祐一がそういう事をしてしまうのを秋子は危惧していたのかもしれない。
 でも、祐一と名雪は法律でも結婚していい事になっているのに…
「ゆ、祐一…ゆういち…!」
 だけど、名雪の事を祐一が見てくれないのならいくらそんな事を言っても仕方ない。名雪がみじめになるだけだ。
 ぐちゅぐちゅ…ぐちゅ…!
 そう分かっていても、盗み聞きしながらの自涜を名雪はどうしてもやめられなかった。普段してしまう事だけは何とか押しとどめることが出来るようになったが、あゆが泊まりに来た日だけはどうしようもない。耳をふさいでも、こたつの中で寝ようとしても、勝手に指が動き出す。
『あっ…あーっ…』
 あゆが、どこかに消えていきそうなかすれた悲鳴を上げる。
「う…ゆう…いち…」
 ぐちゅぐちゅぐちゅ…
 ビクンッ、ビクンッ、ビクン…! ビク、ビク…
 名雪は脚でぎゅっぎゅっとぬいぐるみを締め付けながら、何度もベッドの上で独り体を跳ねさせていた。スプリングの立てるきっきっという小さな音が恥ずかしい。
『ん…祐一君、いっぱい出したね…』
『今日はいつもより良かったからな…』
『だ、だって祐一君があんなに舐めるんだもん…』
『好きなんだな、あゆも』
『う…うぐぅ』
 はぁ…はぁっ…!
 名雪は上がりきった息のまま、壁に耳を強く押しつける。
『そんなに好きなんだったら…』
『……ねぇ、祐一君…』
『なんだ?』
 突然あゆの声にいたずらな調子が混ざった。
『祐一君もしてくれたから…ボクも、お返しして上げたいな…』
『あゆ…お前、意味分かって言ってるか?』
『わかるよ』
『……できるのか?』
『うぐぅ…ばかにした』
『…じゃ、やってみろよ…』
『うん…』
 そして、二人のやり取りが途絶えた。
「う…うう…!」
 ぐちゅ…ちゅぐるっ…
 名雪は絶頂したばかりの体を一段と強くまさぐる。
 あゆは、また名雪には決して出来ない事を手に入れたようだった…



11/22
(久々に例のシリーズです。良く分からんという方は栞過去ログ辺りで6/19から見てみてください。この際タイトルでもつけますか。「-Kanon Parallel Story- 私立仁成女子学院」(笑))

「………香里…怖いよ」
「なんで…?」
「…だって」
 名雪は力無く枕に横顔をうずめながら、遠い目をする。香里はその名雪のことを、思い詰めたような表情で見つめている。
 二人とも、服を着ていなかった。名雪は自分のベッドの上で、運動選手としての引き締まりと普段のぼやっとした雰囲気の中間のような、詰まるところは普通の少女としての裸体を晒している。香里は名雪の上に裸でのしかかっている状態で、その股間からは…少女にあるまじき肉の棒が固く屹立している。
「全然初めてじゃないんでしょ? 彼といくらでもしてたんでしょ?」
 香里は詰問するような口調で言うと、名雪の秘裂の間に指をつっこむ。
「あ…!」
 ぐに、ぐに…
 香里の指が、名雪の秘裂の中の敏感な部分を触り始めた。
「ほら、感じるでしょっ!?」
「か、香里っ…」
 官能を熟知した同性の厳しい責め立てに、名雪はこわばった声を出す。
 …ぷちゅっ。ぷちゅ…ちゅく
「もう濡れてきてるじゃない…」
「違うよ…香里、そうじゃないよ」
 名雪は少し頬を赤く染めつつも、遠い目をしたままに言った。
「倉田さんとの選挙…香里なんだから、応援したいとも思うし、私がやれることなら協力したいけれど…」
「…名雪」
「やっぱり、怖いよっ…私、怖い…」
 名雪はぎゅぅ…と目を閉じてしまった。
「来たんでしょ? 倉田の方の人間から、名雪に入って欲しいって話」
「………」
「わかるわよ…隠さなくても」
「香里…」
 気負いを感じさせなくなった香里の声に少し安堵を覚えたのか、名雪が目を開ける。
「確かに、私も名雪に入って欲しいって思った事はあるわ。でも」
 香里はぐっ、と体を倒して名雪の目の前まで顔を近づけた。
「やっぱりできない。名雪は危険に晒せない。これはあくまで私と名雪の間の、個人的な関係にしたいの」
「………」
「選挙の運動に関わってこなければ、名雪が危険になることはないわ。怖がらなくても大丈夫」
「…だけど」
「あとは…彼のこと?」
「……うん」
 名雪は頭を少し動かしてうなずいた。
「相沢祐一君には悪いとは思っているけれど、私は名雪を取って行くわよ」
「でも香里、祐一が東京の方に帰っているときに、何も言わないでこんなことをするなんて…」
「名雪、私が好きよね?」
「うん…」
「私も名雪が好き。本当に好き。独り占めにしちゃいたい」
「………」
「その気持ちは変わらないし、名雪が欲しくてたまらないの」
 香里が名雪の手をぱっとつかむ。
「あ」
「名雪、入れるわよ」
 一度は冷静な物になっていた香里の声に、情熱的な響きが戻ってきていた。
 そして、香里は名雪の返答を待たずに肉の棒の先端を名雪の秘裂の中へと割り込ませる。
「あ、香里っ…」
 ぬちゅっ…ぬちゅ
「うん…とっても濡れてるわね…名雪の体も、私のこれをほしがっているのよね」
 香里は軽く腰をグラインドさせながら言った。
「…私…」
「入れるわ」
 …ずちゅぅ…
 肉棒が押し出されると、名雪のヴァギナが大きな水音を立てて反応する。
「あっ…!」
「んん…名雪の中、すごい…」
「あ…香里っ…香里のがっ…」
 名雪はうわずった声で言った。やはり遠い目をしたままだった瞳にさっと潤みが生まれる。焦点が定まらないその瞳は、一体何を見ているのか。
 ずちゅっ、ぬちゅるっ、にちゅっ…
「うああっ…名雪っ…名雪の中、すっごいぬるぬるして、ぎゅうぎゅう締まるっ…」
「香里…強すぎるよっ…!」
「名雪も、いいんでしょ…!?」
 ずちゅっずちゅっずちゅぅっ…
「…あっ…ああっ!」
 その名雪の視線を、無理矢理自分に向かせようとしているかのように香里が激しい抽送を行う。だが幾多の少女を強姦に近いような形で犯してきた香里にとっては、それも普段と同じくらいの動きという事にしかならないだろう。
「くぅっ…名雪…名雪! 名雪っ!」
「ああっ…はああぁっ…!」
 ずちゅっ、ずちゅっ!
「名雪…もっと私を感じて、私のこれを強く締め付けてっ!」
「か、香里のっ…ごりごり…当たってるっ…」
 しかし名雪に対して呼びかける、深く求めるような声は普段の香里にはないものだった。香里は名雪の腰を強く抱きしめて、そこに思い切り自分自身を叩きつけるような勢いで腰を振る。
 ぢゅぐ、ぢゅぐぅっ……!
「はぁっ…! はぁっ…!」
 香里は息を荒くしながら、愛液に満ちた名雪の膣壁をえぐり続ける。そこがそれだけ濡れるようになったのも、香里の強いストロークを受け止められるほどにこなれているのも、恐らくは名雪と祐一が幾度となく交わった事によるものだろう。
 ぢゅぐ、ちゅぐ、ぢゅぐぅ…
 そこを自分の肉棒によって染め直そうとしているかのように、香里は熱っぽい動作で腰を激しく動かし続けていた。
「か、香里…私…もう…」
「名雪っ…!」
 香里は名雪が弱々しく言うと、叫ぶような声で呼びかけた。
「私の物だからっ…私、独り占めにするからっ…! 名雪を独り占めにするからっ…名雪を私に物にするからっ…!!」
「…う…」
「考えないでっ! 相沢君のことなんか、もう考えないでっ! 私だけを見つめてっ!」
「………」
 名雪の目からじわっと涙があふれてきていた。
「私の物っ…名雪、私の物よっ…!」
 それにつられるかのように、香里も目から涙をにじませる。香里が涙をこぼしたのなど、何年ぶりのことだろうか。
「誓ってっ…私の物になるって、誓ってっ…!」
 ぢゅぐ、ぢゅぐっ!
 しかしそんな感慨を深くすることはせず、香里は腰を振りながら名雪に向かって叫び続けていた。
「………」
 名雪の目から、どんどん涙があふれてくる。香里の目からも、少しずつではあったが耐えきれない涙がこぼれてくる。
「…うん」
 だが名雪は涙をあふれさせたままに、首をはっきりと縦に振った。
「なるよ、私…香里だけの物に…」
「名雪っ」
「祐一には、どうやって謝ったらいいのかわからないけれど…」
「やめてっ…今、そんな事言わないでよ…名雪」
「ごめん…でも、やっぱりそう思うから…香里にも、私がそう思っていたってこと知って置いて欲しいから…」
「………」
「それでも、香里、いいの…? 私で」
「…もう訊かないで」
 ぐぢゅぐぢゅっ!
「あっ…香里っ!」
「イッちゃいなさいっ…名雪、私ので思い切りイッて!」
「か、香里…あっ…あっ…あっ…ああーっ!」
 名雪が高い声を上げ、同時に膣内がぎゅぎゅっと締まる。
 ビクッ、ビクッ、ビク…ビク…!
「ううっ…名雪」
 …びゅっ、びゅるっ、びゅるるっ!
 香里は低い声でうめくと、名雪の中に思い切り白濁した半透明の液を放出していた。
「あ…はぁぁ…香里…」
 ぴく…ぴくっ
 びゅ、びゅ…
「名雪…名雪っ…私の…私の物よっ…」
 香里が放出しながら体を倒し、名雪と汗ばんだ白い肌をぴったりと合わせる。
「うん…私…香里の物だよ」
「離さない…絶対離さないから…私は、名雪を好きなんだから…!」
 深く繋がり合ったまま、香里は何度もその言葉を叫んでいた。



11/19
「…本当にやるのか?」
「やる」
「どうなっても知らないぞ…」
「美坂の味がどうなのか知りたいって言ったのは相沢だっ」
「言葉のアヤだった…はずなんだがな…」
 祐一も少々語気を弱くする。
「美坂と水瀬が日直になるチャンスなんて、もう二度とないぞ」
「あと20日後には回ってくるじゃないか」
「せ、席替えがあるかもしれないだろっ! それに…」
 北川が懐から怪しげな物を取り出す。
「これを買った以上、もう後には引けないっ!」
「いくらしたんだ…それ」
 祐一は北川の手にした黒いバイブレータを見て、半ば呆れ口調で訊く。
「俺の給料の一ヶ月分だ」
「お前バイトしてないだろ、きた…が……わ…」
「いくぞ、相沢っ」
 北川が教室のドアに手を掛ける。
 ぽん。
「え?」
 その時、北川の肩に手が置かれた。
「どうしたんだ、あいざ……わ」
 怪訝そうな声は途中で止まる。振り向いた所にいた人間は、祐一ではなかった。
「現行犯で逮捕するわ」
 そこにいたのは、香里。祐一はその横で表情を凍り付かせていた。
「みみみみ美坂っ!? なんでここに…」
「教室の中から出てきたからよ」
「ど、どこから」
「あっちからよ」
 香里がもう一つの方の教室のドアを指さす。
「しょ、職員室はこっちの方なのに…」
「だからってこっちから出てこなくちゃなんないってわけでもないでしょ」
「そ、そんな…」
 がっくりと落ちこむ北川の肩を、香里はぐぐぐと力をこめてつかむ。
「ま、話は署の方でゆっくり訊かせてもらうわ。ね、名雪?」
「え? 署?」
 香里の体に隠れるような位置にいた名雪が聞き返した。
「そうよ」
「か、勘弁してくれ…」
 逃げようとする北川を、香里はずるずると引っ張って歩いていく。
『………』
 残された祐一と名雪は一度顔を見合わせて、互いに少し気まずそうな表情になる。それから名雪がちょっと怒った顔で祐一の事をにらんだ。
「…お、俺は…」
 祐一はもごもごと言って、香里と北川の後を追う。名雪は多少膨れた顔をしつつも、祐一の横について香里と北川の後を追いかけ始めた。

「………なるほどね」
「ち、違う…相沢も、計画に乗り気だったじゃないか…」
「言い訳は無用」
 腕組みした香里が、一言の下に切り捨てる。
「あ、相沢の裏切り者…」
 うらめしそうに言う北川は既に服を全部脱がされて、素っ裸の状態で正座させられていた。そのやや横で正座している祐一は、トランクスだけは履いたままで許してもらっている。
 そして名雪は、自分のベッドに腰掛けてその様子を見守っていた。「取り調べ」の場所が名雪の部屋だと香里に聞かされた時、名雪はだいぶ不満そうな顔をしていたが、今もあまり興味はなさそうにぼんやりと裸に剥かれた二人を見つめている。
「さて、罰として何をあげるのがいいかしら?」
 香里は足元の床に転がしていた、押収済みのバイブを手に取る。
「これで女の子の気分を味あわせてあげるってのも…」
「そ、それって…」
「安心しなさい、何かで濡らして滑るようにしてあげるから」
「や、やめてくれーっ…!」
 北川が大声で叫ぶ。祐一の方も、顔を引きつらせて北川の体からずりずりと離れていく。
「………ま、それは冗談として」
「…本当に冗談だったのか…?」
「して欲しいの?」
「ち、ちがうちがうっ…!」
「…じゃあ…そうね…」
 香里が不敵な笑いを浮かべながら考え出す。
「…名雪、浮気しようとしていた相沢君に何かしたい罰はないの?」
「え…」
「なんでもいいわよ」
「突然言われても…………あ」
「何かあった?」
「………ええと…」
 名雪が少し顔を赤らめる。
「祐一、私には口でしろって言うのに、祐一の方はしてくれないんだよ…」
「へぇ…それは許せないわね」
 香里が祐一の正面に立って、じいっと見下ろす。祐一は名雪と香里のことをちらちらとうかがいながら、下を向いてうつむいてしまった。
「あ…じゃあ、それでいきましょ。名雪、服脱いで」
「う、うん…」
 名雪は割と素直にうなずいて、制服をゆっくりと脱ぎ始める。どうやら、それなりのレベルまで体の中に欲求不満を溜め込んでいたようだった。祐一が香里の味を知りたがっていると言い出したという北川の発言を信じるならば、祐一は名雪に口でしてあげるどころか普通の性生活すらもおざなりに済ませていたという可能性もある。
「北川君は、これ」
「………?」
 香里がポケットから取り出したものを見て、北川は不思議そうな顔をした。
 濃紺の色をした、髪留め用のゴムだ。飾りなどはついておらず、ただゴムの部分があるだけのシンプルな構造である。香里はそれを手に、北川の体の前にしゃがみこんだ。
「………うぇっ!?」
「動かないで」
 香里が、北川の正座した脚の間からぴょこんと飛び出ているペニスをつかむ。さすがに北川も香里の目的を察したようで、狼狽しきった表情を露わにした。
 ぐっ、ぐぐっ…
「や、やめてくれ…」
 そのペニスの幹の真ん中あたりに、香里はゴムをぐるぐると巻いていく。
 ぐるん…ぐるっ
 そしてほとんど余裕がないほどにゴムを伸ばしきった状態にして、ペニスをきつく縛り付けてしまった。北川のペニスが真ん中でくびれて、不自然な形になっている。
「い、痛い…」
「取っちゃダメよ。それから、自分で触るのもだめ。したら、今度こそあれを本当に突っ込むわよ」
「う…ううっ」
 北川は情けない声を上げる。しかし非道な仕打ちを受けているにも拘わらず、香里の細く冷たい指につかまれていたペニスは固く勃起し始めていた。そうなると、北川のペニスはますますきつく縛られている状態になってしまう。
「……さて、名雪」
「うん…」
 名雪は、もう服を全て脱ぎ終わって全裸の状態になっていた。香里が言うと、そのまま正座した祐一に向かって歩いていく。
「祐一…」
「な、名雪…うぷ」
 名雪は歩く動きの延長線上のような感じで、祐一の顔に自分の秘部を押しつけていた。
「相沢君、舐めなさい」
「んっ…んうっ」
 祐一は苦しそうな声を上げる。さらに名雪が祐一の頭を腕で抱えて強く腰を前に出すと、さすがに呼吸が苦しくなりすぎたのか、舌を出して名雪の秘裂の中に差し入れた。
「あ…祐一」
 名雪は少し腰を引いて、祐一の呼吸を助けてやる。
「んはぁっ……はぁっ…はぁっ…」
 祐一はしばし呼吸を整えていたが、そうしてばかりいるとまた呼吸困難に追い込まれると思ったのか、名雪の秘部の中に入れた舌を動かし始めた。
 …ちゅ…ぬちゅ…
「んんっ…祐一…」
 名雪が気持ちよさそうな顔で名前を呼び、祐一の頭をいとおしそうに撫でる。
 ちゅ、ちゅ…
 祐一は黙々と舌を動かし続けていた。あまり慣れていない様子だったが、名雪は子供と遊んでいるかのようにそれを優しい目で見つめ、自ら腰を動かすことで刺激を強める。次第に名雪の性器の中に、酸味を帯びた液体がにじみ出してきたようだった。
 ぬちゅ、じゅぅ…
「そ、そう…祐一っ」
 祐一がそのジュースを舌で舐め取ると、名雪は悦びの声を出して腰を震わせる。
「みっ、美坂…助けてくれ…」
「ダメよ…お仕置きなんだから」
 その様子を視界の端にうかがっていた北川が、また情けない声を出した。至近距離で繰り広げられる濃厚な情景に、北川のペニスは激しく高ぶってきている。しかしそうすればそうするほど、ゴムで締め付けられるのも強くなって苦しくなる。
「と、取ってくれ…!」
「ダメ」
 そう言って、香里は祐一と名雪の方に近寄る。
「………!?」
 名雪の中を舐める動きに次第に慣れてきていたように見えた祐一が、突然体をよじらせた。
 しゅくっ、しゅく…
「相沢君、私からもお仕置きしてあげるわ…」
 しゅっ、しゅる、しゅるっ
 香里は妖艶な声で言うと、祐一のトランクスの中に突っ込んだ手を巧みに動かし始める。下着の中で激しく勃起しているはずのペニスをしごいているのは間違いない。
「か、香里…!」
「いいでしょ、これくらい」
「…うー…」
 名雪は多少の不満を残した顔だった。が、香里の責めに急き立てられたのか、祐一の舌を動きが激しくなってくるとそれも消え、柔らかに名雪の粘膜をなめずる生暖かい感触に身を委ねていく。突起の部分を舌が通過すると、名雪はピクンと腰を震わせて反応していた。かなり快感が蓄積されてきているようだ。
 しゅっ、しゅっ、しゅっ…
 速いペースで香里の責め立てを受けている祐一も、相当なペースで高まってきていることだろう。香里の細くて長い、キラリとした冷ややかさを感じさせる指が本気になってペニスをしごいているのだ。
「………」
 名雪の秘部にうずめた顔が少し離れるたび、垣間見える祐一の目はもはや力を失ってきていた。そして名雪の方も、生まれて初めての口唇愛撫に相当感じている様子である。
「祐一…気持ちいいよ…」
「名雪、イケそう?」
「うん…私…もう、イッちゃう…」
「ふぅん…」
 しゅこ、しゅこっ、しゅくっ
 香里は会話しながらも、まるでペースをゆるめずに祐一のペニスをしごき立てている。
「…うっ…!」
 祐一は名雪の秘部に口をつけたままうめくと、ビクンと腰を跳ねさせた。
 びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅびゅうっ!
「う…ああ…あ…」
 香里の手の中に、白濁液が大量に放出される。そこからあふれ出た液体が、トランクスをべとべとにしていく。
「あ…私…私…!」
 …びくっ…
 その絶頂の直後、名雪が切なそうな声を上げると、秘部を祐一の顔に思い切り押しつけて全身を痙攣させた。
 びくっ、びくっ、びく…
「………ふたりとも、イッちゃった」
 香里は妙にさっぱりとした声と表情で言う。
「………ゆ、許してくれ…美坂…もう…しないから…こ、これじゃあ…もう…」
 未だペニスを拘束されたままの北川は、悲鳴に近い声で訴えながら顔面を蒼白にしていた。ペニスの先端から、ほんのわずかに透明な液体がにじみ出てきているのが苦しそうである。
「どうしようかしら…」
「な、なんでもしますっ、本当にっ…」
「そうねぇ」
 香里は北川の太股の辺りをつつきながら、悪魔的な笑みを浮かべて北川の顔をのぞきこんでいた。
「ゆ、祐一…」
「…名雪」
 そしてこちらの恋人同士は、普段と違う立場で行われた性行為に戸惑いを表しつつも、さらなる交歓を求めているのか互いにじっと見つめ合っている。名雪の目は、普段のぼうっとした様子からは想像できないほどに欲情に満ちてきていた。



11/15
 ヴィイイイイ…
「やだっ、やだよっ…祐一、止めて…」
「止めない」
 祐一が手についた雫を舐め取りながら言う。
「だって…だって…だめぇっ…」
 名雪はバタバタと脚を動かしながら暴れていたが、祐一がそれをしっかりと抑え込む。手の方は、なわとびを使ってベッドに縛り付けられていた。それほどきつい拘束ではないが、かと言って暴れるだけでほどけてしまうほどに生やさしいものではない。
「いや、いや、いやあ…」
 祐一が体重を掛けながら名雪の太股を抱え込めば、名雪は背中を動かして悶えるくらいの事しかできなくなってしまう。
「感じるだろ」
 ヴィイイイ…
 半纏(はんてん)の中から伸びたピンク色の安っぽいコードは、祐一の手の中にあるスイッチにつながっている。
 ヴヴヴヴッ…!
「はぁぁっ…!?」
 名雪が目を大きく開いて、脚を内側にぎゅうっと押しつけようとする。
「あっ…ああっ…あ…」
 ヴィィィィ…
「んっ…はぁ…はぁっ」
 一度高まった振動が、また少し落ち着いたものになる。祐一が出力をコントロールしたのだ。
「ゆ…祐一っ…」
 しかし、振動の大きさが最初と同じ物に戻ったとは言え、名雪の切なそうな表情はいっそう煩悩の色を濃くしている。息を何回も詰まらせている様子は、名雪の奥に渦巻く衝動を解き放ってしまわないように必死で耐えている姿にも見えた。
 ヴィイイイイイイイッ…
「ん…んんーっ…んんんーっ!!」
 また、振動が強まる。名雪は全身をくねらせるようにしてその甘美な感覚に耐えようとする。
 ヴィィィ…
「はぁ…はぁっ」
 そしてまた振動が元に戻る。
「名雪、ガマンしてるだろ?」
「そ、そんなこと…ないよっ…」
「もっとしてほしいだろ?」
「ち、違うもん…」
 名雪は頭を左右に振ったが、その目はもうかなり精気を失っている。
 ヴィッ、ヴィッ、ヴィッ…
「あっ、あっ、あっ!」
 小刻みに祐一が振動を強めると、名雪がうわずった短い声を上げて体を跳ねさせた。
「う…うう」
「どうだ?」
 得意げな顔をして祐一が名雪を見つめた。祐一の手のスイッチは名雪の秘裂の中に埋もれた淫らなおもちゃを動かす能力しかないはずだが、まるで名雪自身の体全体を支配下に置いているかのようだ。
「私、こんなの好きじゃないよっ…」
「…ふぅん」
 祐一はそう言うと、名雪の太股を押さえる位置をやや下にずらす。
「やっ…だめっ!」
 名雪は引きつった声を上げるが、その時には祐一の頭が半纏の下にもぐりこんできていた。
 ぬちゅ、ぬちゅ…
「あっ…うああっ!」
 器用に動く祐一の舌が、名雪の秘裂の間に一瞬で入り込んで敏感な粘膜をなぶり出す。
「すっげぇ濡れてる…」
 半纏の分厚い生地の下から、祐一の声がくぐもって聞こえてくる。その声の振動はローターの振動よりもよほど弱いはずなのに、名雪の体を突き抜けるほどの甘い刺激だった。
 ぢゅう…ちゅる…
「んっ…あ…そこはっ…だ、だめぇっ…」
 長い間放っておかれていた微細な突起に祐一が吸い付くと、名雪は祐一の頭をありったけの脚の力で挟み込みながら弱々しい声を上げた。ローターをくわえこんだ部分から、じゅる、じゅるっと新しい愛液がこぼれ落ちるのが名雪自身の体にも感じられる。
「………」
「……ゆ…祐一…?」
 ヴィィィィ…
 しかし祐一はそれ以上動かなかった。ローターの振動だけが、あくまで着実に名雪の体の中を熱くしていく。
「や、やだ…祐一っ…」
 名雪は祐一の頭を今一度締め付けながら腰をわずかに動かす。しかしそれでも祐一は動かなかった。
「だ、ダメ、祐一…だめだよっ」
「………」
「ゆ、ゆういちーっ…」
 段々名雪の声が焦ってくる。
「…やだよ、こんなのじゃ…」
 恥ずかしそうに名雪は告白した。このままでは、ローターの鈍い振動だけで高みに達してしまいそうなのだ。
「…じゃあ、約束するか?」
「うん…」
「よし…」
 カチ。
 祐一がスイッチを切る。そしてコードを引っ張り、名雪の体の中から粘っこい液体に濡れたローターを取り出してやった。
 ぬぽっ…
「んっ」
 意識しなくても自然に締め付けてしまう、タマゴ型のおもちゃ。それが体の中から抜け落ちた瞬間、名雪は思わず小さな声を出してしまった。
「なんだよ、ぐいぐい締め付けて」
「だ、だって…」
 名雪は口答えしようとしたが、祐一がぐちょぐちょになったローターを見せつけると口をつぐんでしまった。
「…メチャクチャしたかったんだろ」
「そ、そんなじゃないよ」
「じゃあなんでこんなに濡れるんだよ」
「だ、だって、祐一だからっ…」
 名雪は目をそらして言う。
「名雪がエッチなだけだろ…」
「祐一がエッチなんだよっ…」
「絶対名雪の方が上だ」
「そんなことっ…あ」
 祐一が名雪の腰を持ち上げようとすると、名雪が口を閉ざす。
「濡れてるのがよく見えるな」
「やだっ、そんなの見ないでっ…」
「舐められたくせに、いまさら何言ってるんだ」
「で、でも…やっぱりやだよっ」
「…ま、そろそろするか」
 祐一はそう言って、無造作に腰を名雪の体に向かって押しつけていった。
 ぬちゅっ
「あ」
 ぴたりと入り口にペニスが当てられると、名雪がすこし表情を固くする。
「入れるぞ」
 ぬちゅり。
 祐一が腰を押し出すと、ペニスは簡単に名雪の中に侵入していった。
「や、やだ、まずこれほどいてよ」
「このまんまでいいだろ」
「良くないよ…」
 ぬちゅ…ぬちゅぷっ。
 二人で言い交わす間にも、祐一のペニスはさらに奥まで突き進み、あっという間に全体が名雪の中に入ってしまった。潤滑の液があまりに豊富なのだ。
「ん…」
 名雪が鼻にかかった声を出すと、同時に祐一のペニスが激しく締め付けられる。
「う…」
 ぬちゅっ、ぬちゅ…
 祐一は小さくうめくような声を出しながら、前後運動を開始した。
「ん…んん」
 ローターでとろかされた膣壁は、祐一のペニスが勢い良くえぐってもじわじわと快感を生んでいくようだった。名雪は両手を拘束されたまま、腰をゆっくりと動かし始める。
「っ………」
 祐一はその中を、闇雲な動かし方でかき回した。あたたかな柔肉が祐一のペニスを包み込み、それを押し返すような勢いで祐一のペニスが動く。そうすると、柔肉はさらに祐一のペニスを強く包み込んでくる。
「んっ…私…んふぅっ…」
 名雪は早くも腰をピクピクと痙攣させ始め、縛られた手首から足の先までをしきりによじらせ始めた。挿入の前から、既に絶頂寸前まで追いつめられていたのだ。祐一の激しい動きに、名雪は最後の階段を勢い良く駆け昇っていく。
「…あ…だめっ…だめ…」
 ぬちゅっ、ぬちゅ…
 祐一の腰の動きに合わせて動きつつ、名雪はその淫靡な動きに反する言葉を発する。
「……だめ…!」
 ビク、ビク…
 名雪が吐息混じりの色っぽい叫び声を上げた瞬間、全身が激しく痙攣した。祐一のペニスも、ギュッギュッという激烈な締め付けに見舞われる。
「ぐ…」
 …びゅっ!
「えっ」
 びゅっ、びゅっ、びゅくんっ、びゅる…びゅ…びゅ…
「っ…はぁっ…はぁっ」
「え…祐一、もう…?」
 獣のような声を出しながら放出する祐一に、名雪は意外そうな声で問いかけた。未だにひくひくと媚肉を痙攣させているのに、それを微塵も感じさせない呑気な声である。
「仕方ないだろ…お前がずっと嫌がっていたんだから」
「あ、祐一、ずーっとガマンしていたんだ?」
「当たり前だろっ」
「私、てっきり自分でしているんだと思っていたよ」
「するかっ…」
「だって、それぞれの部屋にいればお母さんだって気づかないと思うし…」
 事故に遭った秋子が家に帰ってきたのは、ちょうど一週間前だった。
「こいつ…一人で…でも、お前さっき約束したんだからな」
「う、うん…だけど、できるだけ静かにしてね」
「わかったって…」
 ようやく収まってきた放出。祐一は気怠そうな顔をしながら名雪の上に倒れ込んだ。



10/29
(9/9の続き?)
「名雪、屋上でした時、ひとりエッチなのにすごいスムーズにしてたし感じまくってたよな」
「だ、だって…ずっとこんなのを入れられていたのに、祐一がしてくれなかったから…」
 名雪は絨毯の上に正座して、まだローターが入ったままのあそこを両手で押さえつけながら答える。裸のままちょこんと座って、情けない格好をしている名雪を見ていると俺は自分の態度がますます威圧的になってきたような気がした。
「そもそもだ。名雪、普段からひとりエッチ隠れてしていたんじゃないのか?」
「な、なんで…」
「そうじゃなかったら、あんなに慣れた感じで出来っこないだろ」
「べっ、別に、ひとりでするのは、祐一にしてもらうのを代わりに自分の指とかでするだけだし…」
「『とか』ってなんだよ」
「い、意味なんてないよ」
「嘘つけ。普段から指以外の物も使ってしていたから、思わず言っちゃったんだろ」
「そんなこと…」
 名雪は斜め下に視線を向けてうつむく。
「正直に答えろって言ったよな。嘘つくんなら、今日はもうこれっきりだ」
「そ、そんな、祐一、いやだよっ!」
 慌てて名雪が身体を乗りだし、半分背を向けた俺を引き留めようとする。
「………」
 俺は冷たい目で名雪のことを見ていた。できればローターの振動をもっと強くしてやりたかったが、あいにく出力は既に最強だ。
「ゆ、祐一…」
 が、にらみつけるような強い目で潤みきった名雪の目を見返してやることが、何より名雪を陥落させる武器になるようだった。名雪は改めて絨毯に正座し直し、あそこを押さえ直し、こくりとつばを飲み込む。
「し…してるよ」
「俺がいるのにか?」
「だ、だってっ。みんなでテレビとか見ている時とか、学校の授業中とか、朝とか…そんな時に祐一に言っても、してくれるわけないか、時間がないかどっちかだし…」
「おい、それって」
 共通点は、名雪がいつも寝ぼけていたり眠ろうとしている時だ。
「じゃあ、眠い眠いって言ってたのは」
「ね、眠いのも本当なんだよ…だけど、ちょうどそういう時に限って…なんだか…」
「授業中にもしてるのか?」
「そ、それはできないから、目を閉じてあそこを椅子にすりすりってしたり…終わった後、休み時間にトイレに行って、できるだけたくさんしてっ…」
 名雪がもじもじと脚を動かす。恥ずかしさか、ローターの振動でまたどんどん気持ちよくなってきてしまったからか。
「ったく…」
 俺は、名雪が学校でああいう事をするのにそれほど抵抗を覚えなかった理由をやっと理解した。どちらかと言えば、行きの道と帰り道、外の空気に触れていた時の方が名雪は緊張していた気がする。さすがに屋根のない所でひとりエッチした経験はなかったという事なのだろう。
「名雪、お前異常だぞ」
「そ、そんな言い方ひどいよ…」
 言いながら、名雪はあそこを押さえる力をまた強くする。
「じゃあ、学校でも平気な顔してひとりエッチしているような奴がまともだって思うのか?」
「だ…だって…だって…祐一が私の事をこんな風にしたんだよっ…!」
 悲しそうな声で言いながら、名雪はまたはぁはぁと息を激しくし始めた。押さえた手を離せば、新鮮な愛液が生まれ流れ出てくる様子が見えることだろう。
「名雪、お前ひとりエッチ始めたのいつなんだよ」
「え…それは、祐一に初めてしてもらってから、しばらくしてから…だよ…」
「嘘言うな。名雪、初めての時に感じてただろ」
「そ、それも、祐一だからっ」
「お前、嘘が元々下手なんだから無理するなよ。ひとりエッチも知らないのに、あんなにぐちょぐちょになっちゃうなんておかしいだろ」
「……だって…だって」
 名雪が顔を伏せて、肩を震わせ始めてしまった。一瞬泣きそうなのかと思ったが、やはりただイキそうになっているだけのようだ。
 …カチ。
 俺はローターの振動を止めてやる。
「…あ…」
 顔を上げた名雪の目に、もう理性は見えなかった。一日中イキッぱなしで完全に参ってしまったらしい。
「で、いつからなんだよ」
 名雪の顔に自分の顔をぐぐっと近づけて、訊く。
「…祐一の帰った…あの冬から…」
「…あの冬って…」
「あの冬から…私…祐一の事を思い出そうとする度に、うまくいかなくて…」
 名雪が独り語りのような声になる。
「代わりに、変なことばっかりが頭に浮かんでくるようになっちゃって…」
「名雪…?」
「顔や体のりんかくまでは浮かんでくるのに、祐一の言ってくれた言葉の最初のなんもじかだけは浮かんでくるのに、そこからは全部おかしくなっちゃうんだよ…。祐一の顔から口だけが見えたり、祐一の体からアレだけが見えたり…言葉が聞こえても、全部いやらしい言葉ばっかりで」
 名雪の手が、びちょびちょになったあそこから離れた。
「あはは…やっぱり、私、異常かな…?」
「…名雪」
 何か、もやもやしたものが頭の中に生まれてきている。
 振り払おうとしたが、うまくいかなかった。頭の中で考えるだけでは、そのもやもやはどうも晴れそうにないようだった。
 …俺は、一体どうしたんだ?
「………」
 よくわからない。
 ただ、俺は半分無意識のうちに名雪のあそこに手を伸ばしていた。
「祐一…?」
 そこから、指を目一杯動かしてムリヤリに名雪の中に入ったローターを抜き取る。黒いローターはもう名雪の愛液と一体化してしまったように見えるほど、ねばっこく濡れて光っていた。
 俺はそれを思い切り投げ転がす。表面がねばねばしたローターはあまりよく転がらなかったが、なんとか勢いによって名雪のベッドの下にまで入っていった。
 しゅる…しゅっ。
「え…いいの…?」
 俺が半端に下りたトランクスとズボンを脱ぎ去ると、名雪がむしろ意外そうな声で訊(たず)ねてくる。
 …どんっ。
「あっ…」
 答える代わりに俺は名雪の肩を押して絨毯の上に転がし、その上にのしかかった。
 ずちゅぅぅ…
「あっ…はぁんっ…ああああっ…!!」
 狙いもつけず、鎌を振るような勢いで突っ込んでいくと吸い込まれるように名雪の中に俺のペニスが入っていく。どぷりという程に愛液に満たされた名雪の中は、俺のペニスが名雪の奥にぶつかった瞬間きつく収縮した。
 ビク、ビク、ビク…
「あっ、あっ、ああーっ」
 全身の痙攣に合わせて名雪が喘ぐ。これだけで、もうイッてしまったようだ。
「まだまだ、いくからな」
 じゅごっ、じゅるっ、ぶじゅるぅっ…
 痙攣がまだ続いている名雪の中を、俺はさらに突き続けた。愛液が撹拌され、鈍く泡だった音が立て続けに響く。さっきまでは俺のモノに比べれば随分小さい球が刺激し続けていた部分を、俺は力任せに突いて膣壁をこすった。名雪の好きな、膣の前側の方に太くなった部分がぐりぐり当たるように腰をグラインドさせる。
 そして両手で胸の膨らみをつかんで、突くのと同じくらい乱暴に揉む。決して小さくない名雪の胸の膨らみのふよふよとした部分が、上に下に奔放に飛び回るくらいに強く揉む。
「…祐一…いいっ…す、すごいっ…」
 絶頂が少しは収まったのか、痙攣が止まってきたかと思うと名雪はうわごとのようにつぶやいて腰を自分でも振り始めた。ばたっ、ばたっと絨毯を叩く音を立てながら腰を跳ね上げる、ぎごちない動作。乱れる名雪の髪。恍惚とした、名雪の顔。
 じゅぐ、じゅぶるっ、ぐじゅっ
「あーっ、ああーっ!」
 とんでもなく濡れまくってしまっている、名雪のあそこの中。名雪の、押し殺そうともしない露骨な感じている声。
 普段から感じていたもののはずだ。一日か二日に一回は普通に見ることが出来ていたはずのものだ。それなのに、今はそれをローターや名雪の指や、教室の椅子に味あわせてしまっていた事が妙に悔しくてならなかった。
 ぐじゅっ、ぐじゅっ。
 なぜだろう…
 俺はありったけの力を込めて名雪の中をかき回しながら、考える。
 その答えは、いくら考えても同じだった。
 …名雪が可愛いんだ。
 このいつもぼけっとしている俺のいとこが、名雪が、何故か知らないけれど今日はたまらなく可愛いんだ…
 ぐじゅぐじゅぐじゅっ!
「ひぅっ、も、もうだめっ、私、また、イクよぉっ!! 祐一、私イッちゃうよっ!!」
「…俺もだ。名雪、俺もイキそうだ…」
「なっ、中に出してっ!! 祐一、私の中にいっぱい出して、祐一をたくさん感じさせて…!!」
「わかってるっ…!」
 俺は名雪の一番深いところにペニスを差し込んで、腰を小刻みに震わせた。
「あああーっ! 私、私っ…!! イクぅぅうぅぅぅうーっ!?」
 ペニスを、熱い物が走り抜けていく…!
 ビクビクビクっ、ビクンビクンビクっ、ビクビクビクビク…
 びゅっびゅっびゅるっ…びゅるるっ、びゅっびゅっびゅるぅ…
 激しい締め付けと痙攣。名雪が背中を何回も跳ね上げては絨毯に身を落とした。それに加えて、つんざくような高い大声。絶対に、秋子さんに気づかれたに違いない…
 でも、それすらも今の俺には快感だった。
 呆れるほどに長く続く放出を、同じくらい長く続いている名雪の絶頂の中で、俺は心底から気持ちよく思っていた…



10/24
「さっ…寒い…よ…」
 名雪は制服の裾を少しでも下ろそうと試みる。服の生地がだらしなく伸びてしまいそうだったが、それでも何とかして制服、ブラウス、シャツを合わせて押し下げる。
「返して…栞ちゃん…それ」
「だめですよ」
 栞は平然と言って、手にした名雪のスカートとショーツをぽんと香里に向かって放る。
「お姉ちゃん、持っていてね」
「あなたがするの?」
「うん」
 さらに肩に掛けたショールもくるくると丸めて、香里に手渡す。香里は少し呆れたような顔をしながらそれを受け取ると、ポケットの中を探って栞にボール状の器具を与えた。
「もう一個」
「…二個?」
「うん」
「栞、自分にも入れる気?」
「そうじゃないよ」
「…ま、壊さないでね…安いもんじゃないんだから」
「うん」
 香里がまたポケットを探り、栞に同じボール状の器具をもうひとつ手渡す。そして、名雪の服と栞のショールを抱えたまま腕組みをするような体勢で二人の事を見守り始めた。
 その間にも、名雪はかたかたと歯を小刻みに鳴らしながら震えている。ひゅうう、とこの地方にしてみれば比較的穏やかなくらいの風が吹くだけでも、名雪は顔を青ざめさせてますます震えを大きくしていった。
「どうですか、名雪さん? いつもと違ってこういう所だと、気分も変わりますよね」
 どんよりとした曇り空の下の、凍り付くような空気。学校がやっている時ならば一階の廊下から見ることができる位置にある、駐車場としても使われている裏庭。
「さ、寒すぎるよ…助けて…」
「名雪さんは自分の名前に入っているくらいだから、雪が大好きだって祐一さんが言ってましたよ」
「で、でも、こんなのは嫌だよ…」
 名雪は足元を見やる。
 そこには、名雪が身を屈めて冷気に当たる表面積を小さくできない理由、深さ40センチほどに積もった雪が一面に渡っていた。名雪の履いている長靴も、どうかすると雪が入ってきてしまいそうな状態である。
 そして、名雪の立っている所から少し離れた所の積雪は、不規則についた足跡でかなり乱されていた。どうやら、名雪が下半身の着衣を脱がされた時の跡らしい。氷点下の中、長靴を履いた状態からスカートとショーツを脱いでしまうのは並大抵の苦労ではなかっただろう。
 しかも、名雪が座ってしまう事ができないように、栞と香里はわざわざ名雪を乱されていない雪の所まで移動させたらしい。
 ざっ、ざくっ…
「さてと…名雪さん、お楽しみの時間ですよ」
 栞は名雪に近寄りながら、ネイビーブルーのボールをぺろぺろと口でなめる。幼い容姿に浮かんだ残虐性は、小悪魔的と言うに相応しかった。
「………」
 名雪は怯えを浮かべながら、近づいている栞を見つめるしかない。制服を少しでも下ろそうと裾をひっつかんだまま、一歩も動けなかった。
 ざくっ。
 栞は、名雪の目の前まで来ると立ち止まる。そして、平然と雪の上にしゃがみ込んだ。キツネ色の毛皮のようなコートを羽織って、撥水の長いブーツを履いている栞は少しくらい雪の上に脚を置くくらいではまるで冷たさを感じていないようだ。
 そして、名雪が必死で押し下げている制服の下にボールの片方を滑り込ませる。名雪の秘裂は押し下げられた制服によってほとんど隠れていたが、それもぎりぎり隠れているといった程度のものだ。栞はさしたる苦労もなく名雪の秘裂にボールをあてがう。
 ぐにゅっ。
 そのボールを、栞は遠慮無しに名雪の秘裂の中に押し込み、さらに名雪のヴァギナの入り口を探った。視界は十分ではないというのに、栞は一瞬にして名雪の入り口を探り当て、ぐいぐいと中に押し込む。
 …んちゅっ
 鈍い粘液質の音と共に、名雪は小さな卵のようなボールを受け入れてしまった。
「名雪さん、やっぱりもう濡らしていたんですね」
「そ、そんなこと…」
 ない、とは言えなかった。
「お姉ちゃんー」
「ん…」
 香里は気のない返事をすると、またポケットに手を入れた。
 ヴー…
「っ………」
 振動音を立てて暴れ始めたボールに、名雪は無反応ではいられない。すっと名雪の瞳に潤みが走るのを、栞は悪戯っぽい目で見た。制服の裾をつかむ手に力が入ったのも、すぐにわかることだ。
 ヴー…
 うねるようにヴァギナの中を振動するボールは、自らの動きによって少しずつ奥に向かっているようにすら感じられる。名雪は意識のなかにむらむらとした物が沸き上がってくるのを感じて、それを必死に打ち消した。
 ざっ…ざっ。
「え…」
 そこに突然、栞が足元の雪をかき集め始める音がする。少し前に積もった雪で、今はざらっとした感触に近くなっている雪を、栞は小さな手でぎゅうぎゅうと押し固めていた。直の手で触っているのだからかなり冷たいはずだが、やがて栞の手の中には氷のように固そうな球が出来上がる。サイズは、栞の握りこぶしほどもあった。
「名雪さん、雪好きなんですよね?」
「な、なにするの…し、栞ちゃん、あの…ひょっとして…」
 動揺する名雪に、栞はくす、と微笑んで見せた。そして、その球をおもむろに名雪の内股の辺りに押しつける。
「いやっ!! つ、つめたいっ…やだ、やだっ、やめてっ!!」
「つるつるしますね」
 栞は名雪の体温で表面が溶け始めた氷の球で、名雪の太股を撫でるようにして上に進んでいく。
「つ、冷たいよ…!! 栞ちゃん、お願い、許して…!!」
 名雪は氷の球が制服の裾に当たりそうな所まで来たのを見て、一瞬躊躇する。だが、結局服がびしょびしょになってしまうのを避ける事を選んだ。自らの手で、少しだけ服をまくりあげて何とか服を乾いた状態に保とうとする。
 その代わり、名雪の秘裂は上端から全て外気の中に晒されることになった。すーすーと風が吹き抜ける感触、そしてすぐそこに押し当てられる凍るような氷の球の感触。ずっと肌に押し当てられていたためか、氷はかなり溶け始めていたが、それは名雪の体温がそれだけ奪われたと言うことを意味している。
「う…いや…もういやだよ…」
 名雪は、体内からの鈍く熱い感覚と冷え切った肌の感覚の温度差に、頭がおかしくなりそうだった。
「お姉ちゃん」
「…はい」
 ヴン…
「えっ…!?」
 くぐもった音がしたと思った瞬間、名雪の秘裂に当てられていた氷の球がはじけたような感覚が生まれる。
 ヴィー…ヴィーヴィー
「ひっ…つ、つめたいっ!」
 不意に走った突き刺すような冷たさに、思わず名雪は声を上げていた。秘裂の表面だけではなく、割れ目の中にまで氷のカケラが入ってきている。そして、それを撹拌するかのように新たな振動が名雪の秘部を襲う。
 栞が、氷の球の芯にさっきのボールを使っていたと気づいたのは、一瞬遅れてのことだった。
 ヴィーッ…
 名雪の全身の中でも、特に熱の集中した部分。そこに細かく爆ぜた氷のカケラが張りつき、どんどんと溶けて名雪の温度を奪っていく。
「あっ…んああっ」
 しかし、栞がボールを名雪のいたいけなクリトリスに当てた瞬間、名雪の中からは反転するかのように激しい熱が沸き起こってきた。
「名雪さんったら、ココがそんなに好きなんですか?」
 栞がからかうような口調で言う。
「ん…んーっ」
 焦点を失って空の一点を見つめる名雪の目から、幾筋かの涙がこぼれ落ちる。ぴくんぴくんと全身が震える。温感を滅茶苦茶に操作されて、名雪は体力を消耗した上に理性をだいぶ奪われてしまったようだ。名雪は狂気を発したかのような虚ろな表情になる。
 だが、理性のタガが外れた事によって、名雪の肉体は淫靡なバイブレーションに対して極めて素直に反応し始めていた。ボールによってかき回されたヴァギナからは透き通った液体がスポンジを絞ったかのようにぽたぽたとあふれはじめ、クリトリスはピンピンに充血してひっきりなしの快感を名雪に与える。
 その熱く滑らかな液体が秘部をまんべんなく濡らし、氷のカケラは綺麗に溶け去っていった。
 栞はもうほとんどボールを操作することなく、ただクリトリスの中心にぴたりとボールを当ててじっと待つ。栞の白い頬も、興奮のためかうっすらと紅潮していた。少し物欲しそうに足をくねらせたりもしていたが、コートを羽織った状態では外部からそう簡単に刺激を加えられるはずもない。やがて栞はそれを諦め、名雪の太股にべろを当てて垂れてきた液体を舐め取る。
 雪の上にもたっぷり垂れ落ちているその液体を舐め取ることで、栞は少しでも興奮を味わおうとしているようだった。
「あっ…ああ…あぁ」
 そのねっとりした遠回しなキスが引き金となって、何かが収束していくような声を名雪が上げる。
 …ビクン…ビクっ、ビクぅっ…
 腰をがくがくと震わせて、ぬじゅっとはしたない液体を雪の上に放出しながら、名雪はあえなく絶頂に達していた。
「…名雪さん、こんな所でイッたんですね…えっちです…」
 栞が揶揄するように言うが、その声も少しかすれているようだった。ぐっちょりと濡れたボールを名雪の秘部から離しながら、ぬらりとした光を帯びたそれを呆然と見つめる。
「…こんなのも面白いかもね」
「え? あ、お姉ちゃん」
 いつの間にか、香里は校舎の側に近づいて背伸びするような動作をしていた。そして、何かを折り取ると栞に見せる。
「あ…つらら」
「結構立派なもんよ。ほら」
 ざく、ざく…
 香里は近づいてきて、栞にそのサイズを提示する。
「本当だ…」
「栞、あなたはこれでしてあげるから、コートまくってあそこを出しなさい」
「えっ…お姉ちゃん、私は…」
「こんな所まで来て、ローターじゃ面白くないわよ」
「べ、別に私は」
「それに、このまま家に帰ろうとして、途中で栞がトイレに行きたがるよりはマシよ」
「……ええと…」
「ずっと待っていても、全然出てこないんだから」
 香里が言う。
「………」
 栞が横に目をずらすと、名雪は中にうごめくボールをくわえこんだまま、栞の事をじぃっと見ていた。栞が顔を赤くする。
「…栞ちゃん、トイレで何してたの…?」
 名雪は下半身裸のまま、栞をジト目で見つめて言う。非道な仕打ちの仕返しのつもりらしい。
「え、えっと…そ、そんな事言う人嫌いです…」
 栞は言いながら、そそくさと自らの濡れた部分を晒す準備をし始めた。



10/19
「や、やめてぇっ、香里…」
「名雪、こんなに濡らしてるのに言っても説得力ないわよ」
 ぐぐぐ…
「き…きついよっ」
「力を入れるからよ。もっと力を抜きなさい」
「うっ…うー」
 ぬぷっ。
「ほら、入ったわ」
「や、やだ、苦しいよ…」
 ぐぢゅっ…
「や、やめてっ…そんなに深く入れたら、取れなくなっちゃう」
「いいんじゃない? 四六時中ローターを入れっぱなしで歩くの。スケベな名雪にはお似合いよ」
「ひ…ひどい…う…ああ」
 ぶーん…
 香里がスイッチを入れると、すっかり名雪はおとなしくなってしまった。すんすんと鼻を鳴らしながら、悲しそうな目で香里の事を見つめる。
「感じてるじゃない」
「感じてなんか…ないよっ…」
 ぶぅぅぅぅん…
「あっ…あっ」
 名雪の目が一層うるんで、切なそうな吐息が大きくなる。自分の体を自分の腕で抱え込んで、何かに耐えている事が明らかな体勢になる。
「感じているわね?」
 香里はスイッチを見せつけ、今にも振動を強めそうな様子で名雪に言った。
「…う…感じているよ…」
「いやらしい。どこが感じるのよ?」
「ろーたーが入っているところ…」
「それはどこ?」
「あ、あそこ」
 ぶうううんっ…ぶううんっ…ぶううんっ…
「あ、あっ…! お、お○んこっ!」
 煽るような断続的な振動に、名雪は卑語を叫ぶ。
「名雪はいつもそこをどうしているの? 答えなさい」
 香里が冷ややかな目で見つめる。
「わ、私は、毎日自分のお○んこを指でさわって、おなにーしています」
「救いようのない変態ね…足を前に出しなさい」
「あ、足?」
「両足を私の方に。早く」
「う、うん」
 名雪はすらっとした脚を揃えて、香里の方に出す。香里はその両足首をつかんで、ぐいと持ち上げた。
「…???」
 意図が読めないのか、名雪は混乱した顔をする。ローターの挿入された、濡れそぼった無毛の秘裂をさらけ出しているというのに呑気なものだった。
 …ぐぢゅっ!
「うわっ…香里っ!?」
 ぐぢゅぐぢゅぐぢゅっ!
 香里は靴下を脱いだ足の裏を名雪の股間に押しつけて、激しい振動を加えた。名雪は反射的に腰を動かして逃げそうになるが、香里が名雪の足首を両方つかんで思い切り引き寄せているために逃げようがない。
 ぐぢゅぐぢゅ…ぢゅくっ!
「い、いやああ…やめてっ」
 乱暴な振動によって、名雪の中からあふれ出た蜜液が香里の足の裏でしきりに粘っこい水音を立てる。中に入ったローターを押し込むような、名雪の陰唇を無茶苦茶に変形させているような動きだった。
「この変態っ! こんなのでも感じるんでしょ!?」
「はぁんっ…そんなことっ…ないよっ…ううっ…」
「嘘おっしゃい! 感じてるくせにっ! あそこをぐちょぐちょにしてよがっているのに、よく言うわねっ…!」
「違うぅっ…そんなこと…ないっ…ああっ…はあああっ…」
 がくがくと揺さぶられて震える名雪の声。直接の刺激自体はそれほど大きいものではないのだろうが、勢いのある香里の責め立てと言葉の辱め、それに合わさってくるコンスタントなローターの振動が名雪の興奮をかなり高めているようだった。
「イキなさいっ! イキなさい、名雪っ!」
「いやっ…やだよっ…」
「我慢してもムダよっ…ほら、イキなさい、イクのっ!」
「いやあっ…やだ、やだ、やめて…はあっ…はああんっ…いや…イッちゃ…う…」
「ほらほらっ! もうおしまいね」
「あっ…だめ…イク…イク…イクぅぅぅぅっ!!」
 ビクッ…!
 その瞬間、香里は確かに足の裏へ名雪が昇天した痙攣を感じた。
「う…あっ…ああ」
 ばたっ。
 快感に震える名雪の両脚を、香里は乱暴に絨毯の上に放り投げた。
「はあ…はあ」
 名雪は数秒間そのままの姿勢でいたが、
「ふぅっ」
 不意に目を開くと、ぴょこんと絨毯の上に起き上がる。
「良かったよ」
 微笑みながら、絨毯の上に座った香里の横にぴったりと肩を並べる。そして、香里にしなだれかかるようにして密着した肌を押しつけた。
「…でしょう?」
 香里は頬を赤らめながら、口元に手を当ててこほんと咳払いする。
「うん。私も香里とおんなじくらい感じちゃったね。こんなにいいなんて、自分でも思わなかったよ」
「加減を知らずにやられたこっちはいい迷惑よ…全く、変なこと思いつくんだから」
「香里だって思いっきり私にしたよ」
「幅跳びやっている人間の足と一緒にしないで」
「やっぱり、それって関係あるのかな?」
「おおありよ…やられてみないとわからないだろうけど」
「ふうん…でも、自分の足で自分のあそこをぐりぐりするのは無理だね」
 言いながら、名雪は香里の秘部に手を当てて揉むようにまさぐった。そこにあるのは、名雪の中にあるのと同じ鈍い振動である。
「や、やだ、やめて…まだ敏感なんだから」
「だらしないよ。一回イッたくらいで」
「あっ…あっ…いや…そこはっ…!」
「香里、もっと慣れないとだめだよ」
「うあっ! あっ! あっ! …やめてっ…お願い…」
「今日は、とっくんだよ」
 名雪は香里の太股をがっちりとつかまえると、股間に顔をうずめた。
 ぺちゅっ。じゅるっ…
「い、いやああああっ…!」
 舌で紅に光る真珠の包皮を剥かれ、直接舐められると香里はそれだけでイキかける。だがそれは、数時間に渡って続く地獄のような快感の始まりに過ぎなかった。



9/27
「見たんだよ…あゆちゃんが出てくるところ」
「し、知らないよ…たぶん、名雪さんが見間違えて」
「家にいるの、私以外は祐一とお母さんだけだよ。間違えるはずなんてないよ」
 ごそごそ、と布団が動く音がする。名雪が横に寝たあゆの身体の上に乗ろうとしていた。
「何してたの?ふたりで」
「な、名雪さぁん…ちょっと…顔が怖いよ…」
 月明かりの中ぼんやりと浮かび上がった名雪の顔を見て、あゆは目を伏せる。しかし、この状態では逃げ出しようもない。あゆに出来ることは、何とか誤魔化そうとすることだけだった。
「………」
 名雪はあゆの事を見下ろしながら、馬乗りの姿勢になる。何か間違えれば首を絞められそうな勢いだった。普段名雪がぼうっとしているだけに、真剣な顔をされると何が起こるかわからない怖さがある。
「う…うぐぅ…べ、別にボク何もしてないよ…祐一くんと、ちょっと話をしてただけ…」
「あんな時間に男の子と女の子が一緒にいて、何もしていないなんてわけがないよ…」
「ほ、本当っ!本当にそうだよ」
「第一、うちにどうやって入ってきたの?私、あゆちゃんがいるの見て驚いたよ」
「そ、それは…寒かったから…祐一君の部屋の窓に…」
「…すごく怪しいよ」
 名雪はじぃっとあゆの顔を見つめる。
「ボ、ボク何もしてないもん…」
 あゆは頬を膨らませながら、そこから目をそらした。
「…あゆちゃん」
「な…名雪さん…?」
 あゆは思わずぴくっと身体を震わせる。名雪の声のトーンが、1オクターブ下がっていた。恐る恐るあゆが視線を元に戻すと、名雪の目には明らかに怒りの色が浮かんでいる。
 どうやら、子供のノリで誤魔化そうとしたのが逆鱗に触れたらしい。
「う…うぐっ…あ、あのあの…名雪さん…ごめんなさい」
「あゆちゃん。祐一と、何をしてたの?」
「………えっと…」
 頭の中で、あゆは選択肢をぐるぐるとかき回す。どうするのが一番よい選択肢なのか、あゆは必死で考えていた。
「な、何もしてないけど…祐一くんの横で、寝かせてもらったよ」
 考えた結果、結局あゆは誤魔化してしまう。本当のことを言ったときに、名雪がどれほど激怒するか想像がつかなかったのだ。
「ふぅん…」
「ほ、本当だよ…」
 名雪の声に、早くもあゆはたじろぎ始める。やっぱり本当のことを最初から言った方がよかったかもしれないなどと思いつつも、あゆはもう後戻りできなかった。
「じゃあ、検査してあげるね」
「け、けん…?」
 あゆは戸惑った声を上げたが、次に名雪が取った行動に表情を一変させる。
「い、いやあっ…!名雪さんっ!?」
「だめっ」
 慌てて隠そうとするあゆの手を、名雪が素早く払った。
「ど、どうして…こんなっ」
 あゆは淡い明かりの中に晒された自分の性器に、混乱する。羞恥心よりも、なぜそうされるのかという理由への混乱が先に立っていた。
「これから検査をするから、それであゆちゃんが何もしていないって分かったら許してあげるよ」
「や、やだよぉっ…やめてっ、名雪さんっ」
「あゆちゃんの言うこと、わたしもう信用できないから」
「ひ、ひどいよ…ボク、嘘なんて…」
 後ろめたさは感じたが、あゆはまだそういう言葉を口にしてしまう。
「すぐに、わかるよ…まず、ひとつめの検査」
「………」
 名雪が宣言すると、あゆは身体を凍らせた。逃げたい気持ちはやまやまだったが、叫び声をあげることもできない。それで秋子か祐一が来たとして、どう説明すればいいのか。常識とは真っ向から反する行動を取られると、常識的な対処をすることはできなくなるのだ。
「そう…おとなしくしていた方が早く終わるよ」
「うぐ…」
 名雪は、顔を少しずつあゆの性器に近づけていく。あゆは生まれたままのつるつるした膨らみに息が当たるのを感じてくすぐったさを感じたが、どこを観察されているのかという事を考えるとくすぐったさに反応している余裕などなかった。
 ぴろっ…
「あっ」
 観察は表面だけにとどまらず、すぐ割れ目を広げられてしまう。
 …ちゅっ
「…うっ…!?な、名雪さんっ…!?」
「じっとしてて」
「や、やだよ…やめて…」
「ここをなめて、あゆちゃんが感じたら祐一にいじってもらったのがわかるよ」
「い、いやだよぉっ…」
 ちゅっ…ちゅる…
「ううっ…あ…」
 名雪は言うだけ言って、また舌を動かし始める。なまあたたかい感触が動く度に、あゆはくすぐったさと羞恥に身を震わせた。
「…う…うぐぅっ…」
 そして、舌がとあるポイントにたどりつくとあゆの反応が大きくなる。
 ちゅっ。ちゅぅっ。れろれろっ…
「うぐぅ…うぐぅっ…!」
 あゆは枕に乗せた頭をぐりぐりと動かしながら、身をよじらせた。カチューシャであげられていない前髪が目にかかっていたが、その瞳が見る見るうちに潤み始めたのは一目で瞭然(りょうぜん)だ。
 ちゅっ。ちゅっ。
「あ…あ…う…うぐぅ」
 とろ…
 執拗な名雪の責め立てに、ついにあゆは力無く声を漏らして透明な雫をとろけ出させてしまった。
「んん…この酸っぱいの、なに?あゆちゃん」
 舌をぐいぐいと押しつけるようにして舐め取りながら、名雪が問う。
「し、知らないよ…」
「あゆちゃんが今感じてた証拠だよ」
 ちゅ…ちゅくっ
「ひ…ううっ」
 名雪は再び、あゆの弱いところを吸い立てた。
「だから、あゆちゃんが祐一に触ってもらったんだって事がこれでわかったんだよ」
「ち、違うよ…本当だよっ…」
「…そうだね、あゆちゃんがひとりえっちをいつもしている女の子だったら、祐一に触ってもらった事がなくてもこうなるかもしれないよね」
 名雪は顔を上げて、あゆのことを見下ろす。
「どっちなの?あゆちゃん」
「う…」
「答えて」
 名雪はあゆに選択を迫る。
「…うぐぅ…ひとりえっち…している方…」
「…変態さんだね、あゆちゃん」
「うぐ…そんな…」
「普段からそんな事する女の子、祐一が好きになるわけないよ…」
 名雪は口元に薄く笑いを浮かべながら、あゆを貶(おとし)めた。
「ひ、ひどいよ…」
「あゆちゃんが自分で言ったんだよ?」
「うぅ…」
 あゆは泣きそうな目をして、名雪のことを見る。
「それじゃあ、ふたつめの検査」
「えっ…」
 絶望的な表情を見せるあゆの前に、名雪は自分の人差し指を提示した。
「な、なにを…」
「もうわかるでしょ?」
 名雪は再び閉じられたあゆの秘裂に、その指をあてがう。
「え、えっ…」
 あゆが戸惑う間に名雪は指を突っ込み、雫があふれ出してくる地点にぴたりと指を当てた。
「血が出てきたらあゆちゃんがしてないってわかるし、そうじゃなければあゆちゃんは気持ちよくなるだけ。いいよね?」
「い、いいよねって……いやぁっ!やめて、名雪さん…ボク、祐一君としてないよっ!キスしてもらっただけ…まだはじめて、はじめてだよっ…信じて!」
「あゆちゃんの言葉、もう信じないって言ったよね?それに、あゆちゃん今もまた嘘をついていたんってことだよ」
「う、うぐ…ごめんなさい…だから許して…」
「うるさいよ。もう黙ってよ」
「………」
 名雪の低い声に、あゆは完全に沈黙してしまった。
 …ぬちゅ…
「あ…!」
 無言で挿入を開始する名雪の指に、あゆが高い声を上げる。雫に濡れさせられたためか、痛みはまだそれほどではない。が、指が進むごとにどんどんきつい感触は強くなっていった。
 ぷち…
「ひっ…!」
 処女の証の所まで進んできても、名雪の指は全く止まろうとしない。
 ぷち…ぷちっ…
「うぐっ…いたいっ…いたいよっ…」
 肉が剥がされていく痛みに、あゆは悲痛な声を漏らす。人差し指一本だけとは言え、狭いあゆの中にとってはかなりの大きさなのだ。加えて名雪はあゆの苦痛を増そうとしているかのように指をぐりぐりと動かし、傷つけられた膣壁をこする。潤滑の役目を果たすはずの雫も、焼け石に水だった。
 ずず…
「うぅ…はぁっ」
 入るところまで入れてから、名雪は指を引く。
「…これであゆちゃん、もう祐一とえっちなんて出来ない体だよ」
 名雪は自分の指についた血液を見つめた。憂鬱そうな、満足そうな極めて複雑な表情だ。
「ひど…いよ…ひどい…」
「痛いでしょ?あゆちゃんが祐一の部屋から出てきたのを見た時には、わたしもっと痛かったんだよ…」
「だ、だからって…えぐっ…ひどいよっ…えぐっ…こんなの…うぐぅっ…」
 あゆは、身体を震わせて泣き始める。固く閉じた目から涙の粒がこぼれ、下がった前髪を濡らしていった。
「…なぐさめてあげるよ…えっちなあゆちゃんにふさわしいやり方でね」
 かち。
 そう言うと、名雪はベッドの近くに置いてあった読書灯らしい電気スタンドのスイッチを入れる。あゆの性器から血がにじんでいるのが、はっきりとした光の中で見えるようになった。
 そして名雪は血に濡れた指をあゆの秘裂の中に差し入れ、珠のような突起を優しく転がし始める。
「えぐっ…うぐ…!?」
 あゆは電気に打たれたように身体を震わせた。
「ほら…ほらっ、えっちなあゆちゃん?すっごくいいでしょ?」
 名雪の複雑な表情は変わっていなかった。汗でべっとりと額に張り付いた長い髪が、名雪の憔悴を表しているようにも見える。
「うっ…えぐっ…うぐぅ…えぐっ…」
 泣きながらも、あゆは見る間に膨らんでいく快感から逃れられない。名雪の指に無駄な動きは一切なかった。どこを責めればいいのか、名雪は同性として知り尽くしているのだ。
 ちゅぷ…ちゅぷ…ちゅぷ
「いやぁ…やめてっ…名雪さんっ…やめてっ…ボクっ…いやだっ…いやだああっ!!」
 無感情に動き続ける名雪の指。あゆの身体が段々と引きつり初め、何かに耐えているような表情になってくる。長く持たないと言うことを、全身で表現しているような状態だった。それでも名雪はあゆの珠を押し込み、転がし、つまみ、はじく。電気スタンドの明かりの中で一瞬見えたあゆの珠は名雪の指に左右からぎゅっとつままれて、てらてらとした光沢を放っていた。
「ボク…ボクっ…ああぁっ…!」
 悲しそうな声がする。そして全身をぐぐっ…と伸ばしてあゆは昇天してしまった。
「あっ…うぐ…ふぁぁ…」
 白熱電球のオレンジを帯びた光の中で、ピクピクと若魚のように身を震わせるあゆの幼い肢体と、指の先に感じられる固い珠。血と透明な雫によって、じとりと濡れたシーツ。そして、パジャマの下でしっとりと湿りを帯びてしまった名雪のショーツ。
「…おやすみなさい…」
 自分自身の作り出した非現実的で暗い光景と身体感覚に、名雪はそうつぶやくことしかできなかった。



9/9
(はるか昔、名雪[振動]のラスト部分があっけない…という意見を頂いたような気もするので)
 かちゃっ。
 荷物を部屋に置いた俺は、すぐに名雪の部屋に向かった。
「…祐一っ…」
 それとわかるほどに名雪の声は震えている。もう名雪は服を全部脱いでいた。部屋の真ん中に立って、両手であそこを押さえながら俺のことを見つめている。ちょんと押すだけで、力を失って倒れてしまいそうに見えた。
「どうだ、名雪?」
 この期に及んで俺は聞く。
「は、早くしてよ…」
「そうだなぁ…」
 俺は黒いスイッチボックスを手の中でぽんぽんともてあそぶ。
「い、家に帰ったらしてくれるって言ったんだよっ…」
「そうだな。でもすぐにするなんて言ってないよな」
「そ、そんなのひどいよっ…」
 言った瞬間、あそこを押さえている名雪の指の間から透明な雫がぷちゅっとあふれてきた。
「ううっ…」
「すごいな…ほんとにぐちょぐちょじゃないか」
「や、やだよ…」
 名雪が懇願するような目で俺の事を見る。そう言っている間にも、指の間からあふれた液体は手を伝って名雪の太股に垂れていった。この様子だと、名雪のショーツと俺の貸してやったハンカチは救いようのないほど濡れてしまっていることだろう。名雪の半日分の愛液を吸ったのだ。
「ただでやっちゃあ面白くないよな」
 俺はローターのスイッチを指でつまんだ。
「………!!」
 段々と振動を強めていくと、ただでさえ切なげだった名雪の表情がどんどん余裕をなくしていく。俺の耳にも、名雪の中で動いているローターの鈍い振動音が聞こえるようになってきた。
「だ、だめぇ…祐一、許して…」
「名雪がまたイク前に、俺のを口で出させたらしてやるよ。できなかったら今日はずっとお預けな」
「むっ…無理…だ…よ…」
 名雪は立っているのがやっとという様子だった。指の間からはひっきりなしの透明な液体がこぼれだしていて、もう押さえている意味もほとんどなくなってしまっているほどだ。床のフローリングには、名雪の愛液が小さな水たまりを作り始めていた。
「ほら、そのままだったらまたすぐにイッちゃうぞ?」
「うっ…うー…」
 名雪はふらつく足取りで俺に近づいてきた。手をあそこから離した瞬間、名雪の割れ目がエッチな液体でべとべとになっている様子が丸見えになる。ヘアが薄いだけに、幼くも見える名雪のあそこがぐちょぐちょになっているのはいつ見てもいやらしい光景だった。
 がくんと膝を折るようにして床にひざまづき、おぼつかない様子の手で俺のズボンのチャックを探る。
 じーっ…
 名雪はそれを下げるだけの事に、かなりの時間をかけた。もう意識が危なくなっているらしい。確かに、家に帰ってくるまでの間も何度も転びそうになったり車に気づかなかったりしていた。もう名雪も限界に近づいてきているのだろう。
「はぁっ…はぁっ…」
 荒い息を立てながら、名雪はチャックの中に手を突っ込んで俺のペニスを引っぱり出そうとする。
「おいおい」
 かちゃ。
 そのままだと痛そうだったので、俺は自分でズボンのホックを外した。名雪をサポートする事になってしまうが、仕方ない。
 ばっ!
 俺がそうするや否や、名雪は乱暴な手つきでトランクスをずり下ろした。俺のペニスが名雪の顔の前に思いっきり飛び出す。
「はぁっ…!」
 ちゅぼっ!
 名雪はそれを大きく開けた口でぱっくりとくわえた。
「んっ、んっ、んっ、んっ!」
 なりふり構わないといった勢いで、名雪が頭を前後に振る。
「ふぅ…」
 俺はため息をついた。俺としても一日中名雪の痴態を見せられていてお預けを食らっていた形になるわけだから、名雪の口の中でペニスがしごかれるのは素直に気持ちいい。
「んっ、んっ、んっ…」
 だが、名雪のフェラチオは勢いがあっても細かい動きに欠けていた。ただ俺のペニスの真ん中あたりを唇で包んで、上下に動かしているだけである。ある程度の気持ちよさはあっても、舐められるごとに限界に向かって一歩ずつ追いつめられていくというようなねちっこさはない。
 これなら、数分間は耐えられそうだった。しかし、名雪は…
「んんっ…んふぅーっ…」
 30秒もすると、もう口の動きが止まってきた。
「なんだよ、もうダメなのか?」
「ん…んんん…」
 俺が言うと、名雪は何とかして勢いを取り戻そうとする。だが、ぽたぽたと割れ目から愛液を垂らしてしまっている様子を見ても、名雪の限界が来てしまっているのははっきりしていた。クリトリスでも触ったなら、一瞬で名雪はイッてしまうだろう。
「じゃあ、そのままイッちゃえよ」
 俺は名雪の頭を撫でる。
「うー…ううっ」
 名雪の動きは完全に止まった。俺のペニスは律儀にくわえたままだが、全く刺激が加える様子はない。目をぎゅーっと閉じて、腰をくねらせたり、脚を閉じたり開いたりしているだけだ。全身がぴくぴくと震え始めているのがよくわかる。
「うっ…うっ…んむぅーっ!!」
 ビクン!
 名雪が俺のペニスをくわえながら、今日何度目かわからない絶頂を迎える。
 ビク…ビク…ビク…
「んっ…んぅぅ…」
 不自然な体勢で身体を痙攣させるのは辛そうだった。閉じた名雪の目から、頬を涙が伝う。
「名雪…」
 今日俺が見てきたなかで、一番苦しそうで恥ずかしそうな名雪の絶頂だった。俺は名雪を激しく犯してしまいたいという衝動に駆られるが、なんとかそれを押しとどめる。
 ちゅぽ…
 いきりたつペニスを、自分で名雪の口から引き抜く。
「ゆ、ゆういち…」
 名雪は未だ身体をひくつかせながら、呆然とした目で俺の事を見上げていた。まだスイッチは切っていないのだ。絶頂後の敏感な身体に、まだ容赦ない振動が加わっているのである。しかし俺はローターのスイッチを最強にしたままにした。
「お、お願い…なんでもするから…これ止めて、祐一のでして…」
「せっかく与えてやったチャンスを無駄にしたんだろ?」
「なんでも…なんでもするよ…」
 名雪の声はかすれている。もう理性が半分は吹き飛んでいるのだろう。
「じゃあ、俺の言う質問に答えろ。正直に。そしたら、考えてやるかもしれないぞ」
「う、うん」
 俺の言葉に対し、名雪は何も聞かずにうなずいた。もう名雪の瞳はとろけきっている。半日の間入れていたローターの効果は決して小さくないようだ。俺は名雪がここまで落ちたのを見たことがなかった。
「まず…」
(続く?)



8/24
「えぇと…」
 にぎっ。
 ぎごちない手つきながら、意を決したように手がペニスをつかんでいた。
「………」
「………」
 そのまま名雪は自分の握っているものを見つめる。だが、ぽーっと赤くなった頬と困り切った目を見れば、それが何かを探るための観察ではないことはすぐに分かる。
「えっと」
 しばらくしてから、名雪は申し訳なさそうに顔を上げて上目に祐一を見た。
「どうしようか…」
「…俺に振られても困る」
「そ、そうだね」
 名雪は再度ペニスを握りなおして、またそれを見つめ始める。握っている幹の辺り、下にある袋の辺り、先端の膨らんでいる辺り。名雪の視線だけは忙しく動いていたが、名雪の身体は硬直して動いていなかった。もちろん手も動かない。
 時折、名雪がほんのわずかに唇を開く動作を見せていたが、すぐにまた口を閉じてしまっていた。
「名雪…」
「う、うんっ」
 返事だけはしっかりしていたが、やっている事はまるで変わらない。視線をあちこちに向けて、口を少しだけ開いたり閉じたりしているだけである。
 はだけたブラウスと白いショーツだけ、ブラジャーも取ってしまっている半裸の名雪が自分の前にひざまづいているのはなかなかエロティックな雰囲気を感じさせたが、さすがに祐一も焦れてくる。
「口、開けろ」
「え、えっと、口、口だよね…」
 名雪は一生懸命に口を開こうとする。だが、羞恥心なのか生理的嫌悪なのか、本人の意思に反して唇は開こうとしていなかった。喋るときは口が開くのに、大きく開口して維持しようとするとなぜか駄目なのだ。
「手離してくれ」
「え…」
 名雪は不思議そうに答えた。しかし理由は問わず、固く握りしめていた手をゆっくりと開く。
 それと同時に、祐一は腰を前にスライドさせていった。
「わ…」
 名雪は目を見開く。突然目の前にペニスが迫ってきたのだから、それも当然かもしれない。
 そのままだと目と目の間辺りに当たりそうだったが、祐一は腰を落としてペニスの位置を調整していった。その向ける先は、当然ひとつである。
「ん、んっ」
 唇の直前まで迫ってくると、思わず名雪は口を閉じてしまっていた。しゃべろうにも口が開かず、くぐもった声を漏らすだけである。そこに、祐一はペニスの先端をぴたりとあてがった。
「力を抜けば、大丈夫だ」
「ん、んん、んん」
 名雪は必死にうなずいて口を開けようとするが、どうにも上手くいかないようだった。段々名雪が目に涙を浮かべてくる。
「緊張したら上手くいかないって。別に無理矢理開けようとしなくてもいいから、とにかくリラックスしてくれりゃいい」
 祐一は片方の手を名雪に差し出した。横目でそれを見た名雪は、しっかりとその手をつかむ。つかんで、何かを確かめるように強く握る。
 それに加えて、祐一はもう片方の手で名雪の長い髪をそっと撫でてやる。
「………」
 しばらく経つと、名雪の唇からこわばりはほとんどなくなっていた。
 祐一は出来るだけ自然に、滑らかに腰を前に押し出す。
 くぷ…
「ほら…」
 抵抗はなかった。祐一のペニスの先端が、少しずつ名雪の口の中に吸い込まれていく。
 名雪が意識的に口を開いているわけではないので歯にペニスの表面が触っていたが、構わずペニスをかなりの深さまで押し込んだ。
「んむぅ…」
「どうだ?辛いか?」
 名雪は首を横に振った。動きにくい体勢のために少しだけしか首は動かなかったが、表情も落ち着いているし、目も「次はどうする?」といった感じで祐一のことをうかがっている。
 実際、名雪はほとんど不快感を感じていなかった。一度中に入ってしまうと匂いもあまり気にならないし、固くて太い圧迫はいつもの性交で感じていることである。
「そのまま、もう少し口開けて歯がぶつかっているのどけられるか?」
 くぽっ。
 言われると同時に、名雪の口はきちんと動いていた。
「あとは、舌を適当に動かせば…それでいい」
 にゅるっ。
「そ、そんな感じだな」
 名雪の舌が、ぬるんと祐一のペニスを押し上げるように動いた。
 にゅるぬる…にゅるっ、にゅるっ。
「うん…そう」
 ペニスの下に収まった形の舌が、ペニスをぽんぽんと跳ね上げるようにリズミカルに動く。と言っても柔らかくぬめった舌がするのだから、舌とペニスが触れ合う瞬間は何とも言えないほどに気持ちいい感触が生まれる。
 じゅるっ、ぬじゅっ…
 段々たまってくる唾液の滑りが、さらに快感を増していた。
「一回、腰を引くぞ」
 祐一は注意深く腰をスライドさせて、先端の辺りだけが名雪の口の中に残るようにした。カリ首がちょうど名雪の唇にはさまれている。
「そこで、思いっきり舌を使ってみてくれ…」
 …ぬちゅ。ぬちゅ。
 言い終わるとすぐに、名雪は舌で祐一の亀頭をぬめぬめと撫で始めた。同時に、唇をきゅうっとすぼめる動きも行う。それによって、カリ首が柔らかく、しかし強く刺激されていった。
「うっ…名雪…うまい」
 その言葉に後押しされるように、名雪は積極的に舌を動かし、唇でペニスを包み込んでいった。最初に口に入れる事が出来なかったのが嘘のような飲み込みの早さだ。
 じゅぶっ…ちゅっ、じゅぶっ…ちゅっ!
 名雪はいつの間にか、ペニスを深くくわえこんでからカリ首の所まで一気に引き戻す動きまで加えていた。思いっきり引っ張られるような刺激が敏感な所に加わり、痛いほどの快感が生まれる。いや、実際に少し痛いかも知れない。だが、それを上回る舌の丁寧な愛撫が、とろけるような快感をとめどもなく引き出して痛みをフェラチオのアクセントに仕立て上げてしまっているのだ。
 祐一も名雪も行為に酔っていた。もはやほとんど会話も交わさず、様々な攻撃の仕方を試す名雪のフェラに祐一がただ身を委ねているといった状況である。
 数分もしない内に、祐一は腰の奥へ爆発の予兆を抱え込んでいた。
「な、名雪…ストップ、ストップ」
 ちゅぽんっ!
「…ゆふいち?」
 そのまま果ててしまいそうになったが、理性を以て祐一は自ら腰を引いた。
「これじゃ、本番できなくなっちゃうからな」
「あ」
 名雪の顔に、久しぶりの恥じらいが戻ってきた。さっきは行為に夢中になりすぎていて、そんな感情はカケラも見えなかったのだ。
「でも、このまま入れたらすぐ終わっちゃうから…俺は少し休憩な」
 祐一はペニスをむき出しのままに、ベッドに上がる。
「名雪も来いよ?」
「え…うん」
 名雪は恐る恐る立ち上がった。ずっと同じ姿勢でいたために、身体の節々が痛くなっている。
 しかし、全身に回った興奮がそれをほぼ忘れさせていた。名雪は第三ボタンまで外されたブラウスで身を隠しながら、ベッドの上に向かう。
「ゆういち…」
 身体は自然に倒れて、祐一の前に無防備な姿を晒していた。いつもと同じ体勢だ。違うのは、唇が真っ赤に濡れて妖しく光っていること。性感帯を刺激された時とも異なる、独特な興奮が身を包んでいること。
「名雪」
 祐一は名雪の上に覆いかぶさって、指を名雪のショーツの上に当てた。そのまま名雪の秘裂をなぞる。
「うん…」
 名雪が身をよじらせる。シーツが乱れて、衣擦れのような音が立つ。その名雪を追いつめるように、祐一は割れ目をじっくりとショーツ越しにこすっていった。
「あ…あっ」
 熱っぽいあえぎの声。その声が高くなるごとに、シーツにどんどん皺が増えていく。
「っ!」
 じゅっ。
「…名雪」
「い、いやだよ…言っちゃあ…」
「いつもより、しまりないぞ」
「だ、だから言っちゃ駄目だよ」
 名雪は目を伏せながら言う。
 確かに、名雪のショーツの上に舟形のシミが出来るタイミングは、いつもよりも速まっていた。フェラチオが名雪に性的興奮、快感まで与えていた事は間違いない。
「名雪って、くわえるだけで濡れるんだな…」
「ち、違うよ…」
「そうかぁ?」
「うー…」
 名雪は恨めしそうに祐一を見たが、とろんと快感に溶けている瞳ではまるで怒っているように見えない。祐一が無造作にショーツを脱がしても、抵抗することすらしなかった。
「いくぞ?」
「うん、祐一、来て…」
 名雪が自ら脚を開き、迎え入れる体勢を作る。
 祐一はそこに、未だ名雪の唾液でべとべとになっているペニスを近づけていった。
 じゅぶ。
「…はぁっ!」
 挿入の瞬間、名雪が解放されたような声を出す。
 潤滑液は非常に豊富だった。唾液と愛液の両方が相まって、祐一のペニスをやすやすと名雪の最深部まで導く。
「んあぅっ」
 奥の奥に到達する瞬間、強烈なストロークを打ち込むと名雪がまた声を漏らした。
「お、奥まで入ってるね…」
「…ああ…感じるか?」
「うん…すっごい感じるよっ…」
 言葉と同時に、名雪の中がきつく締まった。
 偶然の産物か、自らの言葉がさらなる興奮を生んだのか。それは判断できなかったが、祐一にびりびりと来る快感がもたらされるのは間違いない。
「う…さすがにさっきのフェラはすごすぎたか…?」
「ゆ、祐一?すぐに出しちゃいやだよ」
「…安心しろ、お前もガマンできなくしてやるから」
「えぇっ…」
 祐一は名雪の秘裂を広げると、そこからピンク色の秘核をつまみ出す。
「だ、だめだよ…そ、そこは」
 指が動く度に、名雪は切なそうに腰をよじる。しかし祐一は気にせず、秘核を剥き出しの状態にしてピンピンと幾度かはじいた。
「う、うくっ…」
 それにより、名雪の秘核は小さいながらもかちりと勃起して、快感をむさぼるいやらしい器官となる。
「ほら、いくぞ」
「はああぁぁぁっ!」
 じゅぶ、じゅぶっ、じゅぶっ!
 祐一がペニスを鋭角に、激しく抽送する。
「は、はっ、ゆういちっ、すご、すごすぎるよぅっ…」
 それによって、祐一のペニスは挿入の度にぷっくりとした名雪の秘核をこするようになる。名雪はシーツをつかんで、もみくちゃにした。名雪に与えられる快感は倍増、いや数倍にもなっているのだ。
「ど、どうだ、名雪…これなら、もうすぐに駄目だろ?」
「うっ…ううっ、駄目…もう、ガマンできないよ…」
「よしっ、じゃあ絶対一緒にイクぞ、先にガマンしきれなくなるんじゃないぞっ!」
「祐一こそっ…先にイッたら絶対だめだよ…!」
「よし…!」
「あっ、はぅっ、くはぁっ!」
 名雪はあられもない声を上げながら、腰をくねくねと振った。祐一の突きに対応して、腰を祐一に向かって突き出す。その爆発するような激烈なストロークで、名雪は意識が飛ぶような快感を感じていた。秘核、膣壁、子宮口。その3点からの刺激を貪欲に飲み込み、名雪のヴァギナはぬめぬめと祐一のペニスを締め付けて離さない。
「いいかっ…名雪!」
 祐一がぐいっと名雪の乳房をつかんだ。そしてとどめとばかりに荒々しく揉みしだく。
「う、うんっ!はぁっ、祐一!ゆういちいっ!」
「名雪っ…」
 どくんっ!
 ビクッ!!
 脈動と痙攣が合一した。
「はぁっ、はぁ…ああ…」
「んあっ…ふぅ…ふぁ…」
 大量に注ぎ込まれた精液を、ひくひく震える名雪のヴァギナが全部飲み込んでいった。二人は放心状態で、密着した互いの肌と性器の重なり合いを感じる。
「祐一のが…私の中に…いっぱい」
「名雪の中、すごいあったかくてぬるぬるして気持ちいいぞ」
「好きだよ…祐一?」
「ああ…」
「もう一度、お誕生日、おめでとう」
「さんきゅ…プレゼントも、最高だったよな」
「だって、祐一だったらこういうのが一番だと思ったんだよ」
「名雪の誕生日も、俺がしてやろうか?」
「だめだよ…だって、それじゃいつものゆういちと同じだもん」
「…そりゃそうか」


8/6
「や、やだよ…祐一」
「いいだろ、別に変なことするわけじゃないし」
「じゅうぶん変な事だよっ…」
「そこまで嫌がるようなものか?」
「だ…だって」
 名雪は脚をぴったりと閉じた状態で、祐一の事をうかがう。
「いつも通りにしようよ…」
「そればっかりじゃ飽きるだろ」
「だから、私はいつも通りでいいのに…」
「俺は飽きた」
「祐一の方はなんにも気持ちよくないのに…」
「する方も、いろいろ変えてみないと飽きるんだよ」
「中に入っている時が一番いいんじゃないの…?」
「名雪、入れてるときよりその前の方が気持ちよくなってるっぽいしな」
「うぅ…」
 名雪の頬の赤みが増す。否定することはできないらしい。
「感じているとこ見ていると面白いからな」
「見せ物じゃないよっ…」
「名雪の反応ってメチャクチャ素直だし」
「知らないよ…」
「ということで、素直に脚を開こうな」
「やだもん…」
「じゃあ…名雪がしてくれるのか?」
「え」
 名雪がぱちくりとまばたきをする。
「お前がしてくれるんなら、俺は全然構わないぞ」
「わ、私がするって…」
 名雪は恐る恐るに祐一の股間の方へ目をやる。
「う…それは…いやだよ…」
「じゃあ俺がする」
「そんなぁ…」
 言いつつも、祐一が膝の間に手の平を割り入れたのに対して名雪は抵抗しなかった。そのまま祐一が手を進めても名雪は動かない。
 祐一はさらに、もう片方の手を名雪の脚の間に入れた。
「よっ…」
 そして左右に力を入れると、名雪の脚がゆっくりと開いていく。その奥にある秘裂も、はっきりと見えるようになっていった。
「開きすぎだよ…」
「こうしないと、俺の顔入らないからな」
 言いながら祐一は、開脚して座った状態の名雪に向かって顔を寄せていく。
「だ、だめだよ…」
 脚に祐一の髪の毛がこすれるのを感じる。名雪はこれまでにない、ぞくっとした感覚を覚えていた。不安感と恥ずかしさが入り交じって、心臓の鼓動がどんどん速まっていく。
 がっ…
 祐一が名雪の太股をつかみ直した。
「…んっ!」
 次の瞬間、秘裂に祐一が唇を触れさせる感覚が生まれる。勢い余って唇を押しつけてしまったようだが、それだけでも未知の感触がはっきりと分かった。
「…あ、あ、あっ」
 そして、ずるりと舌が秘裂の中に侵入してくる。ペニスで突かれるのとも違う、身体の奥の奥まで調べられてしまいそうな感じだった。異物感ではあるが、ぬるんとして柔らかく、窮屈な感じはしない。だがそれが動く度に、名雪の性神経が激しく刺激されていた。
「怖いよ…ゆういち」
 名雪は表情が見えない祐一の事を、不安げに見ている。
 ぬちゅっ、ぬちゅ…
「うっ…はあぁっ…」
 それを打ち消すかのように、祐一は強く舌でかき回した。唾液も送り込まれて、ぬるぬるした感覚はますます大きくなってきている。
 べろん。
「あっ…!」
 さらにクリトリスを大きく舐め上げられる。
 敏感な部分も、唾液の滑りのためか緊張が生んだ興奮のせいか、痛みではなく強烈な快感をもたらすだけだった。
「だめ…だめっ」
 名雪が次第に声を高くして、脚をぶるぶると震わせ始める。祐一の頭を挟み込もうとしているようだが、上手くいかないようだった。
 ちゅううぅっ…
「ああーっ!?あっ、あっ…?」
 クリトリスを吸い上げられた瞬間、名雪はほとんど絶叫に近い嬌声を上げる。祐一の頭に当てた手をぎゅぅぎゅぅと押して必死に性感に耐えようとするが、祐一も負けじと顔を性器に押しつけてピンク色のクリトリスを責めに責める。もちろん、包皮などは名雪自身の勃起と強い舐め立てによって剥けてしまっていた。
「私…私っ…ストップ…祐一…」
 ちゅっ…ちゅうぅ…
「あ!ああ…あっ…ぁ」
 身体をねじるようにして悶え、がっくりと頭を垂れる。
 ぺろ…ちゅっ
「だ、だめええぇ…もう、本当に…一度、止めてよ…祐一」
 涙声で言う名雪に、祐一もようやく行為を止めて顔を上げた。
「…なんか、ピクッてなったよな」
「死んじゃうかと思ったよ…」
「今ので、イッたのか?」
「わ、わからないよ…」
 名雪は首を横に振る。だが祐一はそれを見ずに、突然名雪のヴァギナに指を差し込んだ。
「わっ…」
「濡れてるな…いつもよりも」
「ぬ、抜いてよ…祐一のでしよう?ね?」
「…そうだな、そうするか」
「あ…でも、ちょっと休憩してからね」
「なに言ってるんだ、すぐするに決まってるだろ」
「だ、だめだよ…私、今したら…」
 言ってから名雪は、ぼっと顔を真っ赤にして黙り込む。
「今したら…どうなるんだ?」
「な、なんでもないよ…でも、あとで…きゃっ!」
 誤魔化そうとする名雪の上に、祐一がのしかかっていった。
「だ、だめぇ〜っ!」


7/3
「あ…あゆちゃ…」
「名雪さん、寝てなくちゃ駄目だよ…」
「う…うん…で、でも、なんだか」
 名雪は不安そうな顔をしてあゆの事を見つめる。
「熱があるんだから、身体がおかしくてもしょうがないよ」
「で、でもね、あゆちゃん、なんだか熱だけじゃないみたい」
「そう?なんなんだろう…」
「そ、それとあゆちゃん、なんでずっと私の額に手を置きっぱなしなの?」
「うーん…なんとなくだよ」
「なんだか…頭がちょっとふらふらするから、離してくれると私嬉しいんだけど…」
「………うん、わかったよ」
 名雪の声からある程度経ったところで、あゆはやっと手を離す。そして、その自らの手の平をじっと見つめた。
「ふぅ…」
 名雪は一息ついたといった様子だった。いつもの半纏姿のまま、ベッドに寝転がって天井を見つめている。
 そのまま、少しだけ沈黙の時間が過ぎた。
「…名雪さん、調子どう?」
「うん…」
 要領を得ない返事を返す。名雪はあゆの方をちらちらと伺ったりと、落ち着かない素振りを見せ始めていた。
「名雪さん」
 あゆは言いながら、ベッドの上に上がっていく。
「あ…」
 名雪はぼやけた瞳であゆの事を見た。
「うつっちゃうよ…」
「ちょっと、いい?」
 あゆは名雪の制止を気にせず、さらに名雪の身体に近づいていく。
「あ…だめ、だめだよ、あゆちゃん」
 力無い声だったが、名雪はやや慌て気味に言う。
「どうして?」
 あゆはにっこり微笑んだ。
「どうしてって…風邪、うつっちゃうよ」
「ボク、そんなの気にしないよ」
「気にしないって…」
 名雪はどう反応すればわからずに、まごまごする。その名雪のパジャマを、あゆは突然ぐいとつかんだ。
「え」
 ずるっ…と、次の瞬間にはそれがショーツと一緒に下ろされる。
「………!」
 名雪は信じられないといった目をして飛び退こうとした。だが、身体は極めて緩慢にしか動かない。いつの間にか、身体は全く名雪の言うことを聞かなくなっていたのだ。
「な、なんで、あゆちゃん!?」
 しかし発声は普通にできる。
「名雪さん、これなぁに?」
 名雪の慌てぶりをむしろ楽しむような声を出しながら、あゆが名雪の秘裂をなぞる。果たしてそこには、ぬるりとした粘液の感触が生まれていた。
「う…」
「これってエッチな気分になっている証拠だよね?ボク、名雪さんがこんなにエッチなんて知らなかったよ」
「ち、ちがうの…それは…」
「ちがわないよ…」
 あゆが秘裂の中に指を差し込んで、ぐりぐりと動かす。そこは名雪の吐き出した液体でいっぱいになっていた。まるで温かいプールの中を指が泳いでいるような感触は、そのまま名雪に伝わっていく。
「だ、だめ…あゆちゃん、やめて…」
 泣き出しそうな声で名雪が懇願する。しかしあゆは残酷すぎる微笑みを浮かべたまま、次々と名雪の感じる部分を刺激していった。性的に全く無垢な少女から明確な性感を引き出すという困難な試みを、あゆはいとも簡単に達成していく。
 名雪はぎゅっと瞳を閉じ、身体を小さく震わせながらも、そこに自らが快楽を感じているという事実を認めずにはいられなかった。未だ何物をも受け入れた事がない所から愛液があふれ出しているのは理解できたし、あゆの細い指が動く度に、腰の奥まで沈み込むような甘い感覚が生まれるのも否定できないのだ。
「名雪さん、自分でこういうのした事あるんだ」
「な…ないよ…」
 頭を左右に振る。本当に身に覚えがない事だったからだ。
「はじめてでこんなになる女の子なんていないよ、名雪さん嘘ついてるでしょ」
「ほ、ほんとうだよ」
「素直に言わないと、こうしちゃうよ」
 ぐりゅっ。
「!」
 名雪はびくっと身体を震わせる。あゆがおもむろにクリトリスをつまんだのだ。
「い、いたいっ!知らないの、本当に知らないの、あゆちゃん」
 ぐりゅっ。
「ひっ!」
 ぐりゅっ。ぐりゅっ。
「あーっ!ご、ごめんなさい!してます!だから、やめて、あゆちゃん!」
「何を?」
「オ、オナニーです…」
 言葉の上でしか知らない行為を、偽って認めさせられる。名雪は屈辱に涙を流した。
「名雪さん、エッチ…」
 あゆは打って変わって優しいタッチでクリトリスを転がす。
「あ…ああ」
 触られ方が変わるだけで、それはとろけるような快感に変わった。既に十分高められていた名雪の身体は、いよいよ頂点に向かって追いつめられていく。
「ふ…ふぅぅっ」
「ねぇ、名雪さん気持ちいいでしょ?ボクの指で、もっと感じて…」
「あ、あっ」
 名雪は思考がどんどん薄れていくのを感じていた。全身を駆け巡る性感に完全に支配されていく。あゆの指戯に支配されていく。
「はぁぁっ!」
 最後にひときわ高い声を上げて、名雪は完全に悶絶した。


6/21
「名雪」
「あ、香里っ…」
 香里が名雪の腹部を愛撫する。ごくごく柔らかなタッチであるにも拘わらず、名雪は敏感に反応して高い声を上げた。
「ここだけで、気持ちいいの?」
「き、気持ちいいっていうより、くすぐったいよ」
「でも、ちょっとこっちにすると違うでしょ」
「んっ!」
 秘裂に触れるぎりぎりの所まで香里が指を進め、またおへその辺りに戻って弱い愛撫を続ける。
「ほら…気持ちいい」
「い、いきなり触るから驚いただけだよ」
「じゃあ、じっくり触ってあげるわね」
「か、香里…」
 名雪が、か細い声を上げる。香里は妖艶な色を瞳に浮かべながら、今したように指を秘裂の方に近づけていった。ただし、今度の動かし方はとてもゆっくりとした、名雪の気持ちを少しずつ煽り立てるような動きである。
「ほうら、もうすぐよ」
「あ…香里、駄目だよっ…」
「聞こえないわ」
「あ、あっ!」
 香里の指が、名雪の秘裂の始まりのところにはっきりと指を触れた。表面に触れているだけだから、敏感なところには間接的な刺激しかいかない。それでも、名雪は核心を押さえられてしまったかのように弱々しい態度になってしまった。
「じわじわ、来るでしょ」
「か、香里…こ、怖いよっ」
「怖くなんてないのよ…私がしているんだから」
「で、でも」
「いいから。指を、しっかり感じてね」
 香里は決して焦らず、秘裂の割れ目に沿って指をゆるゆると滑らせる動きを繰り返す。そして、最も敏感な部分に近づいた時だけ、指をやや強めに押し込んだ。その度に名雪はかん高い嬌声を上げて、香里とつないだ右手を強く握り返していった。
「どう?素敵な気持ちでしょ」
「う…は、恥ずかしいよ」
「いいのよ、気持ちよくなる事は悪いことじゃないんだから」
 香里が秘裂を慎重に割り開いて、中をのぞき込む。そこには、きらっと愛液に光る粘膜があった。
「もう、こんなに濡れてる」
「恥ずかしいよ…」
「私は嬉しいわ」
 香里は愛液を指の先でにちゃにちゃとかき混ぜるような動きを加えてから、クリトリスの周囲にそっと触れる。
「ひっ」
「どう?痛い?」
「い、痛くはないけど」
「気持ちいいのね?」
「で、でも…なんだか、怖くなっちゃうくらい」
「それで、いいのよ」
 香里はクリトリスの周囲に小さな円を描くようにして、直接的な刺激の一歩手前である愛撫を延々と続けていく。次第にクリトリスはぷくっとした膨らみを見せ始め、包皮の下から姿を現しそうにすらなってきていた。
 頃合いを見て、香里は瞬間的にクリトリスを指の先でつつく。
「ん!」
「もういいわね」
「ん…はぁっ」
 香里はクリトリスに指の腹を当てて、段々と圧力を加えていった。最初は表面に触っているだけだったのを、少しずつ強く。やがて、はっきりとクリトリスに圧迫を加えている状態になる。
「い…いやあぁっ」
 名雪が声を上げて、かくんと頭を垂れた。
「名雪…イッた?」
「わ、わからないけど…今、何にも考えられなくなって、ふわっと身体が浮かんじゃうみたいになったよ」
「イッたのよ…」
 香里は満足そうに微笑んで、指を秘裂から離した。
「今日は、これくらいにしておきましょう」
「うん」
 名雪はぼんやりした瞳のまま答える。
「次は、いつ頃」
「あ…香里、前言っていたイトコの男の子が、7日に来ることになったの」
「そんなに早くっ?」
 香里が突然顔をしかめ、あからさまに不快そうな表情を見せる。
「う、うん…だから、こういうこと…あんまり、できなくなっちゃうかも」
「そう」
「ご、ごめんね…」
「いいわよ。名雪が悪いわけじゃないんだし…」
 香里は窓の外を見つめる。
「何か、方法は考えるわよ」
「うん…」




6/7
 ぶ…
 低い振動音が響き始める。
 震えているのは、苺を象(かたど)った自慰用の玩具…つまり、ローターだ。普通の苺ならば極めて大粒であると言わざるを得ないが、きちんと苺の形をしている真っ赤なローターである。
 震えるそれをつまんでいるのは、名雪。
 だが、本来独りで楽しむべきこの状態を見ている人間がいた。祐一だ。
 上半身はシャツだけという姿にされ、下半身からは全ての着衣を取り去った状態。名雪はそれでベッドの上に座っている。両脚を固く閉じているために秘部が直接晒される事は無かったが、ほとんど裸に等しい格好だ。
 そして右手の指でローターをつまんだまま、名雪はずっと逡巡していた。低いモーター音だけが名雪の部屋に響いていく。祐一はそれをじっとながめていた。
「…や、やっぱりできないよ、祐一」
「何を言ってるんだ」
「お願い、許して」
「あのなぁ、名雪」
 祐一はそれらしく腕組みをして名雪の事を見下ろす。
「別に、秋子さんの目に入るところにそれこっそり置いておいてもいいんだぞ」
「えっ…」
「びっくりするだろうな。さすがに秋子さんでも」
「だ…だめっ!!」
 名雪が身体をこわばらせながら叫ぶ。
「だったら、諦めるんだな」
「ひ、ひどいよ…祐一…こんな事する人間だと思ってなかったよ」
「俺も、名雪がこんな事する人間だと思ってなかった」
「………」
 墓穴を掘った名雪は、絶望的な表情で右手に震えるそれを見つめる。
 そして、唇を噛みしめながら両脚をゆっくりと開き、姿を現した秘部にローターを近づけていった。どこかあどけなさの残る名雪の顔、それなりに成熟した名雪の身体、真っ赤なローター。その対比はひどくエロチックだった。
「そ…そんなに、みないで」
 少女として、最も恥ずかしい行為…
「わかってると思うけど、隠すなよ」
 名雪の懇願も全く受け入れられない。
「それから、目を閉じるのも駄目だ」
「そんな…」
 恥辱に染まった表情を浮かべながらも、名雪は露わになった自らの秘部を見つめざるを得ない。
 そこに、名雪はローターをそっと這わせていった。表面をくすぐるような、微かなタッチである。それでも、モーター音がわずかに低くなった事で名雪の身体に振動が伝えられているのははっきりわかる。
 そのあまりに直接的な刺激を受ければ、見られているという異常な状況下でも性的な感覚を感じずにはいられない。眠っていた神経が目を覚まし、段々と名雪の身体を熱くしていく。
 身体に一度火がついてしまうと、収まる事はない。名雪がいかに刺激を小さくしようとしても、少しずつ快感が蓄積されて名雪の判断をおかしくしていく。いつものように快感をむさぼりたいという欲望が、ちろちろと頭をもたげてくる。
 もちろん、祐一が見つめているという事態は変わらなかったのだから、名雪はそう簡単に意識を暴走させる事はしなかった。だが、そのために我慢が我慢を呼び、名雪はどんどん追いつめられていく。表面を撫でているだけなのに、普段感じないような、今にも爆発しそうな欲求が風船のように膨らんでいく。
「名雪…濡れてるじゃないか」
「え…!」
 唐突に声をかけた祐一に、名雪は驚く。
 次の瞬間、それが紛れもない事実である事を知り…名雪が必死で耐えている間に、シーツにシミを作るほどに愛液は垂れてきていたのだ…名雪は顔を真っ赤に染めた。
「我慢するなよ」
「………」
「思いっきり、やっちゃえよ」
 普段想像もしていなかった、残酷な言葉…
 それが名雪の何かを壊した。
 ヴゥン…
 名雪は、ローターを秘裂の中に押し込む。
「うぅ…!」
 待ち望んだ快楽が生まれた。ローターは無造作に名雪の秘裂を割り開き、先端がクリトリスに触れて強烈なヴァイブレーションを加えていく。既に固く張りつめていたその部分は、名雪に激烈な快楽を与えていった。
「あ…ああっ」
 名雪は指でつまんだローターを小刻みに操る。愛液でべとべとになった秘裂の中で、ローターは自在に動いて名雪の性感を刺激した。ぷちゅぷちゅというくぐもった水音が響きわたる。名雪はもはや祐一のことを見ていない。ただ、いつもしているような自慰行為に耽っていた。
 あっという間に快感は膨れ上がり、名雪は限界まで近づいていく。我慢を重ねた分、膨れ上がった快感は圧倒的だった。
 祐一が何か揶揄の言葉を口にしたが、名雪にはまるで聞こえていない。身体をばたんとベッドに倒し、無茶苦茶にローターで秘裂をかき回す。
「…………っ!!」
 そして、背中を大きくのけぞらせて、身体を硬直させた。
「は…あ…はっ…」
 ぽと…
 何も考えられなくなった名雪の手から、力つきたように濡れそぼったローターがこぼれ落ちた。




5/29
 ぺちゅっ、ぷちゅ、ぐぢゅっ…
 淫靡な水音がハーモニーを奏でる。
 なぜなら、ここにいる少女達はシックス・ナインに励んでいるからだ。
 くりゅっ…
「ひっ」
 クリトリスを舐められた。下になっていたあゆが小さな声を上げる。もちろん、その間舌の動きの方はおろそかになってしまう。
 くりゅくりゅ、くりゅっ…
「………!」
 間断無き舌の攻撃に腰をぴくつかせながらも、あゆは懸命に佐祐理の秘部に舌を割り入れて闇雲に動かした。佐祐理はぎゅっと目を閉じ、眉をしかめてその刺激に耐えながらも、一度捉えたあゆの幼い突起を執拗になめ回して離さない。
「あ、あ」
 あゆがまた舌の動きを止めた。その機に、佐祐理は半開きに目を開けて人差し指をあゆの中に勢い良く挿入する。
 つぶっ…
「ううーっ!」
 もはやあゆの意識は朦朧として、佐祐理の秘裂を舐めるどころではなくなっている。佐祐理のクンニリングスは、恐ろしく上手かった。
「だ…だめ…」
 あゆが観念しても、佐祐理は容赦ない舌の動きを全く緩めようとしなかった。尋常ではなく大きな波があゆの細腰に迫ってくる。
「…ああっ!」
 びくんっ!びくん、びくんっ!びくんっ!
 その瞬間、あゆの全身が激しく痙攣した。指が挿入されていたにも拘わらずヴァギナの隙間からは愛液がほとばしり、佐祐理の頬を濡らした。
 ヴーッ…ヴーッ…
 そして、低い音のブザーが鳴り響く。同時にプシューという空気音がして、壁の一部が開く。佐祐理の後ろの方に部屋の出口ができていた。
 佐祐理は立ち上がり、気絶したようになってぴくぴくと震えるあゆを見下ろした。良く見ると、二人とも剃られたように秘部がつるつるとしている事がわかる。
「ご、ごめんなさい…佐祐理は、ここから出て、会わなきゃいけない人がいるんです…」
 小さく頭を下げながら、佐祐理は部屋から出ていく。
 佐祐理が部屋を出た瞬間、また空気音がする。それは佐祐理の出ていった出口が閉まった音であると同時に、逆側に入り口が出来た音だ。
「あ…あゆちゃん!?」
 それは聞いた事のある声だった…
「な、名雪さん…」
 倒れたままの姿勢であゆはつぶやく。
 やがてあゆの視界に入ってきたのは、果たして全裸の名雪の姿だった…。無論、秘部にはわずかなヘアすら生える事を許されていない。
「い、いやだよ…ボク、名雪さんとこんな事したくないよ…」
「………」
「ねぇ、名雪さんもそうでしょっ!?ねぇ、答えてよっ!」
「ご、ごめん、あゆちゃん…私…ここから出るの…家に帰るの…」
「名雪さんっ!?」
 絶望的な声。
「ごめんね…本当にごめんね…」
 泣きそうな声。同時に、ピピッ…と電子音がどこからともなく響く。さっきのブザーから、きっかり30秒後だ。
 名雪はかがみ込んで、倒れ込んだあゆの秘部に思い切り顔を近づける。
 ぬち…
「いやっ!」
 舌が秘裂に侵入してくる。絶頂を迎えたばかりのあゆにとって、それは激烈すぎる刺激だった。
 佐祐理に比べれば稚拙な動きなのは否めない。しかし、身体は興奮しきっており、愛液もたっぷりとあふれ返っているのだから、あっという間に快感の渦が巻き起こってくる。それを知ってか知らずか、名雪の舌は最初からピンピンに膨れ上がったクリトリスを責めていた。
「だ、だめ…ボク、またイッちゃうよぉっ!」
 快感のボルテージが下がりきらないうちに刺激を受けているのだ。あゆは、すぐに絶頂の崖っぷちまで追いやられてしまう。必死で踏みとどまろうと耐えるが、名雪の攻撃が続く限り時間の問題なのは明らかだった。
「ゆ、許して、名雪さん…ボク、これでイッちゃうと『三回目』だから…だめ…なの…」
 名雪は聞こえていないとばかりに指をヴァギナに突き刺す。
「ああっ!だめ!な、名雪さん、助けてっ!一緒にここから出ようよっ!」
 あゆの腰がひゅくひゅくと震え始める。あゆは最後の坂道を一気に押し上げられていく。もはや、名雪が舌の動きを止めても絶頂を避ける事はできないだろう。
「ボ、ボク…イっちゃううっ…!」




5/23
 ぢゅぐっ。
「ひっ」
 恐怖に染まった吐息が漏れた。
 ぶち…ぶぢっ
「いっ、いたいっ!いたいよっ…やめてぇっ!?」
 名雪の両手は天井から吊されたロープに縛り付けられていた。つま先で立つのがやっと、といった様子である。その直立の体勢を、背後からがっしりと何者かに抱きかかえられていた。
 そして、ペニスはヴァギナに深々と突き刺さっている。
「い、いたい…お願い…許してっ」
 名雪は抵抗しようとするが、両手を上げた無理な体勢ではまるで力が入らない。男のなすがままだった。
 ずりゅっ、と男がペニスを引き抜くと、そこには名雪の破瓜の血が痛々しく付着している。
「お願い…もうやめて」
 震えた懇願の声。
 ずんっ、と無言で突く。
「いやぁぁぁーっ!た、助けて、祐一っ、お母さんっ…」
 名雪は子供のように泣き叫んだ。
 男は腕を回して、乱暴に名雪の乳房をこねくり回した。泣き叫んでいる幼さに比べれば、身体自体の発育は十分に立派だ。
 しかし名雪の未開発のヴァギナは、何の準備もなく突き入れられた異物に、激痛を訴えていく。痛みと屈辱にただただ泣き続ける名雪を、男は何の配慮もなく乱暴に突き続けた。わし掴みにするような乳房の愛撫を続けながら。
 男は名雪のクリトリスにも指を伸ばしたが、それは名雪に新たな痛みを与えただけだった。性感の端緒も知らない少女には、無理なのだ。
 やがて、どくんと男のペニスが脈動する。
 痛々しく傷つけられた胎内に、大量の精液を放出する。名雪の目は、ほとんど光を失っていた。
 男がペニスを抜く。おびただしい白濁の液の中に、幾筋かの血が何かの紋様のように浮かび上がる。
「…ひどい…ひどいよ…」
 自分が何をされたのかという事は理解したらしく、名雪が嗚咽を漏らす。
 涙がぽたぽたと床にこぼれ落ちた。まだ流す涙が残っていたのかと名雪は思いながら、次なる苦痛と辱めの恐怖に怯えていた。