(12/6の続き)
「佐藤先輩…」
「…!?」
ぐったりと廊下の床に崩れ落ちそうになった雅史の耳に、聞き慣れた声が飛び込んでくる。
「こ、琴音ちゃんっ…」
恐る恐るに顔を上げた雅史の視界にあったのは、果たして琴音の姿だった。浩之の部屋にいた時と全く変わっていない。一糸纏わぬ肢体も、その足の付け根から確実な勃起を見せている肉棒も…
そして琴音は一人ではなかった。
「く、来栖川先輩もっ…?」
「姉さん…」
じゅぷっ…
「あうっ」
綾香が言いながら腰を引くと、雅史は不意の刺激に小さくうめく。
「こ、これは…どういう…」
まだ物が挟まっているような秘部の感覚に眉をしかめながらも、雅史は芹香に問うた。リビングからちらっと見たときとは違い、裸の上にマントの状態である。
ただし、芹香の裸体はごく普通の少女のままだった。幸いと言うべきか、この状況下ではもはやほとんど意味はないと言うべきか。平気で雅史の前に秘部を晒している事を考えると、まともな判断力を失っているという意味で綾香や琴音と同じと言えるかもしれない。
「…………」
「え? あの、もう少し大きな声で…」
「ごめんなさい、だって」
綾香が通訳した。
「え、えっと、どうしてこうなったのか、どうやったら治るのか、状況を教えて欲しいんですけど…」
返ってくる答えが怖かったが、雅史は訊く。
「魔力を集めるための実験だったそうです」
応じたのは琴音だった。
「で、でも、なんでそのために僕が…こんな、身体になんなくちゃ…」
雅史は言いながら顔が赤くなってくるのを感じる。しかしどうにも身の隠しようはなかった。綾香に突かれていた姿勢のまま、ぽつぽつと言葉を続ける。
「ほんとうは、こうなっちゃうはずじゃなかったらしいんですけれど…」
「…………………」
「琴音ちゃんが、佐藤君にもっと積極的に責めて欲しいから姉さんにお願いして…」
「そ、そういうわけじゃっ!」
綾香の通訳を琴音が慌てて遮った。
「た、ただ、クリスマスに佐藤先輩と一緒になれたらうれしいなって…でも、みんながいるのにこのお家の中でするのって恥ずかしいですし…パーティに出ているみんなが、ちょっと酔っぱらっちゃったみたいな感じになったらいいなって…」
「きょ、今日は僕の家誰もいなかったのに…」
「え、えっ? そうだったんですか?」
「……うん」
雅史は全身から力が抜けるような心地になりながら首を縦に振っていた。普通の状態の時に、雅史が自分の家に琴音を呼ぶ勇気があったかどうかはわからないが…初体験も、琴音の部屋だったのだから。
「で、それが魔力を集める実験にもなっていたから、一石二鳥って事だったわけね」
こく。
芹香がうなずく。
「ところが、集めなくちゃいけない魔力を大きく設定しすぎて、まだ全然足りてない…そんなとこかしら?」
こくん。
「綾香さん、鋭いですね」
「伊達に長年妹やってないわよ」
「か…軽く言わないでくださいよ…僕は、どうしたら…」
「もっと佐藤君を気持ちよくさせたらいいんじゃないの?」
「あ、綾香さんっ!?」
雅史の引きつった叫び。
「ええ、そうらしいです」
それを軽く流し、琴音は芹香の方を見ながら答えた。
…すると、ポッと芹香が顔を赤らめる。
「それが術を使った人と一緒になると、もっといいらしいですよ」
「じゃあ姉さんと佐藤君が一緒にイッちゃえば一番いいってこと?」
「正解です」
琴音は芹香の横から抜け出して、綾香の方に歩いていった。
「ちょ、ちょっとっ…琴音ちゃんっ…! そ、そんなのっ…」
自分の体の後ろに回り込もうとしている琴音に、雅史は必死に訴えかけた。だが琴音は全く意に介さず、綾香の横に並ぶ。
「綾香さんはさっき楽しんだんですから…私にさせてくださいね」
「琴音ちゃんだって、雅史君の中に入れたんでしょ? しかも初めての時に」
「佐藤先輩と私、恋人なんですよ? それなのに、綾香さん勝手にしちゃって…」
「…そうだけれどね」
「ふ、二人とも、そんな勝手にっ…あっ!」
後ろを向いていた雅史。その視界の端が、すぅ…とかげった。
「く、来栖川先輩っ…」
目の前に迫った秘裂から視線を上げていくと、芹香の身体が、そして欲情を映した芹香の瞳が雅史の目を奪う。琴音と同じくらいスレンダーでいて、豊満であるべき所は十分に発達している魅力的な肉体だ。芹香はそのどこをも隠さずに、雅史の目の前を支配していた。焦点のぼやけ気味の瞳は、あふれんばかりの性の欲望をふるふると雅史に訴えかけてきている。
「………」
芹香が、雅史に聞き取れない何かをつぶやいた。
「いきますよ、佐藤先輩っ…」
琴音の華奢な手が、がっしりと雅史の腰をつかんだ。
「あ…あっ…」
雅史に出来た事は、判断停止のかすれた声だけで…
…ぬちゅぷっ。
ぐに…
「んんんっ…!!」
ドロドロになった部分に固い物が侵入してくるのと、雅史の顔に柔らかな恥丘の膨らみが押しつけられたのは同時だった。
ぬちゅるっ、ぬちゅっ、ぬちゅ…
「んっ…んーっ…」
「佐藤先輩の中、すっごいぬるぬるしてます…」
「んん…んん…」
雅史はハイペースの琴音の抽送に、快感の曲線をぐんぐんと上げながら声を漏らす。雅史の柔壁は、もう固く熱い侵入物を悦んで受け入れられるようになってしまったようだった。綾香のモノよりは小さいが、小さいなりにあちこちをぐりぐりとこすり立ててくる。琴音の小柄な身体はネコのようにすばしこく動き、雅史の身体を蹂躙していた。
ぐに…ぐにっ
「んふっ…んんう…」
芹香はいつまで経っても責めてこない雅史に、腰をより強く押しつけて上下左右に動かす。
「ほらっ、佐藤君…姉さんもイカせてあげないと、何度イッても終わらないわよ」
「んっ…んうーっ…!」
綾香は雅史の身体の横に回り込んで、胸の微細な乳頭部分を指でふにゅふにゅと転がしてきた。決して強い刺激ではないが、頭の先からつま先まで犯されているかのような感覚がじわーっと雅史を満たしていく。
「んっ…んふぅっ…!」
ぬちゅ…
「………!」
興奮が芽生えてきたのか、雅史が舌を芹香の秘裂の間に割り込ませる。芹香は一瞬顔をしかめてから唾をこくりと飲み込んでいた。
ぬちゅ…ぬちゅ…ちゅく
「………っ………」
芹香は口を半開きにして、腰を強く押しつけたまま腰をグラインドさせる。雅史はゆっくりと移動する芹香の秘部を追いながら、丁寧に舌で舐め上げていった。自分がさっき自慰をするときに発見してしまった敏感な突起を、集中的に舌の先で転がし続ける。
じゅぷっ、じゅる…じゅぐじゅぐ
「ん…んんん…」
雅史はそれを極力慎重な動きにしようとしていたが、琴音の激しいストロークの連続に段々コントロールできなくなってきたようだった。芹香の大切な部分に舌をべったりと当てて、べろべろと動物のように舐める動きになっていく。舌の真ん中に小粒の箇所が引っかかるのを感じながら、琴音の腰使いと同じくらいの勢いで芹香に口唇での奉仕を行う。
「……………!!」
芹香が目を閉じて天井を仰いだ。
ちゅぷ…
雅史の舌の上に、酸味を帯びた液体があふれ出す。生まれて初めて味わうそのエキスを、今の自分も分泌しているはずのそのエキスを、雅史は従順に舐め取っていった。そうすればするほどに芹香の愛液は量を増し、雅史の舌が舐め取れないほどになっていく。
ちゅる…ちゅく
綾香の出した液体がそのままだから分からないものの、今の自分もそうなっているのだろうか?
そう思うと、自分の体がじゅくっと熱い液体をにじませてしまったような気がした。
じゅぐっ、じゅぐ…じゅぐ
「んふ…んっ、んっ」
雅史はさらさらの前髪を芹香の下腹部に押しつけながら頭を左右に動かす。もう雅史の快感も爆発に近づいてきたようだ。
「…琴音ちゃん、ストップ!」
「え…?」
綾香の鋭い声に、感極まったような顔で雅史に覆いかぶさっていた琴音が動きを止める。
「え…何、このロッド?」
「そんな…私、もうすぐだったんですよ…」
「そうしなきゃいけないって姉さんが言うんだったら、しょうがないでしょ。佐藤君の中で一回ずつしてあげたから、おあいこでいいじゃない」
「………」
ぬぷ…
琴音が肉棒を雅史の中から引き抜いた。相変わらず顔を芹香の秘部に覆われている雅史は、何が起こっているのかよくわからない。ロッドというのが何を指す単語なのか、雅史は記憶の中を探ったが正解は見あたらなかった。
「でも、私にさせてくださいよ」
「…ま、いいけれど。それより、琴音ちゃん、こうやって…」
「わぁ…なんだか、すっごくエッチですね」
琴音がそう言い…
…ぬぢゅぅぅ…
「っ!?」
雅史の中に、巨大な何かが侵入してくる。
「んーっ! んんっ!」
綾香のモノよりも、さらに大きくて固かった。そして、入ってきた部分の一番先だけが物凄く熱い。
ぬぢゅっ、ぬぢゅぅぅ…
「んんー、んんっ! んっ!」
雅史は悲鳴を上げそうになったが、芹香は雅史の頭を押さえ込んでクンニリングスを止めることを許そうとしなかった。
ぬぢゅっ、ぬぢゅっ…
「んっ、んっ、んんっ!?」
観念した雅史がまた舌の動きを再開すると、侵入してきた何かもまた前後の運動を始める。ところが中が裂けてしまいそうに大きいのに、熱い部分が雅史の中をこするとビリビリと痺れるほどの快感が生まれ始めた。
「んっ、んふぅぅ、んんーっ! んっ、んーっ、んーっ!」
雅史は抗えない官能の連続に衝き動かされ、メチャクチャに舌を動かす。芹香はその雅史の奉仕に、かくんかくんと性交しているように腰を押しつけてきた。雅史の顔を強い圧迫が襲い、息苦しさが生まれる。雅史の顔は少女の欲望を溶かした液体でべとべとになっていた。
ちゅる…べろっ…べろべろっ…ちゅく
ぬぢゅっ、ぬぢゅっ、ぬぢゅうぅぅっ!
「んっ、んっ、んうううーっ!!?」
雅史は芹香の身体にしがみつくようにして、全身を硬直させ…
ビクンッ、ビクンッ、ビク…ビク、ビクッ!
芹香と一緒に、少女の肉体を思い切りわななかせて絶頂に達してしまっていた。
びゅびゅっ、びゅびゅびゅるるっ、びゅびゅ、びゅっびゅるる…
どこからか自分の体になまあたたかい液体が大量に掛けられるのを感じつつ、雅史はまた意識を暗転させていた…
「うー…頭痛いわ…あんまバカして飲むんやなかったな」
「アタシも…こんなに遅くなっちゃったらDadに怒られちゃうヨ…」
「ふーっ…ビールやチューハイと違って、ワインってきっついのね…松原さんが30分で寝ちゃったのを見たときはまだまだアマイとか思ってたけど…これじゃあたしも人の事言えないわー…」
「ど、どうしよう…こんな時間になっちゃって、お母さんに怒られちゃいます」
「もうこんな時間! 良太達、心配してるだろうな…お酒なんて飲むの初めてだったから、こんなに眠くなっちゃうなんて思わなかったよ…」
「綾香さん、芹香先輩あっちにいましたよ」
「あ、ありがと琴音ちゃん。参ったなー…あのワイン、あんなに強いのだなんて思わなかったから…長瀬さん、目が三角じゃ済まないでしょーねー」
「あ、あれ…浩之ちゃん…?」
「えっ…おっ、おいっ!? あかり、これはどういう事だっ!?」
「ど、どういうって…わ、私も…ひ、浩之ちゃん、これはどういう…」
「俺はやってねーぞ! 知らねーっ!」
「私だってっ…知らないよぉっ…」
「た、確か、今日は12月24日だよな」
「う、うん…」
「俺ん家でパーティだったよな」
「うん…」
あかりは周りをきょろきょろと見て、自分達が間違いない浩之の部屋にいる事を確認する。
「ワイン飲んで…それで…それで…覚えてないな…そしたら…」
「………そうしたら…それで、浩之ちゃんで…私が…」
きゅ…
「うわっ! お、お前締めるなっ!」
「ご、ごめんっ…!」
「き、きついんだよっ…力抜けっ…」
浩之が腰を後ろに引こうとする。
「で、でも…どうやったらいいのか…」
きゅ、きゅぅ…
「あかり、お前かえって締めてるぞ!」
「ご、ごめんなさいっ!」
雅史はたどりついた自分の部屋のベッドにがっくりと倒れ伏していた。
「………」
体力的にはともかく、精神の方は部活で朝から晩までみっちりしごかれた時よりも疲れ果てている。家まで帰ってくる間に何度も転びそうになったほどだ。
あの後、雅史が気を取り戻すと…藤田家にいる人間は全員気を失っていたのだ。芹香も綾香も琴音も、全員服を脱いだまま廊下に寝転がっていた。その身体はみんな普通の少女の物に戻っており、行為の痕跡を感じさせる体液のような物は綺麗さっぱり消えていた。
雅史の身体も、ちゃんと元に戻っていた。
そしてリビングにあった自分の服を身につけると、雅史は家中を回りながら裸で倒れ伏していた皆に服を着せていったのだ。浩之とあかりだけは例外だったが。
いつ裸の女の子が目を覚ますかと恐怖しながら雅史はその難儀な作業を終え、逃げるようにして藤田家のドアを開けた。
その時…芹香がちょうど目を覚ました。しどろもどろになる雅史に、芹香は全員記憶が飛んでいるはずだという事を告げた。
それを聞いて、最低限の安堵を得てから雅史は誰もいない自分の家に帰ってきたのだ。
「はぁ…」
雅史の前にある目覚まし時計が、24時を指そうとしている。
「メリー…クリスマス…」
ほとんど自虐的にそうつぶやきながら、雅史はとんでもないクリスマス・イヴの幕を閉じていった…
「佐藤先輩…」
「…!?」
ぐったりと廊下の床に崩れ落ちそうになった雅史の耳に、聞き慣れた声が飛び込んでくる。
「こ、琴音ちゃんっ…」
恐る恐るに顔を上げた雅史の視界にあったのは、果たして琴音の姿だった。浩之の部屋にいた時と全く変わっていない。一糸纏わぬ肢体も、その足の付け根から確実な勃起を見せている肉棒も…
そして琴音は一人ではなかった。
「く、来栖川先輩もっ…?」
「姉さん…」
じゅぷっ…
「あうっ」
綾香が言いながら腰を引くと、雅史は不意の刺激に小さくうめく。
「こ、これは…どういう…」
まだ物が挟まっているような秘部の感覚に眉をしかめながらも、雅史は芹香に問うた。リビングからちらっと見たときとは違い、裸の上にマントの状態である。
ただし、芹香の裸体はごく普通の少女のままだった。幸いと言うべきか、この状況下ではもはやほとんど意味はないと言うべきか。平気で雅史の前に秘部を晒している事を考えると、まともな判断力を失っているという意味で綾香や琴音と同じと言えるかもしれない。
「…………」
「え? あの、もう少し大きな声で…」
「ごめんなさい、だって」
綾香が通訳した。
「え、えっと、どうしてこうなったのか、どうやったら治るのか、状況を教えて欲しいんですけど…」
返ってくる答えが怖かったが、雅史は訊く。
「魔力を集めるための実験だったそうです」
応じたのは琴音だった。
「で、でも、なんでそのために僕が…こんな、身体になんなくちゃ…」
雅史は言いながら顔が赤くなってくるのを感じる。しかしどうにも身の隠しようはなかった。綾香に突かれていた姿勢のまま、ぽつぽつと言葉を続ける。
「ほんとうは、こうなっちゃうはずじゃなかったらしいんですけれど…」
「…………………」
「琴音ちゃんが、佐藤君にもっと積極的に責めて欲しいから姉さんにお願いして…」
「そ、そういうわけじゃっ!」
綾香の通訳を琴音が慌てて遮った。
「た、ただ、クリスマスに佐藤先輩と一緒になれたらうれしいなって…でも、みんながいるのにこのお家の中でするのって恥ずかしいですし…パーティに出ているみんなが、ちょっと酔っぱらっちゃったみたいな感じになったらいいなって…」
「きょ、今日は僕の家誰もいなかったのに…」
「え、えっ? そうだったんですか?」
「……うん」
雅史は全身から力が抜けるような心地になりながら首を縦に振っていた。普通の状態の時に、雅史が自分の家に琴音を呼ぶ勇気があったかどうかはわからないが…初体験も、琴音の部屋だったのだから。
「で、それが魔力を集める実験にもなっていたから、一石二鳥って事だったわけね」
こく。
芹香がうなずく。
「ところが、集めなくちゃいけない魔力を大きく設定しすぎて、まだ全然足りてない…そんなとこかしら?」
こくん。
「綾香さん、鋭いですね」
「伊達に長年妹やってないわよ」
「か…軽く言わないでくださいよ…僕は、どうしたら…」
「もっと佐藤君を気持ちよくさせたらいいんじゃないの?」
「あ、綾香さんっ!?」
雅史の引きつった叫び。
「ええ、そうらしいです」
それを軽く流し、琴音は芹香の方を見ながら答えた。
…すると、ポッと芹香が顔を赤らめる。
「それが術を使った人と一緒になると、もっといいらしいですよ」
「じゃあ姉さんと佐藤君が一緒にイッちゃえば一番いいってこと?」
「正解です」
琴音は芹香の横から抜け出して、綾香の方に歩いていった。
「ちょ、ちょっとっ…琴音ちゃんっ…! そ、そんなのっ…」
自分の体の後ろに回り込もうとしている琴音に、雅史は必死に訴えかけた。だが琴音は全く意に介さず、綾香の横に並ぶ。
「綾香さんはさっき楽しんだんですから…私にさせてくださいね」
「琴音ちゃんだって、雅史君の中に入れたんでしょ? しかも初めての時に」
「佐藤先輩と私、恋人なんですよ? それなのに、綾香さん勝手にしちゃって…」
「…そうだけれどね」
「ふ、二人とも、そんな勝手にっ…あっ!」
後ろを向いていた雅史。その視界の端が、すぅ…とかげった。
「く、来栖川先輩っ…」
目の前に迫った秘裂から視線を上げていくと、芹香の身体が、そして欲情を映した芹香の瞳が雅史の目を奪う。琴音と同じくらいスレンダーでいて、豊満であるべき所は十分に発達している魅力的な肉体だ。芹香はそのどこをも隠さずに、雅史の目の前を支配していた。焦点のぼやけ気味の瞳は、あふれんばかりの性の欲望をふるふると雅史に訴えかけてきている。
「………」
芹香が、雅史に聞き取れない何かをつぶやいた。
「いきますよ、佐藤先輩っ…」
琴音の華奢な手が、がっしりと雅史の腰をつかんだ。
「あ…あっ…」
雅史に出来た事は、判断停止のかすれた声だけで…
…ぬちゅぷっ。
ぐに…
「んんんっ…!!」
ドロドロになった部分に固い物が侵入してくるのと、雅史の顔に柔らかな恥丘の膨らみが押しつけられたのは同時だった。
ぬちゅるっ、ぬちゅっ、ぬちゅ…
「んっ…んーっ…」
「佐藤先輩の中、すっごいぬるぬるしてます…」
「んん…んん…」
雅史はハイペースの琴音の抽送に、快感の曲線をぐんぐんと上げながら声を漏らす。雅史の柔壁は、もう固く熱い侵入物を悦んで受け入れられるようになってしまったようだった。綾香のモノよりは小さいが、小さいなりにあちこちをぐりぐりとこすり立ててくる。琴音の小柄な身体はネコのようにすばしこく動き、雅史の身体を蹂躙していた。
ぐに…ぐにっ
「んふっ…んんう…」
芹香はいつまで経っても責めてこない雅史に、腰をより強く押しつけて上下左右に動かす。
「ほらっ、佐藤君…姉さんもイカせてあげないと、何度イッても終わらないわよ」
「んっ…んうーっ…!」
綾香は雅史の身体の横に回り込んで、胸の微細な乳頭部分を指でふにゅふにゅと転がしてきた。決して強い刺激ではないが、頭の先からつま先まで犯されているかのような感覚がじわーっと雅史を満たしていく。
「んっ…んふぅっ…!」
ぬちゅ…
「………!」
興奮が芽生えてきたのか、雅史が舌を芹香の秘裂の間に割り込ませる。芹香は一瞬顔をしかめてから唾をこくりと飲み込んでいた。
ぬちゅ…ぬちゅ…ちゅく
「………っ………」
芹香は口を半開きにして、腰を強く押しつけたまま腰をグラインドさせる。雅史はゆっくりと移動する芹香の秘部を追いながら、丁寧に舌で舐め上げていった。自分がさっき自慰をするときに発見してしまった敏感な突起を、集中的に舌の先で転がし続ける。
じゅぷっ、じゅる…じゅぐじゅぐ
「ん…んんん…」
雅史はそれを極力慎重な動きにしようとしていたが、琴音の激しいストロークの連続に段々コントロールできなくなってきたようだった。芹香の大切な部分に舌をべったりと当てて、べろべろと動物のように舐める動きになっていく。舌の真ん中に小粒の箇所が引っかかるのを感じながら、琴音の腰使いと同じくらいの勢いで芹香に口唇での奉仕を行う。
「……………!!」
芹香が目を閉じて天井を仰いだ。
ちゅぷ…
雅史の舌の上に、酸味を帯びた液体があふれ出す。生まれて初めて味わうそのエキスを、今の自分も分泌しているはずのそのエキスを、雅史は従順に舐め取っていった。そうすればするほどに芹香の愛液は量を増し、雅史の舌が舐め取れないほどになっていく。
ちゅる…ちゅく
綾香の出した液体がそのままだから分からないものの、今の自分もそうなっているのだろうか?
そう思うと、自分の体がじゅくっと熱い液体をにじませてしまったような気がした。
じゅぐっ、じゅぐ…じゅぐ
「んふ…んっ、んっ」
雅史はさらさらの前髪を芹香の下腹部に押しつけながら頭を左右に動かす。もう雅史の快感も爆発に近づいてきたようだ。
「…琴音ちゃん、ストップ!」
「え…?」
綾香の鋭い声に、感極まったような顔で雅史に覆いかぶさっていた琴音が動きを止める。
「え…何、このロッド?」
「そんな…私、もうすぐだったんですよ…」
「そうしなきゃいけないって姉さんが言うんだったら、しょうがないでしょ。佐藤君の中で一回ずつしてあげたから、おあいこでいいじゃない」
「………」
ぬぷ…
琴音が肉棒を雅史の中から引き抜いた。相変わらず顔を芹香の秘部に覆われている雅史は、何が起こっているのかよくわからない。ロッドというのが何を指す単語なのか、雅史は記憶の中を探ったが正解は見あたらなかった。
「でも、私にさせてくださいよ」
「…ま、いいけれど。それより、琴音ちゃん、こうやって…」
「わぁ…なんだか、すっごくエッチですね」
琴音がそう言い…
…ぬぢゅぅぅ…
「っ!?」
雅史の中に、巨大な何かが侵入してくる。
「んーっ! んんっ!」
綾香のモノよりも、さらに大きくて固かった。そして、入ってきた部分の一番先だけが物凄く熱い。
ぬぢゅっ、ぬぢゅぅぅ…
「んんー、んんっ! んっ!」
雅史は悲鳴を上げそうになったが、芹香は雅史の頭を押さえ込んでクンニリングスを止めることを許そうとしなかった。
ぬぢゅっ、ぬぢゅっ…
「んっ、んっ、んんっ!?」
観念した雅史がまた舌の動きを再開すると、侵入してきた何かもまた前後の運動を始める。ところが中が裂けてしまいそうに大きいのに、熱い部分が雅史の中をこするとビリビリと痺れるほどの快感が生まれ始めた。
「んっ、んふぅぅ、んんーっ! んっ、んーっ、んーっ!」
雅史は抗えない官能の連続に衝き動かされ、メチャクチャに舌を動かす。芹香はその雅史の奉仕に、かくんかくんと性交しているように腰を押しつけてきた。雅史の顔を強い圧迫が襲い、息苦しさが生まれる。雅史の顔は少女の欲望を溶かした液体でべとべとになっていた。
ちゅる…べろっ…べろべろっ…ちゅく
ぬぢゅっ、ぬぢゅっ、ぬぢゅうぅぅっ!
「んっ、んっ、んうううーっ!!?」
雅史は芹香の身体にしがみつくようにして、全身を硬直させ…
ビクンッ、ビクンッ、ビク…ビク、ビクッ!
芹香と一緒に、少女の肉体を思い切りわななかせて絶頂に達してしまっていた。
びゅびゅっ、びゅびゅびゅるるっ、びゅびゅ、びゅっびゅるる…
どこからか自分の体になまあたたかい液体が大量に掛けられるのを感じつつ、雅史はまた意識を暗転させていた…
「うー…頭痛いわ…あんまバカして飲むんやなかったな」
「アタシも…こんなに遅くなっちゃったらDadに怒られちゃうヨ…」
「ふーっ…ビールやチューハイと違って、ワインってきっついのね…松原さんが30分で寝ちゃったのを見たときはまだまだアマイとか思ってたけど…これじゃあたしも人の事言えないわー…」
「ど、どうしよう…こんな時間になっちゃって、お母さんに怒られちゃいます」
「もうこんな時間! 良太達、心配してるだろうな…お酒なんて飲むの初めてだったから、こんなに眠くなっちゃうなんて思わなかったよ…」
「綾香さん、芹香先輩あっちにいましたよ」
「あ、ありがと琴音ちゃん。参ったなー…あのワイン、あんなに強いのだなんて思わなかったから…長瀬さん、目が三角じゃ済まないでしょーねー」
「あ、あれ…浩之ちゃん…?」
「えっ…おっ、おいっ!? あかり、これはどういう事だっ!?」
「ど、どういうって…わ、私も…ひ、浩之ちゃん、これはどういう…」
「俺はやってねーぞ! 知らねーっ!」
「私だってっ…知らないよぉっ…」
「た、確か、今日は12月24日だよな」
「う、うん…」
「俺ん家でパーティだったよな」
「うん…」
あかりは周りをきょろきょろと見て、自分達が間違いない浩之の部屋にいる事を確認する。
「ワイン飲んで…それで…それで…覚えてないな…そしたら…」
「………そうしたら…それで、浩之ちゃんで…私が…」
きゅ…
「うわっ! お、お前締めるなっ!」
「ご、ごめんっ…!」
「き、きついんだよっ…力抜けっ…」
浩之が腰を後ろに引こうとする。
「で、でも…どうやったらいいのか…」
きゅ、きゅぅ…
「あかり、お前かえって締めてるぞ!」
「ご、ごめんなさいっ!」
雅史はたどりついた自分の部屋のベッドにがっくりと倒れ伏していた。
「………」
体力的にはともかく、精神の方は部活で朝から晩までみっちりしごかれた時よりも疲れ果てている。家まで帰ってくる間に何度も転びそうになったほどだ。
あの後、雅史が気を取り戻すと…藤田家にいる人間は全員気を失っていたのだ。芹香も綾香も琴音も、全員服を脱いだまま廊下に寝転がっていた。その身体はみんな普通の少女の物に戻っており、行為の痕跡を感じさせる体液のような物は綺麗さっぱり消えていた。
雅史の身体も、ちゃんと元に戻っていた。
そしてリビングにあった自分の服を身につけると、雅史は家中を回りながら裸で倒れ伏していた皆に服を着せていったのだ。浩之とあかりだけは例外だったが。
いつ裸の女の子が目を覚ますかと恐怖しながら雅史はその難儀な作業を終え、逃げるようにして藤田家のドアを開けた。
その時…芹香がちょうど目を覚ました。しどろもどろになる雅史に、芹香は全員記憶が飛んでいるはずだという事を告げた。
それを聞いて、最低限の安堵を得てから雅史は誰もいない自分の家に帰ってきたのだ。
「はぁ…」
雅史の前にある目覚まし時計が、24時を指そうとしている。
「メリー…クリスマス…」
ほとんど自虐的にそうつぶやきながら、雅史はとんでもないクリスマス・イヴの幕を閉じていった…
「ふ…藤井くんっ…」
美咲が、怯えているような声を出す。
「………まだ慣れない?」
「な、慣れるとか…そういう事、なのかな…?」
冬弥の顔を見下ろしながら、美咲は途切れ途切れに言った。見下ろさなくてはならないのは、美咲の手で隠している部分に冬弥が顔を近づけているからに他ならない。
「美咲さん、手、どけて」
「………や、やっぱり…恥ずかしい…よ」
冬弥が言うと、美咲は逆に胸と足の付け根を覆う力を強めた。しかしそれがかえって不自然な事に気づいたのか、美咲は指を広げたり閉じたりと混乱した様子を見せる。
「なんか美咲さん、エッチな事してるみたいだよ」
「…藤井君っ…!」
美咲は半分怒った顔になったが、違うとも言い切れないのか手の動きをぴたりと止めていた。
「ほら、美咲さん、落ち着いてさ」
「藤井君が…意地悪するから…」
「わかったよ、もう何も言わないから…だから、手どけてよ」
「…………」
「美咲さんって、そういう少し怒った顔が一番可愛い気がするな」
「…も…もう何も言わないって藤井君言ったじゃないっ…」
「あ、そうだったね」
「藤井君…やっぱりすごく意地悪だよ…」
「だって、美咲さん好きだから」
「そういうのって、他の人に言ってもらう事だと思う…」
「本当だからね」
冬弥は美咲の手の甲に自分の手を重ねる。
「あ…」
そのまま冬弥は美咲の手を動かそうとした。美咲は一瞬だけ手に力を入れ直したが、やがて手の力がくたりと抜ける。
冬弥はその手を太股の所まで移動させて、そこに固定させようとするかのようにしばらく美咲の手を押さえつけた。
「……さてと」
そして軽い口調で言いながら無造作に前髪をかき上げると、すっと唇を美咲の秘裂に寄せる。
ちゅう…
「あっ」
冬弥は表面に吸い付くような口づけをしてから、舌をぬるりと差し入れていく。美咲は困った弟を見るような顔でその様子を見守っていた。眉の端を下げて困惑した顔、それなりにわがままな冬弥に呆れた顔、恥ずかしい部分に触れるなまあたたかい感触に戸惑う顔。性交渉に及んでいるというより、何かきわどいゲームでもしているかのようだった。
ちゅっ…ちゅっ
あちこちに唇で吸い付くような刺激を加えながら、冬弥は細く丸めた舌で美咲の秘唇の内部をくすぐる。その舌先は時々美咲の慎ましい突起をかすめた。その頻度は徐々に上がり、美咲の反応を引き出そうという意図が見え見えの露骨な舌戯になっていく。
「はぁ……はぁっ……」
美咲は全身にうっすらと汗を浮かべながら、手をこぶしの形にしてその刺激に耐えていた。少しでも反応を抑えようとする美咲と、何とか反応を引き出そうとする冬弥の根比べのような感じだ。
ちゅ…くにゅくにゅ…くちゅ
しかし時間が無制限では、明らかに冬弥の方に分がある。
とろけ出す愛液を抑え込もうとしても、蜜壷の中にいっぱいにあふれた状態になってしまってはムリだった。
ぷちゅ…ぷちゅ…
「ああ…!」
ついには噴き出すようにしてあふれ出し、かえって美咲は恥ずかしい思いをすることになる。
じゅる…、じゅる
「い、嫌だよ…音立てちゃだめ」
「美咲さんの、おいしいからね」
冬弥は口元をぬぐいながら、小悪魔的な笑みを浮かべた。
じゅっ…じゅる…
「んっ…ふ、藤井君っ…」
かくっと美咲の膝が折れそうになる。
「もう美咲さん、立ってられない?」
「…うん」
「じゃあ壁に手ついてよ」
「…う、うん…あんまり、見ないでね…」
美咲はゆらっと倒れ込むようにして四つん這いになると、リビングの白い壁紙に両手をついた。廊下につながるドアの、すぐ横である。
…かちゃっ。
「え?」
冬弥は美咲の体勢が整うのを見届けてから、そのドアを開け放した。暖房が行き渡っていた部屋の空気に、廊下のひんやりとした冷気が混ざってくる。
「藤井君、なんで……あっ」
美咲が問おうとすると、冬弥が後ろから覆いかぶさってきた。
「なんか、誰かが出てきそうに見えるかなって」
「もう…藤井君、変なことばっかり考えるんだから」
「劇でも想像力は大切でしょ? 美咲さん、そこから誰かが見てるって思いながら声出してよ」
「そんな、いい加減な事…」
ぬち。
冬弥のペニスが、潤った美咲の恥丘に触れてくる。
「いくよ」
「ぜ、絶対、変な想像したりなんかしないから」
「じゃあ俺だけ想像してようかな。美咲さん、誰かに見られているとこんなに濡らしちゃうんだって」
「もうっ…」
美咲はそれ以上文句をつけるのを諦めたようだった。改めて壁についた手にぎゅっと力を入れて体勢を安定させ、前を向いたまま冬弥の挿入を待つ。
ぬちゅ…ぬちゅ
冬弥は粘膜に絡みついた愛液をかき混ぜるようにして腰を動かしてから、ゆっくりペニスを美咲の膣孔に押し入れていった。
にちゅ…
「あ…」
粘っこい水音がして、美咲の中を冬弥のペニスが満たしていく。
にちゅっ、にちゅっ
冬弥は前後に何度かペニスを揺さぶりながら、美咲の奥まで入ってきた。身体の中に、冬弥自身が深々と感じられる。恥ずかしさはあるものの、結合の深さという意味では美咲と一番フィットした体位のようだった。
ぬぢゅっ、じゅぐ…じゅぐ、じゅぐ
「あ…ああ…」
美咲は髪を壁に押しつけてしまいそうな位置まで近づけて、悩ましい声を出す。自らの熱い呼吸が壁に反射してくるようにすら感じられた。
じゅぐっ…じゅぐ
それによって、廊下から流れ込んでくる冷気がより鮮明に染み込んでくる。
冬弥の言うような妄想はさすがに引き起こされなかったが、自分の体が熱くなっているのが強く感じられるのは確かだった。美咲は冬弥の体温を求めるかのように、腰を前後に振り始める。
「美咲さん、いい?」
「う、うん…藤井君の、奥まで入って…こすれてる…」
「美咲さんの中も、すごい濡れてる」
「だって…」
「いつもよりも感じるから?」
「そ、そんなの変わらないよ」
きゅう…
だが、言った瞬間に自然と膣内が収縮してしまう。
「美咲さん、言われて感じてるんだ」
「ち、違うよ…これは」
きゅっ…きゅ
「んっ……」
「身体が一番ショウジキってやつだよね」
ぢゅぐっ、ぢゅぐっ…
「ん…んうう…藤井…くん」
冬弥の大きくかき回してくる動きに、美咲の身体はふわーっと浮き上がってしまいそうになった。美咲は頬を赤く染めながらも、その動きに合わせて前後に腰を大きく動かす。回転運動と直線運動が合わさり、美咲の膣内はぐりぐりと強くこすられた。
「ああ…もう…私…」
「俺も出すよ…いいんだよね?」
「うん…大丈夫…」
美咲は熱い吐息の混ざった声で冬弥に答えた。普段は清楚の印象が強いだけに、息が上がってしまっただけでも随分とギャップがある。
「くっ…あ…ああーっ…」
「…美咲さんっ…」
じゅぐっ!
冬弥が強く腰を打ち出す。その瞬間、美咲の中で何とかまとまっていたものがパチンとはじけた。
びゅるっ、びゅっ、びゅ…びゅ…
「ん…あ…はぁ…」
美咲は潤みきった目で放心する。何か大きな物に押し流されてしまいそうな感覚の中、冬弥の出した熱い液体がほとばしるのが心地よく感じられていた…
美咲が、怯えているような声を出す。
「………まだ慣れない?」
「な、慣れるとか…そういう事、なのかな…?」
冬弥の顔を見下ろしながら、美咲は途切れ途切れに言った。見下ろさなくてはならないのは、美咲の手で隠している部分に冬弥が顔を近づけているからに他ならない。
「美咲さん、手、どけて」
「………や、やっぱり…恥ずかしい…よ」
冬弥が言うと、美咲は逆に胸と足の付け根を覆う力を強めた。しかしそれがかえって不自然な事に気づいたのか、美咲は指を広げたり閉じたりと混乱した様子を見せる。
「なんか美咲さん、エッチな事してるみたいだよ」
「…藤井君っ…!」
美咲は半分怒った顔になったが、違うとも言い切れないのか手の動きをぴたりと止めていた。
「ほら、美咲さん、落ち着いてさ」
「藤井君が…意地悪するから…」
「わかったよ、もう何も言わないから…だから、手どけてよ」
「…………」
「美咲さんって、そういう少し怒った顔が一番可愛い気がするな」
「…も…もう何も言わないって藤井君言ったじゃないっ…」
「あ、そうだったね」
「藤井君…やっぱりすごく意地悪だよ…」
「だって、美咲さん好きだから」
「そういうのって、他の人に言ってもらう事だと思う…」
「本当だからね」
冬弥は美咲の手の甲に自分の手を重ねる。
「あ…」
そのまま冬弥は美咲の手を動かそうとした。美咲は一瞬だけ手に力を入れ直したが、やがて手の力がくたりと抜ける。
冬弥はその手を太股の所まで移動させて、そこに固定させようとするかのようにしばらく美咲の手を押さえつけた。
「……さてと」
そして軽い口調で言いながら無造作に前髪をかき上げると、すっと唇を美咲の秘裂に寄せる。
ちゅう…
「あっ」
冬弥は表面に吸い付くような口づけをしてから、舌をぬるりと差し入れていく。美咲は困った弟を見るような顔でその様子を見守っていた。眉の端を下げて困惑した顔、それなりにわがままな冬弥に呆れた顔、恥ずかしい部分に触れるなまあたたかい感触に戸惑う顔。性交渉に及んでいるというより、何かきわどいゲームでもしているかのようだった。
ちゅっ…ちゅっ
あちこちに唇で吸い付くような刺激を加えながら、冬弥は細く丸めた舌で美咲の秘唇の内部をくすぐる。その舌先は時々美咲の慎ましい突起をかすめた。その頻度は徐々に上がり、美咲の反応を引き出そうという意図が見え見えの露骨な舌戯になっていく。
「はぁ……はぁっ……」
美咲は全身にうっすらと汗を浮かべながら、手をこぶしの形にしてその刺激に耐えていた。少しでも反応を抑えようとする美咲と、何とか反応を引き出そうとする冬弥の根比べのような感じだ。
ちゅ…くにゅくにゅ…くちゅ
しかし時間が無制限では、明らかに冬弥の方に分がある。
とろけ出す愛液を抑え込もうとしても、蜜壷の中にいっぱいにあふれた状態になってしまってはムリだった。
ぷちゅ…ぷちゅ…
「ああ…!」
ついには噴き出すようにしてあふれ出し、かえって美咲は恥ずかしい思いをすることになる。
じゅる…、じゅる
「い、嫌だよ…音立てちゃだめ」
「美咲さんの、おいしいからね」
冬弥は口元をぬぐいながら、小悪魔的な笑みを浮かべた。
じゅっ…じゅる…
「んっ…ふ、藤井君っ…」
かくっと美咲の膝が折れそうになる。
「もう美咲さん、立ってられない?」
「…うん」
「じゃあ壁に手ついてよ」
「…う、うん…あんまり、見ないでね…」
美咲はゆらっと倒れ込むようにして四つん這いになると、リビングの白い壁紙に両手をついた。廊下につながるドアの、すぐ横である。
…かちゃっ。
「え?」
冬弥は美咲の体勢が整うのを見届けてから、そのドアを開け放した。暖房が行き渡っていた部屋の空気に、廊下のひんやりとした冷気が混ざってくる。
「藤井君、なんで……あっ」
美咲が問おうとすると、冬弥が後ろから覆いかぶさってきた。
「なんか、誰かが出てきそうに見えるかなって」
「もう…藤井君、変なことばっかり考えるんだから」
「劇でも想像力は大切でしょ? 美咲さん、そこから誰かが見てるって思いながら声出してよ」
「そんな、いい加減な事…」
ぬち。
冬弥のペニスが、潤った美咲の恥丘に触れてくる。
「いくよ」
「ぜ、絶対、変な想像したりなんかしないから」
「じゃあ俺だけ想像してようかな。美咲さん、誰かに見られているとこんなに濡らしちゃうんだって」
「もうっ…」
美咲はそれ以上文句をつけるのを諦めたようだった。改めて壁についた手にぎゅっと力を入れて体勢を安定させ、前を向いたまま冬弥の挿入を待つ。
ぬちゅ…ぬちゅ
冬弥は粘膜に絡みついた愛液をかき混ぜるようにして腰を動かしてから、ゆっくりペニスを美咲の膣孔に押し入れていった。
にちゅ…
「あ…」
粘っこい水音がして、美咲の中を冬弥のペニスが満たしていく。
にちゅっ、にちゅっ
冬弥は前後に何度かペニスを揺さぶりながら、美咲の奥まで入ってきた。身体の中に、冬弥自身が深々と感じられる。恥ずかしさはあるものの、結合の深さという意味では美咲と一番フィットした体位のようだった。
ぬぢゅっ、じゅぐ…じゅぐ、じゅぐ
「あ…ああ…」
美咲は髪を壁に押しつけてしまいそうな位置まで近づけて、悩ましい声を出す。自らの熱い呼吸が壁に反射してくるようにすら感じられた。
じゅぐっ…じゅぐ
それによって、廊下から流れ込んでくる冷気がより鮮明に染み込んでくる。
冬弥の言うような妄想はさすがに引き起こされなかったが、自分の体が熱くなっているのが強く感じられるのは確かだった。美咲は冬弥の体温を求めるかのように、腰を前後に振り始める。
「美咲さん、いい?」
「う、うん…藤井君の、奥まで入って…こすれてる…」
「美咲さんの中も、すごい濡れてる」
「だって…」
「いつもよりも感じるから?」
「そ、そんなの変わらないよ」
きゅう…
だが、言った瞬間に自然と膣内が収縮してしまう。
「美咲さん、言われて感じてるんだ」
「ち、違うよ…これは」
きゅっ…きゅ
「んっ……」
「身体が一番ショウジキってやつだよね」
ぢゅぐっ、ぢゅぐっ…
「ん…んうう…藤井…くん」
冬弥の大きくかき回してくる動きに、美咲の身体はふわーっと浮き上がってしまいそうになった。美咲は頬を赤く染めながらも、その動きに合わせて前後に腰を大きく動かす。回転運動と直線運動が合わさり、美咲の膣内はぐりぐりと強くこすられた。
「ああ…もう…私…」
「俺も出すよ…いいんだよね?」
「うん…大丈夫…」
美咲は熱い吐息の混ざった声で冬弥に答えた。普段は清楚の印象が強いだけに、息が上がってしまっただけでも随分とギャップがある。
「くっ…あ…ああーっ…」
「…美咲さんっ…」
じゅぐっ!
冬弥が強く腰を打ち出す。その瞬間、美咲の中で何とかまとまっていたものがパチンとはじけた。
びゅるっ、びゅっ、びゅ…びゅ…
「ん…あ…はぁ…」
美咲は潤みきった目で放心する。何か大きな物に押し流されてしまいそうな感覚の中、冬弥の出した熱い液体がほとばしるのが心地よく感じられていた…
「…本当にやるのか?」
「やる」
「どうなっても知らないぞ…」
「美坂の味がどうなのか知りたいって言ったのは相沢だっ」
「言葉のアヤだった…はずなんだがな…」
祐一も少々語気を弱くする。
「美坂と水瀬が日直になるチャンスなんて、もう二度とないぞ」
「あと20日後には回ってくるじゃないか」
「せ、席替えがあるかもしれないだろっ! それに…」
北川が懐から怪しげな物を取り出す。
「これを買った以上、もう後には引けないっ!」
「いくらしたんだ…それ」
祐一は北川の手にした黒いバイブレータを見て、半ば呆れ口調で訊く。
「俺の給料の一ヶ月分だ」
「お前バイトしてないだろ、きた…が……わ…」
「いくぞ、相沢っ」
北川が教室のドアに手を掛ける。
ぽん。
「え?」
その時、北川の肩に手が置かれた。
「どうしたんだ、あいざ……わ」
怪訝そうな声は途中で止まる。振り向いた所にいた人間は、祐一ではなかった。
「現行犯で逮捕するわ」
そこにいたのは、香里。祐一はその横で表情を凍り付かせていた。
「みみみみ美坂っ!? なんでここに…」
「教室の中から出てきたからよ」
「ど、どこから」
「あっちからよ」
香里がもう一つの方の教室のドアを指さす。
「しょ、職員室はこっちの方なのに…」
「だからってこっちから出てこなくちゃなんないってわけでもないでしょ」
「そ、そんな…」
がっくりと落ちこむ北川の肩を、香里はぐぐぐと力をこめてつかむ。
「ま、話は署の方でゆっくり訊かせてもらうわ。ね、名雪?」
「え? 署?」
香里の体に隠れるような位置にいた名雪が聞き返した。
「そうよ」
「か、勘弁してくれ…」
逃げようとする北川を、香里はずるずると引っ張って歩いていく。
『………』
残された祐一と名雪は一度顔を見合わせて、互いに少し気まずそうな表情になる。それから名雪がちょっと怒った顔で祐一の事をにらんだ。
「…お、俺は…」
祐一はもごもごと言って、香里と北川の後を追う。名雪は多少膨れた顔をしつつも、祐一の横について香里と北川の後を追いかけ始めた。
「………なるほどね」
「ち、違う…相沢も、計画に乗り気だったじゃないか…」
「言い訳は無用」
腕組みした香里が、一言の下に切り捨てる。
「あ、相沢の裏切り者…」
うらめしそうに言う北川は既に服を全部脱がされて、素っ裸の状態で正座させられていた。そのやや横で正座している祐一は、トランクスだけは履いたままで許してもらっている。
そして名雪は、自分のベッドに腰掛けてその様子を見守っていた。「取り調べ」の場所が名雪の部屋だと香里に聞かされた時、名雪はだいぶ不満そうな顔をしていたが、今もあまり興味はなさそうにぼんやりと裸に剥かれた二人を見つめている。
「さて、罰として何をあげるのがいいかしら?」
香里は足元の床に転がしていた、押収済みのバイブを手に取る。
「これで女の子の気分を味あわせてあげるってのも…」
「そ、それって…」
「安心しなさい、何かで濡らして滑るようにしてあげるから」
「や、やめてくれーっ…!」
北川が大声で叫ぶ。祐一の方も、顔を引きつらせて北川の体からずりずりと離れていく。
「………ま、それは冗談として」
「…本当に冗談だったのか…?」
「して欲しいの?」
「ち、ちがうちがうっ…!」
「…じゃあ…そうね…」
香里が不敵な笑いを浮かべながら考え出す。
「…名雪、浮気しようとしていた相沢君に何かしたい罰はないの?」
「え…」
「なんでもいいわよ」
「突然言われても…………あ」
「何かあった?」
「………ええと…」
名雪が少し顔を赤らめる。
「祐一、私には口でしろって言うのに、祐一の方はしてくれないんだよ…」
「へぇ…それは許せないわね」
香里が祐一の正面に立って、じいっと見下ろす。祐一は名雪と香里のことをちらちらとうかがいながら、下を向いてうつむいてしまった。
「あ…じゃあ、それでいきましょ。名雪、服脱いで」
「う、うん…」
名雪は割と素直にうなずいて、制服をゆっくりと脱ぎ始める。どうやら、それなりのレベルまで体の中に欲求不満を溜め込んでいたようだった。祐一が香里の味を知りたがっていると言い出したという北川の発言を信じるならば、祐一は名雪に口でしてあげるどころか普通の性生活すらもおざなりに済ませていたという可能性もある。
「北川君は、これ」
「………?」
香里がポケットから取り出したものを見て、北川は不思議そうな顔をした。
濃紺の色をした、髪留め用のゴムだ。飾りなどはついておらず、ただゴムの部分があるだけのシンプルな構造である。香里はそれを手に、北川の体の前にしゃがみこんだ。
「………うぇっ!?」
「動かないで」
香里が、北川の正座した脚の間からぴょこんと飛び出ているペニスをつかむ。さすがに北川も香里の目的を察したようで、狼狽しきった表情を露わにした。
ぐっ、ぐぐっ…
「や、やめてくれ…」
そのペニスの幹の真ん中あたりに、香里はゴムをぐるぐると巻いていく。
ぐるん…ぐるっ
そしてほとんど余裕がないほどにゴムを伸ばしきった状態にして、ペニスをきつく縛り付けてしまった。北川のペニスが真ん中でくびれて、不自然な形になっている。
「い、痛い…」
「取っちゃダメよ。それから、自分で触るのもだめ。したら、今度こそあれを本当に突っ込むわよ」
「う…ううっ」
北川は情けない声を上げる。しかし非道な仕打ちを受けているにも拘わらず、香里の細く冷たい指につかまれていたペニスは固く勃起し始めていた。そうなると、北川のペニスはますますきつく縛られている状態になってしまう。
「……さて、名雪」
「うん…」
名雪は、もう服を全て脱ぎ終わって全裸の状態になっていた。香里が言うと、そのまま正座した祐一に向かって歩いていく。
「祐一…」
「な、名雪…うぷ」
名雪は歩く動きの延長線上のような感じで、祐一の顔に自分の秘部を押しつけていた。
「相沢君、舐めなさい」
「んっ…んうっ」
祐一は苦しそうな声を上げる。さらに名雪が祐一の頭を腕で抱えて強く腰を前に出すと、さすがに呼吸が苦しくなりすぎたのか、舌を出して名雪の秘裂の中に差し入れた。
「あ…祐一」
名雪は少し腰を引いて、祐一の呼吸を助けてやる。
「んはぁっ……はぁっ…はぁっ…」
祐一はしばし呼吸を整えていたが、そうしてばかりいるとまた呼吸困難に追い込まれると思ったのか、名雪の秘部の中に入れた舌を動かし始めた。
…ちゅ…ぬちゅ…
「んんっ…祐一…」
名雪が気持ちよさそうな顔で名前を呼び、祐一の頭をいとおしそうに撫でる。
ちゅ、ちゅ…
祐一は黙々と舌を動かし続けていた。あまり慣れていない様子だったが、名雪は子供と遊んでいるかのようにそれを優しい目で見つめ、自ら腰を動かすことで刺激を強める。次第に名雪の性器の中に、酸味を帯びた液体がにじみ出してきたようだった。
ぬちゅ、じゅぅ…
「そ、そう…祐一っ」
祐一がそのジュースを舌で舐め取ると、名雪は悦びの声を出して腰を震わせる。
「みっ、美坂…助けてくれ…」
「ダメよ…お仕置きなんだから」
その様子を視界の端にうかがっていた北川が、また情けない声を出した。至近距離で繰り広げられる濃厚な情景に、北川のペニスは激しく高ぶってきている。しかしそうすればそうするほど、ゴムで締め付けられるのも強くなって苦しくなる。
「と、取ってくれ…!」
「ダメ」
そう言って、香里は祐一と名雪の方に近寄る。
「………!?」
名雪の中を舐める動きに次第に慣れてきていたように見えた祐一が、突然体をよじらせた。
しゅくっ、しゅく…
「相沢君、私からもお仕置きしてあげるわ…」
しゅっ、しゅる、しゅるっ
香里は妖艶な声で言うと、祐一のトランクスの中に突っ込んだ手を巧みに動かし始める。下着の中で激しく勃起しているはずのペニスをしごいているのは間違いない。
「か、香里…!」
「いいでしょ、これくらい」
「…うー…」
名雪は多少の不満を残した顔だった。が、香里の責めに急き立てられたのか、祐一の舌を動きが激しくなってくるとそれも消え、柔らかに名雪の粘膜をなめずる生暖かい感触に身を委ねていく。突起の部分を舌が通過すると、名雪はピクンと腰を震わせて反応していた。かなり快感が蓄積されてきているようだ。
しゅっ、しゅっ、しゅっ…
速いペースで香里の責め立てを受けている祐一も、相当なペースで高まってきていることだろう。香里の細くて長い、キラリとした冷ややかさを感じさせる指が本気になってペニスをしごいているのだ。
「………」
名雪の秘部にうずめた顔が少し離れるたび、垣間見える祐一の目はもはや力を失ってきていた。そして名雪の方も、生まれて初めての口唇愛撫に相当感じている様子である。
「祐一…気持ちいいよ…」
「名雪、イケそう?」
「うん…私…もう、イッちゃう…」
「ふぅん…」
しゅこ、しゅこっ、しゅくっ
香里は会話しながらも、まるでペースをゆるめずに祐一のペニスをしごき立てている。
「…うっ…!」
祐一は名雪の秘部に口をつけたままうめくと、ビクンと腰を跳ねさせた。
びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅびゅうっ!
「う…ああ…あ…」
香里の手の中に、白濁液が大量に放出される。そこからあふれ出た液体が、トランクスをべとべとにしていく。
「あ…私…私…!」
…びくっ…
その絶頂の直後、名雪が切なそうな声を上げると、秘部を祐一の顔に思い切り押しつけて全身を痙攣させた。
びくっ、びくっ、びく…
「………ふたりとも、イッちゃった」
香里は妙にさっぱりとした声と表情で言う。
「………ゆ、許してくれ…美坂…もう…しないから…こ、これじゃあ…もう…」
未だペニスを拘束されたままの北川は、悲鳴に近い声で訴えながら顔面を蒼白にしていた。ペニスの先端から、ほんのわずかに透明な液体がにじみ出てきているのが苦しそうである。
「どうしようかしら…」
「な、なんでもしますっ、本当にっ…」
「そうねぇ」
香里は北川の太股の辺りをつつきながら、悪魔的な笑みを浮かべて北川の顔をのぞきこんでいた。
「ゆ、祐一…」
「…名雪」
そしてこちらの恋人同士は、普段と違う立場で行われた性行為に戸惑いを表しつつも、さらなる交歓を求めているのか互いにじっと見つめ合っている。名雪の目は、普段のぼうっとした様子からは想像できないほどに欲情に満ちてきていた。
「やる」
「どうなっても知らないぞ…」
「美坂の味がどうなのか知りたいって言ったのは相沢だっ」
「言葉のアヤだった…はずなんだがな…」
祐一も少々語気を弱くする。
「美坂と水瀬が日直になるチャンスなんて、もう二度とないぞ」
「あと20日後には回ってくるじゃないか」
「せ、席替えがあるかもしれないだろっ! それに…」
北川が懐から怪しげな物を取り出す。
「これを買った以上、もう後には引けないっ!」
「いくらしたんだ…それ」
祐一は北川の手にした黒いバイブレータを見て、半ば呆れ口調で訊く。
「俺の給料の一ヶ月分だ」
「お前バイトしてないだろ、きた…が……わ…」
「いくぞ、相沢っ」
北川が教室のドアに手を掛ける。
ぽん。
「え?」
その時、北川の肩に手が置かれた。
「どうしたんだ、あいざ……わ」
怪訝そうな声は途中で止まる。振り向いた所にいた人間は、祐一ではなかった。
「現行犯で逮捕するわ」
そこにいたのは、香里。祐一はその横で表情を凍り付かせていた。
「みみみみ美坂っ!? なんでここに…」
「教室の中から出てきたからよ」
「ど、どこから」
「あっちからよ」
香里がもう一つの方の教室のドアを指さす。
「しょ、職員室はこっちの方なのに…」
「だからってこっちから出てこなくちゃなんないってわけでもないでしょ」
「そ、そんな…」
がっくりと落ちこむ北川の肩を、香里はぐぐぐと力をこめてつかむ。
「ま、話は署の方でゆっくり訊かせてもらうわ。ね、名雪?」
「え? 署?」
香里の体に隠れるような位置にいた名雪が聞き返した。
「そうよ」
「か、勘弁してくれ…」
逃げようとする北川を、香里はずるずると引っ張って歩いていく。
『………』
残された祐一と名雪は一度顔を見合わせて、互いに少し気まずそうな表情になる。それから名雪がちょっと怒った顔で祐一の事をにらんだ。
「…お、俺は…」
祐一はもごもごと言って、香里と北川の後を追う。名雪は多少膨れた顔をしつつも、祐一の横について香里と北川の後を追いかけ始めた。
「………なるほどね」
「ち、違う…相沢も、計画に乗り気だったじゃないか…」
「言い訳は無用」
腕組みした香里が、一言の下に切り捨てる。
「あ、相沢の裏切り者…」
うらめしそうに言う北川は既に服を全部脱がされて、素っ裸の状態で正座させられていた。そのやや横で正座している祐一は、トランクスだけは履いたままで許してもらっている。
そして名雪は、自分のベッドに腰掛けてその様子を見守っていた。「取り調べ」の場所が名雪の部屋だと香里に聞かされた時、名雪はだいぶ不満そうな顔をしていたが、今もあまり興味はなさそうにぼんやりと裸に剥かれた二人を見つめている。
「さて、罰として何をあげるのがいいかしら?」
香里は足元の床に転がしていた、押収済みのバイブを手に取る。
「これで女の子の気分を味あわせてあげるってのも…」
「そ、それって…」
「安心しなさい、何かで濡らして滑るようにしてあげるから」
「や、やめてくれーっ…!」
北川が大声で叫ぶ。祐一の方も、顔を引きつらせて北川の体からずりずりと離れていく。
「………ま、それは冗談として」
「…本当に冗談だったのか…?」
「して欲しいの?」
「ち、ちがうちがうっ…!」
「…じゃあ…そうね…」
香里が不敵な笑いを浮かべながら考え出す。
「…名雪、浮気しようとしていた相沢君に何かしたい罰はないの?」
「え…」
「なんでもいいわよ」
「突然言われても…………あ」
「何かあった?」
「………ええと…」
名雪が少し顔を赤らめる。
「祐一、私には口でしろって言うのに、祐一の方はしてくれないんだよ…」
「へぇ…それは許せないわね」
香里が祐一の正面に立って、じいっと見下ろす。祐一は名雪と香里のことをちらちらとうかがいながら、下を向いてうつむいてしまった。
「あ…じゃあ、それでいきましょ。名雪、服脱いで」
「う、うん…」
名雪は割と素直にうなずいて、制服をゆっくりと脱ぎ始める。どうやら、それなりのレベルまで体の中に欲求不満を溜め込んでいたようだった。祐一が香里の味を知りたがっていると言い出したという北川の発言を信じるならば、祐一は名雪に口でしてあげるどころか普通の性生活すらもおざなりに済ませていたという可能性もある。
「北川君は、これ」
「………?」
香里がポケットから取り出したものを見て、北川は不思議そうな顔をした。
濃紺の色をした、髪留め用のゴムだ。飾りなどはついておらず、ただゴムの部分があるだけのシンプルな構造である。香里はそれを手に、北川の体の前にしゃがみこんだ。
「………うぇっ!?」
「動かないで」
香里が、北川の正座した脚の間からぴょこんと飛び出ているペニスをつかむ。さすがに北川も香里の目的を察したようで、狼狽しきった表情を露わにした。
ぐっ、ぐぐっ…
「や、やめてくれ…」
そのペニスの幹の真ん中あたりに、香里はゴムをぐるぐると巻いていく。
ぐるん…ぐるっ
そしてほとんど余裕がないほどにゴムを伸ばしきった状態にして、ペニスをきつく縛り付けてしまった。北川のペニスが真ん中でくびれて、不自然な形になっている。
「い、痛い…」
「取っちゃダメよ。それから、自分で触るのもだめ。したら、今度こそあれを本当に突っ込むわよ」
「う…ううっ」
北川は情けない声を上げる。しかし非道な仕打ちを受けているにも拘わらず、香里の細く冷たい指につかまれていたペニスは固く勃起し始めていた。そうなると、北川のペニスはますますきつく縛られている状態になってしまう。
「……さて、名雪」
「うん…」
名雪は、もう服を全て脱ぎ終わって全裸の状態になっていた。香里が言うと、そのまま正座した祐一に向かって歩いていく。
「祐一…」
「な、名雪…うぷ」
名雪は歩く動きの延長線上のような感じで、祐一の顔に自分の秘部を押しつけていた。
「相沢君、舐めなさい」
「んっ…んうっ」
祐一は苦しそうな声を上げる。さらに名雪が祐一の頭を腕で抱えて強く腰を前に出すと、さすがに呼吸が苦しくなりすぎたのか、舌を出して名雪の秘裂の中に差し入れた。
「あ…祐一」
名雪は少し腰を引いて、祐一の呼吸を助けてやる。
「んはぁっ……はぁっ…はぁっ…」
祐一はしばし呼吸を整えていたが、そうしてばかりいるとまた呼吸困難に追い込まれると思ったのか、名雪の秘部の中に入れた舌を動かし始めた。
…ちゅ…ぬちゅ…
「んんっ…祐一…」
名雪が気持ちよさそうな顔で名前を呼び、祐一の頭をいとおしそうに撫でる。
ちゅ、ちゅ…
祐一は黙々と舌を動かし続けていた。あまり慣れていない様子だったが、名雪は子供と遊んでいるかのようにそれを優しい目で見つめ、自ら腰を動かすことで刺激を強める。次第に名雪の性器の中に、酸味を帯びた液体がにじみ出してきたようだった。
ぬちゅ、じゅぅ…
「そ、そう…祐一っ」
祐一がそのジュースを舌で舐め取ると、名雪は悦びの声を出して腰を震わせる。
「みっ、美坂…助けてくれ…」
「ダメよ…お仕置きなんだから」
その様子を視界の端にうかがっていた北川が、また情けない声を出した。至近距離で繰り広げられる濃厚な情景に、北川のペニスは激しく高ぶってきている。しかしそうすればそうするほど、ゴムで締め付けられるのも強くなって苦しくなる。
「と、取ってくれ…!」
「ダメ」
そう言って、香里は祐一と名雪の方に近寄る。
「………!?」
名雪の中を舐める動きに次第に慣れてきていたように見えた祐一が、突然体をよじらせた。
しゅくっ、しゅく…
「相沢君、私からもお仕置きしてあげるわ…」
しゅっ、しゅる、しゅるっ
香里は妖艶な声で言うと、祐一のトランクスの中に突っ込んだ手を巧みに動かし始める。下着の中で激しく勃起しているはずのペニスをしごいているのは間違いない。
「か、香里…!」
「いいでしょ、これくらい」
「…うー…」
名雪は多少の不満を残した顔だった。が、香里の責めに急き立てられたのか、祐一の舌を動きが激しくなってくるとそれも消え、柔らかに名雪の粘膜をなめずる生暖かい感触に身を委ねていく。突起の部分を舌が通過すると、名雪はピクンと腰を震わせて反応していた。かなり快感が蓄積されてきているようだ。
しゅっ、しゅっ、しゅっ…
速いペースで香里の責め立てを受けている祐一も、相当なペースで高まってきていることだろう。香里の細くて長い、キラリとした冷ややかさを感じさせる指が本気になってペニスをしごいているのだ。
「………」
名雪の秘部にうずめた顔が少し離れるたび、垣間見える祐一の目はもはや力を失ってきていた。そして名雪の方も、生まれて初めての口唇愛撫に相当感じている様子である。
「祐一…気持ちいいよ…」
「名雪、イケそう?」
「うん…私…もう、イッちゃう…」
「ふぅん…」
しゅこ、しゅこっ、しゅくっ
香里は会話しながらも、まるでペースをゆるめずに祐一のペニスをしごき立てている。
「…うっ…!」
祐一は名雪の秘部に口をつけたままうめくと、ビクンと腰を跳ねさせた。
びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅびゅうっ!
「う…ああ…あ…」
香里の手の中に、白濁液が大量に放出される。そこからあふれ出た液体が、トランクスをべとべとにしていく。
「あ…私…私…!」
…びくっ…
その絶頂の直後、名雪が切なそうな声を上げると、秘部を祐一の顔に思い切り押しつけて全身を痙攣させた。
びくっ、びくっ、びく…
「………ふたりとも、イッちゃった」
香里は妙にさっぱりとした声と表情で言う。
「………ゆ、許してくれ…美坂…もう…しないから…こ、これじゃあ…もう…」
未だペニスを拘束されたままの北川は、悲鳴に近い声で訴えながら顔面を蒼白にしていた。ペニスの先端から、ほんのわずかに透明な液体がにじみ出てきているのが苦しそうである。
「どうしようかしら…」
「な、なんでもしますっ、本当にっ…」
「そうねぇ」
香里は北川の太股の辺りをつつきながら、悪魔的な笑みを浮かべて北川の顔をのぞきこんでいた。
「ゆ、祐一…」
「…名雪」
そしてこちらの恋人同士は、普段と違う立場で行われた性行為に戸惑いを表しつつも、さらなる交歓を求めているのか互いにじっと見つめ合っている。名雪の目は、普段のぼうっとした様子からは想像できないほどに欲情に満ちてきていた。
ヴィイイイイ…
「やだっ、やだよっ…祐一、止めて…」
「止めない」
祐一が手についた雫を舐め取りながら言う。
「だって…だって…だめぇっ…」
名雪はバタバタと脚を動かしながら暴れていたが、祐一がそれをしっかりと抑え込む。手の方は、なわとびを使ってベッドに縛り付けられていた。それほどきつい拘束ではないが、かと言って暴れるだけでほどけてしまうほどに生やさしいものではない。
「いや、いや、いやあ…」
祐一が体重を掛けながら名雪の太股を抱え込めば、名雪は背中を動かして悶えるくらいの事しかできなくなってしまう。
「感じるだろ」
ヴィイイイ…
半纏(はんてん)の中から伸びたピンク色の安っぽいコードは、祐一の手の中にあるスイッチにつながっている。
ヴヴヴヴッ…!
「はぁぁっ…!?」
名雪が目を大きく開いて、脚を内側にぎゅうっと押しつけようとする。
「あっ…ああっ…あ…」
ヴィィィィ…
「んっ…はぁ…はぁっ」
一度高まった振動が、また少し落ち着いたものになる。祐一が出力をコントロールしたのだ。
「ゆ…祐一っ…」
しかし、振動の大きさが最初と同じ物に戻ったとは言え、名雪の切なそうな表情はいっそう煩悩の色を濃くしている。息を何回も詰まらせている様子は、名雪の奥に渦巻く衝動を解き放ってしまわないように必死で耐えている姿にも見えた。
ヴィイイイイイイイッ…
「ん…んんーっ…んんんーっ!!」
また、振動が強まる。名雪は全身をくねらせるようにしてその甘美な感覚に耐えようとする。
ヴィィィ…
「はぁ…はぁっ」
そしてまた振動が元に戻る。
「名雪、ガマンしてるだろ?」
「そ、そんなこと…ないよっ…」
「もっとしてほしいだろ?」
「ち、違うもん…」
名雪は頭を左右に振ったが、その目はもうかなり精気を失っている。
ヴィッ、ヴィッ、ヴィッ…
「あっ、あっ、あっ!」
小刻みに祐一が振動を強めると、名雪がうわずった短い声を上げて体を跳ねさせた。
「う…うう」
「どうだ?」
得意げな顔をして祐一が名雪を見つめた。祐一の手のスイッチは名雪の秘裂の中に埋もれた淫らなおもちゃを動かす能力しかないはずだが、まるで名雪自身の体全体を支配下に置いているかのようだ。
「私、こんなの好きじゃないよっ…」
「…ふぅん」
祐一はそう言うと、名雪の太股を押さえる位置をやや下にずらす。
「やっ…だめっ!」
名雪は引きつった声を上げるが、その時には祐一の頭が半纏の下にもぐりこんできていた。
ぬちゅ、ぬちゅ…
「あっ…うああっ!」
器用に動く祐一の舌が、名雪の秘裂の間に一瞬で入り込んで敏感な粘膜をなぶり出す。
「すっげぇ濡れてる…」
半纏の分厚い生地の下から、祐一の声がくぐもって聞こえてくる。その声の振動はローターの振動よりもよほど弱いはずなのに、名雪の体を突き抜けるほどの甘い刺激だった。
ぢゅう…ちゅる…
「んっ…あ…そこはっ…だ、だめぇっ…」
長い間放っておかれていた微細な突起に祐一が吸い付くと、名雪は祐一の頭をありったけの脚の力で挟み込みながら弱々しい声を上げた。ローターをくわえこんだ部分から、じゅる、じゅるっと新しい愛液がこぼれ落ちるのが名雪自身の体にも感じられる。
「………」
「……ゆ…祐一…?」
ヴィィィィ…
しかし祐一はそれ以上動かなかった。ローターの振動だけが、あくまで着実に名雪の体の中を熱くしていく。
「や、やだ…祐一っ…」
名雪は祐一の頭を今一度締め付けながら腰をわずかに動かす。しかしそれでも祐一は動かなかった。
「だ、ダメ、祐一…だめだよっ」
「………」
「ゆ、ゆういちーっ…」
段々名雪の声が焦ってくる。
「…やだよ、こんなのじゃ…」
恥ずかしそうに名雪は告白した。このままでは、ローターの鈍い振動だけで高みに達してしまいそうなのだ。
「…じゃあ、約束するか?」
「うん…」
「よし…」
カチ。
祐一がスイッチを切る。そしてコードを引っ張り、名雪の体の中から粘っこい液体に濡れたローターを取り出してやった。
ぬぽっ…
「んっ」
意識しなくても自然に締め付けてしまう、タマゴ型のおもちゃ。それが体の中から抜け落ちた瞬間、名雪は思わず小さな声を出してしまった。
「なんだよ、ぐいぐい締め付けて」
「だ、だって…」
名雪は口答えしようとしたが、祐一がぐちょぐちょになったローターを見せつけると口をつぐんでしまった。
「…メチャクチャしたかったんだろ」
「そ、そんなじゃないよ」
「じゃあなんでこんなに濡れるんだよ」
「だ、だって、祐一だからっ…」
名雪は目をそらして言う。
「名雪がエッチなだけだろ…」
「祐一がエッチなんだよっ…」
「絶対名雪の方が上だ」
「そんなことっ…あ」
祐一が名雪の腰を持ち上げようとすると、名雪が口を閉ざす。
「濡れてるのがよく見えるな」
「やだっ、そんなの見ないでっ…」
「舐められたくせに、いまさら何言ってるんだ」
「で、でも…やっぱりやだよっ」
「…ま、そろそろするか」
祐一はそう言って、無造作に腰を名雪の体に向かって押しつけていった。
ぬちゅっ
「あ」
ぴたりと入り口にペニスが当てられると、名雪がすこし表情を固くする。
「入れるぞ」
ぬちゅり。
祐一が腰を押し出すと、ペニスは簡単に名雪の中に侵入していった。
「や、やだ、まずこれほどいてよ」
「このまんまでいいだろ」
「良くないよ…」
ぬちゅ…ぬちゅぷっ。
二人で言い交わす間にも、祐一のペニスはさらに奥まで突き進み、あっという間に全体が名雪の中に入ってしまった。潤滑の液があまりに豊富なのだ。
「ん…」
名雪が鼻にかかった声を出すと、同時に祐一のペニスが激しく締め付けられる。
「う…」
ぬちゅっ、ぬちゅ…
祐一は小さくうめくような声を出しながら、前後運動を開始した。
「ん…んん」
ローターでとろかされた膣壁は、祐一のペニスが勢い良くえぐってもじわじわと快感を生んでいくようだった。名雪は両手を拘束されたまま、腰をゆっくりと動かし始める。
「っ………」
祐一はその中を、闇雲な動かし方でかき回した。あたたかな柔肉が祐一のペニスを包み込み、それを押し返すような勢いで祐一のペニスが動く。そうすると、柔肉はさらに祐一のペニスを強く包み込んでくる。
「んっ…私…んふぅっ…」
名雪は早くも腰をピクピクと痙攣させ始め、縛られた手首から足の先までをしきりによじらせ始めた。挿入の前から、既に絶頂寸前まで追いつめられていたのだ。祐一の激しい動きに、名雪は最後の階段を勢い良く駆け昇っていく。
「…あ…だめっ…だめ…」
ぬちゅっ、ぬちゅ…
祐一の腰の動きに合わせて動きつつ、名雪はその淫靡な動きに反する言葉を発する。
「……だめ…!」
ビク、ビク…
名雪が吐息混じりの色っぽい叫び声を上げた瞬間、全身が激しく痙攣した。祐一のペニスも、ギュッギュッという激烈な締め付けに見舞われる。
「ぐ…」
…びゅっ!
「えっ」
びゅっ、びゅっ、びゅくんっ、びゅる…びゅ…びゅ…
「っ…はぁっ…はぁっ」
「え…祐一、もう…?」
獣のような声を出しながら放出する祐一に、名雪は意外そうな声で問いかけた。未だにひくひくと媚肉を痙攣させているのに、それを微塵も感じさせない呑気な声である。
「仕方ないだろ…お前がずっと嫌がっていたんだから」
「あ、祐一、ずーっとガマンしていたんだ?」
「当たり前だろっ」
「私、てっきり自分でしているんだと思っていたよ」
「するかっ…」
「だって、それぞれの部屋にいればお母さんだって気づかないと思うし…」
事故に遭った秋子が家に帰ってきたのは、ちょうど一週間前だった。
「こいつ…一人で…でも、お前さっき約束したんだからな」
「う、うん…だけど、できるだけ静かにしてね」
「わかったって…」
ようやく収まってきた放出。祐一は気怠そうな顔をしながら名雪の上に倒れ込んだ。
「やだっ、やだよっ…祐一、止めて…」
「止めない」
祐一が手についた雫を舐め取りながら言う。
「だって…だって…だめぇっ…」
名雪はバタバタと脚を動かしながら暴れていたが、祐一がそれをしっかりと抑え込む。手の方は、なわとびを使ってベッドに縛り付けられていた。それほどきつい拘束ではないが、かと言って暴れるだけでほどけてしまうほどに生やさしいものではない。
「いや、いや、いやあ…」
祐一が体重を掛けながら名雪の太股を抱え込めば、名雪は背中を動かして悶えるくらいの事しかできなくなってしまう。
「感じるだろ」
ヴィイイイ…
半纏(はんてん)の中から伸びたピンク色の安っぽいコードは、祐一の手の中にあるスイッチにつながっている。
ヴヴヴヴッ…!
「はぁぁっ…!?」
名雪が目を大きく開いて、脚を内側にぎゅうっと押しつけようとする。
「あっ…ああっ…あ…」
ヴィィィィ…
「んっ…はぁ…はぁっ」
一度高まった振動が、また少し落ち着いたものになる。祐一が出力をコントロールしたのだ。
「ゆ…祐一っ…」
しかし、振動の大きさが最初と同じ物に戻ったとは言え、名雪の切なそうな表情はいっそう煩悩の色を濃くしている。息を何回も詰まらせている様子は、名雪の奥に渦巻く衝動を解き放ってしまわないように必死で耐えている姿にも見えた。
ヴィイイイイイイイッ…
「ん…んんーっ…んんんーっ!!」
また、振動が強まる。名雪は全身をくねらせるようにしてその甘美な感覚に耐えようとする。
ヴィィィ…
「はぁ…はぁっ」
そしてまた振動が元に戻る。
「名雪、ガマンしてるだろ?」
「そ、そんなこと…ないよっ…」
「もっとしてほしいだろ?」
「ち、違うもん…」
名雪は頭を左右に振ったが、その目はもうかなり精気を失っている。
ヴィッ、ヴィッ、ヴィッ…
「あっ、あっ、あっ!」
小刻みに祐一が振動を強めると、名雪がうわずった短い声を上げて体を跳ねさせた。
「う…うう」
「どうだ?」
得意げな顔をして祐一が名雪を見つめた。祐一の手のスイッチは名雪の秘裂の中に埋もれた淫らなおもちゃを動かす能力しかないはずだが、まるで名雪自身の体全体を支配下に置いているかのようだ。
「私、こんなの好きじゃないよっ…」
「…ふぅん」
祐一はそう言うと、名雪の太股を押さえる位置をやや下にずらす。
「やっ…だめっ!」
名雪は引きつった声を上げるが、その時には祐一の頭が半纏の下にもぐりこんできていた。
ぬちゅ、ぬちゅ…
「あっ…うああっ!」
器用に動く祐一の舌が、名雪の秘裂の間に一瞬で入り込んで敏感な粘膜をなぶり出す。
「すっげぇ濡れてる…」
半纏の分厚い生地の下から、祐一の声がくぐもって聞こえてくる。その声の振動はローターの振動よりもよほど弱いはずなのに、名雪の体を突き抜けるほどの甘い刺激だった。
ぢゅう…ちゅる…
「んっ…あ…そこはっ…だ、だめぇっ…」
長い間放っておかれていた微細な突起に祐一が吸い付くと、名雪は祐一の頭をありったけの脚の力で挟み込みながら弱々しい声を上げた。ローターをくわえこんだ部分から、じゅる、じゅるっと新しい愛液がこぼれ落ちるのが名雪自身の体にも感じられる。
「………」
「……ゆ…祐一…?」
ヴィィィィ…
しかし祐一はそれ以上動かなかった。ローターの振動だけが、あくまで着実に名雪の体の中を熱くしていく。
「や、やだ…祐一っ…」
名雪は祐一の頭を今一度締め付けながら腰をわずかに動かす。しかしそれでも祐一は動かなかった。
「だ、ダメ、祐一…だめだよっ」
「………」
「ゆ、ゆういちーっ…」
段々名雪の声が焦ってくる。
「…やだよ、こんなのじゃ…」
恥ずかしそうに名雪は告白した。このままでは、ローターの鈍い振動だけで高みに達してしまいそうなのだ。
「…じゃあ、約束するか?」
「うん…」
「よし…」
カチ。
祐一がスイッチを切る。そしてコードを引っ張り、名雪の体の中から粘っこい液体に濡れたローターを取り出してやった。
ぬぽっ…
「んっ」
意識しなくても自然に締め付けてしまう、タマゴ型のおもちゃ。それが体の中から抜け落ちた瞬間、名雪は思わず小さな声を出してしまった。
「なんだよ、ぐいぐい締め付けて」
「だ、だって…」
名雪は口答えしようとしたが、祐一がぐちょぐちょになったローターを見せつけると口をつぐんでしまった。
「…メチャクチャしたかったんだろ」
「そ、そんなじゃないよ」
「じゃあなんでこんなに濡れるんだよ」
「だ、だって、祐一だからっ…」
名雪は目をそらして言う。
「名雪がエッチなだけだろ…」
「祐一がエッチなんだよっ…」
「絶対名雪の方が上だ」
「そんなことっ…あ」
祐一が名雪の腰を持ち上げようとすると、名雪が口を閉ざす。
「濡れてるのがよく見えるな」
「やだっ、そんなの見ないでっ…」
「舐められたくせに、いまさら何言ってるんだ」
「で、でも…やっぱりやだよっ」
「…ま、そろそろするか」
祐一はそう言って、無造作に腰を名雪の体に向かって押しつけていった。
ぬちゅっ
「あ」
ぴたりと入り口にペニスが当てられると、名雪がすこし表情を固くする。
「入れるぞ」
ぬちゅり。
祐一が腰を押し出すと、ペニスは簡単に名雪の中に侵入していった。
「や、やだ、まずこれほどいてよ」
「このまんまでいいだろ」
「良くないよ…」
ぬちゅ…ぬちゅぷっ。
二人で言い交わす間にも、祐一のペニスはさらに奥まで突き進み、あっという間に全体が名雪の中に入ってしまった。潤滑の液があまりに豊富なのだ。
「ん…」
名雪が鼻にかかった声を出すと、同時に祐一のペニスが激しく締め付けられる。
「う…」
ぬちゅっ、ぬちゅ…
祐一は小さくうめくような声を出しながら、前後運動を開始した。
「ん…んん」
ローターでとろかされた膣壁は、祐一のペニスが勢い良くえぐってもじわじわと快感を生んでいくようだった。名雪は両手を拘束されたまま、腰をゆっくりと動かし始める。
「っ………」
祐一はその中を、闇雲な動かし方でかき回した。あたたかな柔肉が祐一のペニスを包み込み、それを押し返すような勢いで祐一のペニスが動く。そうすると、柔肉はさらに祐一のペニスを強く包み込んでくる。
「んっ…私…んふぅっ…」
名雪は早くも腰をピクピクと痙攣させ始め、縛られた手首から足の先までをしきりによじらせ始めた。挿入の前から、既に絶頂寸前まで追いつめられていたのだ。祐一の激しい動きに、名雪は最後の階段を勢い良く駆け昇っていく。
「…あ…だめっ…だめ…」
ぬちゅっ、ぬちゅ…
祐一の腰の動きに合わせて動きつつ、名雪はその淫靡な動きに反する言葉を発する。
「……だめ…!」
ビク、ビク…
名雪が吐息混じりの色っぽい叫び声を上げた瞬間、全身が激しく痙攣した。祐一のペニスも、ギュッギュッという激烈な締め付けに見舞われる。
「ぐ…」
…びゅっ!
「えっ」
びゅっ、びゅっ、びゅくんっ、びゅる…びゅ…びゅ…
「っ…はぁっ…はぁっ」
「え…祐一、もう…?」
獣のような声を出しながら放出する祐一に、名雪は意外そうな声で問いかけた。未だにひくひくと媚肉を痙攣させているのに、それを微塵も感じさせない呑気な声である。
「仕方ないだろ…お前がずっと嫌がっていたんだから」
「あ、祐一、ずーっとガマンしていたんだ?」
「当たり前だろっ」
「私、てっきり自分でしているんだと思っていたよ」
「するかっ…」
「だって、それぞれの部屋にいればお母さんだって気づかないと思うし…」
事故に遭った秋子が家に帰ってきたのは、ちょうど一週間前だった。
「こいつ…一人で…でも、お前さっき約束したんだからな」
「う、うん…だけど、できるだけ静かにしてね」
「わかったって…」
ようやく収まってきた放出。祐一は気怠そうな顔をしながら名雪の上に倒れ込んだ。
…かち…
「長瀬ちゃん…」
「大丈夫だよ、瑠璃子さん」
僕はスライド式のカギを掛けながら、小声で言った。
瑠璃子さんと僕、ふたりが入ってしまうのが精一杯だ。ここは学校のトイレなんだから。便器の色がピンク色をしているだけで、なんだかトイレとは別の空間のように思えるけれど…
「瑠璃子さん、座って」
…こく。
不安げな表情を隠さないままに、瑠璃子さんはスカートを押さえて洋式の便器の上に座ろうとする。男用にも女用にも一部屋ずつだけ作られている、洋式トイレなのだ。
「だめだよ…脱がないと」
「あ…」
僕がなおも小声で諭すと、瑠璃子さんは半分座り掛けていた腰をゆっくりと上げた。
…そして、僕の目の前で、窮屈そうなこの空間で、瑠璃子さんは制服のスカートとショーツを恥ずかしげにずり下げていく。トイレに入るときならいつもしているに違いない仕草なのだろうし、僕の部屋でも何度もした事がある仕草だ。
でも、それが合わされば意味は結構違ってくる。
「………長瀬ちゃん…」
下半身を裸にしてしまった瑠璃子さんは、それを制服の上着で隠すように、素早く便座の上に座って前かがみの姿勢になってしまった。
「隠しちゃだめだよ、体を上げて、脚を開いて」
「………」
瑠璃子さんは前かがみのまましばらく僕の事を見上げていたが、やがておずおずと身を起こして脚を広げていく。瑠璃子さんのあそこが、トイレの水面の真上の位置で露わになる。
「長瀬ちゃん…恥ずかしいよ…」
そう言いながらも、瑠璃子さんは僕の視線から何も隠そうとしなかった。確かに、用を足すときそのままの格好なのだから瑠璃子さんが恥ずかしがるのも無理はないだろう。
でも、水面の上に映りそうなほどシンプルな瑠璃子さんのあそこは、用を足そうとしていると言うよりはむしろ僕を誘っているように見えた。
「…あ…長瀬ちゃん…」
僕が瑠璃子さんの前にしゃがみこむと、瑠璃子さんが顔をもっと赤くする。それはあそこがますますよく見える位置だったと言うこともあるだろうけど、
…ぢゅうぅっ…
「あっ…ああっ…」
何より、僕がそこから体を思い切り伸ばして瑠璃子さんの脚の間に顔をうずめようとしているのがバレバレだったからだ。
ぢゅっ、ぢゅ…ちゅ…
「あっ…長瀬ちゃん…んんぅ…あ…ああ…」
僕は瑠璃子さんのスリットの間に舌を差し込んで、熱心に瑠璃子さんの感じるところを舐め続ける。便器と瑠璃子さんを同時に抱え込むような体勢で、ねじりこむように舌を思い切り動かしていく。
じゅう、じゅっ…じゅぷ…じゅぷるっ
程なく瑠璃子さんの中から酸っぱい液が出てきて、僕の顔を濡らした。その内のいくらかは、糸を引きながら水面にぽたぽたと垂れていった。
「すごい…瑠璃子さん、こんなに濡れてる…」
「や、やだよ…長瀬ちゃん」
「気持ちいいでしょ?」
「………」
「瑠璃子さん、気持ちいいでしょ?」
…こくん…
顔を真っ赤にしながらも、瑠璃子さんはうなずいた。
「じゃあ、もっと…」
「な、長瀬ちゃん…」
「なに?」
「今度は、長瀬ちゃんがここに座って…」
「え?」
「長瀬ちゃんも、気持ちよくしてあげるから…」
瑠璃子さんが目を僕からそらして言う。
「…うん、わかった。じゃあ瑠璃子さん、立って」
「うん…」
瑠璃子さんは衣擦れの音を立てながら、濡れたあそこはそのままに立ち上がる。
僕はそれと入れ替わるようにして、学生ズボンとパンツを脱ぎ、瑠璃子さんのぬくもりが残ったままの便座に腰掛けた。
…ちゅぷ。
座るやいなや、瑠璃子さんの舌が僕のペニスに絡む。
ちゅぷ…ちゅぷ、ちゅぷ
柔らかな舌が先っぽの部分を転がして、次第に瑠璃子さんのくわえている部分が大きくなっていく。舌の刺激する部分も、段々深いところに入ってくる。
「ふぅ…」
雁首の部分をうにうにと動く瑠璃子さんの舌が通過したとき、僕は声を漏らしていた。
じゅっ、じゅっ、じゅ…
やがてすっぽりと瑠璃子さんの口にくるまれたペニスが、上下にしごき立てられ始める。瑠璃子さんの右手は根元の辺りを合わせてしごいていて、左手がフクロの部分を軽く撫でている。こんな所でも瑠璃子さんのテクニックはいつも通りだった。ある意味では当たり前の事とも言えるが、何かそれが妙に感動的な事のように思えて、
じゅっ、じゅううー…じゅる、じゅる…
そして気持ちいい。
「うん…瑠璃子さん、いいよ…そしたら、僕の上に乗ってよ」
「ん…」
ちゅぽ。
瑠璃子さんが僕のペニスから口を離す。つつっと唾液が瑠璃子さんの口元から垂れて、そのひとつがトイレの水面に吸い込まれていく。
「…うん…」
不安そうな色を残しつつも、瑠璃子さんはこくりとうなずいた。
瑠璃子さんはいったん立ち上がり、僕に背を向ける形で便座にまたがってくる。つまり、僕の膝の上に座る事になる。
「もうちょっとこっち…そう、瑠璃子さん、これ握って」
「…うん…」
腰を半分くらい落として位置を調整している瑠璃子さんに、僕はペニスを握らせた。あれだけ口の中でしごかれたというのに、瑠璃子さんの細い指先がきゅっと全体をつかむだけでペニスがじーんと気持ちよくなってしまう。
…ぬぷるっ…
その指先に導かれて、熱く濡れた瑠璃子さんのあそこの中にペニスが入っていくと快感はさらに激しくなってくる。
ぬぷ…ぬぷんっ
「んっ」
「ふぅ…」
瑠璃子さんが腰を下ろすと、いとも簡単にペニスは瑠璃子さんの中に飲み込まれていった。まるで、普通に用を足すときに便座に腰掛けたようなスムーズな挿入だ。
「瑠璃子さんの中、ぎゅうぎゅういってくる…」
「や、やだよ…」
僕が言うと、瑠璃子さんは頭をふるふるっと振った。でも締め付けは止まらない。僕はそのまま動かずに、結合部分からじゅくじゅくと熱い愛液があふれてきているのが想像できるほど規則的で強い瑠璃子さんの締め付けを味わっていた。
「…な、長瀬ちゃん」
「何?」
「長瀬ちゃんっ…」
瑠璃子さんがもじもじと脚を動かす。瑠璃子さんの体がわずかに動いて、ペニスが膣内でこすられる。
「言わないと、わからないよ」
僕は微動だにせず、瑠璃子さんが体を切なそうに動かしているのを観察していた。
「長瀬ちゃん、いじわる…」
「瑠璃子さんがエッチなんだよ」
「………」
はぁっ…と瑠璃子さんが思い詰めるような息を吐き出す。
「な、長瀬ちゃん、動いて…」
「どういう風に?」
「わ、私の中を長瀬ちゃんのでずんずんってして」
「こういう風に?」
ぐじゅ、ぐじゅっ…
「そ、そう…」
瑠璃子さんはこの上なく恥ずかしそうな声で言いながらも、僕の腰の動きに合わせて体を落としてきた。瑠璃子さんの熱い部分の一番奥が僕のペニスを思い切り叩く。
じゅぐ、じゅぐ、じゅぐ…
「んっ…はぁっ、はぁ…ああっ…」
さすがに我慢できなくなってきた僕は、これまでの分を取り戻そうとするような勢いで激しく腰を突き上げた。真下に何もないぶん、あまり大胆には動けないものの、出来る限りのパワーで瑠璃子さんの体を揺さぶる。便座がきゅこっ、きゅこっという音を立ててきしんでいた。
じゅぐ、じゅぐん、じゅぶ…じゅぐじゅぐ
「い、いいよ…長瀬ちゃん…長瀬ちゃんのが…いっぱい…」
瑠璃子さんの膣が、いよいよ強烈に僕を締め付けてくる。愛液に満たされた柔らかな媚肉が、僕のペニスをほしがって乱れているのだ。
キーンコーン…
「あっ…」
その時、廊下の方からチャイムの音が鳴り響いてきた。
「授業…終わったね…」
「うん…」
じゅぼっ、じゅぼっ、じゅぼっ…
僕の中から熱くどろりとした物が沸き上がってくる。
「人…来ちゃうね」
ぎゅう…
そう言うと、瑠璃子さんの締め付けがまた強くなったような気がした。
「そしたら、休み時間が終わってしばらく経つまでここから出られないし…次の授業も出られなさそうかな」
じゅぼっ、じゅぼ、じゅぼ…
僕は片手をトイレのレバーに掛ける。
廊下の方から、生徒達の喧噪が近づいてきていた。
「長瀬ちゃんっ…」
ジャアーーー…
ビクンッ、ビクンッ、ビクンッ…
びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅ…!
瑠璃子さんの悲鳴のような声が聞こえそうになる瞬間、僕はレバーを傾けて水を思い切り流した。
「んっ…んあ…あっ…ああ…!」
外にがやがやと女生徒の話し声が聞こえてくる中、同時に絶頂した瑠璃子さんの中に好きなだけ精液をほとばしらせていた…
「長瀬ちゃん…」
「大丈夫だよ、瑠璃子さん」
僕はスライド式のカギを掛けながら、小声で言った。
瑠璃子さんと僕、ふたりが入ってしまうのが精一杯だ。ここは学校のトイレなんだから。便器の色がピンク色をしているだけで、なんだかトイレとは別の空間のように思えるけれど…
「瑠璃子さん、座って」
…こく。
不安げな表情を隠さないままに、瑠璃子さんはスカートを押さえて洋式の便器の上に座ろうとする。男用にも女用にも一部屋ずつだけ作られている、洋式トイレなのだ。
「だめだよ…脱がないと」
「あ…」
僕がなおも小声で諭すと、瑠璃子さんは半分座り掛けていた腰をゆっくりと上げた。
…そして、僕の目の前で、窮屈そうなこの空間で、瑠璃子さんは制服のスカートとショーツを恥ずかしげにずり下げていく。トイレに入るときならいつもしているに違いない仕草なのだろうし、僕の部屋でも何度もした事がある仕草だ。
でも、それが合わされば意味は結構違ってくる。
「………長瀬ちゃん…」
下半身を裸にしてしまった瑠璃子さんは、それを制服の上着で隠すように、素早く便座の上に座って前かがみの姿勢になってしまった。
「隠しちゃだめだよ、体を上げて、脚を開いて」
「………」
瑠璃子さんは前かがみのまましばらく僕の事を見上げていたが、やがておずおずと身を起こして脚を広げていく。瑠璃子さんのあそこが、トイレの水面の真上の位置で露わになる。
「長瀬ちゃん…恥ずかしいよ…」
そう言いながらも、瑠璃子さんは僕の視線から何も隠そうとしなかった。確かに、用を足すときそのままの格好なのだから瑠璃子さんが恥ずかしがるのも無理はないだろう。
でも、水面の上に映りそうなほどシンプルな瑠璃子さんのあそこは、用を足そうとしていると言うよりはむしろ僕を誘っているように見えた。
「…あ…長瀬ちゃん…」
僕が瑠璃子さんの前にしゃがみこむと、瑠璃子さんが顔をもっと赤くする。それはあそこがますますよく見える位置だったと言うこともあるだろうけど、
…ぢゅうぅっ…
「あっ…ああっ…」
何より、僕がそこから体を思い切り伸ばして瑠璃子さんの脚の間に顔をうずめようとしているのがバレバレだったからだ。
ぢゅっ、ぢゅ…ちゅ…
「あっ…長瀬ちゃん…んんぅ…あ…ああ…」
僕は瑠璃子さんのスリットの間に舌を差し込んで、熱心に瑠璃子さんの感じるところを舐め続ける。便器と瑠璃子さんを同時に抱え込むような体勢で、ねじりこむように舌を思い切り動かしていく。
じゅう、じゅっ…じゅぷ…じゅぷるっ
程なく瑠璃子さんの中から酸っぱい液が出てきて、僕の顔を濡らした。その内のいくらかは、糸を引きながら水面にぽたぽたと垂れていった。
「すごい…瑠璃子さん、こんなに濡れてる…」
「や、やだよ…長瀬ちゃん」
「気持ちいいでしょ?」
「………」
「瑠璃子さん、気持ちいいでしょ?」
…こくん…
顔を真っ赤にしながらも、瑠璃子さんはうなずいた。
「じゃあ、もっと…」
「な、長瀬ちゃん…」
「なに?」
「今度は、長瀬ちゃんがここに座って…」
「え?」
「長瀬ちゃんも、気持ちよくしてあげるから…」
瑠璃子さんが目を僕からそらして言う。
「…うん、わかった。じゃあ瑠璃子さん、立って」
「うん…」
瑠璃子さんは衣擦れの音を立てながら、濡れたあそこはそのままに立ち上がる。
僕はそれと入れ替わるようにして、学生ズボンとパンツを脱ぎ、瑠璃子さんのぬくもりが残ったままの便座に腰掛けた。
…ちゅぷ。
座るやいなや、瑠璃子さんの舌が僕のペニスに絡む。
ちゅぷ…ちゅぷ、ちゅぷ
柔らかな舌が先っぽの部分を転がして、次第に瑠璃子さんのくわえている部分が大きくなっていく。舌の刺激する部分も、段々深いところに入ってくる。
「ふぅ…」
雁首の部分をうにうにと動く瑠璃子さんの舌が通過したとき、僕は声を漏らしていた。
じゅっ、じゅっ、じゅ…
やがてすっぽりと瑠璃子さんの口にくるまれたペニスが、上下にしごき立てられ始める。瑠璃子さんの右手は根元の辺りを合わせてしごいていて、左手がフクロの部分を軽く撫でている。こんな所でも瑠璃子さんのテクニックはいつも通りだった。ある意味では当たり前の事とも言えるが、何かそれが妙に感動的な事のように思えて、
じゅっ、じゅううー…じゅる、じゅる…
そして気持ちいい。
「うん…瑠璃子さん、いいよ…そしたら、僕の上に乗ってよ」
「ん…」
ちゅぽ。
瑠璃子さんが僕のペニスから口を離す。つつっと唾液が瑠璃子さんの口元から垂れて、そのひとつがトイレの水面に吸い込まれていく。
「…うん…」
不安そうな色を残しつつも、瑠璃子さんはこくりとうなずいた。
瑠璃子さんはいったん立ち上がり、僕に背を向ける形で便座にまたがってくる。つまり、僕の膝の上に座る事になる。
「もうちょっとこっち…そう、瑠璃子さん、これ握って」
「…うん…」
腰を半分くらい落として位置を調整している瑠璃子さんに、僕はペニスを握らせた。あれだけ口の中でしごかれたというのに、瑠璃子さんの細い指先がきゅっと全体をつかむだけでペニスがじーんと気持ちよくなってしまう。
…ぬぷるっ…
その指先に導かれて、熱く濡れた瑠璃子さんのあそこの中にペニスが入っていくと快感はさらに激しくなってくる。
ぬぷ…ぬぷんっ
「んっ」
「ふぅ…」
瑠璃子さんが腰を下ろすと、いとも簡単にペニスは瑠璃子さんの中に飲み込まれていった。まるで、普通に用を足すときに便座に腰掛けたようなスムーズな挿入だ。
「瑠璃子さんの中、ぎゅうぎゅういってくる…」
「や、やだよ…」
僕が言うと、瑠璃子さんは頭をふるふるっと振った。でも締め付けは止まらない。僕はそのまま動かずに、結合部分からじゅくじゅくと熱い愛液があふれてきているのが想像できるほど規則的で強い瑠璃子さんの締め付けを味わっていた。
「…な、長瀬ちゃん」
「何?」
「長瀬ちゃんっ…」
瑠璃子さんがもじもじと脚を動かす。瑠璃子さんの体がわずかに動いて、ペニスが膣内でこすられる。
「言わないと、わからないよ」
僕は微動だにせず、瑠璃子さんが体を切なそうに動かしているのを観察していた。
「長瀬ちゃん、いじわる…」
「瑠璃子さんがエッチなんだよ」
「………」
はぁっ…と瑠璃子さんが思い詰めるような息を吐き出す。
「な、長瀬ちゃん、動いて…」
「どういう風に?」
「わ、私の中を長瀬ちゃんのでずんずんってして」
「こういう風に?」
ぐじゅ、ぐじゅっ…
「そ、そう…」
瑠璃子さんはこの上なく恥ずかしそうな声で言いながらも、僕の腰の動きに合わせて体を落としてきた。瑠璃子さんの熱い部分の一番奥が僕のペニスを思い切り叩く。
じゅぐ、じゅぐ、じゅぐ…
「んっ…はぁっ、はぁ…ああっ…」
さすがに我慢できなくなってきた僕は、これまでの分を取り戻そうとするような勢いで激しく腰を突き上げた。真下に何もないぶん、あまり大胆には動けないものの、出来る限りのパワーで瑠璃子さんの体を揺さぶる。便座がきゅこっ、きゅこっという音を立ててきしんでいた。
じゅぐ、じゅぐん、じゅぶ…じゅぐじゅぐ
「い、いいよ…長瀬ちゃん…長瀬ちゃんのが…いっぱい…」
瑠璃子さんの膣が、いよいよ強烈に僕を締め付けてくる。愛液に満たされた柔らかな媚肉が、僕のペニスをほしがって乱れているのだ。
キーンコーン…
「あっ…」
その時、廊下の方からチャイムの音が鳴り響いてきた。
「授業…終わったね…」
「うん…」
じゅぼっ、じゅぼっ、じゅぼっ…
僕の中から熱くどろりとした物が沸き上がってくる。
「人…来ちゃうね」
ぎゅう…
そう言うと、瑠璃子さんの締め付けがまた強くなったような気がした。
「そしたら、休み時間が終わってしばらく経つまでここから出られないし…次の授業も出られなさそうかな」
じゅぼっ、じゅぼ、じゅぼ…
僕は片手をトイレのレバーに掛ける。
廊下の方から、生徒達の喧噪が近づいてきていた。
「長瀬ちゃんっ…」
ジャアーーー…
ビクンッ、ビクンッ、ビクンッ…
びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅ…!
瑠璃子さんの悲鳴のような声が聞こえそうになる瞬間、僕はレバーを傾けて水を思い切り流した。
「んっ…んあ…あっ…ああ…!」
外にがやがやと女生徒の話し声が聞こえてくる中、同時に絶頂した瑠璃子さんの中に好きなだけ精液をほとばしらせていた…
「あのー」
「…?」
「失礼しますー」
「Who?」
気怠そうに寝転がっていたレミィが、ベッドからドアに目を向ける。
「すいません、おやすみされていた所を」
「ンー…」
逆さまの視界の中でぺこりと頭を下げた少女に、レミィは見覚えがあった。耳につけたセンサーを見れば、間違えようがない。
「アナタ、確かシンディが買ってきた…」
「はい、メイドロボットのマルチですー」
「Multi?」
「はい」
マルチがベッドの方に小走りで駆けてくる。
「たしか、アナタの名前、もっと別のムズカシイ名前だった気がするケド…」
それを見ながら、レミィは額に手を当てて考え込み始めた。
「それに、もっと…なんてゆーカ…」
「どうかされましたか?」
ベッドの脇にまで来たマルチが、レミィを不思議そうな顔でのぞきこむ。
「…inhuman−like」
レミィはその純朴そうな目をのぞき返しながら言った。
「??」
「inhuman−like…」
「あ、あの、私、英語はわからないんです〜」
「ア…だから、もっと、人間じゃナイ…」
「あ、そういうことですか」
マルチがぽんと軽く手を叩く。
「実は、シンディ様が私の中のプログラムを書き換えてくださったんです」
「シンディが?」
「ええ」
「シンディ…Engineer…?」
「??」
「ン…それはいいけど…フゥ」
レミィが体を伸ばしながらあくびする。
「それで、アタシに何か用?」
「はい。シンディ様が」
「シンディが?」
レミィが問い返すと、マルチがベッドに上がってくる。
「はい」
マルチはうなずいた。そしてレミィの長い脚をまたぐような位置に体を持ってくる。
「失礼しますね」
「?」
レミィはいぶかしそうな顔でマルチの事を見上げていた。だが、それ以上に動くことはしない。いくら寝転がっているとはいえ、長身のレミィと小柄なマルチを比較すると相当に差があるのだ。突然馬乗りになられたとしても、まるで迫力がなかった。レミィがちょっと脚を跳ねさせただけで、マルチの体は吹っ飛んでしまいそうだ。
「よいしょ…」
マルチはずりずりと腰を動かして、レミィの太股の辺りまで移動していく。
「で、シンディがどうしたノ?」
「ええ、シンディ様が」
世間話のような口調で言いながら…マルチの手が、レミィのタンクトップをめくり上げてショーツをつかむ。
「!?」
つやのある淡い紫の生地の間に、レミィの肌がのぞいた。それも、ヘアに覆われた少女の無垢なデルタゾーンの部分だ。
「ッ…ちょっと、やめてッ!」
「シンディ様が、レミィ様は欲求不満の傾向があるので私にレミィ様の性欲を処理しろと…」
「シッ…シンディィィィッ!?」
レミィは大声で叫んだが、階下からは何の反応もない。
「皆様、お出かけになられました」
「だ…だめッ! シンディの言うことなんか信じちゃッ…」
慌ててレミィは体を暴れさせ始めるが、マルチは小柄なのに恐ろしいほど力が強かった。馬乗りになられて太股を脚ではさみこまれているだけなのに、抜け出す事が出来なくなってしまう。
「シンディ様は、レミィ様が何を言っても専門家の自分の方に理があるのだとおっしゃっていました」
マルチはショーツをずり下げてしまうと、腰の位置を少しずつ後ろに戻しながら体を前傾させていく。
「シ、シンディはまだ専門家じゃ…イヤアッ!?」
そしてマルチが体をぺったりとレミィの脚に沿って覆い被せるような姿勢になる。レミィもその意図に気がついたようだった。
「失礼しますー」
ちゅっ。
「ヤダァッ…」
マルチの小さな唇が秘裂にキスすると、レミィは両手で顔を覆ってしまう。
ちゅっ……れろん…
「ダメェ…そこはッ」
唇に比例して小さな舌が、レミィの下の唇を割って入ってくる。その生暖かいぬるんとした感触が、レミィの敏感な突起を撫で回し始める。
れろん…くちゅくちゅ…れろんっ
「うッ…はッ…やめてッ」
レミィは手で顔を覆ったまま、力無く頭を左右に振った。腰の辺りにじわーっとした熱い感覚が生まれてきている。頭の中にも、ぼんやり霞がかかり始めている。このままでは完全におかしくなってしまいそうだった。
「やめませんー」
マルチは一度顔を上げて言うと、レミィの内股を舌でくすぐり始める。
「いやッ、いやッ…そんな…ところッ」
ぺろ、ぺろ…じゅる、じゅる…
滑らかな感触の舌に丁寧なタッチで撫でられる。レミィは全身が総毛立ってくるような気がした。
「んんーっ」
「はぁンッ!」
そして全身が敏感になった所で、また秘裂の中の固い突起を転がされる。
ぷちゅぅ…
「ああッ…!」
レミィはぎゅうーっと体をすくめて、顔を左右にぶんぶん振った。熱い液体が外にあふれてしまったのは、本人が一番よくわかっている。
ぴちゃ、ぴちゃ…
「ヤッ…音…そんなにィッ」
ぴちゃ…ぴちゅ…
当然のように、マルチはそれを舌ですくって味わい始めた。
「んん…レミィ様の、とってもおいしいですー」
「い、言わないでッ…」
「じゃあ、今度は…」
マルチがまた顔を上げて、最初していたような馬乗りの姿勢に戻っていく。その間も注意深く体重が掛けられていて、レミィが抜け出すチャンスはどこにもない。
「これでお相手して差し上げますね」
そのマルチの声に、レミィは恐る恐る顔から手を離して目を開ける。
「エ……エッ!?」
にゅぽっ…
レミィが目を開けると同時に、黒いスパッツを履いていたマルチの股間から何かが飛び出す。どうやら、そこにスリットがあったらしい。
「そ、それッ…」
「ちょっとだけ痛いかもしれませんけど、がまんしてくださいねー」
スパッツの間から顔を出しているのは、ピンク色をした肉の棒に他ならなかった。全体が何かの液体で濡れていて、凶悪な光を放っている。そして明らかに重力に逆らって、固く固く勃起していた。
「ヤダッ! ヤダッ、ヤダッ! イヤッ、お願い、それだけはイヤァッ!」
「大丈夫です、本物よりずっと小さいですから」
マルチがレミィの腰に手を掛けて、ひょいと持ち上げる。
ぬぷ。
「No…No…」
一瞬にして、レミィは性交直前の姿勢にさせられていた。マルチの肉棒が秘裂の中にうずまって、激しい熱と固さをレミィの粘膜に伝えてくる。
「いきますー」
「ヤダァァ…」
ずぶ…
力無い叫びを上げるレミィの中に、マルチの肉棒が入り込む。
「Oh…Ohhhh!」
「大丈夫です、力を抜いてくださいね」
ずぶ…ずぶ…
均一な太さをした肉棒は、いとも易くレミィの中に侵入していった。
「イ、イタイッ…イタイ…もう、やめてッ…!」
…ずぶ…
「ほら、もう一番奥まで入っちゃいました」
マルチは少し頬を赤くしながら、スパッツに覆われた恥丘をレミィのそれに出来る限り押しつけた。液体を吸いやすい生地に、レミィのはしたない液体とわずかな血液が染み込んでいく。
「ヤダ、ヤダ…抜いて…これ、抜いてッ…!」
金色の髪をふるふると揺らしながら、レミィが涙をこぼした。
「あとは気持ちいいだけですよー」
カチ。
マルチの体の中から、何かのスイッチの音がする。
ヴィーーーーーーっ。
「ンふッ…!?」
いきなりの振動に、レミィが驚いて体を引こうとした。無論、マルチはそれをしっかり押さえて体を密着させたままにする。
ぐり…ぐりぐり…
ヴィーヴィーヴィー…
「あッ…はぁッ…!?」
マルチの体の中から響いてくる鈍い振動が、正確にレミィの秘裂の中の突起を刺激していた。マルチが腰を押しつけてくるほどに、その振動は強く感じられる。外側からの間接的な刺激とは言え、既にマルチのクンニリングスで興奮していた部分を刺激されて何も感じないわけがない。
「んん…私も…気持ちいいですっ…」
腰をいやらしくグラインドさせながら、マルチも惚けた表情になっていた。
「い、イヤァァッ! こんなの…こんなの…もう…」
「だ、だめですよっ…ちゃんと、レミィ様がイクまで…ですから…」
ヴィイイイイイ…
「ああーッ!?」
「はぅ…あああっ」
マルチの中からの振動音がさらに大きくなる。
「あッ…ああーッ…ダ、ダメェェ…あッ、あッ、あッ」
「ん…はぁっ…はあっ…」
どうやら、その振動はマルチの性感帯にも少なからず刺激を与えているようだった。マルチが目を潤ませて、虚空を見つめながら機械的に腰を押しつけ始める。マルチ自身にも余裕がなくなっている事は明らかだ。
「ああ…アッ…ひぃィッ…!」
だがそれ以上にレミィが悶えているのも確かだった。破瓜の痛みをまだ感じているのかいないのか、突起への振動だけで全身をよがらせてしまっている。
「レ、レミィ様、もうイキますか」
「ち、違うゥ…アタシ、そんなんじゃないッ…」
「そ、そうですか、わかりました」
ヴィイイイイイイイッ!
「ああーッ!!」
「くっ…あ…ああ」
マルチの中からの振動が最高潮に達した。マルチは顔をしかめながら、思い切り腰をレミィの感じる部分に押しつける。
「ああっ、アアッ、アアーッ!? ダメェェッ!! ダメェェェェッ!!!」
…ビクンッ! ビクッ、ビク…!
「あッ…はぁ…アアッ…イヤァ…」
レミィが全身をぶるるっと震わせて、泣いているような声を出す。完全にクリトリス・オルガスムスに達してしまったようだった。
「よ、良かったです…レミィ様に、ちゃんとイッて頂いて…」
しゅぅ…
空気が抜けるような音と共に、レミィの体の中を満たしていた肉棒が消えていく。マルチの体の中からの振動も止まる。
「シンディ様は、一日一回はエクスタシーに達するべきだとおっしゃっていました…」
「やだッ! もう、アナタ、どこかに行ってぇッ!」
「え…あ、あの?」
「行ってッ! 壊すわヨ!?」
「はわっ…わ、わかりましたっ…お休みなさいませっ…!」
マルチはびくりとしながら、レミィの体から飛び退く。そしてベッドから降りると、今にも転びそうな勢いで部屋のドアから出ていった。
ばたんっ…
「ヒ…ヒロユキ…」
レミィはうつぶせになって、枕に顔をこすりつけながらつぶやき続けた。
「…?」
「失礼しますー」
「Who?」
気怠そうに寝転がっていたレミィが、ベッドからドアに目を向ける。
「すいません、おやすみされていた所を」
「ンー…」
逆さまの視界の中でぺこりと頭を下げた少女に、レミィは見覚えがあった。耳につけたセンサーを見れば、間違えようがない。
「アナタ、確かシンディが買ってきた…」
「はい、メイドロボットのマルチですー」
「Multi?」
「はい」
マルチがベッドの方に小走りで駆けてくる。
「たしか、アナタの名前、もっと別のムズカシイ名前だった気がするケド…」
それを見ながら、レミィは額に手を当てて考え込み始めた。
「それに、もっと…なんてゆーカ…」
「どうかされましたか?」
ベッドの脇にまで来たマルチが、レミィを不思議そうな顔でのぞきこむ。
「…inhuman−like」
レミィはその純朴そうな目をのぞき返しながら言った。
「??」
「inhuman−like…」
「あ、あの、私、英語はわからないんです〜」
「ア…だから、もっと、人間じゃナイ…」
「あ、そういうことですか」
マルチがぽんと軽く手を叩く。
「実は、シンディ様が私の中のプログラムを書き換えてくださったんです」
「シンディが?」
「ええ」
「シンディ…Engineer…?」
「??」
「ン…それはいいけど…フゥ」
レミィが体を伸ばしながらあくびする。
「それで、アタシに何か用?」
「はい。シンディ様が」
「シンディが?」
レミィが問い返すと、マルチがベッドに上がってくる。
「はい」
マルチはうなずいた。そしてレミィの長い脚をまたぐような位置に体を持ってくる。
「失礼しますね」
「?」
レミィはいぶかしそうな顔でマルチの事を見上げていた。だが、それ以上に動くことはしない。いくら寝転がっているとはいえ、長身のレミィと小柄なマルチを比較すると相当に差があるのだ。突然馬乗りになられたとしても、まるで迫力がなかった。レミィがちょっと脚を跳ねさせただけで、マルチの体は吹っ飛んでしまいそうだ。
「よいしょ…」
マルチはずりずりと腰を動かして、レミィの太股の辺りまで移動していく。
「で、シンディがどうしたノ?」
「ええ、シンディ様が」
世間話のような口調で言いながら…マルチの手が、レミィのタンクトップをめくり上げてショーツをつかむ。
「!?」
つやのある淡い紫の生地の間に、レミィの肌がのぞいた。それも、ヘアに覆われた少女の無垢なデルタゾーンの部分だ。
「ッ…ちょっと、やめてッ!」
「シンディ様が、レミィ様は欲求不満の傾向があるので私にレミィ様の性欲を処理しろと…」
「シッ…シンディィィィッ!?」
レミィは大声で叫んだが、階下からは何の反応もない。
「皆様、お出かけになられました」
「だ…だめッ! シンディの言うことなんか信じちゃッ…」
慌ててレミィは体を暴れさせ始めるが、マルチは小柄なのに恐ろしいほど力が強かった。馬乗りになられて太股を脚ではさみこまれているだけなのに、抜け出す事が出来なくなってしまう。
「シンディ様は、レミィ様が何を言っても専門家の自分の方に理があるのだとおっしゃっていました」
マルチはショーツをずり下げてしまうと、腰の位置を少しずつ後ろに戻しながら体を前傾させていく。
「シ、シンディはまだ専門家じゃ…イヤアッ!?」
そしてマルチが体をぺったりとレミィの脚に沿って覆い被せるような姿勢になる。レミィもその意図に気がついたようだった。
「失礼しますー」
ちゅっ。
「ヤダァッ…」
マルチの小さな唇が秘裂にキスすると、レミィは両手で顔を覆ってしまう。
ちゅっ……れろん…
「ダメェ…そこはッ」
唇に比例して小さな舌が、レミィの下の唇を割って入ってくる。その生暖かいぬるんとした感触が、レミィの敏感な突起を撫で回し始める。
れろん…くちゅくちゅ…れろんっ
「うッ…はッ…やめてッ」
レミィは手で顔を覆ったまま、力無く頭を左右に振った。腰の辺りにじわーっとした熱い感覚が生まれてきている。頭の中にも、ぼんやり霞がかかり始めている。このままでは完全におかしくなってしまいそうだった。
「やめませんー」
マルチは一度顔を上げて言うと、レミィの内股を舌でくすぐり始める。
「いやッ、いやッ…そんな…ところッ」
ぺろ、ぺろ…じゅる、じゅる…
滑らかな感触の舌に丁寧なタッチで撫でられる。レミィは全身が総毛立ってくるような気がした。
「んんーっ」
「はぁンッ!」
そして全身が敏感になった所で、また秘裂の中の固い突起を転がされる。
ぷちゅぅ…
「ああッ…!」
レミィはぎゅうーっと体をすくめて、顔を左右にぶんぶん振った。熱い液体が外にあふれてしまったのは、本人が一番よくわかっている。
ぴちゃ、ぴちゃ…
「ヤッ…音…そんなにィッ」
ぴちゃ…ぴちゅ…
当然のように、マルチはそれを舌ですくって味わい始めた。
「んん…レミィ様の、とってもおいしいですー」
「い、言わないでッ…」
「じゃあ、今度は…」
マルチがまた顔を上げて、最初していたような馬乗りの姿勢に戻っていく。その間も注意深く体重が掛けられていて、レミィが抜け出すチャンスはどこにもない。
「これでお相手して差し上げますね」
そのマルチの声に、レミィは恐る恐る顔から手を離して目を開ける。
「エ……エッ!?」
にゅぽっ…
レミィが目を開けると同時に、黒いスパッツを履いていたマルチの股間から何かが飛び出す。どうやら、そこにスリットがあったらしい。
「そ、それッ…」
「ちょっとだけ痛いかもしれませんけど、がまんしてくださいねー」
スパッツの間から顔を出しているのは、ピンク色をした肉の棒に他ならなかった。全体が何かの液体で濡れていて、凶悪な光を放っている。そして明らかに重力に逆らって、固く固く勃起していた。
「ヤダッ! ヤダッ、ヤダッ! イヤッ、お願い、それだけはイヤァッ!」
「大丈夫です、本物よりずっと小さいですから」
マルチがレミィの腰に手を掛けて、ひょいと持ち上げる。
ぬぷ。
「No…No…」
一瞬にして、レミィは性交直前の姿勢にさせられていた。マルチの肉棒が秘裂の中にうずまって、激しい熱と固さをレミィの粘膜に伝えてくる。
「いきますー」
「ヤダァァ…」
ずぶ…
力無い叫びを上げるレミィの中に、マルチの肉棒が入り込む。
「Oh…Ohhhh!」
「大丈夫です、力を抜いてくださいね」
ずぶ…ずぶ…
均一な太さをした肉棒は、いとも易くレミィの中に侵入していった。
「イ、イタイッ…イタイ…もう、やめてッ…!」
…ずぶ…
「ほら、もう一番奥まで入っちゃいました」
マルチは少し頬を赤くしながら、スパッツに覆われた恥丘をレミィのそれに出来る限り押しつけた。液体を吸いやすい生地に、レミィのはしたない液体とわずかな血液が染み込んでいく。
「ヤダ、ヤダ…抜いて…これ、抜いてッ…!」
金色の髪をふるふると揺らしながら、レミィが涙をこぼした。
「あとは気持ちいいだけですよー」
カチ。
マルチの体の中から、何かのスイッチの音がする。
ヴィーーーーーーっ。
「ンふッ…!?」
いきなりの振動に、レミィが驚いて体を引こうとした。無論、マルチはそれをしっかり押さえて体を密着させたままにする。
ぐり…ぐりぐり…
ヴィーヴィーヴィー…
「あッ…はぁッ…!?」
マルチの体の中から響いてくる鈍い振動が、正確にレミィの秘裂の中の突起を刺激していた。マルチが腰を押しつけてくるほどに、その振動は強く感じられる。外側からの間接的な刺激とは言え、既にマルチのクンニリングスで興奮していた部分を刺激されて何も感じないわけがない。
「んん…私も…気持ちいいですっ…」
腰をいやらしくグラインドさせながら、マルチも惚けた表情になっていた。
「い、イヤァァッ! こんなの…こんなの…もう…」
「だ、だめですよっ…ちゃんと、レミィ様がイクまで…ですから…」
ヴィイイイイイ…
「ああーッ!?」
「はぅ…あああっ」
マルチの中からの振動音がさらに大きくなる。
「あッ…ああーッ…ダ、ダメェェ…あッ、あッ、あッ」
「ん…はぁっ…はあっ…」
どうやら、その振動はマルチの性感帯にも少なからず刺激を与えているようだった。マルチが目を潤ませて、虚空を見つめながら機械的に腰を押しつけ始める。マルチ自身にも余裕がなくなっている事は明らかだ。
「ああ…アッ…ひぃィッ…!」
だがそれ以上にレミィが悶えているのも確かだった。破瓜の痛みをまだ感じているのかいないのか、突起への振動だけで全身をよがらせてしまっている。
「レ、レミィ様、もうイキますか」
「ち、違うゥ…アタシ、そんなんじゃないッ…」
「そ、そうですか、わかりました」
ヴィイイイイイイイッ!
「ああーッ!!」
「くっ…あ…ああ」
マルチの中からの振動が最高潮に達した。マルチは顔をしかめながら、思い切り腰をレミィの感じる部分に押しつける。
「ああっ、アアッ、アアーッ!? ダメェェッ!! ダメェェェェッ!!!」
…ビクンッ! ビクッ、ビク…!
「あッ…はぁ…アアッ…イヤァ…」
レミィが全身をぶるるっと震わせて、泣いているような声を出す。完全にクリトリス・オルガスムスに達してしまったようだった。
「よ、良かったです…レミィ様に、ちゃんとイッて頂いて…」
しゅぅ…
空気が抜けるような音と共に、レミィの体の中を満たしていた肉棒が消えていく。マルチの体の中からの振動も止まる。
「シンディ様は、一日一回はエクスタシーに達するべきだとおっしゃっていました…」
「やだッ! もう、アナタ、どこかに行ってぇッ!」
「え…あ、あの?」
「行ってッ! 壊すわヨ!?」
「はわっ…わ、わかりましたっ…お休みなさいませっ…!」
マルチはびくりとしながら、レミィの体から飛び退く。そしてベッドから降りると、今にも転びそうな勢いで部屋のドアから出ていった。
ばたんっ…
「ヒ…ヒロユキ…」
レミィはうつぶせになって、枕に顔をこすりつけながらつぶやき続けた。
「ちょ、ちょっとこーへいっ、わぁっ!」
瑞佳が、洗っていた皿を手から落とす。水が溜まったプラスチック製の白い洗い物入れに、ちゃぷんと音を立てて皿が落ちていく。
「瑞佳、動かないでくれ…脱がしにくい」
「脱がしちゃだめだよっ!」
ザー…と、全開の水道の蛇口が洗い物入れの水面を激しく叩き続ける中で大きな声が飛び交う。
「なんでだよ」
エプロンの後ろの紐を少しゆるめながら、浩平の指がエプロンの生地の下をずりずりと進んでいく。そして、瑞佳のスカートの前の方に到達させる。
「あ、洗い物まだ残っているんだからっ」
「じゃあ瑞佳は洗い物していればいいだろ」
浩平が見えないところのボタンをぷちっ、と器用に外す。そして両手を使って、ずるずるずるっと淡いブラウンをしたチェックのスカートを下ろしていく。
「きゃっ!」
「今更驚くことでもないだろ」
「下着まで一緒に突然脱がされたら驚くよっ…」
「昔取った杵柄だ」
「そんなきねづか、自慢になんないよっ…あっ! だ、だめっ、浩平っ…」
相変わらず出しっぱなしの水の音の中に、瑞佳の高い声が交じる。
浩平はいつの間にかフローリングの上に身を屈めて、そこから頭を瑞佳の脚の間に突っ込んでいた。そして瑞佳の太股をぺろぺろと舐める。
「いやぁ…やめて、浩平…」
浩平のさらさらした茶髪に内股をくすぐられていると、瑞佳も段々気分が変になってきた。脚を閉じようともせず、口元に手を当てて時折ぴくんと体を跳ねさせる。
そこを見計らって、浩平は身を反転させた。天井を見上げる姿勢。この状態では、瑞佳の恥ずかしい部分を直接見上げる姿勢だ。
「浩平…?」
瑞佳には、浩平がどうしているのかは見えない。だが浩平の頭が脚の間をするするすると上がってくると、ビクンと体を震わせて反応した。エプロンに前だけ覆われた瑞佳の性器に、浩平の顔が一瞬で近づく。
じゅうっ…
「あっ…ああーっ…」
そのまま、浩平は瑞佳の性器にむしゃぶりついた。上半分だけ陰に覆われた浩平の顔が、瑞佳の複雑な部分に押しつけられる。そして、上下左右にぐりぐりぐりぐりと動く。
「う…んんっ」
瑞佳は自分の手の平の中に息を吐き出す。狭いところに入りたがるネコのような浩平の動きは、繊細さはなかったが瑞佳を興奮させた。
…じゅるっ。じゅるじゅる…
「や、やだ…そんなに音を立てちゃ、やだよ…」
瑞佳のはしたない液は、直接浩平の舌の上にあふれ出して、その都度綺麗に舐め取られていく。秘核を舐められている時に比べれば直接の快感は少なかったが、無理な姿勢で蜜壷を直接舐められるというのはまた独特の恥ずかしい感情を誘って、瑞佳の中からますます愛液をあふれさせる。
「あ…あっ」
かくんっ…
ついに瑞佳は切なくなりすぎて、自分の体重を支えきれなくなってしまった。膝が折れて、ふらっと床の上に崩れ落ちてしまう。
「う…うぷっ」
その重みを顔に思い切り受けることになった浩平は、苦しげな息を漏らしながら瑞佳と一緒に床に倒れ込んだ。
「ご…ごめん、浩平…」
「何するんだ…圧死するかと思ったぞ」
「私、そんなに重くないもんっ」
「それとこれとは別問題だ…何にしても、おわびはしてくれよ」
浩平はズボンのジッパーを下ろす。
「もうっ…」
瑞佳は少し頬を膨らませながら、トランクスまで下ろして剥き出しになった浩平のペニスに顔を近づけていった。四つん這いの姿勢になった瑞佳のエプロンが床に垂れて、ヒップからのラインはかなりきわどい所まで見えるようになる。
…ぺろ。
ぺろっ。じゅる…
幹の所を試すように舐めて、敏感な雁首に近い辺りを舐めて、それから唾液のたっぷりした音を立てながら亀頭の全体をしゃぶる。
「はぁっ…」
そして、大きく息を吸い込むとぱくっと全体を口の中にくわえこんだ。
じゅる…じゅる、じゅる
頬の内側を使ってころころとこねくり回しながら、やはり唾液の音を立てて舌をぐにゅぐにゅと動かす。
ちゅーっ…きゅぽん。
そして、全体を強く吸い上げてからポンッと口を離した。
「ふぅ…浩平、うっとりした顔してる…このまましてたら出しちゃいそうなの?」
「んなことない」
浩平はそう言うと瑞佳の体を横にごろんと転がして、仰向けにさせた。そして、一見すると下にきちんと服を着ているように見せているエプロンの下からペニスをぐいぐいと押し上げていく。腰をがっしりとつかんで、瑞佳の体を引き寄せている状態だ。
「このままするの?」
「面白くていいだろ」
「このエプロン、気に入ってるのに…」
「洗濯しろ」
「交代ばんこだもん」
ちょっと口答えした瑞佳に構わず、浩平はエプロンの下に隠れた瑞佳の性器にペニスを押しつける。
ぐちゅ、ぐちゅ
浩平が入り口を探るためにペニスを動かすと、濡れた音がはっきりとしていた。
「こんなに濡らしてるんだから、エプロンだって濡れちゃってるだろ」
「浩平がしたんだよっ」
「濡れやすいのは瑞佳の責任だ」
ぐちゅ…
浩平が先を瑞佳の中にうずめる。
「ああーっ…あ…はぁ…」
ぐちゅる…にゅぷん
「はぁ…浩平のがいっぱい…」
「いつもより濡れてるっぽいな…」
「おんなじだよ…」
瑞佳はそう言いながら、自ら腰を軽く前後にゆする。
「いつも濡れてるんだもんな」
ぐちゅっ、ぐちゅっ。
浩平も腰を動かし始めた。
「その言い方、ちょっと意味が違うよっ」
瑞佳も負けじと、さらに激しく腰を揺すり始める。
二人とも、自分と相手の感じるところを知り尽くしていた。浩平のペニスは瑞佳の蜜壷の前の方の部分をごりごりとこすりながら奥を強く突き、瑞佳は浩平がペニスを引いた所できゅっきゅっと中を収縮させて締め付ける。そして二人の動きを助ける潤滑の愛液をとめどもなくあふれさせていく。
「はぁ…今日からこんな所でしていたら、この家全部ですることになっちゃいそうだよ…」
「いいだろ。俺達の家なんだから」
「そうだけど…」
「それに、俺の瑞佳なんだから」
「…浩平だって、私のこーへーだもんっ」
瑞佳が腰をさらに速く動かし始める。
「お互い様か…」
浩平もそれに合わせて動き、全身を包み込む恍惚とした感覚を一点に収束させていった。
「あっ…はぁっ…」
瑞佳は額に手を当てて、惚けた顔をしながら腰を動かす。その目は、浩平しか見ていない。
「瑞佳…もう、出るからな」
「あ、今日はダメっ…あ、じゃないね」
「…何回言えば気が済むんだ、お前は」
「だ、だって、浩平って高校の時からいっつも中で出そうとするんだもんっ…! ずっと心配だったんだから…」
「そのぶん、これからやらしてもらうって」
浩平がぐいっと腰を突き出す。
「ああ…」
…びゅくっ! びゅっ、びゅ…
「あっ、あっ…浩平っ…あつい…」
ビクンッ、ビクンッとエクスタシーの痙攣で浩平のペニスを搾り取るように締め付けながら、瑞佳は背中を何度も跳ね上げていた。
「ふぅ…」
エプロンの下での射出を終えた浩平は、気怠そうな声を出しながら瑞佳の頬を撫でた。
ザー…
「あっ…あっ、お水出しっぱなしっ!」
「な、なんだ? わざと出していたんじゃないのか?」
「そんなわけないよっ! ああっ、今日からこんなのじゃ家計簿がどうなっちゃうんだろ…」
「ま、意識が飛んじゃうくらいに気持ちよかったってことだな」
「知らないよっ…それより、浩平、抜いてっ! 早くお水止めないと…!」
「もう少し、中にいてもいいだろ」
「だ、だめっ…あっ」
浩平が後戯にエプロンの上から胸を揉んでみると、瑞佳はまた喘ぎの声を出し始めた。
瑞佳が、洗っていた皿を手から落とす。水が溜まったプラスチック製の白い洗い物入れに、ちゃぷんと音を立てて皿が落ちていく。
「瑞佳、動かないでくれ…脱がしにくい」
「脱がしちゃだめだよっ!」
ザー…と、全開の水道の蛇口が洗い物入れの水面を激しく叩き続ける中で大きな声が飛び交う。
「なんでだよ」
エプロンの後ろの紐を少しゆるめながら、浩平の指がエプロンの生地の下をずりずりと進んでいく。そして、瑞佳のスカートの前の方に到達させる。
「あ、洗い物まだ残っているんだからっ」
「じゃあ瑞佳は洗い物していればいいだろ」
浩平が見えないところのボタンをぷちっ、と器用に外す。そして両手を使って、ずるずるずるっと淡いブラウンをしたチェックのスカートを下ろしていく。
「きゃっ!」
「今更驚くことでもないだろ」
「下着まで一緒に突然脱がされたら驚くよっ…」
「昔取った杵柄だ」
「そんなきねづか、自慢になんないよっ…あっ! だ、だめっ、浩平っ…」
相変わらず出しっぱなしの水の音の中に、瑞佳の高い声が交じる。
浩平はいつの間にかフローリングの上に身を屈めて、そこから頭を瑞佳の脚の間に突っ込んでいた。そして瑞佳の太股をぺろぺろと舐める。
「いやぁ…やめて、浩平…」
浩平のさらさらした茶髪に内股をくすぐられていると、瑞佳も段々気分が変になってきた。脚を閉じようともせず、口元に手を当てて時折ぴくんと体を跳ねさせる。
そこを見計らって、浩平は身を反転させた。天井を見上げる姿勢。この状態では、瑞佳の恥ずかしい部分を直接見上げる姿勢だ。
「浩平…?」
瑞佳には、浩平がどうしているのかは見えない。だが浩平の頭が脚の間をするするすると上がってくると、ビクンと体を震わせて反応した。エプロンに前だけ覆われた瑞佳の性器に、浩平の顔が一瞬で近づく。
じゅうっ…
「あっ…ああーっ…」
そのまま、浩平は瑞佳の性器にむしゃぶりついた。上半分だけ陰に覆われた浩平の顔が、瑞佳の複雑な部分に押しつけられる。そして、上下左右にぐりぐりぐりぐりと動く。
「う…んんっ」
瑞佳は自分の手の平の中に息を吐き出す。狭いところに入りたがるネコのような浩平の動きは、繊細さはなかったが瑞佳を興奮させた。
…じゅるっ。じゅるじゅる…
「や、やだ…そんなに音を立てちゃ、やだよ…」
瑞佳のはしたない液は、直接浩平の舌の上にあふれ出して、その都度綺麗に舐め取られていく。秘核を舐められている時に比べれば直接の快感は少なかったが、無理な姿勢で蜜壷を直接舐められるというのはまた独特の恥ずかしい感情を誘って、瑞佳の中からますます愛液をあふれさせる。
「あ…あっ」
かくんっ…
ついに瑞佳は切なくなりすぎて、自分の体重を支えきれなくなってしまった。膝が折れて、ふらっと床の上に崩れ落ちてしまう。
「う…うぷっ」
その重みを顔に思い切り受けることになった浩平は、苦しげな息を漏らしながら瑞佳と一緒に床に倒れ込んだ。
「ご…ごめん、浩平…」
「何するんだ…圧死するかと思ったぞ」
「私、そんなに重くないもんっ」
「それとこれとは別問題だ…何にしても、おわびはしてくれよ」
浩平はズボンのジッパーを下ろす。
「もうっ…」
瑞佳は少し頬を膨らませながら、トランクスまで下ろして剥き出しになった浩平のペニスに顔を近づけていった。四つん這いの姿勢になった瑞佳のエプロンが床に垂れて、ヒップからのラインはかなりきわどい所まで見えるようになる。
…ぺろ。
ぺろっ。じゅる…
幹の所を試すように舐めて、敏感な雁首に近い辺りを舐めて、それから唾液のたっぷりした音を立てながら亀頭の全体をしゃぶる。
「はぁっ…」
そして、大きく息を吸い込むとぱくっと全体を口の中にくわえこんだ。
じゅる…じゅる、じゅる
頬の内側を使ってころころとこねくり回しながら、やはり唾液の音を立てて舌をぐにゅぐにゅと動かす。
ちゅーっ…きゅぽん。
そして、全体を強く吸い上げてからポンッと口を離した。
「ふぅ…浩平、うっとりした顔してる…このまましてたら出しちゃいそうなの?」
「んなことない」
浩平はそう言うと瑞佳の体を横にごろんと転がして、仰向けにさせた。そして、一見すると下にきちんと服を着ているように見せているエプロンの下からペニスをぐいぐいと押し上げていく。腰をがっしりとつかんで、瑞佳の体を引き寄せている状態だ。
「このままするの?」
「面白くていいだろ」
「このエプロン、気に入ってるのに…」
「洗濯しろ」
「交代ばんこだもん」
ちょっと口答えした瑞佳に構わず、浩平はエプロンの下に隠れた瑞佳の性器にペニスを押しつける。
ぐちゅ、ぐちゅ
浩平が入り口を探るためにペニスを動かすと、濡れた音がはっきりとしていた。
「こんなに濡らしてるんだから、エプロンだって濡れちゃってるだろ」
「浩平がしたんだよっ」
「濡れやすいのは瑞佳の責任だ」
ぐちゅ…
浩平が先を瑞佳の中にうずめる。
「ああーっ…あ…はぁ…」
ぐちゅる…にゅぷん
「はぁ…浩平のがいっぱい…」
「いつもより濡れてるっぽいな…」
「おんなじだよ…」
瑞佳はそう言いながら、自ら腰を軽く前後にゆする。
「いつも濡れてるんだもんな」
ぐちゅっ、ぐちゅっ。
浩平も腰を動かし始めた。
「その言い方、ちょっと意味が違うよっ」
瑞佳も負けじと、さらに激しく腰を揺すり始める。
二人とも、自分と相手の感じるところを知り尽くしていた。浩平のペニスは瑞佳の蜜壷の前の方の部分をごりごりとこすりながら奥を強く突き、瑞佳は浩平がペニスを引いた所できゅっきゅっと中を収縮させて締め付ける。そして二人の動きを助ける潤滑の愛液をとめどもなくあふれさせていく。
「はぁ…今日からこんな所でしていたら、この家全部ですることになっちゃいそうだよ…」
「いいだろ。俺達の家なんだから」
「そうだけど…」
「それに、俺の瑞佳なんだから」
「…浩平だって、私のこーへーだもんっ」
瑞佳が腰をさらに速く動かし始める。
「お互い様か…」
浩平もそれに合わせて動き、全身を包み込む恍惚とした感覚を一点に収束させていった。
「あっ…はぁっ…」
瑞佳は額に手を当てて、惚けた顔をしながら腰を動かす。その目は、浩平しか見ていない。
「瑞佳…もう、出るからな」
「あ、今日はダメっ…あ、じゃないね」
「…何回言えば気が済むんだ、お前は」
「だ、だって、浩平って高校の時からいっつも中で出そうとするんだもんっ…! ずっと心配だったんだから…」
「そのぶん、これからやらしてもらうって」
浩平がぐいっと腰を突き出す。
「ああ…」
…びゅくっ! びゅっ、びゅ…
「あっ、あっ…浩平っ…あつい…」
ビクンッ、ビクンッとエクスタシーの痙攣で浩平のペニスを搾り取るように締め付けながら、瑞佳は背中を何度も跳ね上げていた。
「ふぅ…」
エプロンの下での射出を終えた浩平は、気怠そうな声を出しながら瑞佳の頬を撫でた。
ザー…
「あっ…あっ、お水出しっぱなしっ!」
「な、なんだ? わざと出していたんじゃないのか?」
「そんなわけないよっ! ああっ、今日からこんなのじゃ家計簿がどうなっちゃうんだろ…」
「ま、意識が飛んじゃうくらいに気持ちよかったってことだな」
「知らないよっ…それより、浩平、抜いてっ! 早くお水止めないと…!」
「もう少し、中にいてもいいだろ」
「だ、だめっ…あっ」
浩平が後戯にエプロンの上から胸を揉んでみると、瑞佳はまた喘ぎの声を出し始めた。
「…何をしているのですか」
葉子が言う。
厳しく諌めようとしているような、それでいてどこかに諦めの交じったような声。哀れんでいるようにも思える声。
そんな声を発した葉子は、薄いタンクトップと下着しか身につけていないという状態でも、非常に強い理性と自制心を発しているように見えた。暗闇の中にぼんやりと浮かび上がった滑らかな肢体と長い髪は、いっそ神聖と言ってしまった方が説明が省けるほどに凛としている。
「よ、葉子さん…」
一方、葉子に応えた声はしまりを失っただらしない物だった。声もそうだが、それ以上に吐息が獣のように荒くなっていることや、
ぐちゅぐちゅ…
ひっきりなしに立っている水っぽい音がさらに締まりの無さを強調している。何より、郁未の方は葉子と違って全裸だ。
「何をしているのかと訊いているのですが」
「………」
2メートルばかり離れた所から葉子が郁未を見下ろす。郁未は呼吸法に不慣れなランナーのようにくっ、と息を詰めて葉子の事を一瞬見上げ、しかしすぐに視線を下ろして自分自身の体を恥ずかしい物であるかのような目で見つめた。
ぐちゅぐちゅぐちゅ。
慣れた手つきが、お椀のように整った乳房とじっとりと濡れそぼった秘部をまさぐる。今日や昨日に始めた行為というわけではない、毎日のように慣れ親しんできた行為だからこそ出来る動きだ。ただし、本来なら当然誰にも見られない所でこっそりと行うべきことである。
しかしこのFARGOの中ではプライベートと言う物は極めて制限されている。郁未や葉子のようにAクラスの人間は個室を持っているが、郁未の部屋には同居人もいるのだ。シャワーもあるが、浴びているときも気分的にはとても独りとは言えない。郁未はFARGOに来て以来、性欲を爆発寸前まで抑え込んできていたのだ。それは事実だ。
「が、我慢できないから」
「何をしているのかと訊いているのですけれど…」
葉子は表情一つ変えず問い続ける。
ちゅぐ…ちゅぐ…
「オ…オナニー」
指の動きを止めずに、郁未は言った。
「あ…あの…葉子さん、そういう言葉知らないのかな…」
「…知っています」
「あ、あ…そうなんだ」
「己の欲望と戦うための、ひとつの試練として。教えを受けました」
「………」
「もっとも、それは男の方の話としてです」
葉子は目を閉じる。
「女性の体を持っている人間が、そういう事をするなど考えられませんから」
「………そ、そうなんだ」
確かに、このFARGOも宗教団体である以上は欲望の制御を教えているのだろう。精子を排泄するという生理的目的すらない自涜が厳しく諌められるのは想像に難くない。いや、今葉子が言ったように、そんな事をするというのが想定されていないという所が本当なのだろう…
「で、でも、私はこういうのが大好きだし…あんまり、悪い事とも思わないし」
「欲望を制御できずに、暴走させてしまう事がですか?」
「他の人に迷惑をかけない事で我慢する必要って…」
「欲望は際限なく膨らんでいきます。今は郁未さんの中で収める事ができていても、明日も…いえ、一時間であろうと、一分であろうと、一秒であろうと、時が経てばいつでも押さえきれなくなり得るのです」
葉子が目を開いた。
空間が、くるりと歪んだ。
「…あぅっ…」
郁未が低い声を出してうめく。
少しだけ、違う姿勢になっていた。膝を立ててぺたんと座っていた状態から、膝を曲げた爪先立ちの状態になっている。野球のキャッチャーがしているような、それよりもっと不安定で恥ずかしい姿勢を郁未はしていた。
しかし、うめきの原因は恥ずかしさではない。
「よ…欲望が膨らめば、こうなる事もあるのです」
葉子は少し息苦しそうな声で言った。タンクトップと下着は身につけたままだったが、郁未の脚の間に入ってきて四つん這いになっている。そのすらっとした鼻先が、ねっとりした液体で濡れていた。一瞬のゆらめきの間に、葉子は郁未に口唇奉仕する姿勢を取っていたのだ。
「あ…ああ…葉子さんっ…」
郁未は脚の付け根の部分が火のように熱くなって、ざわざわとしたものがその周りを駆け抜けるのを感じていた。そこに、葉子の顔が一瞬でも押しつけられていたと思うだけでも何かたまらない感情が郁未を支配していく。
「…あっ」
その時、葉子が前のめりにバランスを崩した。
「あ…ああっ」
郁未は偶然の事かと思ったが、どうも様子がおかしい。葉子は両手を床に突っ張ったまま、焦った顔をしている。葉子の顔と床に突いた手はぶるぶると震えて、よく見ると少しずつ前の方に、郁未の方に動いてきているようだった。
「よ、葉子さん?」
まるで、見えないロープで前に無理矢理引っ張られているかのような…そんな感じだ。
「い、郁未さん、やめてくださいっ…」
「え? べ、別に私は何もしていないけれど…」
「行動だけではないです…郁未さんが、意志する事をやめなければ…っ」
葉子の手の平が、ずずっと前に滑った。
「そうしなければ、私の体を引き寄せようとする力も止まりません…!」
「それって…」
「郁未さん…私の身体に何を感じているのですか!?」
焦っていると同時に、険悪な声だった。
「よ、葉子さんの体…」
キレイだ。
教団の中で、禁欲的な教義の中で、純粋培養されるように育ったに違いない葉子は、郁未が教団の外では見かけたことがないほどにピュアな美しさを持っていた。興奮しきった郁未の体にとっては、交わり合いたくてゾクゾクするような対象だった。
「だ…だめですっ…私は、そんなことはっ!」
葉子が顔を横にそらそうとするが、それすらも何かの力で防がれているようだった。葉子は15度ばかり顔を回転をさせた所で、郁未の欲情した性器から目だけでも必死にそらそうとしている。突っ張った両手の方は、もう郁未の脚の下に入り込みそうな所まで来ていた。
郁未が体を引けば、それで済むはずだ。
後ろを向くだけで、葉子の顔が密着するという事態は避けられるはずなのだ。
で、でも…
葉子さんの体が近づいてくるのが私のせいだなんて、信憑性がないし…それに、私が無理矢理押しつけさせようとするわけじゃなくて、私はただここに座っているだけ…そこに、勝手に葉子さんが顔をつけようとしているだけ…
「だっだめですっ! 郁未さん、何を…」
葉子の顔が引きつる。
私の責任じゃない。
…ぐちゅぅっ!
「あっ…!」
葉子の体は後ろから跳ね飛ばされたように動き、郁未の濡れそぼった部分に葉子の顔面が思い切り押しつけられた。
「くふぅっ…」
郁未は思わず声を漏らす。
さんざん弄くった部分は、ただ顔が押しつけられるだけでも激しい快感をもたらした。ましてや、それが清楚な葉子の顔だとなれば興奮は何倍にもなる。葉子の綺麗な頬が愛液でべっとりと濡れているさまを想像すると、郁未はそれだけで達してしまいそうになった。
「っ…あっ…」
「ううっ…ああーっ…葉子さんっ」
息苦しさからか、葉子の唇が動く感触がある。郁未ははしたない姿勢のまま葉子の頭をつかんで、ぐいぐいと太股で葉子を挟んでいた。自然と腰が前後に揺れ始め、それによって葉子の口が郁未の性器を撫でる。
「あっ…はぁっ…!」
葉子の口の中に、わずかであっても自分の愛液が入ってしまったかもしれないと思うだけで郁未は葉子を犯したような気になってしまった。麻薬を誰かに打ってやったのと同じような気分かもしれない。罪悪感と、無理矢理作り上げた仲間意識が得も言われぬ興奮をもたらすのだ。
「よっ…葉子さん、うっ…気持ちいいっ」
郁未はいやらしく腰をくねらせ、葉子の唇をありったけに感じる。それはほとんどオナニーと変わらない行為だったが、郁未は下手なセックスをしている時よりも気持ちよくなってしまっていた。喩えるなら、好きな男の子の机に秘部をすりつけてオナニーをした経験の時の快感に近い。
「ふわっ…あー…ああっ」
ぎゅう…
太股を思い切り締めつけ、郁未は真っ白な意識の中に放り出された。
「あ…ああ…葉子さん…葉子さぁん…」
天を仰いで、うわごとのように繰り返す。
「これが、あなたの欲望なのですか」
郁未に見えない所で、葉子が言っていた。
「これが、あなたの望むことだと言うなら…あなたは何なのですか」
…なんだろう?
「でも、私はあなたと同じものにされてしまいました。今の行為によって」
………
「十年近くも守ってきたものが、無くなってしまいました」
私なら…十年前は…
「あなたと同じものであって、私がどこに向かえばいいのか…あなたは教えてくれるのですか」
…わからない。
私も、どこに向かいたいのか、確かめるためにこの教団に来たんだから…
「期待はしていません、全くしていません」
確かめるためにここに来て…あいつのせいで、オナニーも満足にできないで…
「あなたに、私の気持ちがわかりますか?」
どうだろう…
わかるような…気もするんだけどな…
そう思った時、意識は闇の中に落ちていった。
葉子が言う。
厳しく諌めようとしているような、それでいてどこかに諦めの交じったような声。哀れんでいるようにも思える声。
そんな声を発した葉子は、薄いタンクトップと下着しか身につけていないという状態でも、非常に強い理性と自制心を発しているように見えた。暗闇の中にぼんやりと浮かび上がった滑らかな肢体と長い髪は、いっそ神聖と言ってしまった方が説明が省けるほどに凛としている。
「よ、葉子さん…」
一方、葉子に応えた声はしまりを失っただらしない物だった。声もそうだが、それ以上に吐息が獣のように荒くなっていることや、
ぐちゅぐちゅ…
ひっきりなしに立っている水っぽい音がさらに締まりの無さを強調している。何より、郁未の方は葉子と違って全裸だ。
「何をしているのかと訊いているのですが」
「………」
2メートルばかり離れた所から葉子が郁未を見下ろす。郁未は呼吸法に不慣れなランナーのようにくっ、と息を詰めて葉子の事を一瞬見上げ、しかしすぐに視線を下ろして自分自身の体を恥ずかしい物であるかのような目で見つめた。
ぐちゅぐちゅぐちゅ。
慣れた手つきが、お椀のように整った乳房とじっとりと濡れそぼった秘部をまさぐる。今日や昨日に始めた行為というわけではない、毎日のように慣れ親しんできた行為だからこそ出来る動きだ。ただし、本来なら当然誰にも見られない所でこっそりと行うべきことである。
しかしこのFARGOの中ではプライベートと言う物は極めて制限されている。郁未や葉子のようにAクラスの人間は個室を持っているが、郁未の部屋には同居人もいるのだ。シャワーもあるが、浴びているときも気分的にはとても独りとは言えない。郁未はFARGOに来て以来、性欲を爆発寸前まで抑え込んできていたのだ。それは事実だ。
「が、我慢できないから」
「何をしているのかと訊いているのですけれど…」
葉子は表情一つ変えず問い続ける。
ちゅぐ…ちゅぐ…
「オ…オナニー」
指の動きを止めずに、郁未は言った。
「あ…あの…葉子さん、そういう言葉知らないのかな…」
「…知っています」
「あ、あ…そうなんだ」
「己の欲望と戦うための、ひとつの試練として。教えを受けました」
「………」
「もっとも、それは男の方の話としてです」
葉子は目を閉じる。
「女性の体を持っている人間が、そういう事をするなど考えられませんから」
「………そ、そうなんだ」
確かに、このFARGOも宗教団体である以上は欲望の制御を教えているのだろう。精子を排泄するという生理的目的すらない自涜が厳しく諌められるのは想像に難くない。いや、今葉子が言ったように、そんな事をするというのが想定されていないという所が本当なのだろう…
「で、でも、私はこういうのが大好きだし…あんまり、悪い事とも思わないし」
「欲望を制御できずに、暴走させてしまう事がですか?」
「他の人に迷惑をかけない事で我慢する必要って…」
「欲望は際限なく膨らんでいきます。今は郁未さんの中で収める事ができていても、明日も…いえ、一時間であろうと、一分であろうと、一秒であろうと、時が経てばいつでも押さえきれなくなり得るのです」
葉子が目を開いた。
空間が、くるりと歪んだ。
「…あぅっ…」
郁未が低い声を出してうめく。
少しだけ、違う姿勢になっていた。膝を立ててぺたんと座っていた状態から、膝を曲げた爪先立ちの状態になっている。野球のキャッチャーがしているような、それよりもっと不安定で恥ずかしい姿勢を郁未はしていた。
しかし、うめきの原因は恥ずかしさではない。
「よ…欲望が膨らめば、こうなる事もあるのです」
葉子は少し息苦しそうな声で言った。タンクトップと下着は身につけたままだったが、郁未の脚の間に入ってきて四つん這いになっている。そのすらっとした鼻先が、ねっとりした液体で濡れていた。一瞬のゆらめきの間に、葉子は郁未に口唇奉仕する姿勢を取っていたのだ。
「あ…ああ…葉子さんっ…」
郁未は脚の付け根の部分が火のように熱くなって、ざわざわとしたものがその周りを駆け抜けるのを感じていた。そこに、葉子の顔が一瞬でも押しつけられていたと思うだけでも何かたまらない感情が郁未を支配していく。
「…あっ」
その時、葉子が前のめりにバランスを崩した。
「あ…ああっ」
郁未は偶然の事かと思ったが、どうも様子がおかしい。葉子は両手を床に突っ張ったまま、焦った顔をしている。葉子の顔と床に突いた手はぶるぶると震えて、よく見ると少しずつ前の方に、郁未の方に動いてきているようだった。
「よ、葉子さん?」
まるで、見えないロープで前に無理矢理引っ張られているかのような…そんな感じだ。
「い、郁未さん、やめてくださいっ…」
「え? べ、別に私は何もしていないけれど…」
「行動だけではないです…郁未さんが、意志する事をやめなければ…っ」
葉子の手の平が、ずずっと前に滑った。
「そうしなければ、私の体を引き寄せようとする力も止まりません…!」
「それって…」
「郁未さん…私の身体に何を感じているのですか!?」
焦っていると同時に、険悪な声だった。
「よ、葉子さんの体…」
キレイだ。
教団の中で、禁欲的な教義の中で、純粋培養されるように育ったに違いない葉子は、郁未が教団の外では見かけたことがないほどにピュアな美しさを持っていた。興奮しきった郁未の体にとっては、交わり合いたくてゾクゾクするような対象だった。
「だ…だめですっ…私は、そんなことはっ!」
葉子が顔を横にそらそうとするが、それすらも何かの力で防がれているようだった。葉子は15度ばかり顔を回転をさせた所で、郁未の欲情した性器から目だけでも必死にそらそうとしている。突っ張った両手の方は、もう郁未の脚の下に入り込みそうな所まで来ていた。
郁未が体を引けば、それで済むはずだ。
後ろを向くだけで、葉子の顔が密着するという事態は避けられるはずなのだ。
で、でも…
葉子さんの体が近づいてくるのが私のせいだなんて、信憑性がないし…それに、私が無理矢理押しつけさせようとするわけじゃなくて、私はただここに座っているだけ…そこに、勝手に葉子さんが顔をつけようとしているだけ…
「だっだめですっ! 郁未さん、何を…」
葉子の顔が引きつる。
私の責任じゃない。
…ぐちゅぅっ!
「あっ…!」
葉子の体は後ろから跳ね飛ばされたように動き、郁未の濡れそぼった部分に葉子の顔面が思い切り押しつけられた。
「くふぅっ…」
郁未は思わず声を漏らす。
さんざん弄くった部分は、ただ顔が押しつけられるだけでも激しい快感をもたらした。ましてや、それが清楚な葉子の顔だとなれば興奮は何倍にもなる。葉子の綺麗な頬が愛液でべっとりと濡れているさまを想像すると、郁未はそれだけで達してしまいそうになった。
「っ…あっ…」
「ううっ…ああーっ…葉子さんっ」
息苦しさからか、葉子の唇が動く感触がある。郁未ははしたない姿勢のまま葉子の頭をつかんで、ぐいぐいと太股で葉子を挟んでいた。自然と腰が前後に揺れ始め、それによって葉子の口が郁未の性器を撫でる。
「あっ…はぁっ…!」
葉子の口の中に、わずかであっても自分の愛液が入ってしまったかもしれないと思うだけで郁未は葉子を犯したような気になってしまった。麻薬を誰かに打ってやったのと同じような気分かもしれない。罪悪感と、無理矢理作り上げた仲間意識が得も言われぬ興奮をもたらすのだ。
「よっ…葉子さん、うっ…気持ちいいっ」
郁未はいやらしく腰をくねらせ、葉子の唇をありったけに感じる。それはほとんどオナニーと変わらない行為だったが、郁未は下手なセックスをしている時よりも気持ちよくなってしまっていた。喩えるなら、好きな男の子の机に秘部をすりつけてオナニーをした経験の時の快感に近い。
「ふわっ…あー…ああっ」
ぎゅう…
太股を思い切り締めつけ、郁未は真っ白な意識の中に放り出された。
「あ…ああ…葉子さん…葉子さぁん…」
天を仰いで、うわごとのように繰り返す。
「これが、あなたの欲望なのですか」
郁未に見えない所で、葉子が言っていた。
「これが、あなたの望むことだと言うなら…あなたは何なのですか」
…なんだろう?
「でも、私はあなたと同じものにされてしまいました。今の行為によって」
………
「十年近くも守ってきたものが、無くなってしまいました」
私なら…十年前は…
「あなたと同じものであって、私がどこに向かえばいいのか…あなたは教えてくれるのですか」
…わからない。
私も、どこに向かいたいのか、確かめるためにこの教団に来たんだから…
「期待はしていません、全くしていません」
確かめるためにここに来て…あいつのせいで、オナニーも満足にできないで…
「あなたに、私の気持ちがわかりますか?」
どうだろう…
わかるような…気もするんだけどな…
そう思った時、意識は闇の中に落ちていった。
「………」
(うわぁ…)
由依は思わず唾を飲み込んでいた。頬が赤くなってしまったのが自分でもわかる。
その理由は、由依が覗いているものだった。皓々と電気がつけられた部屋のドアの、ほんの少しの隙間。その廊下側。由依はその隙間に片目を当てて、中を興味津々の様子で見ている。隙間はわずかだったが、部屋全体を見渡すのに十分なだけの視界は確保できていた。
それから聴覚。かしゅかしゅかしゅ…と、何かをこするような音は由依の耳にもしっかりと届いてきている。そして、ぬち、にちゅっという妖しげな音もそれに交じっている。さらに、何かに必死で取り組んでいるような速い呼吸音も聞こえてくる。
(これってやっぱり…)
由依の頬を、つつっと汗がつたった。
郁未の体はちょうど由依に背を向けている状態だった。そして、何一つとして身に服を纏ってはいなかった。スレンダーなボディラインと滑らかな黒髪を惜しげもなく蛍光灯の白い光の下に晒している。その足元に、郁未の服が乱暴に脱ぎ捨てられていた。さっき由依が郁未とご飯を食べた時にも着ていた、タンクトップとスカートだ。それからブラジャーとショーツだ。郁未がどうやってそれらを脱いでいったのかが想像できるくらいに生々しい形で床に散らばっていた。
もちろん、由依は最初見たときに「郁未さん、現在着替え中」という言葉を頭に浮かべた。しかし10秒経ち、20秒経っても郁未が同じ姿勢を保っているのを見れば、着替えにしては不自然過ぎる事は明白である。それに、郁未の手の位置は着替えようとしているにしてはどう考えても変な位置にある。由依に見えているのは背中だけだったから、体の前に回された手がどの辺りに当たっているのか断定することは出来なかった。
(えっと…でも、でも、あれわ)
由依の脳裏には、一つの想像しか浮かんでこない。
(あっ)
その時、由依はひとつの記憶に思い当たった。由依は郁未の部屋に一回だけ入った事がある。その時の家具の配置からすると、郁未は現在壁に掛けられた大きな鏡に向かって立っているはずだった。少し目の位置をずらせるようにすれば、見えるかもしれない。
き、き、きぃっ…
(あっ…)
由依はこっそりとドアの隙間を大きくしようとしたが、思ったよりも大きなきしみの音がした。由依は息をひそめて身を固くする。
「………」
(よかった…気づいてない)
胸を撫で下ろし、詰めていた息を小分けに吐き出しながら由依は少しだけ視線を横にずらした。
(あ…い、郁未さん、してるっ)
鏡の反射に映し出されていたのは、やはり由依の想像したとおりの光景だ。角度の関係で部分的にしか見えなかったが、郁未の手が胸と秘部に当てられてせわしなく動いているのだけは間違いない。
何より、鏡に映った自像を見つめる視線がおかしかった。血走ったような惚けたような目。由依の経験した事がある、襲いかかってくるような凶悪な欲望の目とも違う。由依には形容できなかったが、何か間違っているような、見てはいけないような目だった。
(郁未…さん)
由依はどうしたものか迷う。プライバシーの事として見なかった事にするのか、郁未のおかしい様子を気遣って見ているべきなのか、ただの好奇心で見続けていてもいいのか。由依の中では、どの感情が突出しているわけでもない。強いて言えば、何か変な声が聞こえてくる部屋をのぞき込もうとしたのは好奇心のためだろう。
だが、今の郁未を見ていると、やはりどこか、おかしい…
「…え゛」
(え)
郁未の手が止まる。
「わっ、わっ、わわわわわわわわわわっ!!? 由依っ!?」
「え、あの、わ、私じゃありませんっ! じゃ、じゃないや、えーとっ、あの…ごめんなさいっ!」
がんっ。
「い…いたいぃ…」
由依は慌てて頭を下げて、半開きのドアに思い切り頭をぶつけた。
その衝撃でドアがふらりと開き、郁未の肢体の全てが由依の視界の中に入ってくる。郁未が胸と秘部に手を当てているのは変わっていなかったが、それは隠しているからであって、由依がいるとわかったのに変な事を続けているわけではない。
「あ、あの、これはね、これはね、これわね、由依」
「は、はいっ…」
郁未が上げた声に、由依は思わず身を引き締めて次の言葉を待つ。
『………』
『………………』
『………………………』
「あ、あのね、由依、そんな真剣な顔しなくても…」
由依の大きな瞳から放たれる強い視線に、郁未は困惑してしまったようだった。
「は…はい」
いつの間にか普段通りの表情と声に戻っている郁未に、由依も毒気が抜かれたような顔になる。
「これは…」
「はい」
「これはぁ…」
「はい」
「これはっ……」
郁未は適当な言葉で誤魔化そうとしたが、そんな適当な言葉があるわけがない。自分の行為を指示語対象としてしまった結果、そこから全く抜け出せなくなる。
「…はい」
沈黙してしまった郁未に、5秒ほど遅れて由依がまた相槌を打った。
『……………』
場の空気がどんどん気まずくなってくる。何と言っても、由依の方はフォローのしようがない所が問題だった。由依は悪夢的な性体験を経た事はあっても、気持ちいい性体験など知らないのだ。そんな由依に郁未の行為を感情のレベルで理解しろと言うのは無理な注文だ。
かと言って、由依は論理的なフォローをきちんとこなせるような人間ではない。だが郁未自身が論理的なフォローをするほど間抜けな事もないだろう。かくして、どうしようもない沈黙がひたすらに二人の間を覆っていった。
「…由依がいけないのよっ!!」
と、そんな論理を自分の中で展開させた結果、思わず郁未は叫んでいた。
「は、はいっ?」
「…いや…なんでもないわ…」
「え、え?」
由依はぱちくりと目をしばたたかせる。
「あの、私が何か…あ、覗いたことは謝りますけどぉっ…」
「なんでもないわよ…ほんっっとうになんでもないから、気にしないで」
「は、はぁ」
うなずきながら、由依はとりあえず郁未が困っている事だけは理解した。
「え、えっと、郁未さん」
「…なに?」
「やっぱり、気持ちいいんですか? そういうのって」
「……………」
「あ、なんだか…郁未さんが、すごく気持ちよさそうな顔していたから…思ったんですけど」
由依はぎごちなく笑いながら、あまり思ってもいない事を言った。
「…そりゃあ、気持ち悪ければしないわよ」
「あ、あはっ、そうですよね」
意外とストレートに返してくる郁未に、由依はまた小さな汗を頬に伝わせる。ますます会話が収束出来なくなったようだった。
「由依はしないの?」
「そ、そんな、私はしませんよぉ」
3つめの汗が伝った。由依はぱたぱたと小さな手を振りながら後ろに一歩下がる。
「ふぅん…」
郁未が一歩前に出てくる。
「み、見えちゃってますよっ…」
同時に郁未は手で体を隠すことをやめていた。由依が慌て気味の声で指摘するが、郁未は特に気にする素振りも見せない。それどころか、その由依の動揺を引き金にしたかのように廊下の由依に向かってすたすたと歩み寄ってくる。
「あ、あの、郁未さん…もしもーし?」
由依は言いながらさらに後ろに下がろうとしたが、そこはもう壁だった。
「………」
郁未は無言でどんどん由依の方に近づいてくる。態度が急変した郁未は、表情も段々変わりつつあるようだった。由依がいる事に気づいた時に日常の顔に戻ったのと、ちょうど逆の変化が起こっている。
由依はどこでそんな変化をもたらしてしまったのか理解できなかった。どこかにターニングポイントがあったはずだったのだが、自分ではよくわからない。だが、由依の何かしらの行動や言葉が郁未の何かに反応してしまったのは確かなようだ。ついさっきまでは可笑しいほどに動揺していた郁未が、今は座った目をして由依の方に近づいてきているのだから。
「い、郁未さん、気を確かに」
身の危険すら由依は感じ始めていたが、逃げようがない。由依はこの天沢家に3日前から居候しているのだから。他にどこにも行きようがない。しかし、そんな境遇に思いを馳せるヒマもなく郁未は刻一刻と由依に近づきつつあった。
「…由依」
「は、はいっ、なんですかぁっ?」
由依はできるだけ自然に、かつ少し甘えるようなニュアンスを含ませて返事する。普段からそういうしゃべり方を貫いている由依だからこそ出来るような芸当だ。
「こっちに、いらっしゃい」
「え…あの、ちょっと」
誤魔化し笑いを浮かべたまま、由依はまた頬に汗の珠を浮かべた。
「いいから」
郁未の手が、由依の手をつかんで軽くひっぱる。
「うぅ…わかりました」
びくびくしながら、由依はその手に従って郁未の部屋の中に入っていく。
向こうに見える鏡には、見るからに動揺している由依自身の姿が映っていた。郁未の顔は、さっき由依がのぞいていたときに鏡に映っていた顔に似てきたような気がする。
かちゃん。
「あ」
郁未は、家には二人しか住んでいないというのにわざわざ部屋のドアをぴったりと閉めた。由依はますます不安を募らせる。
「由依…」
「は、はい」
郁未の方が裸で由依がきちんと服を着ている状態なのに、まるで逆のようだ。
「由依、やっぱりこういうのを見ると何となく嫌だって思っちゃうんでしょう?」
「べ、別に郁未さんがそういう事をするのは自由だと思いますし、郁未さんの事を嫌いになったりしませんよ?」
「そうじゃないわ。つまり、自分でこういう事をするなんて、夢にも思わないんじゃない?」
「そ、それは、あんまり思いませんけど」
「由依は、こういう事にいい想い出を一つも持っていないから、そうなっちゃうんじゃないかと思うの」
「は…はぁ、そうなんですかねぇ…」
自慰をするのが普通の女の子なのか、どうなのか、自分のトラウマがそれに影響しているのか、どうなのか、由依は判断しかねた。ただ、何とはなしに身の危険が高まったような気がした。
「辛いのはわかるけれど、逃げてばかりじゃいつまで経ってもそれを克服することはできないわ」
「う…は、はい」
まがりなりにも正論だ。由依は上手い逃げの理由を引っぱり出すことができなかった。テレビでしょっちゅう流れている、レイプのトラウマについての番組を由依は密かに呪った。
「ねぇ、由依…服を脱いで」
「い、郁未さん」
「こういう事がどういう物なのか、歪んだ形ではなく知ることが出来れば由依も辛い記憶に立ち向かいやすくなるだろうし、男の子にも近づきやすくなるわ。そうすれば、辛い記憶をきちんと忘れ去る事もできるはずよ」
「は、はい」
由依は確かに異性と話すのが苦手だが、それはどちらかというと女子校育ちに起因していると由依自身は思っている。レイプがそれに拍車を掛けたのではないかと言われれば、そうかもしれない。そうかもしれないが…
「私は、真剣よ」
「…ええ」
とりあえず、たぶん、郁未の今の言葉は事実だ。
由依は内心涙しつつも、郁未の家に何から何まで世話になっているという事実の前では、郁未に無理矢理逆らおうとも思えなかった。
…しゅる。
シャツを脱いで、スカートを脱いで、ブラジャーを取って、ショーツを取る…
由依は、ひとつ脱ぐ度にそれをきちんと床に畳んだ。郁未の脱いだ服は、相変わらず向こうに乱れた形で散らばっている。それだけでも、二人の立場の差が出てきているように見えた。
「ぬ、脱ぎました」
華奢な裸体を手で隠しながら、由依は報告する。郁未は舐めるように由依の体を頭から爪先まで見ると、まずは由依の小ぶりな胸に手を伸ばした。
「リラックスして」
「はい…」
由依の手をどかして、郁未の手が乳房に触れる。郁未はそこをさわさわと感触を確かめるように手の平で転がしてから、口を先端の部分につけた。
ちゅっ…ちゅる。
小さな突起を唇で包み込んで、飴玉のように何度も何度も舐めていく。さらに舌先でねとねととした愛撫を加える。片方を舐めている間はもう片方の手が吸い付くように逆の乳房を揉んでいた。交互に繰り返していく間に、由依の小さな胸はすっかり唾液に濡れてしまう。わずかながら、小粒の乳頭が勃起して粟立ち始める。
「ん…」
しばらくすると、郁未は口を離す。そして、由依の事を少し責めるような目で見上げた。どうやら、由依があまりに冷静なのが気に入らないらしい。かと言って由依はどう反応する事も出来ず、郁未から目を少しだけそらすしかなかった。
ふぅーっ…
郁未がやれやれとでも言いたそうなため息を吐き出す。そして、由依の体に全身を絡みつかせるようにして体の位置を少しずつ下に下げていった。由依はお腹や脇腹を郁未の髪にくすぐられ、背中を回された腕で濃厚に愛撫され、郁未の熱くなり始めた吐息をいたる所に吹きかけられ、困惑した表情を浮かべる。どんどん緊張が高まってくる。
「あ…郁未さん…」
最後に郁未はすとんと膝を床に落として、自分の顔を一気に由依の性器に押しつけるところまで来た。ヒップを思い切り抱えられ、脚に郁未の裸身をぴったりと押しつけられ、由依は一段と不安を高まらせる。
郁未は鼻を由依の秘裂に何度かこすりつけるようにしてから、
……ぺろ…
やや勿体ぶった様子で、舌を差し込んできた。
なまあたたかな粘体の感触が変な所に生まれる。由依は反射的に腰を動かしそうになったが、しっかりと郁未が抱え込んでいるためにほとんど動かすことは出来なかった。
べろんっ…んちゅぅぅっ…
秘裂の底を思い切り舐め上げてから、唇で強力に吸引される。真空のできる音と、それが解放される肉体的な音。
べろ…ちゅううううぅぅっ…
郁未は、しばらくの間それを繰り返した。由依の、あまり起伏のない媚肉が郁未の唾液に濡れていく。由依はそれをただじっと見ていた。どう反応すればいいのかわからない。とりあえず、今のままでは郁未の唇が変な所を吸っているというだけでしかない。
固い物が膣孔の近くに当てられたりすれば由依も恐怖を感じるのかも知れないが、柔らかくてあたたかな物が当てられているというだけでは特に恐怖も不快感も感じなかった。恥ずかしいという事と、
(ど、どうやったら郁未さん満足してくれるんだろう…)
その二点を由依は一生懸命考えていた。しかし名案は浮かばない。二回も男の性器を受け入れさせられたにも拘わらず、全く優しく扱ってもらえなかった由依の性感は完全に未開発なのだ。知らないものを感じようとするわけにもいかない。だが、郁未は、やはり性器を執拗に舐め続けていた。
由依が郁未に、このまましていても無駄なような気がするという事を告げようとした瞬間、
べろん…ちゅうっ
郁未は突然動きを止めた。
諦めたのかと思った瞬間、由依を妙な感覚が襲う。
ちろちろちろ…ちろちろっ
郁未の舌は、今までと違って蛇のように小刻みに一箇所をくすぐり始めていた。刺激自体はさっきに比べて小さい。
ちろちろ…ちゅっ。
(な…なんだろう、これ)
軽い吸い上げを食った瞬間、由依はぴりっと不思議な感覚が背筋を駆け昇るのを感じた。
ちろちろちろ…
郁未は、そこばかりをひたすらに舐め続けている。由依はなぜそこばかりを郁未が舐めるのかわからなかったが、次第に郁未の舌が自分の性器の一点に引っかかるような感触があるのに気づき始めた。どうやら、そこだけポツンと点のような粒があるらしいという事を由依は理解する。
ちろっ、ちろっ、ちゅう…ちゅう
(気持ちいい…)
由依も、それが快感だと認識することが出来た。由依にとっては、生まれて初めての性感の体験だ。由依はそれを恥ずかしいと思ったり嬉しいと思ったりするより、不思議な気分になった。体の一部を刺激されるだけで気持ちよくなれるというのは、言葉で聞いて知っていても、由依にとってはあまり本当らしく感じられなかったのだ。
知らず知らずの内に、由依は口を半開きにして、少し呼吸を荒くしていた。乱暴な陵辱しか経験したことのない膣孔も、半分開いたようになって透明な液体をわずかにとろかせていた。
(あ…)
十分ばかりもそうされていると、不意に由依の意識がくらっと揺らめく。
…ピク、ピク
由依は、郁未の口の当たっている辺りをかすかに痙攣させた。微細ながらも、それは由依の体験した生まれて初めてのエクスタシーだ。
…ぺろ。
郁未は、外に出てきていた透明な液体をひと舐めで全てすくい取ると、由依に密着していた体を離す。
「…どうだった?」
「なんだか…不思議な気分でした」
「気持ちよかったでしょ?」
「そうかもしれません」
「また今度してあげるわよ。今度はもっとたくさんね」
「は、はぁ…ありがとうございます」
郁未のずっと由依の性器に押しつけていて憔悴したように見える顔を見ていると、由依は郁未の意識がどのような所にあるのかよくわからなくなってしまった。
「それまで我慢できなかったら、ひとりでするのよ」
「し、しませんよ、そんなの」
「ふふ…そう」
妙な笑い。由依は少しだけ口を尖らせてから、そそくさと服を身につけ始めた。
(うわぁ…)
由依は思わず唾を飲み込んでいた。頬が赤くなってしまったのが自分でもわかる。
その理由は、由依が覗いているものだった。皓々と電気がつけられた部屋のドアの、ほんの少しの隙間。その廊下側。由依はその隙間に片目を当てて、中を興味津々の様子で見ている。隙間はわずかだったが、部屋全体を見渡すのに十分なだけの視界は確保できていた。
それから聴覚。かしゅかしゅかしゅ…と、何かをこするような音は由依の耳にもしっかりと届いてきている。そして、ぬち、にちゅっという妖しげな音もそれに交じっている。さらに、何かに必死で取り組んでいるような速い呼吸音も聞こえてくる。
(これってやっぱり…)
由依の頬を、つつっと汗がつたった。
郁未の体はちょうど由依に背を向けている状態だった。そして、何一つとして身に服を纏ってはいなかった。スレンダーなボディラインと滑らかな黒髪を惜しげもなく蛍光灯の白い光の下に晒している。その足元に、郁未の服が乱暴に脱ぎ捨てられていた。さっき由依が郁未とご飯を食べた時にも着ていた、タンクトップとスカートだ。それからブラジャーとショーツだ。郁未がどうやってそれらを脱いでいったのかが想像できるくらいに生々しい形で床に散らばっていた。
もちろん、由依は最初見たときに「郁未さん、現在着替え中」という言葉を頭に浮かべた。しかし10秒経ち、20秒経っても郁未が同じ姿勢を保っているのを見れば、着替えにしては不自然過ぎる事は明白である。それに、郁未の手の位置は着替えようとしているにしてはどう考えても変な位置にある。由依に見えているのは背中だけだったから、体の前に回された手がどの辺りに当たっているのか断定することは出来なかった。
(えっと…でも、でも、あれわ)
由依の脳裏には、一つの想像しか浮かんでこない。
(あっ)
その時、由依はひとつの記憶に思い当たった。由依は郁未の部屋に一回だけ入った事がある。その時の家具の配置からすると、郁未は現在壁に掛けられた大きな鏡に向かって立っているはずだった。少し目の位置をずらせるようにすれば、見えるかもしれない。
き、き、きぃっ…
(あっ…)
由依はこっそりとドアの隙間を大きくしようとしたが、思ったよりも大きなきしみの音がした。由依は息をひそめて身を固くする。
「………」
(よかった…気づいてない)
胸を撫で下ろし、詰めていた息を小分けに吐き出しながら由依は少しだけ視線を横にずらした。
(あ…い、郁未さん、してるっ)
鏡の反射に映し出されていたのは、やはり由依の想像したとおりの光景だ。角度の関係で部分的にしか見えなかったが、郁未の手が胸と秘部に当てられてせわしなく動いているのだけは間違いない。
何より、鏡に映った自像を見つめる視線がおかしかった。血走ったような惚けたような目。由依の経験した事がある、襲いかかってくるような凶悪な欲望の目とも違う。由依には形容できなかったが、何か間違っているような、見てはいけないような目だった。
(郁未…さん)
由依はどうしたものか迷う。プライバシーの事として見なかった事にするのか、郁未のおかしい様子を気遣って見ているべきなのか、ただの好奇心で見続けていてもいいのか。由依の中では、どの感情が突出しているわけでもない。強いて言えば、何か変な声が聞こえてくる部屋をのぞき込もうとしたのは好奇心のためだろう。
だが、今の郁未を見ていると、やはりどこか、おかしい…
「…え゛」
(え)
郁未の手が止まる。
「わっ、わっ、わわわわわわわわわわっ!!? 由依っ!?」
「え、あの、わ、私じゃありませんっ! じゃ、じゃないや、えーとっ、あの…ごめんなさいっ!」
がんっ。
「い…いたいぃ…」
由依は慌てて頭を下げて、半開きのドアに思い切り頭をぶつけた。
その衝撃でドアがふらりと開き、郁未の肢体の全てが由依の視界の中に入ってくる。郁未が胸と秘部に手を当てているのは変わっていなかったが、それは隠しているからであって、由依がいるとわかったのに変な事を続けているわけではない。
「あ、あの、これはね、これはね、これわね、由依」
「は、はいっ…」
郁未が上げた声に、由依は思わず身を引き締めて次の言葉を待つ。
『………』
『………………』
『………………………』
「あ、あのね、由依、そんな真剣な顔しなくても…」
由依の大きな瞳から放たれる強い視線に、郁未は困惑してしまったようだった。
「は…はい」
いつの間にか普段通りの表情と声に戻っている郁未に、由依も毒気が抜かれたような顔になる。
「これは…」
「はい」
「これはぁ…」
「はい」
「これはっ……」
郁未は適当な言葉で誤魔化そうとしたが、そんな適当な言葉があるわけがない。自分の行為を指示語対象としてしまった結果、そこから全く抜け出せなくなる。
「…はい」
沈黙してしまった郁未に、5秒ほど遅れて由依がまた相槌を打った。
『……………』
場の空気がどんどん気まずくなってくる。何と言っても、由依の方はフォローのしようがない所が問題だった。由依は悪夢的な性体験を経た事はあっても、気持ちいい性体験など知らないのだ。そんな由依に郁未の行為を感情のレベルで理解しろと言うのは無理な注文だ。
かと言って、由依は論理的なフォローをきちんとこなせるような人間ではない。だが郁未自身が論理的なフォローをするほど間抜けな事もないだろう。かくして、どうしようもない沈黙がひたすらに二人の間を覆っていった。
「…由依がいけないのよっ!!」
と、そんな論理を自分の中で展開させた結果、思わず郁未は叫んでいた。
「は、はいっ?」
「…いや…なんでもないわ…」
「え、え?」
由依はぱちくりと目をしばたたかせる。
「あの、私が何か…あ、覗いたことは謝りますけどぉっ…」
「なんでもないわよ…ほんっっとうになんでもないから、気にしないで」
「は、はぁ」
うなずきながら、由依はとりあえず郁未が困っている事だけは理解した。
「え、えっと、郁未さん」
「…なに?」
「やっぱり、気持ちいいんですか? そういうのって」
「……………」
「あ、なんだか…郁未さんが、すごく気持ちよさそうな顔していたから…思ったんですけど」
由依はぎごちなく笑いながら、あまり思ってもいない事を言った。
「…そりゃあ、気持ち悪ければしないわよ」
「あ、あはっ、そうですよね」
意外とストレートに返してくる郁未に、由依はまた小さな汗を頬に伝わせる。ますます会話が収束出来なくなったようだった。
「由依はしないの?」
「そ、そんな、私はしませんよぉ」
3つめの汗が伝った。由依はぱたぱたと小さな手を振りながら後ろに一歩下がる。
「ふぅん…」
郁未が一歩前に出てくる。
「み、見えちゃってますよっ…」
同時に郁未は手で体を隠すことをやめていた。由依が慌て気味の声で指摘するが、郁未は特に気にする素振りも見せない。それどころか、その由依の動揺を引き金にしたかのように廊下の由依に向かってすたすたと歩み寄ってくる。
「あ、あの、郁未さん…もしもーし?」
由依は言いながらさらに後ろに下がろうとしたが、そこはもう壁だった。
「………」
郁未は無言でどんどん由依の方に近づいてくる。態度が急変した郁未は、表情も段々変わりつつあるようだった。由依がいる事に気づいた時に日常の顔に戻ったのと、ちょうど逆の変化が起こっている。
由依はどこでそんな変化をもたらしてしまったのか理解できなかった。どこかにターニングポイントがあったはずだったのだが、自分ではよくわからない。だが、由依の何かしらの行動や言葉が郁未の何かに反応してしまったのは確かなようだ。ついさっきまでは可笑しいほどに動揺していた郁未が、今は座った目をして由依の方に近づいてきているのだから。
「い、郁未さん、気を確かに」
身の危険すら由依は感じ始めていたが、逃げようがない。由依はこの天沢家に3日前から居候しているのだから。他にどこにも行きようがない。しかし、そんな境遇に思いを馳せるヒマもなく郁未は刻一刻と由依に近づきつつあった。
「…由依」
「は、はいっ、なんですかぁっ?」
由依はできるだけ自然に、かつ少し甘えるようなニュアンスを含ませて返事する。普段からそういうしゃべり方を貫いている由依だからこそ出来るような芸当だ。
「こっちに、いらっしゃい」
「え…あの、ちょっと」
誤魔化し笑いを浮かべたまま、由依はまた頬に汗の珠を浮かべた。
「いいから」
郁未の手が、由依の手をつかんで軽くひっぱる。
「うぅ…わかりました」
びくびくしながら、由依はその手に従って郁未の部屋の中に入っていく。
向こうに見える鏡には、見るからに動揺している由依自身の姿が映っていた。郁未の顔は、さっき由依がのぞいていたときに鏡に映っていた顔に似てきたような気がする。
かちゃん。
「あ」
郁未は、家には二人しか住んでいないというのにわざわざ部屋のドアをぴったりと閉めた。由依はますます不安を募らせる。
「由依…」
「は、はい」
郁未の方が裸で由依がきちんと服を着ている状態なのに、まるで逆のようだ。
「由依、やっぱりこういうのを見ると何となく嫌だって思っちゃうんでしょう?」
「べ、別に郁未さんがそういう事をするのは自由だと思いますし、郁未さんの事を嫌いになったりしませんよ?」
「そうじゃないわ。つまり、自分でこういう事をするなんて、夢にも思わないんじゃない?」
「そ、それは、あんまり思いませんけど」
「由依は、こういう事にいい想い出を一つも持っていないから、そうなっちゃうんじゃないかと思うの」
「は…はぁ、そうなんですかねぇ…」
自慰をするのが普通の女の子なのか、どうなのか、自分のトラウマがそれに影響しているのか、どうなのか、由依は判断しかねた。ただ、何とはなしに身の危険が高まったような気がした。
「辛いのはわかるけれど、逃げてばかりじゃいつまで経ってもそれを克服することはできないわ」
「う…は、はい」
まがりなりにも正論だ。由依は上手い逃げの理由を引っぱり出すことができなかった。テレビでしょっちゅう流れている、レイプのトラウマについての番組を由依は密かに呪った。
「ねぇ、由依…服を脱いで」
「い、郁未さん」
「こういう事がどういう物なのか、歪んだ形ではなく知ることが出来れば由依も辛い記憶に立ち向かいやすくなるだろうし、男の子にも近づきやすくなるわ。そうすれば、辛い記憶をきちんと忘れ去る事もできるはずよ」
「は、はい」
由依は確かに異性と話すのが苦手だが、それはどちらかというと女子校育ちに起因していると由依自身は思っている。レイプがそれに拍車を掛けたのではないかと言われれば、そうかもしれない。そうかもしれないが…
「私は、真剣よ」
「…ええ」
とりあえず、たぶん、郁未の今の言葉は事実だ。
由依は内心涙しつつも、郁未の家に何から何まで世話になっているという事実の前では、郁未に無理矢理逆らおうとも思えなかった。
…しゅる。
シャツを脱いで、スカートを脱いで、ブラジャーを取って、ショーツを取る…
由依は、ひとつ脱ぐ度にそれをきちんと床に畳んだ。郁未の脱いだ服は、相変わらず向こうに乱れた形で散らばっている。それだけでも、二人の立場の差が出てきているように見えた。
「ぬ、脱ぎました」
華奢な裸体を手で隠しながら、由依は報告する。郁未は舐めるように由依の体を頭から爪先まで見ると、まずは由依の小ぶりな胸に手を伸ばした。
「リラックスして」
「はい…」
由依の手をどかして、郁未の手が乳房に触れる。郁未はそこをさわさわと感触を確かめるように手の平で転がしてから、口を先端の部分につけた。
ちゅっ…ちゅる。
小さな突起を唇で包み込んで、飴玉のように何度も何度も舐めていく。さらに舌先でねとねととした愛撫を加える。片方を舐めている間はもう片方の手が吸い付くように逆の乳房を揉んでいた。交互に繰り返していく間に、由依の小さな胸はすっかり唾液に濡れてしまう。わずかながら、小粒の乳頭が勃起して粟立ち始める。
「ん…」
しばらくすると、郁未は口を離す。そして、由依の事を少し責めるような目で見上げた。どうやら、由依があまりに冷静なのが気に入らないらしい。かと言って由依はどう反応する事も出来ず、郁未から目を少しだけそらすしかなかった。
ふぅーっ…
郁未がやれやれとでも言いたそうなため息を吐き出す。そして、由依の体に全身を絡みつかせるようにして体の位置を少しずつ下に下げていった。由依はお腹や脇腹を郁未の髪にくすぐられ、背中を回された腕で濃厚に愛撫され、郁未の熱くなり始めた吐息をいたる所に吹きかけられ、困惑した表情を浮かべる。どんどん緊張が高まってくる。
「あ…郁未さん…」
最後に郁未はすとんと膝を床に落として、自分の顔を一気に由依の性器に押しつけるところまで来た。ヒップを思い切り抱えられ、脚に郁未の裸身をぴったりと押しつけられ、由依は一段と不安を高まらせる。
郁未は鼻を由依の秘裂に何度かこすりつけるようにしてから、
……ぺろ…
やや勿体ぶった様子で、舌を差し込んできた。
なまあたたかな粘体の感触が変な所に生まれる。由依は反射的に腰を動かしそうになったが、しっかりと郁未が抱え込んでいるためにほとんど動かすことは出来なかった。
べろんっ…んちゅぅぅっ…
秘裂の底を思い切り舐め上げてから、唇で強力に吸引される。真空のできる音と、それが解放される肉体的な音。
べろ…ちゅううううぅぅっ…
郁未は、しばらくの間それを繰り返した。由依の、あまり起伏のない媚肉が郁未の唾液に濡れていく。由依はそれをただじっと見ていた。どう反応すればいいのかわからない。とりあえず、今のままでは郁未の唇が変な所を吸っているというだけでしかない。
固い物が膣孔の近くに当てられたりすれば由依も恐怖を感じるのかも知れないが、柔らかくてあたたかな物が当てられているというだけでは特に恐怖も不快感も感じなかった。恥ずかしいという事と、
(ど、どうやったら郁未さん満足してくれるんだろう…)
その二点を由依は一生懸命考えていた。しかし名案は浮かばない。二回も男の性器を受け入れさせられたにも拘わらず、全く優しく扱ってもらえなかった由依の性感は完全に未開発なのだ。知らないものを感じようとするわけにもいかない。だが、郁未は、やはり性器を執拗に舐め続けていた。
由依が郁未に、このまましていても無駄なような気がするという事を告げようとした瞬間、
べろん…ちゅうっ
郁未は突然動きを止めた。
諦めたのかと思った瞬間、由依を妙な感覚が襲う。
ちろちろちろ…ちろちろっ
郁未の舌は、今までと違って蛇のように小刻みに一箇所をくすぐり始めていた。刺激自体はさっきに比べて小さい。
ちろちろ…ちゅっ。
(な…なんだろう、これ)
軽い吸い上げを食った瞬間、由依はぴりっと不思議な感覚が背筋を駆け昇るのを感じた。
ちろちろちろ…
郁未は、そこばかりをひたすらに舐め続けている。由依はなぜそこばかりを郁未が舐めるのかわからなかったが、次第に郁未の舌が自分の性器の一点に引っかかるような感触があるのに気づき始めた。どうやら、そこだけポツンと点のような粒があるらしいという事を由依は理解する。
ちろっ、ちろっ、ちゅう…ちゅう
(気持ちいい…)
由依も、それが快感だと認識することが出来た。由依にとっては、生まれて初めての性感の体験だ。由依はそれを恥ずかしいと思ったり嬉しいと思ったりするより、不思議な気分になった。体の一部を刺激されるだけで気持ちよくなれるというのは、言葉で聞いて知っていても、由依にとってはあまり本当らしく感じられなかったのだ。
知らず知らずの内に、由依は口を半開きにして、少し呼吸を荒くしていた。乱暴な陵辱しか経験したことのない膣孔も、半分開いたようになって透明な液体をわずかにとろかせていた。
(あ…)
十分ばかりもそうされていると、不意に由依の意識がくらっと揺らめく。
…ピク、ピク
由依は、郁未の口の当たっている辺りをかすかに痙攣させた。微細ながらも、それは由依の体験した生まれて初めてのエクスタシーだ。
…ぺろ。
郁未は、外に出てきていた透明な液体をひと舐めで全てすくい取ると、由依に密着していた体を離す。
「…どうだった?」
「なんだか…不思議な気分でした」
「気持ちよかったでしょ?」
「そうかもしれません」
「また今度してあげるわよ。今度はもっとたくさんね」
「は、はぁ…ありがとうございます」
郁未のずっと由依の性器に押しつけていて憔悴したように見える顔を見ていると、由依は郁未の意識がどのような所にあるのかよくわからなくなってしまった。
「それまで我慢できなかったら、ひとりでするのよ」
「し、しませんよ、そんなの」
「ふふ…そう」
妙な笑い。由依は少しだけ口を尖らせてから、そそくさと服を身につけ始めた。
ちゃぷん…
「あははーっ、なんだかぬるぬるしますね」
「そのままだと、ちょっとまずいかと思ったから。あれをぶちこんでみたんだ」
祐一は湯船の中から、浴室の隅に置かれたカゴ型のゴミ入れを指さす。そこにはピンク色をした空のチューブが入っていた。中身はすっかり絞り出されているが、少し残っている中身はねっとりした感触が予想される形状でチューブの中にこびりついている。
「なんだか不思議な感じですね」
「そうだな」
佐祐理の朗らかな声が浴室にこだまする。まるで子供同士が二人で風呂に入っているような声質だ。それに加えて、じっと入っていると寒く感じてきそうなほどにぬるい湯の温度がふわふわとした雰囲気に拍車を掛ける。
だが、そんな雰囲気の中にピンと緊張を作り出しているかのように祐一のペニスは湯の中で固く勃起していた。水滴をはじくような滑らかな佐祐理の肌と、ペパーミントグリーンのタオルでしっとりとまとめられた髪を見ているだけでも祐一の興奮はどんどん高まっていく。普段性交する時にも見ている乾いた肌や、さらさらと揺れる長い髪とちょっと違うだけでも新鮮なものが感じられた。
ちゃぷ…
「もう、したくてたまらないって感じですね」
「…そうだな」
佐祐理が湯の中に手を入れて、波紋に揺らめいて見える祐一のペニスをマッサージするような手つきでまさぐる。水面上からはぼやけて見える手の動きも、祐一のペニスにとっては大胆でスピードに乗った愛撫だ。手で覆ってぐりぐりと揉むような刺激のため、水の重みもほとんど感じさせない軽やかな指さばきだった。
「気持ちいいですか?」
「うん、すごく…佐祐理さんも、あそこ俺の方に出してよ」
「はい…」
少しだけ顔を赤くしながら、佐祐理は湯の中で脚を開いて祐一の身体により近づいていった。二人が入っても多少の余裕はある浴槽だ。佐祐理はちゃぷ…ちゃぷんと音を立てて、ゆらりと泳ぐように祐一に身を寄せていく。陰毛が誘うように揺れていた。
祐一は粘りのある湯をかき分けるような勢いで、佐祐理の秘部に指を伸ばしていく。ざばあっ…と音が立って、水面が勢い良く波立った。跳ねた水が、二人の顔にぽつぽつと降りかかる。真水と違ってさらりとしていない液体は粘っこく宙を飛び、顔に付着するとわずかながら透明な糸を引いて垂れた。
「……」
にゅる…
「あ…」
佐祐理の秘部に祐一の手が滑り込むと、小さな声が漏れる。指先に感じられるぬめり方は、佐祐理がしとどに濡れた時とも違っていた。どこを触っても均一にぬめっていて、自分の手まで同じように均一にぬめっている。秘核に指を伸ばすと、やはりそこも同じようにぬめっていた。
そして二人は、互いの敏感な所を手で思うがままに愛撫する。無限に等しいぬめりが、普段出来ないような大胆な動きを可能にしていた。
「はぁ…祐一さんの指、素敵です」
「佐裕理さんこそ、すごいねちっこくて上手いよ」
「あははっ、祐一さんこそ佐祐理の弱いところばかり触ってて…えっちです」
「佐裕理さんがエッチだから、ここを触ってるとそんなに感じちゃうんだろ?」
祐一はふと思いついて、佐祐理の秘裂を大きく割り広げる。そこに、逆の手で湯をうちわのように扇いで断続的な水流を当て始めた。佐祐理の秘部に、粘り気のあるぬるま湯の圧力が幾度も掛かっては消えていく。
「あ…あっ…ああ…」
水流によって陰毛は激しく揺れ動いていたが、秘部の中には微妙な刺激しか加わらない。決して小さな刺激ではないが、当たる面が拡散してしまっているために佐祐理は快感と非快感の狭間を往復させられた。秘核に勢い良く水流が当たればじんわりとした快感が生まれるが、そうでなければ生ぬるい感触が股間に生まれるに過ぎない。そのいずれであっても、刺激はとても十分とは言えない。
「ふっ…ああ…祐一さんっ…意地悪しないでください」
佐祐理は、水流の刺激に反応しては操り人形のように身体をくねらせていた。祐一のペニスを愛撫する動きは完全に止まって、潤み始めた目で祐一のことを見つめる。だが逃げる様子は一向に見せず、秘部を祐一の手の前に晒したまま生殺しの刺激に身を耐えていた。
「どうして欲しい?」
「な、なめてくださいっ…佐祐理の…ここをっ……あ」
佐祐理は鳥のような高い声で訴えたが、何かに気づいたように言葉を止める。
「いつもの癖で…ここじゃ、できませんね…」
「いや、そんなことないだろ」
「ふえっ…?」
佐祐理が素っ頓狂な声を出したのと、祐一が大きく息を吸い込んだのは同時だった。
じゃぽんっ!
「こ、こんな水を飲んじゃったら…体に…ふあああっ!!」
佐祐理が心配そうに言う。が、祐一が水中で秘部にむしゃぶりつくとかん高い悲鳴を上げて顔を手で覆った。
にゅるっ、にゅるう…
「あっ、ああっ、あくっ…ほ、本当に…駄目ですっ…はぁぁぁんっ!?」
佐祐理が指の間から目を出して、揺れ動く祐一のシルエットを不安な視線で追い始める。しかし、佐祐理は秘核を直接舐められる度に、はしたない声を漏らして身を震わせてしまっていた。無茶苦茶にしゃぶりつく祐一の口は、粘りつく水の中で固くなった佐祐理の秘核をこれでもかと言うほどに刺激した。
「ああ…あっ…だ、だめです…佐祐理っ…佐祐理、このままじゃ…」
祐一の顔に押されるようにして、佐祐理が身を後ろに下げていく。水中でゆらゆらと移動しながら、佐祐理は秘部の感覚がゆるんでくるのを感じていた。
「うっ…うーっ…うっ」
ついに背中が湯船の壁に押しつけられてしまうと、佐祐理はぐいぐいと背中を湯船に押しつけながらくぐもった声を漏らす。だらしなく開いた佐祐理の秘唇から、恥ずかしい液体がどんどん外に出てしまっているのが見えなくてもわかった。
「佐祐理っ…佐祐理っ…」
…じゃぱあんっ!!
「はぁっ…はぁぁっ…はぁっ…はぁ…」
そこで祐一が勢い良く水中から顔を上げ、酸素を求めて荒々しい呼吸を始める。
「ゆ、祐一…さん…」
「はぁ…はぁぁっ…」
少し息が落ち着いてくると、祐一は髪を上げてぽたぽたと粘っこく垂れてくる液体をぬぐった。そして手で顔をごしごしと拭いて、
「ふぅっ」
大きく息をつく。
「こ、こんなものを飲んでしまって…大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫だよ。成分見たけど、毒になるものは入ってないみたいだし、説明書にも確かそう書いてあったから。それより、水ん中でも佐裕理さんが濡れてきてるのがわかったよ」
「そ、それは…あんまりびっくりしちゃって…それに、祐一さんまた佐祐理の弱いところばっかり…」
「佐裕理さん、欲しい?」
「…はい」
祐一が問うと、佐祐理は一瞬の間を置いて素直にうなずいた。
ちゃぱっ…
「えっと…」
佐祐理は身を少し後ろに傾けた祐一の脚の上に身を乗せていく。そして水中で浮きながら手を伸ばしてペニスをつかみ、その上にゆらっと身を落としていった。途中で浴槽のへりをつかんで体勢を整え、ペニスをヴァギナの入り口にぴったりと当てる。
「入れますね…」
「ああ」
浴槽のへりを佐祐理が離すと、浮力で減衰された体重が佐祐理を緩慢な速度で下降させていく。速くも遅くもない中庸の速度で、佐祐理は串刺しにされていった。
「あ…あ…あ」
三回声を出す間に、佐祐理のヴァギナは深々と祐一のペニスを飲み込む。
「入っちゃいましたね…」
佐祐理は妙に感慨深そうな声を上げた。粘った感触のぬるま湯に包まれて、回帰願望のような感覚の中に交わっているというのはとても奇妙なものだ。面白いほどに、悪いことをしているような気分になってしまう。
「動くぞ? 佐裕理さん」
「はい…」
祐一は水中での佐祐理の重みを確かめるように何度か腰を揺らし、それからにゅぐっ、にゅぐっと腰を突き上げ始めた。
ちゃぷん、ちゃぷん…
「ああ…奥まで…当たっています…」
佐祐理の体は祐一が突き上げる力を強くしていくと、跳ね上がるようにぽんぽんと弾んで水面を揺らした。祐一は佐祐理の腰をしっかりとつかんで、抜けてしまわないようにしながらさらに腰を動かすスピードを強めていく。
「どうだ…佐裕理さん」
「すごく、気持ちいいです…」
「どんな風に気持ちいい?」
「祐一さんのが…深くまで入ってきていて…すっごいぬるぬるしていて…ふわふわしてます…」
軽々と持ち上げられて動きを封じられているのも、佐祐理の興奮を強めた。普通の場なら絶対に出来ないほどに簡単に体が持ち上げられ、奔放に突き上げられている。空中で身が跳ねているようだった。
「俺も…佐祐理さんのぬるぬると、風呂のぬるぬるが混ざってすっげーいい感じだ」
「はうっ…ふああっ…」
まとめた髪が解けてしまいそうな勢いで、佐祐理は激しく突かれる。全身の温度が急上昇しているように感じられた。ぬるま湯と言っても、外気よりはかなり温かい。そこで激しい性交をしているのだから、熱くなるのも早い。
佐祐理は高まってくる性感に抗(あらが)えなくなりそうになりつつも、必死にとどまっていた。今日は祐一にほとんどせずに、自分ばかりしてもらっていたのだ。祐一が放出するには、まだ時間がかかるに違いない。
にゅぐ、にゅぐ…
予想に違(たが)わず、祐一は性交を愉(たの)しむ顔つきで腰を突き上げていた。佐祐理は意識がぼうっとしてくるのを感じながら、顔を紅潮させてシャワーのノズルを一心に見つめる。そうでもしていないと、集中が途切れてあっという間に達してしまいそうだった。
にゅぐにゅぐっ…にゅぐる…
気づいているのか気づいていないのか、祐一は無言のままで勢い良く腰を振り続ける。佐祐理の全身が、小刻みに痙攣し始めた。
「ゆっ…祐一さん…佐祐理っ…もうっ…このままじゃあっ…」
クンニリングスを受けていた時とは3倍ほども余裕のない表情と声で、佐祐理は訴える。
「そっか…じゃあ、佐祐理さん一回イッちゃってよ」
祐一はちょっとした笑みを浮かべると、軽く腰をグラインドさせる動きに切り替えて佐祐理の秘核をいじり始めた。佐祐理の表情が一気に変わる。背をピンと反らせて、目を見開きながら喘ぎ声を上げ始める。
「そ、そこはっ! そこを触ったら…だ、だめっ、祐一さん、だめですっ…佐祐理、だめですっ……!!」
佐祐理の絶叫が、浴室にエコーする。
ビクンンッ…ビククッ…ビク…
耐えられたのは一瞬だけだった。二箇所からの刺激にコントロールできなくなった性感が爆発して、佐祐理は身悶えしながら全身を震わせる。
「っ……! っ……」
そのまま、佐祐理はとどめを刺されたような顔でふらりと後ろに倒れ込む。
「あっ…」
祐一は慌てて佐祐理の身を前に引いて、湯船のへりに頭をぶつけないようにする。
ちゃぷんっ。
「あ…はぁ…ごめんなさい…佐祐理だけ、先にイッちゃって…」
頭を水につけながら、佐祐理は涙に濡れた目で謝った。タオルがほどけ、髪が水中に段々と広がっていく。
「いいよ…このまま、入れたままでしばらくいてさ、そしたらまた動くから」
「…はい…祐一さん…」
髪から爪先まで、ほとんど全身が液体に濡らされた佐祐理のべとべとの肢体は、祐一の興奮を新たな形で煽っていた。
「あははーっ、なんだかぬるぬるしますね」
「そのままだと、ちょっとまずいかと思ったから。あれをぶちこんでみたんだ」
祐一は湯船の中から、浴室の隅に置かれたカゴ型のゴミ入れを指さす。そこにはピンク色をした空のチューブが入っていた。中身はすっかり絞り出されているが、少し残っている中身はねっとりした感触が予想される形状でチューブの中にこびりついている。
「なんだか不思議な感じですね」
「そうだな」
佐祐理の朗らかな声が浴室にこだまする。まるで子供同士が二人で風呂に入っているような声質だ。それに加えて、じっと入っていると寒く感じてきそうなほどにぬるい湯の温度がふわふわとした雰囲気に拍車を掛ける。
だが、そんな雰囲気の中にピンと緊張を作り出しているかのように祐一のペニスは湯の中で固く勃起していた。水滴をはじくような滑らかな佐祐理の肌と、ペパーミントグリーンのタオルでしっとりとまとめられた髪を見ているだけでも祐一の興奮はどんどん高まっていく。普段性交する時にも見ている乾いた肌や、さらさらと揺れる長い髪とちょっと違うだけでも新鮮なものが感じられた。
ちゃぷ…
「もう、したくてたまらないって感じですね」
「…そうだな」
佐祐理が湯の中に手を入れて、波紋に揺らめいて見える祐一のペニスをマッサージするような手つきでまさぐる。水面上からはぼやけて見える手の動きも、祐一のペニスにとっては大胆でスピードに乗った愛撫だ。手で覆ってぐりぐりと揉むような刺激のため、水の重みもほとんど感じさせない軽やかな指さばきだった。
「気持ちいいですか?」
「うん、すごく…佐祐理さんも、あそこ俺の方に出してよ」
「はい…」
少しだけ顔を赤くしながら、佐祐理は湯の中で脚を開いて祐一の身体により近づいていった。二人が入っても多少の余裕はある浴槽だ。佐祐理はちゃぷ…ちゃぷんと音を立てて、ゆらりと泳ぐように祐一に身を寄せていく。陰毛が誘うように揺れていた。
祐一は粘りのある湯をかき分けるような勢いで、佐祐理の秘部に指を伸ばしていく。ざばあっ…と音が立って、水面が勢い良く波立った。跳ねた水が、二人の顔にぽつぽつと降りかかる。真水と違ってさらりとしていない液体は粘っこく宙を飛び、顔に付着するとわずかながら透明な糸を引いて垂れた。
「……」
にゅる…
「あ…」
佐祐理の秘部に祐一の手が滑り込むと、小さな声が漏れる。指先に感じられるぬめり方は、佐祐理がしとどに濡れた時とも違っていた。どこを触っても均一にぬめっていて、自分の手まで同じように均一にぬめっている。秘核に指を伸ばすと、やはりそこも同じようにぬめっていた。
そして二人は、互いの敏感な所を手で思うがままに愛撫する。無限に等しいぬめりが、普段出来ないような大胆な動きを可能にしていた。
「はぁ…祐一さんの指、素敵です」
「佐裕理さんこそ、すごいねちっこくて上手いよ」
「あははっ、祐一さんこそ佐祐理の弱いところばかり触ってて…えっちです」
「佐裕理さんがエッチだから、ここを触ってるとそんなに感じちゃうんだろ?」
祐一はふと思いついて、佐祐理の秘裂を大きく割り広げる。そこに、逆の手で湯をうちわのように扇いで断続的な水流を当て始めた。佐祐理の秘部に、粘り気のあるぬるま湯の圧力が幾度も掛かっては消えていく。
「あ…あっ…ああ…」
水流によって陰毛は激しく揺れ動いていたが、秘部の中には微妙な刺激しか加わらない。決して小さな刺激ではないが、当たる面が拡散してしまっているために佐祐理は快感と非快感の狭間を往復させられた。秘核に勢い良く水流が当たればじんわりとした快感が生まれるが、そうでなければ生ぬるい感触が股間に生まれるに過ぎない。そのいずれであっても、刺激はとても十分とは言えない。
「ふっ…ああ…祐一さんっ…意地悪しないでください」
佐祐理は、水流の刺激に反応しては操り人形のように身体をくねらせていた。祐一のペニスを愛撫する動きは完全に止まって、潤み始めた目で祐一のことを見つめる。だが逃げる様子は一向に見せず、秘部を祐一の手の前に晒したまま生殺しの刺激に身を耐えていた。
「どうして欲しい?」
「な、なめてくださいっ…佐祐理の…ここをっ……あ」
佐祐理は鳥のような高い声で訴えたが、何かに気づいたように言葉を止める。
「いつもの癖で…ここじゃ、できませんね…」
「いや、そんなことないだろ」
「ふえっ…?」
佐祐理が素っ頓狂な声を出したのと、祐一が大きく息を吸い込んだのは同時だった。
じゃぽんっ!
「こ、こんな水を飲んじゃったら…体に…ふあああっ!!」
佐祐理が心配そうに言う。が、祐一が水中で秘部にむしゃぶりつくとかん高い悲鳴を上げて顔を手で覆った。
にゅるっ、にゅるう…
「あっ、ああっ、あくっ…ほ、本当に…駄目ですっ…はぁぁぁんっ!?」
佐祐理が指の間から目を出して、揺れ動く祐一のシルエットを不安な視線で追い始める。しかし、佐祐理は秘核を直接舐められる度に、はしたない声を漏らして身を震わせてしまっていた。無茶苦茶にしゃぶりつく祐一の口は、粘りつく水の中で固くなった佐祐理の秘核をこれでもかと言うほどに刺激した。
「ああ…あっ…だ、だめです…佐祐理っ…佐祐理、このままじゃ…」
祐一の顔に押されるようにして、佐祐理が身を後ろに下げていく。水中でゆらゆらと移動しながら、佐祐理は秘部の感覚がゆるんでくるのを感じていた。
「うっ…うーっ…うっ」
ついに背中が湯船の壁に押しつけられてしまうと、佐祐理はぐいぐいと背中を湯船に押しつけながらくぐもった声を漏らす。だらしなく開いた佐祐理の秘唇から、恥ずかしい液体がどんどん外に出てしまっているのが見えなくてもわかった。
「佐祐理っ…佐祐理っ…」
…じゃぱあんっ!!
「はぁっ…はぁぁっ…はぁっ…はぁ…」
そこで祐一が勢い良く水中から顔を上げ、酸素を求めて荒々しい呼吸を始める。
「ゆ、祐一…さん…」
「はぁ…はぁぁっ…」
少し息が落ち着いてくると、祐一は髪を上げてぽたぽたと粘っこく垂れてくる液体をぬぐった。そして手で顔をごしごしと拭いて、
「ふぅっ」
大きく息をつく。
「こ、こんなものを飲んでしまって…大丈夫なんですか?」
「ああ、大丈夫だよ。成分見たけど、毒になるものは入ってないみたいだし、説明書にも確かそう書いてあったから。それより、水ん中でも佐裕理さんが濡れてきてるのがわかったよ」
「そ、それは…あんまりびっくりしちゃって…それに、祐一さんまた佐祐理の弱いところばっかり…」
「佐裕理さん、欲しい?」
「…はい」
祐一が問うと、佐祐理は一瞬の間を置いて素直にうなずいた。
ちゃぱっ…
「えっと…」
佐祐理は身を少し後ろに傾けた祐一の脚の上に身を乗せていく。そして水中で浮きながら手を伸ばしてペニスをつかみ、その上にゆらっと身を落としていった。途中で浴槽のへりをつかんで体勢を整え、ペニスをヴァギナの入り口にぴったりと当てる。
「入れますね…」
「ああ」
浴槽のへりを佐祐理が離すと、浮力で減衰された体重が佐祐理を緩慢な速度で下降させていく。速くも遅くもない中庸の速度で、佐祐理は串刺しにされていった。
「あ…あ…あ」
三回声を出す間に、佐祐理のヴァギナは深々と祐一のペニスを飲み込む。
「入っちゃいましたね…」
佐祐理は妙に感慨深そうな声を上げた。粘った感触のぬるま湯に包まれて、回帰願望のような感覚の中に交わっているというのはとても奇妙なものだ。面白いほどに、悪いことをしているような気分になってしまう。
「動くぞ? 佐裕理さん」
「はい…」
祐一は水中での佐祐理の重みを確かめるように何度か腰を揺らし、それからにゅぐっ、にゅぐっと腰を突き上げ始めた。
ちゃぷん、ちゃぷん…
「ああ…奥まで…当たっています…」
佐祐理の体は祐一が突き上げる力を強くしていくと、跳ね上がるようにぽんぽんと弾んで水面を揺らした。祐一は佐祐理の腰をしっかりとつかんで、抜けてしまわないようにしながらさらに腰を動かすスピードを強めていく。
「どうだ…佐裕理さん」
「すごく、気持ちいいです…」
「どんな風に気持ちいい?」
「祐一さんのが…深くまで入ってきていて…すっごいぬるぬるしていて…ふわふわしてます…」
軽々と持ち上げられて動きを封じられているのも、佐祐理の興奮を強めた。普通の場なら絶対に出来ないほどに簡単に体が持ち上げられ、奔放に突き上げられている。空中で身が跳ねているようだった。
「俺も…佐祐理さんのぬるぬると、風呂のぬるぬるが混ざってすっげーいい感じだ」
「はうっ…ふああっ…」
まとめた髪が解けてしまいそうな勢いで、佐祐理は激しく突かれる。全身の温度が急上昇しているように感じられた。ぬるま湯と言っても、外気よりはかなり温かい。そこで激しい性交をしているのだから、熱くなるのも早い。
佐祐理は高まってくる性感に抗(あらが)えなくなりそうになりつつも、必死にとどまっていた。今日は祐一にほとんどせずに、自分ばかりしてもらっていたのだ。祐一が放出するには、まだ時間がかかるに違いない。
にゅぐ、にゅぐ…
予想に違(たが)わず、祐一は性交を愉(たの)しむ顔つきで腰を突き上げていた。佐祐理は意識がぼうっとしてくるのを感じながら、顔を紅潮させてシャワーのノズルを一心に見つめる。そうでもしていないと、集中が途切れてあっという間に達してしまいそうだった。
にゅぐにゅぐっ…にゅぐる…
気づいているのか気づいていないのか、祐一は無言のままで勢い良く腰を振り続ける。佐祐理の全身が、小刻みに痙攣し始めた。
「ゆっ…祐一さん…佐祐理っ…もうっ…このままじゃあっ…」
クンニリングスを受けていた時とは3倍ほども余裕のない表情と声で、佐祐理は訴える。
「そっか…じゃあ、佐祐理さん一回イッちゃってよ」
祐一はちょっとした笑みを浮かべると、軽く腰をグラインドさせる動きに切り替えて佐祐理の秘核をいじり始めた。佐祐理の表情が一気に変わる。背をピンと反らせて、目を見開きながら喘ぎ声を上げ始める。
「そ、そこはっ! そこを触ったら…だ、だめっ、祐一さん、だめですっ…佐祐理、だめですっ……!!」
佐祐理の絶叫が、浴室にエコーする。
ビクンンッ…ビククッ…ビク…
耐えられたのは一瞬だけだった。二箇所からの刺激にコントロールできなくなった性感が爆発して、佐祐理は身悶えしながら全身を震わせる。
「っ……! っ……」
そのまま、佐祐理はとどめを刺されたような顔でふらりと後ろに倒れ込む。
「あっ…」
祐一は慌てて佐祐理の身を前に引いて、湯船のへりに頭をぶつけないようにする。
ちゃぷんっ。
「あ…はぁ…ごめんなさい…佐祐理だけ、先にイッちゃって…」
頭を水につけながら、佐祐理は涙に濡れた目で謝った。タオルがほどけ、髪が水中に段々と広がっていく。
「いいよ…このまま、入れたままでしばらくいてさ、そしたらまた動くから」
「…はい…祐一さん…」
髪から爪先まで、ほとんど全身が液体に濡らされた佐祐理のべとべとの肢体は、祐一の興奮を新たな形で煽っていた。
(8/7のつづき…というかアナザーというか)
だが、晴香はそこで舌を止めてしまった。
「あ…あ…ど、どうして…」
「郁未ばっかり気持ちよくなっているんじゃ、ずるいわよ…」
晴香は自分のスカートに手をかけると、私に見せつけるようにそれを脱いでいった。ショーツも一緒に。
同い年の同性と、下半身だけを裸にして向き合っているというのは奇妙な気分だった。子供が悪気なく互いの性器を見比べているようなくすぐったい気分が生まれてくる。
当然、自分でも腹が立つほどこましゃくれていた私の幼年時代はそんな経験を経ることなどなかった。自分の裸については異常なほど早くから興味を持っていた気もするが、他人のそれについて興味を持ったことなど小さい頃はなかった。二次性徴を経て性の快感を知ってから、他人の裸の興味を持つようになったのだ。
「今度は、私の番よ…」
少しふらつきながら立ち上がった晴香に、私はひざまづいた。ちょうどさっきと身体の位置の高低が逆転する。
こういう、かわいい女の子の裸と、敏感な部分にも興味を持っていたのは比較的早めの頃のような気がする。どこからそういう気持ちが生まれてきたのかはわからない。バイセクシャルというのは理屈ではなく、身体がそう求めるだけのことなのかもしれない。
ぺちゅ…
「あ…」
私は晴香の秘裂に唾液で濡れた舌を押しつけ、初めからぴちゃぴちゃと大きな水音を立てて舐めた。柔らかい舌先を使って晴香の性器の表面を撫で回し、段々と中に向かって舌を進めていく。イヤだとは全く思わない。むしろ、興奮する。
「郁未…」
晴香の腰がほんのわずかだけ突き出され、鼻に恥丘がくっつけられるのがとても快感だった。晴香も愉(たの)しんでいる。私の舌で快感を感じて、もっと私の事を求めようとしている…
「う、うう…郁未…すごく上手…」
「ありがと」
ほのかな潤いを帯びた粘膜を細部に至るまで味わいながら、私は晴香の太股を撫でたり内股を指先でつついたりした。味覚や触覚や、いろいろなものが合わさって晴香の恥ずかしさや快感を私に伝えてくる。
まったく同じ器官を備えている同性として、私は晴香の快感に同調することが出来た。晴香がどうされているのかを考えることで、自分の性神経を鋭くしていくことができた。
「はっ……っ! あ…」
そして、それ以上に晴香は性感を高めている。私を舐めている時に、今の私と同じようにずっと性感を昂(たかぶ)らせていたに違いない。私はこういう事に慣れているぶん冷静にしている事ができるが、晴香はそうはいかないようだった。
晴香も、性感は十分に発達している。クリトリスはこりこりとしていて、舐めるだけでも充血しきっているのがわかるし、愛液も少しずつだがにじむ量が増えてきた。しかし、私がちょっと舐めるだけでひどい動揺を見せる辺りからすると、こういう事に慣れきっているという事はけしてないようだ。
「い……い…郁未…」
私の名前を呼ぶ声も、呼びかけというより喘ぎ声の一部になってきているようだった。晴香の方から言い出した行為にも拘わらず、もう晴香は私の舌の虜のように腰をうごめかしている。晴香は申し分ないほどにエッチで申し分ないほどに無垢だった。
それに合わせて、私はクリトリスを中心とした優しめの舐め方を維持する。包皮も剥かずに、おだやかな刺激を焦らずに続ける。
「っ……あうっ…」
段々と晴香は芯まで震えるような深い呼吸を吐き出し始めた。私の方は抑え気味にしているつもりでも、晴香はそうはいかないらしい。
私は置き去りにされた自分の性器を触ってしまいたい欲望にも駆られたが、今は晴香に尽くす快感に身を任せることにした。私にしてはびっくりするほど禁欲的だ。
「はぁぁ…郁未ぃ…」
私は、晴香の持っている純粋な女の子の可愛い性を感じてみたくなったのかもしれない。声や肌の感触や、私も持っているはずなのにどこか汚れて感じられるもの。それを晴香から純粋な形で感じてしまいたくなったのかもしれない。
じゅる、じゅる…
「はぁっ! ああっ…」
晴香の匂いに満たされた愛液を、晴香の高い喘ぎを誘うように強く吸う。顔がべとべとになっても気にならない。私はむしろ積極的に顔全体をこすりつけるようにして、晴香の身体が熱くなっている事を感じた。
がしっ、と晴香の手が乱暴に私の髪をつかむ。そして逃れようとしているように、あるいは私の顔をより押しつけているかのように、定まらない動きをした。私は晴香が腰を引いた時はそれを追い、腰を押しつけた時は情熱的なキスをしているかのように二つの唇を強く押しつけ合った。
「い、郁未…私…もうだめみたい…」
しっかり者の晴香とは思えないほど、弱々しくかすれた甘い声だ。私はずきんと脳の中がうずいたような気がした。
「い、郁未っ…好きっ…郁未…」
ずき、ずき…
脳の中に生まれた痛いほどの官能を感じながら、私は夢中になって舌を繰った。血瑠のように不自然に膨れ上がった快感は、不安感も生んだがそれ以上に私を興奮させる。
「イっ…イク…イッちゃう…だめ…だめぇっ!」
じゅぅ…
「っ…くぅっ…ううううっ…」
晴香の中から噴き出すように愛液が飛ぶ。晴香が全身を小刻みに経験させる。私は晴香に震いつきたくなるような衝動と脳の中で脈動する疼きを感じながら、舌をちゅくちゅくと動かして晴香の愛液を心ゆくまで味わう…心ゆくまで、味わう…
ヴィーッ…!ヴィーッ…!
「…!」
「…精神殻に…か、陥没発生!いや…もう崩壊して…マイナス値100を突破しつつあります…!」
「な、なんとか阻止しろ!時間稼ぎだけ…い、いやムダかっ!?至急コントロール体を…」
バ、バチ…
「うああっ…」
「に、逃げるか…?!」
バチ…バチチチ…
『だ、だめだぁっ…!!』
だが、晴香はそこで舌を止めてしまった。
「あ…あ…ど、どうして…」
「郁未ばっかり気持ちよくなっているんじゃ、ずるいわよ…」
晴香は自分のスカートに手をかけると、私に見せつけるようにそれを脱いでいった。ショーツも一緒に。
同い年の同性と、下半身だけを裸にして向き合っているというのは奇妙な気分だった。子供が悪気なく互いの性器を見比べているようなくすぐったい気分が生まれてくる。
当然、自分でも腹が立つほどこましゃくれていた私の幼年時代はそんな経験を経ることなどなかった。自分の裸については異常なほど早くから興味を持っていた気もするが、他人のそれについて興味を持ったことなど小さい頃はなかった。二次性徴を経て性の快感を知ってから、他人の裸の興味を持つようになったのだ。
「今度は、私の番よ…」
少しふらつきながら立ち上がった晴香に、私はひざまづいた。ちょうどさっきと身体の位置の高低が逆転する。
こういう、かわいい女の子の裸と、敏感な部分にも興味を持っていたのは比較的早めの頃のような気がする。どこからそういう気持ちが生まれてきたのかはわからない。バイセクシャルというのは理屈ではなく、身体がそう求めるだけのことなのかもしれない。
ぺちゅ…
「あ…」
私は晴香の秘裂に唾液で濡れた舌を押しつけ、初めからぴちゃぴちゃと大きな水音を立てて舐めた。柔らかい舌先を使って晴香の性器の表面を撫で回し、段々と中に向かって舌を進めていく。イヤだとは全く思わない。むしろ、興奮する。
「郁未…」
晴香の腰がほんのわずかだけ突き出され、鼻に恥丘がくっつけられるのがとても快感だった。晴香も愉(たの)しんでいる。私の舌で快感を感じて、もっと私の事を求めようとしている…
「う、うう…郁未…すごく上手…」
「ありがと」
ほのかな潤いを帯びた粘膜を細部に至るまで味わいながら、私は晴香の太股を撫でたり内股を指先でつついたりした。味覚や触覚や、いろいろなものが合わさって晴香の恥ずかしさや快感を私に伝えてくる。
まったく同じ器官を備えている同性として、私は晴香の快感に同調することが出来た。晴香がどうされているのかを考えることで、自分の性神経を鋭くしていくことができた。
「はっ……っ! あ…」
そして、それ以上に晴香は性感を高めている。私を舐めている時に、今の私と同じようにずっと性感を昂(たかぶ)らせていたに違いない。私はこういう事に慣れているぶん冷静にしている事ができるが、晴香はそうはいかないようだった。
晴香も、性感は十分に発達している。クリトリスはこりこりとしていて、舐めるだけでも充血しきっているのがわかるし、愛液も少しずつだがにじむ量が増えてきた。しかし、私がちょっと舐めるだけでひどい動揺を見せる辺りからすると、こういう事に慣れきっているという事はけしてないようだ。
「い……い…郁未…」
私の名前を呼ぶ声も、呼びかけというより喘ぎ声の一部になってきているようだった。晴香の方から言い出した行為にも拘わらず、もう晴香は私の舌の虜のように腰をうごめかしている。晴香は申し分ないほどにエッチで申し分ないほどに無垢だった。
それに合わせて、私はクリトリスを中心とした優しめの舐め方を維持する。包皮も剥かずに、おだやかな刺激を焦らずに続ける。
「っ……あうっ…」
段々と晴香は芯まで震えるような深い呼吸を吐き出し始めた。私の方は抑え気味にしているつもりでも、晴香はそうはいかないらしい。
私は置き去りにされた自分の性器を触ってしまいたい欲望にも駆られたが、今は晴香に尽くす快感に身を任せることにした。私にしてはびっくりするほど禁欲的だ。
「はぁぁ…郁未ぃ…」
私は、晴香の持っている純粋な女の子の可愛い性を感じてみたくなったのかもしれない。声や肌の感触や、私も持っているはずなのにどこか汚れて感じられるもの。それを晴香から純粋な形で感じてしまいたくなったのかもしれない。
じゅる、じゅる…
「はぁっ! ああっ…」
晴香の匂いに満たされた愛液を、晴香の高い喘ぎを誘うように強く吸う。顔がべとべとになっても気にならない。私はむしろ積極的に顔全体をこすりつけるようにして、晴香の身体が熱くなっている事を感じた。
がしっ、と晴香の手が乱暴に私の髪をつかむ。そして逃れようとしているように、あるいは私の顔をより押しつけているかのように、定まらない動きをした。私は晴香が腰を引いた時はそれを追い、腰を押しつけた時は情熱的なキスをしているかのように二つの唇を強く押しつけ合った。
「い、郁未…私…もうだめみたい…」
しっかり者の晴香とは思えないほど、弱々しくかすれた甘い声だ。私はずきんと脳の中がうずいたような気がした。
「い、郁未っ…好きっ…郁未…」
ずき、ずき…
脳の中に生まれた痛いほどの官能を感じながら、私は夢中になって舌を繰った。血瑠のように不自然に膨れ上がった快感は、不安感も生んだがそれ以上に私を興奮させる。
「イっ…イク…イッちゃう…だめ…だめぇっ!」
じゅぅ…
「っ…くぅっ…ううううっ…」
晴香の中から噴き出すように愛液が飛ぶ。晴香が全身を小刻みに経験させる。私は晴香に震いつきたくなるような衝動と脳の中で脈動する疼きを感じながら、舌をちゅくちゅくと動かして晴香の愛液を心ゆくまで味わう…心ゆくまで、味わう…
ヴィーッ…!ヴィーッ…!
「…!」
「…精神殻に…か、陥没発生!いや…もう崩壊して…マイナス値100を突破しつつあります…!」
「な、なんとか阻止しろ!時間稼ぎだけ…い、いやムダかっ!?至急コントロール体を…」
バ、バチ…
「うああっ…」
「に、逃げるか…?!」
バチ…バチチチ…
『だ、だめだぁっ…!!』
「そうしたところで」
感情の起伏に乏しい声が、雪見の手を遮る。
「何か変わると言うのかい?」
「…変わるとか、変わらないとか、そんな事は私には関係ないの」
雪見は声をわずかに震わせながら言うと、止まってしまった手をぐっと伸ばしてシュンの腕をつかむ。体温を感じさせない、透明な感触の腕だ。どうにかすれば消えてしまいそうな頼りないシュンの腕を、雪見は必死につかむ。
「つながってしまえば、つながる事の意味について君はますます混乱することになるよ」
「やめてよ…」
雪見は悲愴な目で、シュンをにらむような鋭さで見つめた。
「私を苦しくして…そんなに、楽しいの」
「そんなことはないさ。僕は君が向かう方向について考え、それを述べているに過ぎない」
たん…!
雪見がシュンに向かって一歩踏み出す。
「好きなのにっ…!」
そのまま雪見はシュンの身体を抱きしめていた。細みなシュンの身体はそれを受け止める事すら出来なさそうだったが、一・二歩後ろに下がったところで何とか止まる。
「こんなに好きなのに…なんでそんな事ばっかり言うのっ…!?」
「幻想だという事には気づいているんだろう?」
顔をシュンの薄い胸にうずめて肩を震わせている雪見に、言葉が届いている様子はなかった。
「君の友人の実質的な消滅、埋めることのできなくなった時間が僕と君を邂逅させ、君が時間を埋めるための幻想を成長させてしまっただけだよ。僕のような存在を知ることは君にとって必要だったかもしれないが、もう君は別の所に行くべきなんだ」
「あ、あなた好きね…邂逅って言葉」
雪見はくぐもった声で言う。茶化しているような言葉だったが、それを言ってもみさきの顔が頭から消えることはなかった。シュンが口にする度、考えないようにしても脳裏に浮かんできて延々と残り続ける。
「もう去るべきだよ。君は」
「い、いや…離さないから」
雪見はシュンの身体を押してしまいそうなほどに強く抱きしめる。
「好きだって言った時に、何も言わないでいいから笑っていてよ…丁寧になんかしなくてもいいから、君のことをいっぱい感じさせてよ…私、もうおかしくなる」
「………」
「もう私は抜け殻みたいなものなんだから、ますます抜け殻になったって誰も恨んだりしないよ…みさきも劇もバイクも、もうなーんにもないのよ」
「無理矢理に捨てただけだ」
「そんなことないわよ…!」
それは雪見の本心だった。ひとつずつ、崩れ落ちるように消えていったのだ。嫌だと思ってもどうしようもなかったし、崩れ落ちるのを防ごうとしても無駄だった。代わりに見つけたのが、この奇妙な少年だ。
「だから、あなたが好き。どうしようもなく好き」
どこにつながるのか不明な接続詞も、シュンは分かった顔で受け入れた。
「君の選択だ。でも後悔することになるよ」
「いいのよ。ただせっかく演じてくれるんだったら、楽しくさせてほしいわね。頭が痛くなるみたいな言葉は禁止」
「努力するよ」
シュンは、雪見の頭を撫でた。
それを合図に、雪見は抱きしめていた手を離す。そしてシュンからわずかに距離を置き、自分の制服に手をかける。
「すごく、恥ずかしいんだから…」
雪見は身を縮めて、シュンから目をそらしながら自分の着衣を脱ぎ去っていった。ひとつ脱ぎ終わるとシュンの目をうかがい、また次の服に手を掛ける。だが必要以上にとどまる事はせず、しばらくの後に雪見はピンク色の下着だけの姿になっていた。
「…あまり見ないでね」
ブラジャーを取る。二つの膨らみが、シュンの視線にさらされる。
「見ないでってば…」
そう言いながら、雪見はショーツの方にも指を引っかけて、するすると脱いでいってしまう。ごく短い時間の間に、雪見は一糸纏わぬ姿になってしまった。雪見は身体の前の方に手を回すが、肝心の部分を隠していない。お腹の辺りと太股の辺りに手をそっと添えただけで、残りの部分は全て見える状態のままだった。
足の裏に感じるワックスを塗った木の床の冷たい感触が、ここを学校だと教えている。無論、雪見にとっては初めての経験だ。身体測定ですら体操服でよいのだから。
「やだ…恥ずかしい…こんなところで…」
ひどく場違いのようでいて、何か合っているような気がした。ひとつだけ感じられるのは、一般常識から考えれば悪いことをしているという事だ。雪見は、普段はそれなりに真面目な生徒なのである。
「でも、綺麗だよ」
身体をもじもじとさせている雪見に、シュンは言った。
「本当…?」
「うん」
相変わらず感情の起伏がない声だったが、内容が内容だけに雪見は何とも言えない幸福感に包まれる。
「うれしいかな…やっぱり」
「そう。よかった」
雪見の目が、すっと潤む。
「私の身体、好きにしていいよ…」
「じゃあ、するよ」
「…うん」
少しずれた返事だったが、シュンにすれば上出来かも知れない。
そんな事を思っていると、突然シュンは雪見の前に膝を突いて座った。
「え?」
シュンは、そのまま顔をまっすぐ雪見に向かって近づけてくる。その高さは、雪見の秘裂の部分に来る高さだ。そしてシュンの口からは、ぺろんと舌が見えていた。
「ちょ、ちょ」
ぴとっ。
「あ…」
ぢゅるっ。
「あっ…あ」
シュンは何のためらいもなく口を雪見の性器につけると、すぐに舌を大きく動かして雪見の秘裂の中まで入ってきた。
「だ、だめ、汚いよっ、そんなとこ」
ふるふるっ。
さらっとした髪を揺らしながら、シュンは首を横に振った。
ぢゅるっ。ぢゅるる…
「ああ…こんなとこ…恥ずかしいよっ…」
そう言いながらも、表情にはほんの少し嬉しそうな様子も見える。キスも指での前戯もない、いきなりの大胆な行為だったが、シュンがそこを舐めてもいいほどに自分の事を受け入れている証拠のようにも思えたのだ。
ぢゅるん。
唾液で濡れてきた雪見の秘裂の中を、シュンの舌が這い回る。
「ひゃぅっ」
秘裂の上端を刺激されると、雪見は腰を跳ね上げて反応した。しかし、シュンの舌はすぐ別のところに移動してしまう。
「あ…ねぇ」
「………」
シュンは目だけ上げて雪見を見た。
「い、今のとこ…とっても良かったから…あの」
ぢゅるっ。ぢゅっ、ぢゅっ。
「ああっ…いい…そこ…もっとしてよぉ…シュン君の舌…すっごくいいよぉっ…」
活舌はいいはずの雪見が、舌っ足らずな声になっていた。雪見は腰を自らグラインドさせる。長いウェーブの髪が、背中がさらさらと揺れ動いていた。
やがて生理的反応としてにじみ出てきた酸っぱい液体が、シュンの舌に触れて舐められてしまう。雪見は羞恥心を感じつつも、あえて液体が出てきてしまうのを止めようとはしなかった。
「…雪見のココ、とてもおいしいよ」
「えっ…シュン君」
普段は使っていなかった呼称を、雪見は自然と使っていた。
「う、うそだぁ…そんなのって」
「嘘じゃないよ。本当においしい。雪見の中から出てきたジュースが特にね」
「やだっ…」
雪見は顔を真っ赤にする。しかし嬉しがっているのは見え見えだった。
「雪見、もういい?」
「うん…私の大切なはじめて…シュン君にあげるよ」
浮かされたような声で言うと、雪見は床に身を横たえた。ひどく冷たい床の感触に肌が粟(あわ)立つが、それが背中を這い上がる期待感のようにすら感じられてしまう。
かちゃかちゃ、とシュンがベルトを外してズボンを下ろしているのが見える。だが自分の心臓のどきどきする音に気を取られている間に、シュンは準備を終えてしまっていた。
「………」
シュンがするっと身を下げて雪見の上に覆いかぶさってくる。一瞬見えたペニスは大きかったような、小さかったような、判然とはしなかったが、行為をできるだけの勃起はしっかりしているようだった。
「雪見…」
「シュン君…来て」
にち…
雪見が言うと同時に、固い感触が秘裂の中に侵入してきた。みるみる間にそれは雪見の汚されていない地帯にまで入ってくる。唾液のせいか、痛みはなかった。
ぐぐぐぐ。
「うあ…」
そして、中の中に侵入が開始される。狭い部分に熱くて固い物が入ってくるのがよくわかった。
ぶちっ…ぷちち…
「ああああっ…」
次の瞬間、強い痛みと同時に何かが剥がれていくような感触が生まれる。シュンは躊躇もなく雪見の処女を奪ったようだった。
ずきん、ずきんと傷の痛みが広がる。しかし雪見は涙を浮かべながら笑っていた。
「シュン君のが…いっぱいだね」
「痛いでしょ?」
「大丈夫だよ…シュン君のをもっと感じさせて」
ぐぐっ。
「あああぅっ…入った…」
ついにシュンのモノが最深部まで到達する。雪見は感慨深そうに言葉を漏らした。
ぐぐぐぐ…ぐぐっ。
「うんっ…はぁ…うう」
シュンが入れたり出したりの抽送運動を開始すると、雪見は幾度も声を出す。それは明らかに傷をこすられる痛みから来ているように思われたが、雪見は終始笑みを浮かべていた。涙をぽろぽろと流しながら笑みを浮かべ続けている姿は、どこか壊れてしまいそうなもろさを感じさせる。
「好きなように動いて良いよ…私は大丈夫だから」
ぐぐっ…ぐぐぐっ。
「うん…そうっ…もっと…」
シュンは無言を貫いていた。雪見の中を、何度も何度も往復して、奥を突き続ける。その繰り返しだ。雪見の中から生まれた血はシュンの色素が薄めなペニスを伝い、シュンの白い肌を緋色に染めていた。それでも、シュンはただひたすら突き続ける。
「雪見…出る」
「いいよっ…シュン君の、いっぱい私の中に出していいよっ…」
雪見はそう言うと、自分のウェービィヘアの上で腰を動かし始めた。
ずんっ。
びゅっ…びゅっ…びゅっ…びゅっ。
「ああ…」
シュンは深々と差し込んだペニスから、液体を放った。雪見の中に、熱い液体が満たされていく。
「いっぱい出てるね…シュン君の…私、幸せだよ」
「もう抜いてもいいのかな?」
「いやだよ…もう少しだけ、このまま付き合っていて。お願い。壊さないで…」
とろけそうな色をしていた雪見の目が突然悲しそうなものになって、シュンを見つめた。
「悲しいね…雪見、愛している」
「私も…シュン君、好き…」
雪見は目を閉じて、言った。
感情の起伏に乏しい声が、雪見の手を遮る。
「何か変わると言うのかい?」
「…変わるとか、変わらないとか、そんな事は私には関係ないの」
雪見は声をわずかに震わせながら言うと、止まってしまった手をぐっと伸ばしてシュンの腕をつかむ。体温を感じさせない、透明な感触の腕だ。どうにかすれば消えてしまいそうな頼りないシュンの腕を、雪見は必死につかむ。
「つながってしまえば、つながる事の意味について君はますます混乱することになるよ」
「やめてよ…」
雪見は悲愴な目で、シュンをにらむような鋭さで見つめた。
「私を苦しくして…そんなに、楽しいの」
「そんなことはないさ。僕は君が向かう方向について考え、それを述べているに過ぎない」
たん…!
雪見がシュンに向かって一歩踏み出す。
「好きなのにっ…!」
そのまま雪見はシュンの身体を抱きしめていた。細みなシュンの身体はそれを受け止める事すら出来なさそうだったが、一・二歩後ろに下がったところで何とか止まる。
「こんなに好きなのに…なんでそんな事ばっかり言うのっ…!?」
「幻想だという事には気づいているんだろう?」
顔をシュンの薄い胸にうずめて肩を震わせている雪見に、言葉が届いている様子はなかった。
「君の友人の実質的な消滅、埋めることのできなくなった時間が僕と君を邂逅させ、君が時間を埋めるための幻想を成長させてしまっただけだよ。僕のような存在を知ることは君にとって必要だったかもしれないが、もう君は別の所に行くべきなんだ」
「あ、あなた好きね…邂逅って言葉」
雪見はくぐもった声で言う。茶化しているような言葉だったが、それを言ってもみさきの顔が頭から消えることはなかった。シュンが口にする度、考えないようにしても脳裏に浮かんできて延々と残り続ける。
「もう去るべきだよ。君は」
「い、いや…離さないから」
雪見はシュンの身体を押してしまいそうなほどに強く抱きしめる。
「好きだって言った時に、何も言わないでいいから笑っていてよ…丁寧になんかしなくてもいいから、君のことをいっぱい感じさせてよ…私、もうおかしくなる」
「………」
「もう私は抜け殻みたいなものなんだから、ますます抜け殻になったって誰も恨んだりしないよ…みさきも劇もバイクも、もうなーんにもないのよ」
「無理矢理に捨てただけだ」
「そんなことないわよ…!」
それは雪見の本心だった。ひとつずつ、崩れ落ちるように消えていったのだ。嫌だと思ってもどうしようもなかったし、崩れ落ちるのを防ごうとしても無駄だった。代わりに見つけたのが、この奇妙な少年だ。
「だから、あなたが好き。どうしようもなく好き」
どこにつながるのか不明な接続詞も、シュンは分かった顔で受け入れた。
「君の選択だ。でも後悔することになるよ」
「いいのよ。ただせっかく演じてくれるんだったら、楽しくさせてほしいわね。頭が痛くなるみたいな言葉は禁止」
「努力するよ」
シュンは、雪見の頭を撫でた。
それを合図に、雪見は抱きしめていた手を離す。そしてシュンからわずかに距離を置き、自分の制服に手をかける。
「すごく、恥ずかしいんだから…」
雪見は身を縮めて、シュンから目をそらしながら自分の着衣を脱ぎ去っていった。ひとつ脱ぎ終わるとシュンの目をうかがい、また次の服に手を掛ける。だが必要以上にとどまる事はせず、しばらくの後に雪見はピンク色の下着だけの姿になっていた。
「…あまり見ないでね」
ブラジャーを取る。二つの膨らみが、シュンの視線にさらされる。
「見ないでってば…」
そう言いながら、雪見はショーツの方にも指を引っかけて、するすると脱いでいってしまう。ごく短い時間の間に、雪見は一糸纏わぬ姿になってしまった。雪見は身体の前の方に手を回すが、肝心の部分を隠していない。お腹の辺りと太股の辺りに手をそっと添えただけで、残りの部分は全て見える状態のままだった。
足の裏に感じるワックスを塗った木の床の冷たい感触が、ここを学校だと教えている。無論、雪見にとっては初めての経験だ。身体測定ですら体操服でよいのだから。
「やだ…恥ずかしい…こんなところで…」
ひどく場違いのようでいて、何か合っているような気がした。ひとつだけ感じられるのは、一般常識から考えれば悪いことをしているという事だ。雪見は、普段はそれなりに真面目な生徒なのである。
「でも、綺麗だよ」
身体をもじもじとさせている雪見に、シュンは言った。
「本当…?」
「うん」
相変わらず感情の起伏がない声だったが、内容が内容だけに雪見は何とも言えない幸福感に包まれる。
「うれしいかな…やっぱり」
「そう。よかった」
雪見の目が、すっと潤む。
「私の身体、好きにしていいよ…」
「じゃあ、するよ」
「…うん」
少しずれた返事だったが、シュンにすれば上出来かも知れない。
そんな事を思っていると、突然シュンは雪見の前に膝を突いて座った。
「え?」
シュンは、そのまま顔をまっすぐ雪見に向かって近づけてくる。その高さは、雪見の秘裂の部分に来る高さだ。そしてシュンの口からは、ぺろんと舌が見えていた。
「ちょ、ちょ」
ぴとっ。
「あ…」
ぢゅるっ。
「あっ…あ」
シュンは何のためらいもなく口を雪見の性器につけると、すぐに舌を大きく動かして雪見の秘裂の中まで入ってきた。
「だ、だめ、汚いよっ、そんなとこ」
ふるふるっ。
さらっとした髪を揺らしながら、シュンは首を横に振った。
ぢゅるっ。ぢゅるる…
「ああ…こんなとこ…恥ずかしいよっ…」
そう言いながらも、表情にはほんの少し嬉しそうな様子も見える。キスも指での前戯もない、いきなりの大胆な行為だったが、シュンがそこを舐めてもいいほどに自分の事を受け入れている証拠のようにも思えたのだ。
ぢゅるん。
唾液で濡れてきた雪見の秘裂の中を、シュンの舌が這い回る。
「ひゃぅっ」
秘裂の上端を刺激されると、雪見は腰を跳ね上げて反応した。しかし、シュンの舌はすぐ別のところに移動してしまう。
「あ…ねぇ」
「………」
シュンは目だけ上げて雪見を見た。
「い、今のとこ…とっても良かったから…あの」
ぢゅるっ。ぢゅっ、ぢゅっ。
「ああっ…いい…そこ…もっとしてよぉ…シュン君の舌…すっごくいいよぉっ…」
活舌はいいはずの雪見が、舌っ足らずな声になっていた。雪見は腰を自らグラインドさせる。長いウェーブの髪が、背中がさらさらと揺れ動いていた。
やがて生理的反応としてにじみ出てきた酸っぱい液体が、シュンの舌に触れて舐められてしまう。雪見は羞恥心を感じつつも、あえて液体が出てきてしまうのを止めようとはしなかった。
「…雪見のココ、とてもおいしいよ」
「えっ…シュン君」
普段は使っていなかった呼称を、雪見は自然と使っていた。
「う、うそだぁ…そんなのって」
「嘘じゃないよ。本当においしい。雪見の中から出てきたジュースが特にね」
「やだっ…」
雪見は顔を真っ赤にする。しかし嬉しがっているのは見え見えだった。
「雪見、もういい?」
「うん…私の大切なはじめて…シュン君にあげるよ」
浮かされたような声で言うと、雪見は床に身を横たえた。ひどく冷たい床の感触に肌が粟(あわ)立つが、それが背中を這い上がる期待感のようにすら感じられてしまう。
かちゃかちゃ、とシュンがベルトを外してズボンを下ろしているのが見える。だが自分の心臓のどきどきする音に気を取られている間に、シュンは準備を終えてしまっていた。
「………」
シュンがするっと身を下げて雪見の上に覆いかぶさってくる。一瞬見えたペニスは大きかったような、小さかったような、判然とはしなかったが、行為をできるだけの勃起はしっかりしているようだった。
「雪見…」
「シュン君…来て」
にち…
雪見が言うと同時に、固い感触が秘裂の中に侵入してきた。みるみる間にそれは雪見の汚されていない地帯にまで入ってくる。唾液のせいか、痛みはなかった。
ぐぐぐぐ。
「うあ…」
そして、中の中に侵入が開始される。狭い部分に熱くて固い物が入ってくるのがよくわかった。
ぶちっ…ぷちち…
「ああああっ…」
次の瞬間、強い痛みと同時に何かが剥がれていくような感触が生まれる。シュンは躊躇もなく雪見の処女を奪ったようだった。
ずきん、ずきんと傷の痛みが広がる。しかし雪見は涙を浮かべながら笑っていた。
「シュン君のが…いっぱいだね」
「痛いでしょ?」
「大丈夫だよ…シュン君のをもっと感じさせて」
ぐぐっ。
「あああぅっ…入った…」
ついにシュンのモノが最深部まで到達する。雪見は感慨深そうに言葉を漏らした。
ぐぐぐぐ…ぐぐっ。
「うんっ…はぁ…うう」
シュンが入れたり出したりの抽送運動を開始すると、雪見は幾度も声を出す。それは明らかに傷をこすられる痛みから来ているように思われたが、雪見は終始笑みを浮かべていた。涙をぽろぽろと流しながら笑みを浮かべ続けている姿は、どこか壊れてしまいそうなもろさを感じさせる。
「好きなように動いて良いよ…私は大丈夫だから」
ぐぐっ…ぐぐぐっ。
「うん…そうっ…もっと…」
シュンは無言を貫いていた。雪見の中を、何度も何度も往復して、奥を突き続ける。その繰り返しだ。雪見の中から生まれた血はシュンの色素が薄めなペニスを伝い、シュンの白い肌を緋色に染めていた。それでも、シュンはただひたすら突き続ける。
「雪見…出る」
「いいよっ…シュン君の、いっぱい私の中に出していいよっ…」
雪見はそう言うと、自分のウェービィヘアの上で腰を動かし始めた。
ずんっ。
びゅっ…びゅっ…びゅっ…びゅっ。
「ああ…」
シュンは深々と差し込んだペニスから、液体を放った。雪見の中に、熱い液体が満たされていく。
「いっぱい出てるね…シュン君の…私、幸せだよ」
「もう抜いてもいいのかな?」
「いやだよ…もう少しだけ、このまま付き合っていて。お願い。壊さないで…」
とろけそうな色をしていた雪見の目が突然悲しそうなものになって、シュンを見つめた。
「悲しいね…雪見、愛している」
「私も…シュン君、好き…」
雪見は目を閉じて、言った。
(6/1のあゆのの続きです)
「あ、あゆ?」
祐一は、かーっと頭の中が熱くなってくるのを感じていた。
「い、いやだって言ってもだめだよ」
あゆはぐっと祐一を下から見上げる。その目には一生懸命の強がりがあった。声が少し落ち着きをなくしているのは良く見れば明らかだったろうが、祐一にはそんな余裕はない。きゅっと閉じられたあゆの口元に白っぽい液体がついたままになっているのを見ただけで、頭の中が動かなくなってしまう。
「…ど、どうすれば…いいんだ?」
祐一は小声で言った。風の吹き抜ける森の中なのに、誰かに聞きつけられるのを恐れているような小さな声である。
「ボ、ボクが説明するよっ!しゃがんで!」
あゆが多少引きつった、大きな声を出す。祐一は思わずこくこくと頭を振って、土の上に座り込んでいた。最初は正座をしそうになったが、雪の降り積もった上にすねがつきそうになった瞬間、慌てて腰を上げる。そして、祐一は膝を抱えた姿勢になった。
「じゃ、じゃあ、ボクのを見せるよ」
「…わかった…」
あゆが緊張した声で言うと、祐一は神妙にうなずく。
…ぐ。
小さな手が、キュロットスカートの腰の部分をつかんだ。
祐一が食い入るように見つめる中、あゆはキュロットスカートと子供用のパンツを一緒に下ろしてしまった。セーターの裾の辺りまでは多少の躊躇もあったが、そこからは一瞬である。
ぱちっ…。
祐一がちょうどまばたきをして、目を開いた時にはあゆの下半身がすっかり露わになってしまっていた。
「………」
ごくり、と生唾を飲み込みながら祐一はあゆのそこを凝視する。そこが見え始める瞬間を見逃してしまったせいか、まばたきすらしないように目を見開いていた。風の吹く中、すぐに目が乾いて痛くなってくるが、それでも祐一は必死になってそこを見つめている。
「こうなってるんだよ…」
あゆは膝の辺りまで下げたキュロットから手を離すと、身を起こした。それによって、下がっていたセーターで隠されていた割れ目の一番上までが全部見えるようになる。
と言っても、あゆの性器は外から見ると完全に一本の筋に他ならなかった。それ以上に、どんな変化も違いもない。それでも、祐一は飽きもせずにずっとそこを見ていた。もちろん、実際に触れてみたいという欲求はむらむらと高まってきている。だが、祐一はあゆの促しなしに神秘の部分に手を伸ばすほど大胆にはなれなかった。
はぁぁぁ…と、あゆが深く息を吐き出す。祐一もつられて呼吸する。
「じゃあ、舐めてよ…」
「うっ…ああ」
祐一はぎごちなくうなずいた。
座ったままの姿勢で、ずりずりとあゆに向かって近づいていく。低い視線から見るあゆの身体は、これまで見てきたあゆとは全く違って見えた。あゆに真上から見下ろされるという経験も、あゆのパンツの下を見るという経験も祐一にはなかったし、その違いがこれほどの気持ちの違いを産み出すという事も知らなかった。
祐一はあゆの足の間を這い上がるようにして、身を起こしていく。すべすべとしたあゆの太股を触ると、未知のどきどきとした感覚が起こってきた。あゆと手をつないだ事はあっても、こんな所に触れた事はない。ただの足、人に見せても全然恥ずかしくないような所なのに、ここまで心が高鳴って来るという事を祐一は不思議に思った。
「祐一君…」
「…あ」
太股の所でとどまっていた祐一に、あゆが声をかけてくる。祐一はばつの悪そうな顔をして、もう一段顔を上げた。その眼前に、いきなりあゆのぴたりと閉じた割れ目が至近距離で飛び込んでくる。
「あっ…あ」
心の準備ができないままに突きつけられたそこに、祐一はどうすればよいのかわからなくなってしまった。太股の上にはそこがあるという事すら忘れていたのだ。見る場所、触る場所がどれも未経験すぎて、つながっているという事がうまく把握できなくなっている。
「い、いやなんて言わせないもん」
あゆが、ほんの少しだけ腰を前に出した。
元々ほとんど離れていなかった祐一の顔とあゆの割れ目は、もう少し動かすだけでくっつく所まで来ている。
祐一は、あゆの匂いを感じていた。普段でも少しは感じられる、名雪やあゆのそばにいる時に感じられる匂い。母親や秋子のそばにいる時ともちょっと違う、ふわっとした甘酸っぱさにも似た匂いだ。それが、今まで感じたことのないほどにはっきりと感じられていた。
その匂いに引かれるようにして、祐一は唇の間から出した舌の先をあゆの割れ目に触れさせた。
『………』
触れた瞬間は、二人とも無言だった。あゆは緊張しきった顔で祐一の頭を見下ろし、祐一は真っ白な頭であゆの匂いを感じている。
舌の先からはほとんど味は伝わってこなかったが、ぷにゅっとした柔らかい感触が感じられた。祐一はそれを確かめるように、少しだけ出した舌を上下に動かす。あゆの閉じた割れ目の上を、真っ赤な色をした祐一の舌が伝っていく。
やはり、二人とも無言だった。あゆの割れ目に少しずつ祐一の唾液が付着していっても、あゆも祐一もこれといった反応を返す事はなかった。そのまま、祐一は機械のように一定の動きで舌を上に下に動かしていく。何をしているのか、よくわからなかった。ただ、いけない事をしているという感覚と、楽しい事をしているという感覚が祐一を支配していた。
「…ボ、ボクはもっといろいろしてあげてたよ」
「………」
祐一がいつまで経っても同じ動きをしているのを見て、ついにあゆが祐一に声をかける。祐一は舌の動きを止めて、頭の動きを元に戻そうと試みた。
表面でないとすれば、中に行くしかない。祐一の意識に、俄然(がぜん)緊張が高まってくる、中がどうなっているのか、祐一には全く想像がつかなかった。
「…祐一君も、だよ…」
あゆが柔らかく腰を押し出す。少しずつ強まってくる圧迫感。祐一は数秒の間躊躇した後、思い切って舌をぐいっと突き出してあゆの割れ目の中に突き入れた。
「きゃ…」
思いも寄らぬ突然の動きに、あゆが声を上げる。
祐一は舌を突っ込んだまま、はぁはぁと息を荒くしていた。一線を踏み込んでしまったという思いがびんびんと背筋を突き抜けていく。それに加えて舌で舐めているという幼児的行為の連続が、祐一の頭から通常の感性を奪っていた。少ししょっぱい味は普段なら嫌なものに感じられたかもしれないが、今の祐一にとっては全く不快なものとしては感じられない。
ぬるん…
「んっ」
祐一が舌をぐるんと動かすと、あゆがわずかに眉をしかめた。そして、祐一と同じようにはぁはぁと熱い息を吐き出す。祐一は大丈夫かどうか訊きたかったが、今の状態ではムリだった。あゆがしていたのと同じ強さならいいはずだ、という思いでしていくしかない。
にゅるっ、ぬる…
祐一はあゆの割れ目の底の部分を、舌で丁寧に舐めていった。舌の先に、肌とは別の感触が感じられる。縦の方向に、少し肉が盛り上がっているようである。祐一はあゆの割れ目の表面を撫でていた時と同じような思いで、その部分を幾度も幾度も舐めた。
次第に耳に聞こえてくるあゆの喘ぎの息が大きくなってくるのが心地よかった。
「ゆ、祐一君、もっと奥っ…」
「……?」
「そ、そこのもっと中…」
そう言って、あゆは脚を大きく開いた。祐一は支えにしていた脚が動いて、バランスを崩しそうになる。
「…はぁっ」
祐一は一度顔を離した。目の前に、自分が今舐めていた部分がある。
「…あ」
「こ、ここ…」
確かに、あゆの割れ目の奥にある赤っぽい肉の部分が開けて、さらに奥の部分が見えていた。濃いピンク色のような、複雑にひだひだが絡み合っている部分。その入り口近くは、べとべとになっていた。自分の唾液がついているのだ。濡れた部分がぬらっとした光を帯びていて、祐一を誘うように光っていた。白い色をしたあゆの肌とは全然違う部分がある事に、祐一は改めて驚く。
「この辺り…」
あけすけもなく広げた自分の性器の中を、あゆは人差し指で指し示した。
祐一は小さくうなずくと、再びあゆの割れ目に顔をうずめる。そして、網膜に残る映像を頼りにしてあゆの割れ目の奥の奥、あゆの指し示した辺りに舌の先を届かせた。
「あっ!」
あゆがはっきりわかるほどに身体をびくつかせる。
「だ、大丈夫!祐一君っ、続けて…」
思わず舌を引っ込めた祐一に、あゆが言う。
「す、すごく気持ちいいだけだから…」
恥ずかしさに震えた声が、祐一を勇気づけた。祐一はさっきよりも慎重に舌を伸ばすと、あゆの奥にゆっくりと舌を差し入れる。
つんっ。
「うん…」
あゆが悩ましい声を出した。祐一はつんつんと幾度かそこをつつき、その後でちろちろと舌の先だけを使って小刻みに舐めてみる。
「も、もう少し上…」
祐一は声に従って、舌の刺激する部分を少しずつ上にスライドさせていった。
「そこっ!」
何か固いものに触ったと思った瞬間、あゆが鋭い声を出す。祐一は反応を確かめるため、舌を広めに出してその辺りをぐりんと舐めた。すると、そこに小さな固い粒のようなものがあるのに気づく。
直感的に、祐一はそこを激しく舌先で震わせてみた。
「あっ、あっ、あっ!」
あゆが大きな声を出して、ぐいっと祐一の頭を押さえ込む。祐一は頭が押し下げられそうになりながらも、それに抵抗して熱心にそこを舌先でいじめ続けた。
「あ、あっ!祐一くんっ、そこ…ボク、気持ちいいっ!」
あゆは顔を両手で押さえながら頭を振り始める。祐一にそれは見えなかったが、頭を押し下げられる力が無くなったのをいい事にありたけの力を込めてあゆの敏感な小粒をいじめていった。
「ボ、ボクっ…来るのっ!き、来ちゃうよ…も、もうだめっ…」
一瞬人が来たのかと祐一はどきりとするが、あゆが腰を振り続けているのを考えればそれはない事はわかった。むしろ、自分の経験と照らし合わせて、あゆの身体に何が起こっているのかを祐一は理解してしまう。
悲鳴のようなあゆの喘ぎ声にぞくぞくとするものを感じながら、祐一は一切の容赦なくあゆの最も弱い部分をピンポイントに舐めていった。
「あっ…あーっ、あーっ!!」
ビクッ!!
そして、あゆの身体が激しく震え上がる。それと同時に、祐一はぷちゅっと音がして何かが飛び出す音を聞いた。
ビクン、ビク…
「あ、あっ…ボク…あ…」
うわごとのようにつぶやくあゆ。祐一は頭がふらふらとしているのを感じつつ、頭を少し引いた。
「…これ」
あゆの中には、祐一の唾液とは明らかに違う何かの液体が吹き出していた。恐らく、絶頂の瞬間に飛び出してきた物であるのは間違いない。祐一のさっきの精通と照らし合わせれば、それは明白だった。
…ちゅっ。
「あぅっ…ゆ、祐一君…」
当然のように、祐一は唇を割れ目に押しつけて、あゆのジュースを舐め取る。温かくて酸っぱく、頭の中をくすぐられるような味がした。じゅるじゅると動物のような音を立てながら、祐一はそれを綺麗に舐め取っていく。
あゆは絶頂の直後で敏感な部分を刺激され、身体をくねらせて悶えていた。
「…ありがとう」
味が無くなるまですっかり舐め取って祐一が顔を上げると、あゆが言う。目元から少し涙がにじんで、顔は真っ赤だった。そして、いつものあゆと比べてひどく大人びて見えた。
「これで、おあいこ、だよな」
「…うん」
あゆがうなずくのを見て、祐一は腰を伸ばした。ずっと中腰のような姿勢でいたため、腰がひどく痛くなってしまっている。しかし、そんな事が全く気にならないほどの満足感が祐一を包んでいた。
「ねぇ、祐一君」
「なんだ?」
祐一が聞き返す。すっかり冷え切った下半身を、ズボンをずり上げて温めようとしていた手が止まった。
「ボク、祐一君の事が好きだよ…」
「………あゆ」
祐一は硬直する。
二人の性器が見える状態で言うような事じゃない、などと思いつつも、祐一はどうしようもなく気持ちが熱くなってくるのを感じる。普段なら軽口のひとつも叩いていたのかも知れないが、今の祐一はそんな事をする気分にはなれなかった。
「それでね、絶対、恋人同士でいられるおまじないを、ボク、知ってるよ」
あゆは臆面もなく、畳みかけるように続ける。
「………」
「だから、祐一君、もしボクの事を好きじゃないなら、途中で嫌だって言ってね」
「あゆ…」
「言わなかったら、ボク、最後までおまじないをしちゃうからね…」
祐一はまた新しい何かが起こる予感を感じながら、身を固くした。
「あ、あゆ?」
祐一は、かーっと頭の中が熱くなってくるのを感じていた。
「い、いやだって言ってもだめだよ」
あゆはぐっと祐一を下から見上げる。その目には一生懸命の強がりがあった。声が少し落ち着きをなくしているのは良く見れば明らかだったろうが、祐一にはそんな余裕はない。きゅっと閉じられたあゆの口元に白っぽい液体がついたままになっているのを見ただけで、頭の中が動かなくなってしまう。
「…ど、どうすれば…いいんだ?」
祐一は小声で言った。風の吹き抜ける森の中なのに、誰かに聞きつけられるのを恐れているような小さな声である。
「ボ、ボクが説明するよっ!しゃがんで!」
あゆが多少引きつった、大きな声を出す。祐一は思わずこくこくと頭を振って、土の上に座り込んでいた。最初は正座をしそうになったが、雪の降り積もった上にすねがつきそうになった瞬間、慌てて腰を上げる。そして、祐一は膝を抱えた姿勢になった。
「じゃ、じゃあ、ボクのを見せるよ」
「…わかった…」
あゆが緊張した声で言うと、祐一は神妙にうなずく。
…ぐ。
小さな手が、キュロットスカートの腰の部分をつかんだ。
祐一が食い入るように見つめる中、あゆはキュロットスカートと子供用のパンツを一緒に下ろしてしまった。セーターの裾の辺りまでは多少の躊躇もあったが、そこからは一瞬である。
ぱちっ…。
祐一がちょうどまばたきをして、目を開いた時にはあゆの下半身がすっかり露わになってしまっていた。
「………」
ごくり、と生唾を飲み込みながら祐一はあゆのそこを凝視する。そこが見え始める瞬間を見逃してしまったせいか、まばたきすらしないように目を見開いていた。風の吹く中、すぐに目が乾いて痛くなってくるが、それでも祐一は必死になってそこを見つめている。
「こうなってるんだよ…」
あゆは膝の辺りまで下げたキュロットから手を離すと、身を起こした。それによって、下がっていたセーターで隠されていた割れ目の一番上までが全部見えるようになる。
と言っても、あゆの性器は外から見ると完全に一本の筋に他ならなかった。それ以上に、どんな変化も違いもない。それでも、祐一は飽きもせずにずっとそこを見ていた。もちろん、実際に触れてみたいという欲求はむらむらと高まってきている。だが、祐一はあゆの促しなしに神秘の部分に手を伸ばすほど大胆にはなれなかった。
はぁぁぁ…と、あゆが深く息を吐き出す。祐一もつられて呼吸する。
「じゃあ、舐めてよ…」
「うっ…ああ」
祐一はぎごちなくうなずいた。
座ったままの姿勢で、ずりずりとあゆに向かって近づいていく。低い視線から見るあゆの身体は、これまで見てきたあゆとは全く違って見えた。あゆに真上から見下ろされるという経験も、あゆのパンツの下を見るという経験も祐一にはなかったし、その違いがこれほどの気持ちの違いを産み出すという事も知らなかった。
祐一はあゆの足の間を這い上がるようにして、身を起こしていく。すべすべとしたあゆの太股を触ると、未知のどきどきとした感覚が起こってきた。あゆと手をつないだ事はあっても、こんな所に触れた事はない。ただの足、人に見せても全然恥ずかしくないような所なのに、ここまで心が高鳴って来るという事を祐一は不思議に思った。
「祐一君…」
「…あ」
太股の所でとどまっていた祐一に、あゆが声をかけてくる。祐一はばつの悪そうな顔をして、もう一段顔を上げた。その眼前に、いきなりあゆのぴたりと閉じた割れ目が至近距離で飛び込んでくる。
「あっ…あ」
心の準備ができないままに突きつけられたそこに、祐一はどうすればよいのかわからなくなってしまった。太股の上にはそこがあるという事すら忘れていたのだ。見る場所、触る場所がどれも未経験すぎて、つながっているという事がうまく把握できなくなっている。
「い、いやなんて言わせないもん」
あゆが、ほんの少しだけ腰を前に出した。
元々ほとんど離れていなかった祐一の顔とあゆの割れ目は、もう少し動かすだけでくっつく所まで来ている。
祐一は、あゆの匂いを感じていた。普段でも少しは感じられる、名雪やあゆのそばにいる時に感じられる匂い。母親や秋子のそばにいる時ともちょっと違う、ふわっとした甘酸っぱさにも似た匂いだ。それが、今まで感じたことのないほどにはっきりと感じられていた。
その匂いに引かれるようにして、祐一は唇の間から出した舌の先をあゆの割れ目に触れさせた。
『………』
触れた瞬間は、二人とも無言だった。あゆは緊張しきった顔で祐一の頭を見下ろし、祐一は真っ白な頭であゆの匂いを感じている。
舌の先からはほとんど味は伝わってこなかったが、ぷにゅっとした柔らかい感触が感じられた。祐一はそれを確かめるように、少しだけ出した舌を上下に動かす。あゆの閉じた割れ目の上を、真っ赤な色をした祐一の舌が伝っていく。
やはり、二人とも無言だった。あゆの割れ目に少しずつ祐一の唾液が付着していっても、あゆも祐一もこれといった反応を返す事はなかった。そのまま、祐一は機械のように一定の動きで舌を上に下に動かしていく。何をしているのか、よくわからなかった。ただ、いけない事をしているという感覚と、楽しい事をしているという感覚が祐一を支配していた。
「…ボ、ボクはもっといろいろしてあげてたよ」
「………」
祐一がいつまで経っても同じ動きをしているのを見て、ついにあゆが祐一に声をかける。祐一は舌の動きを止めて、頭の動きを元に戻そうと試みた。
表面でないとすれば、中に行くしかない。祐一の意識に、俄然(がぜん)緊張が高まってくる、中がどうなっているのか、祐一には全く想像がつかなかった。
「…祐一君も、だよ…」
あゆが柔らかく腰を押し出す。少しずつ強まってくる圧迫感。祐一は数秒の間躊躇した後、思い切って舌をぐいっと突き出してあゆの割れ目の中に突き入れた。
「きゃ…」
思いも寄らぬ突然の動きに、あゆが声を上げる。
祐一は舌を突っ込んだまま、はぁはぁと息を荒くしていた。一線を踏み込んでしまったという思いがびんびんと背筋を突き抜けていく。それに加えて舌で舐めているという幼児的行為の連続が、祐一の頭から通常の感性を奪っていた。少ししょっぱい味は普段なら嫌なものに感じられたかもしれないが、今の祐一にとっては全く不快なものとしては感じられない。
ぬるん…
「んっ」
祐一が舌をぐるんと動かすと、あゆがわずかに眉をしかめた。そして、祐一と同じようにはぁはぁと熱い息を吐き出す。祐一は大丈夫かどうか訊きたかったが、今の状態ではムリだった。あゆがしていたのと同じ強さならいいはずだ、という思いでしていくしかない。
にゅるっ、ぬる…
祐一はあゆの割れ目の底の部分を、舌で丁寧に舐めていった。舌の先に、肌とは別の感触が感じられる。縦の方向に、少し肉が盛り上がっているようである。祐一はあゆの割れ目の表面を撫でていた時と同じような思いで、その部分を幾度も幾度も舐めた。
次第に耳に聞こえてくるあゆの喘ぎの息が大きくなってくるのが心地よかった。
「ゆ、祐一君、もっと奥っ…」
「……?」
「そ、そこのもっと中…」
そう言って、あゆは脚を大きく開いた。祐一は支えにしていた脚が動いて、バランスを崩しそうになる。
「…はぁっ」
祐一は一度顔を離した。目の前に、自分が今舐めていた部分がある。
「…あ」
「こ、ここ…」
確かに、あゆの割れ目の奥にある赤っぽい肉の部分が開けて、さらに奥の部分が見えていた。濃いピンク色のような、複雑にひだひだが絡み合っている部分。その入り口近くは、べとべとになっていた。自分の唾液がついているのだ。濡れた部分がぬらっとした光を帯びていて、祐一を誘うように光っていた。白い色をしたあゆの肌とは全然違う部分がある事に、祐一は改めて驚く。
「この辺り…」
あけすけもなく広げた自分の性器の中を、あゆは人差し指で指し示した。
祐一は小さくうなずくと、再びあゆの割れ目に顔をうずめる。そして、網膜に残る映像を頼りにしてあゆの割れ目の奥の奥、あゆの指し示した辺りに舌の先を届かせた。
「あっ!」
あゆがはっきりわかるほどに身体をびくつかせる。
「だ、大丈夫!祐一君っ、続けて…」
思わず舌を引っ込めた祐一に、あゆが言う。
「す、すごく気持ちいいだけだから…」
恥ずかしさに震えた声が、祐一を勇気づけた。祐一はさっきよりも慎重に舌を伸ばすと、あゆの奥にゆっくりと舌を差し入れる。
つんっ。
「うん…」
あゆが悩ましい声を出した。祐一はつんつんと幾度かそこをつつき、その後でちろちろと舌の先だけを使って小刻みに舐めてみる。
「も、もう少し上…」
祐一は声に従って、舌の刺激する部分を少しずつ上にスライドさせていった。
「そこっ!」
何か固いものに触ったと思った瞬間、あゆが鋭い声を出す。祐一は反応を確かめるため、舌を広めに出してその辺りをぐりんと舐めた。すると、そこに小さな固い粒のようなものがあるのに気づく。
直感的に、祐一はそこを激しく舌先で震わせてみた。
「あっ、あっ、あっ!」
あゆが大きな声を出して、ぐいっと祐一の頭を押さえ込む。祐一は頭が押し下げられそうになりながらも、それに抵抗して熱心にそこを舌先でいじめ続けた。
「あ、あっ!祐一くんっ、そこ…ボク、気持ちいいっ!」
あゆは顔を両手で押さえながら頭を振り始める。祐一にそれは見えなかったが、頭を押し下げられる力が無くなったのをいい事にありたけの力を込めてあゆの敏感な小粒をいじめていった。
「ボ、ボクっ…来るのっ!き、来ちゃうよ…も、もうだめっ…」
一瞬人が来たのかと祐一はどきりとするが、あゆが腰を振り続けているのを考えればそれはない事はわかった。むしろ、自分の経験と照らし合わせて、あゆの身体に何が起こっているのかを祐一は理解してしまう。
悲鳴のようなあゆの喘ぎ声にぞくぞくとするものを感じながら、祐一は一切の容赦なくあゆの最も弱い部分をピンポイントに舐めていった。
「あっ…あーっ、あーっ!!」
ビクッ!!
そして、あゆの身体が激しく震え上がる。それと同時に、祐一はぷちゅっと音がして何かが飛び出す音を聞いた。
ビクン、ビク…
「あ、あっ…ボク…あ…」
うわごとのようにつぶやくあゆ。祐一は頭がふらふらとしているのを感じつつ、頭を少し引いた。
「…これ」
あゆの中には、祐一の唾液とは明らかに違う何かの液体が吹き出していた。恐らく、絶頂の瞬間に飛び出してきた物であるのは間違いない。祐一のさっきの精通と照らし合わせれば、それは明白だった。
…ちゅっ。
「あぅっ…ゆ、祐一君…」
当然のように、祐一は唇を割れ目に押しつけて、あゆのジュースを舐め取る。温かくて酸っぱく、頭の中をくすぐられるような味がした。じゅるじゅると動物のような音を立てながら、祐一はそれを綺麗に舐め取っていく。
あゆは絶頂の直後で敏感な部分を刺激され、身体をくねらせて悶えていた。
「…ありがとう」
味が無くなるまですっかり舐め取って祐一が顔を上げると、あゆが言う。目元から少し涙がにじんで、顔は真っ赤だった。そして、いつものあゆと比べてひどく大人びて見えた。
「これで、おあいこ、だよな」
「…うん」
あゆがうなずくのを見て、祐一は腰を伸ばした。ずっと中腰のような姿勢でいたため、腰がひどく痛くなってしまっている。しかし、そんな事が全く気にならないほどの満足感が祐一を包んでいた。
「ねぇ、祐一君」
「なんだ?」
祐一が聞き返す。すっかり冷え切った下半身を、ズボンをずり上げて温めようとしていた手が止まった。
「ボク、祐一君の事が好きだよ…」
「………あゆ」
祐一は硬直する。
二人の性器が見える状態で言うような事じゃない、などと思いつつも、祐一はどうしようもなく気持ちが熱くなってくるのを感じる。普段なら軽口のひとつも叩いていたのかも知れないが、今の祐一はそんな事をする気分にはなれなかった。
「それでね、絶対、恋人同士でいられるおまじないを、ボク、知ってるよ」
あゆは臆面もなく、畳みかけるように続ける。
「………」
「だから、祐一君、もしボクの事を好きじゃないなら、途中で嫌だって言ってね」
「あゆ…」
「言わなかったら、ボク、最後までおまじないをしちゃうからね…」
祐一はまた新しい何かが起こる予感を感じながら、身を固くした。
「痛かったら言えよ」
「…わかりました」
「あと、もっと力抜いてくれ」
「…こうですか?」
「そう」
セリオがベッドに直立したまま寝ているような姿勢をゆるめて、軽く身体を開く。
浩之はややためらいがちに手を伸ばしていったが、やがて決意を込めてセリオの胸をぎゅっとつかむ。
すべすべした感触で、ボリュームもそれなりにあった。形もなだらかな流線型で、綺麗に整っている。そして揉むと心地よい弾力を返してくる。
「………」
しかし、浩之が段々手に込める力を強くしていっても、セリオは何の反応も返さなかった。浩之も、ただ力任せに揉み上げるだけではなく、撫でてみたり震わせたりの動きを加えてみる。だが、セリオは何の反応も返さなかった。
「…藤田様の性器を私の性器に挿入すればいいのではないですか?」
「いや、そういうわけにもいかないんだって」
浩之は桜色の突起に焦点を移して、指先で転がし始める。
「………」
その表情はあくまで真剣だった。セリオは相変わらず無表情だったが、瞳にわずかながら不思議そうな色が宿ってくる。
「あ…これ…ちゃんと、立ってきてる」
「…と言いますと」
「ほら、見ろって」
浩之は指をどけて、セリオに突起の様子を示す。
「…これは」
「ちゃんとできてるんだな」
「どういう意味があるのでしょう?」
「まぁ待ってろって」
浩之の顔に、俄然(がぜん)自信が宿ってきた。浩之は細かに指の動きを調整して、セリオの胸の先を丁寧に愛撫していく。
みるみる間に、その突起はぷっくりと膨らんでいった。純白の膨らみの先端が、はっきりわかるほど紅に染まってくる。
「セリオ、なんか感じるか?」
「いえ…藤田様の指が触れているのはわかりますが」
「触っているのが、なんか別の感じしないか?」
「別の…感じですか」
「そう」
「…多少、強く感じられるかもしれません」
「痛くはないんだよな?」
「ええ」
「そうか…」
浩之はしばらく膨らんだ突起を転がし続けていた。が、不意に手の動きを止めて、身体を下の方に動かし始める。
「………」
するとセリオは、自ら脚を左右に開いた。全く無毛のクレヴァスがわずかに開き、奥にある粘膜が見えるようになる。極めて形が整った薄ピンク色の媚肉だった。
「どうぞ」
「まだ入れねーよ」
「まだですか?」
「ああ」
そう言うと、浩之はセリオの太股を両の手でがっしりとつかむ。そして、セリオの顔を見た。
「?」
セリオは意図がわからないようだ。浩之はにや、と笑みを浮かべる。
…ちゅ…
「藤田様っ?」
ちゅっ…ぺろっ…べろべろっ…
浩之はセリオの脚の間に顔を突っ込み、唇をクレヴァスに押しつけた。セリオが驚いた表情で目を丸くする。
「こ、これは?」
べろ…ちゅっ。
浩之は無言で、頭を振りながらセリオのクレヴァスをむしゃぶっていった。舌を思い切り伸ばして差し込み、粘膜を無茶苦茶な勢いでなめ回し、吸い立てる。
セリオのクレヴァスは、すぐに唾液のぬめりを帯び始めた。
ちゅっ!
「………!?」
「…あ」
浩之が、ゆっくりと顔を上げる。
「へへ…セリオ、今感じてたろ?」
「…藤田様」
口元をぬぐいながら言う浩之に対し、セリオは緊張した面持ちになった。
浩之はクレヴァスの間に指を差し入れる。セリオは緊張した面持ちのままだったが、脚をまた少し広げて素直に従った。
「…ここ。ここなんだな」
「そ、そこは…」
「ここは、なんなんだ?」
「わ、わかりません…」
明らかに動揺している。セリオには滅多にないことだ。
「気持ちいいだろ?」
「よ、よくわかりませんが、熱が生まれて思考回路が乱れてきています」
「良く言うよな」
ぐりゅっ、ぐりゅっと浩之がセリオの肉芽を押しつぶす。シンプルな外見の性器に合ったつつしまやかなサイズだったが、明らかに勃起して膨らんでいた。
…ぴゅっ!
「うおっ」
「……!!」
突然、浩之の前に透明な液体が飛び出てくる。それはセリオのクレヴァスの中から生まれたものに間違いなかった。
「な、なんで…」
「すげー濡れてそうだな…」
「わ、私は、故障しているんでしょうか」
「違う」
浩之は指をクレヴァスから話して、身をせり上げる。そして、セリオの顔をぐっとのぞきこんだ。
「感じてるんだ」
「何を…でしょうか」
「気持ちいいって感じてるんだよ。セリオの体が」
「そんな機能は…」
「どうなんだろうな。ま、俺としては嬉しいけど」
浩之はセリオの腰に手を伸ばし、屹立したペニスをセリオのクレヴァスに近づけていく。
くちゅ…
先端を入り口の部分に触れさせると、それだけで水音がした。
「じゃあ、いくぞ?」
「はい…」
セリオがうなずく。
…ちゅぷ!
「………」
「入った…な」
「ええ…」
セリオはぼうっとした目になっていた。表情の変化に乏しいセリオにとっては、相当な変化だと言える。
ちゅぷちゅぷちゅぷ…
「気持ちいいぜ…セリオ」
「そうですか…」
セリオの中は、ぬめぬめとした滑らかな筒が包み込んでくるような感触だった。火照ったように熱く、締め付けもきつい。普通の少女とはちょっと感触が違ったが、むしろ気持ちよさは上かもしれなかった。
「セリオは?」
「なにか…オーバーヒートしそうな…」
「でも、しないよな?」
「大丈夫のようです…」
ちゅぷっ、ちゅぷっ。
「う…」
浩之が煽るような腰の動かし方をすると、セリオが眉をしかめる。
「セリオ、中でも感じるんだな」
「な…なにか…ふあっ!」
腰の動きに合わせて、浩之が肉芽をつまむとセリオはらしからぬ嬌声を上げていた。
「そういう表情、できるんだな…」
「ふ、藤田様、そこから指を…指を、離してください…!」
「ダメ。このまま」
「あっ…くあっ…!」
セリオはぶんぶんと顔を振りながら、目を閉じて苦しそうな表情を浮かべる。それに合わせて、締め付けもますます強くなってきた。
「…よし…もうそろそろ出そうだ」
「………」
「セリオはどうだ?イキそうか?」
「ど、どこにですか?」
「どこに…そう、すっげー気持ちいいとこ」
「こ、この状態…で…はぁっ…動け…!」
「そうじゃねーよ…ま、すぐにわかるって」
ちゅぷちゅぐっ、ちゅぐ!
浩之がリズミカルなストロークを速めて、最後のスパートをかける。
「あ、あっ…藤田…様…!」
セリオがぐぐっと背中を浮かせた。
「セリオっ…!」
…どくんっ!
浩之は腰を思い切り突きだして、セリオの中に放出する。
どくん、どく、どくん…
「あ…あ…あ…」
セリオは口をぱくぱくと動かしながら、天を仰いで放心したような表情をしていた。しかし、ヴァギナは浩之のペニスをきつく締め付け続けている。一定間隔で収縮している様子は、浩之の精液を搾り取ろうとしているようにも見えた。
「セリオ…良かったぜ」
…ばたっ。
浩之が言うと、セリオは力つきて背中をベッドの上に落とす。全身がピクピクと痙攣していた。絶頂しているとしか思えない。
予想以上の結果に、浩之は大いに満足してセリオの頬にキスをした。
「…わかりました」
「あと、もっと力抜いてくれ」
「…こうですか?」
「そう」
セリオがベッドに直立したまま寝ているような姿勢をゆるめて、軽く身体を開く。
浩之はややためらいがちに手を伸ばしていったが、やがて決意を込めてセリオの胸をぎゅっとつかむ。
すべすべした感触で、ボリュームもそれなりにあった。形もなだらかな流線型で、綺麗に整っている。そして揉むと心地よい弾力を返してくる。
「………」
しかし、浩之が段々手に込める力を強くしていっても、セリオは何の反応も返さなかった。浩之も、ただ力任せに揉み上げるだけではなく、撫でてみたり震わせたりの動きを加えてみる。だが、セリオは何の反応も返さなかった。
「…藤田様の性器を私の性器に挿入すればいいのではないですか?」
「いや、そういうわけにもいかないんだって」
浩之は桜色の突起に焦点を移して、指先で転がし始める。
「………」
その表情はあくまで真剣だった。セリオは相変わらず無表情だったが、瞳にわずかながら不思議そうな色が宿ってくる。
「あ…これ…ちゃんと、立ってきてる」
「…と言いますと」
「ほら、見ろって」
浩之は指をどけて、セリオに突起の様子を示す。
「…これは」
「ちゃんとできてるんだな」
「どういう意味があるのでしょう?」
「まぁ待ってろって」
浩之の顔に、俄然(がぜん)自信が宿ってきた。浩之は細かに指の動きを調整して、セリオの胸の先を丁寧に愛撫していく。
みるみる間に、その突起はぷっくりと膨らんでいった。純白の膨らみの先端が、はっきりわかるほど紅に染まってくる。
「セリオ、なんか感じるか?」
「いえ…藤田様の指が触れているのはわかりますが」
「触っているのが、なんか別の感じしないか?」
「別の…感じですか」
「そう」
「…多少、強く感じられるかもしれません」
「痛くはないんだよな?」
「ええ」
「そうか…」
浩之はしばらく膨らんだ突起を転がし続けていた。が、不意に手の動きを止めて、身体を下の方に動かし始める。
「………」
するとセリオは、自ら脚を左右に開いた。全く無毛のクレヴァスがわずかに開き、奥にある粘膜が見えるようになる。極めて形が整った薄ピンク色の媚肉だった。
「どうぞ」
「まだ入れねーよ」
「まだですか?」
「ああ」
そう言うと、浩之はセリオの太股を両の手でがっしりとつかむ。そして、セリオの顔を見た。
「?」
セリオは意図がわからないようだ。浩之はにや、と笑みを浮かべる。
…ちゅ…
「藤田様っ?」
ちゅっ…ぺろっ…べろべろっ…
浩之はセリオの脚の間に顔を突っ込み、唇をクレヴァスに押しつけた。セリオが驚いた表情で目を丸くする。
「こ、これは?」
べろ…ちゅっ。
浩之は無言で、頭を振りながらセリオのクレヴァスをむしゃぶっていった。舌を思い切り伸ばして差し込み、粘膜を無茶苦茶な勢いでなめ回し、吸い立てる。
セリオのクレヴァスは、すぐに唾液のぬめりを帯び始めた。
ちゅっ!
「………!?」
「…あ」
浩之が、ゆっくりと顔を上げる。
「へへ…セリオ、今感じてたろ?」
「…藤田様」
口元をぬぐいながら言う浩之に対し、セリオは緊張した面持ちになった。
浩之はクレヴァスの間に指を差し入れる。セリオは緊張した面持ちのままだったが、脚をまた少し広げて素直に従った。
「…ここ。ここなんだな」
「そ、そこは…」
「ここは、なんなんだ?」
「わ、わかりません…」
明らかに動揺している。セリオには滅多にないことだ。
「気持ちいいだろ?」
「よ、よくわかりませんが、熱が生まれて思考回路が乱れてきています」
「良く言うよな」
ぐりゅっ、ぐりゅっと浩之がセリオの肉芽を押しつぶす。シンプルな外見の性器に合ったつつしまやかなサイズだったが、明らかに勃起して膨らんでいた。
…ぴゅっ!
「うおっ」
「……!!」
突然、浩之の前に透明な液体が飛び出てくる。それはセリオのクレヴァスの中から生まれたものに間違いなかった。
「な、なんで…」
「すげー濡れてそうだな…」
「わ、私は、故障しているんでしょうか」
「違う」
浩之は指をクレヴァスから話して、身をせり上げる。そして、セリオの顔をぐっとのぞきこんだ。
「感じてるんだ」
「何を…でしょうか」
「気持ちいいって感じてるんだよ。セリオの体が」
「そんな機能は…」
「どうなんだろうな。ま、俺としては嬉しいけど」
浩之はセリオの腰に手を伸ばし、屹立したペニスをセリオのクレヴァスに近づけていく。
くちゅ…
先端を入り口の部分に触れさせると、それだけで水音がした。
「じゃあ、いくぞ?」
「はい…」
セリオがうなずく。
…ちゅぷ!
「………」
「入った…な」
「ええ…」
セリオはぼうっとした目になっていた。表情の変化に乏しいセリオにとっては、相当な変化だと言える。
ちゅぷちゅぷちゅぷ…
「気持ちいいぜ…セリオ」
「そうですか…」
セリオの中は、ぬめぬめとした滑らかな筒が包み込んでくるような感触だった。火照ったように熱く、締め付けもきつい。普通の少女とはちょっと感触が違ったが、むしろ気持ちよさは上かもしれなかった。
「セリオは?」
「なにか…オーバーヒートしそうな…」
「でも、しないよな?」
「大丈夫のようです…」
ちゅぷっ、ちゅぷっ。
「う…」
浩之が煽るような腰の動かし方をすると、セリオが眉をしかめる。
「セリオ、中でも感じるんだな」
「な…なにか…ふあっ!」
腰の動きに合わせて、浩之が肉芽をつまむとセリオはらしからぬ嬌声を上げていた。
「そういう表情、できるんだな…」
「ふ、藤田様、そこから指を…指を、離してください…!」
「ダメ。このまま」
「あっ…くあっ…!」
セリオはぶんぶんと顔を振りながら、目を閉じて苦しそうな表情を浮かべる。それに合わせて、締め付けもますます強くなってきた。
「…よし…もうそろそろ出そうだ」
「………」
「セリオはどうだ?イキそうか?」
「ど、どこにですか?」
「どこに…そう、すっげー気持ちいいとこ」
「こ、この状態…で…はぁっ…動け…!」
「そうじゃねーよ…ま、すぐにわかるって」
ちゅぷちゅぐっ、ちゅぐ!
浩之がリズミカルなストロークを速めて、最後のスパートをかける。
「あ、あっ…藤田…様…!」
セリオがぐぐっと背中を浮かせた。
「セリオっ…!」
…どくんっ!
浩之は腰を思い切り突きだして、セリオの中に放出する。
どくん、どく、どくん…
「あ…あ…あ…」
セリオは口をぱくぱくと動かしながら、天を仰いで放心したような表情をしていた。しかし、ヴァギナは浩之のペニスをきつく締め付け続けている。一定間隔で収縮している様子は、浩之の精液を搾り取ろうとしているようにも見えた。
「セリオ…良かったぜ」
…ばたっ。
浩之が言うと、セリオは力つきて背中をベッドの上に落とす。全身がピクピクと痙攣していた。絶頂しているとしか思えない。
予想以上の結果に、浩之は大いに満足してセリオの頬にキスをした。
(雪見に趣味があったなんて知らなかった。まぁ当然ゲーム中には出てきませんが)
「は、恥ずかしいよ」
「大丈夫」
「あんまり大丈夫じゃないよ…」
みさきが、胸と脚の付け根を隠して身を縮める。
「手、どかしてよ」
「…いやだよ」
「ここまで来ていやだもないでしょ」
「雪ちゃん、借金のカタに身体を出させるなんて極悪人だよっ…」
「だーっ!誰もそんなことしてないでしょ!みさきもいいって言ったんじゃない!」
「…うー」
「うーもえーもないでしょ」
「ひどいよ」
「ひどくないわよっ」
雪見はみさきの胸に乗った手を払うと、ぎゅっと乳房をつかんだ。
「…痛い」
「…そうかもね」
思い直したように、柔らかいタッチにする。
「私の胸はバイクのハンドルじゃないよ…」
「そんなことわかってるわよっ」
「雪ちゃん、こうしている間にもバイクに乗ってる時みたいに目がぎらぎらしてきて…」
「しないわよっ!第一、みさきにはそんなもの見えないでしょ」
「差別だよ」
「してないっ。それにバイクは最近忙しくてお預けになってるわよ」
ぐい、ぐい。
「…やっぱり痛いよ」
「…みさきが変なことばっかり言うから、調子が狂うのよ」
「じゃあ終わり?」
「終わらないっ」
雪見はみさきの乳房をつかんだまま、口を尖らせてしばし考えにふける。
「もっと建設的なことをしようよ」
「みさきの食事よりは建設的よ」
「人は食べないと動けないんだよ」
「食べても食べても止まらないのを見てると、努力ってもんが空しくなるのよ」
「よくわからないよ」
「それでいいわよ…あっ」
雪見はぽん、と手を叩いてみさきの事をまじまじと見つめた。
「な、なに?」
見えなくても雰囲気はつかめる。みさきはたじっとなって身を引こうとした。
「………」
「だ、黙ってるなんて反則だよ」
「………」
がし!
「わっ、わっ、なに!?」
雪見の手がみさきの太股を思い切りつかんだ。みさきは反射的に両手を脚の付け根の所へ動かそうとする。
ぢゅっ。
「ゆっ、ゆっ、ゆゆっ、雪ちゃんっ!」
一瞬早く、雪見の顔がみさきの秘部に滑り込んでいた。そして、べろんと出された舌がみさきのクレヴァスに吸い付く。
「わーっ、わーっ!」
みさきは思わずぺしぺしと雪見の頭を叩いていた。
「んんっ…」
雪見は反射的に顔を上げて抗議しそうになったが、思い直して顔をより強く押しつけ、舌をクレヴァスの中に差し込んでいく。
「だ、だめだよっ、こんなの…」
雪見が言葉を返してこない以上、みさきは力で押し返そうとするしかなかった。だが、いくら力を入れて雪見の頭を押し戻そうとしても、雪見が頭を押してくる力の方が強い。
ぺろ、ぺろ…
「だめっ、だめっ」
雪見はじっくりと味見するかのように、みさきのクレヴァスの中を舌でなぶる。みさきのピンク色の粘膜は、唾液だけで充分な潤いを帯びてきていた。
ちゅうっ…ちゅううっ。
自分の唾液を吸い取るような、強い吸引を行う。みさきの下の唇が、ぴったりと雪見の唇に重なっていた。
「あっ…雪ちゃんっ!?」
三度目の吸い立てを受けた瞬間、みさきがくたっと全身を弛緩させた。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。
「だ、だめだよ…あっ…あっ」
雪見の唇は、みさきの奥に隠れた真珠色の突起を探り当てていたのだ。そこを、ありたけの力で吸い立てていく。雪見の頭を押さえつけようとするみさきの手も、すぐに力を失ってしまった。切なそうな顔をしながら、両手を雪見の頭に当てて荒い息を立てるだけである。
ちゅっ…ぢゅっ、ぢゅぢゅっ。
「うーっ!」
さらに深く侵入した雪見の唇が、直接突起を捉える。数回激しくしごかれると、包皮が剥けて、ピンと尖った部分が直接雪見の唇に吸い立てられてしまった。
ちろちろちろ。
さらに、細くとがらせた舌先が執拗に突起を転がしていく。
ぷじゅっ!
「あっ!」
みさきが目をぎゅっと閉じた。その瞬間みさきの中から透明な液体が噴き出して、雪見のあごの辺りに飛びかかる。
ちろちろちろ…
雪見は狩り立てるような真剣な目で、みさきの最も弱い部分をこれでもかと言うほどに責めた。他の部分には目もくれず、ただ敏感な突起だけを容赦なく舐める。
「う…うー…うーっ…!」
…ビクビクビクッ!
ついにみさきが全身を激しく震わせ、昇天した。長い髪を振り乱しながら、無茶苦茶に雪見の顔へクレヴァスを押しつける。口元からよだれが垂れていた。
「…ふぅ」
「ゆ、ゆきひゃん、ひほいよ」
ヒク…!ヒク…!と、未だに身体をひくつかせているみさきが口元を拭きながら言う。
「何言ってんの。気持ちよくさせてあげたんだから、感謝して欲しいくらいよ」
「私、初めてだったのに…もう、お嫁さんにいけないよ…」
「初めてじゃないっ!それに、バージンはずっととっといてあげてるでしょ!?なんだったら今キズモノのからだにしてほしいっ!?」
「ゆ、雪ちゃん、落ち着いてよっ…」
「はぁ…はぁっ…これだからあんたは…」
「で、私は帰っていいの?」
「だめ。今晩はずっとここにいて」
「私、監禁?」
「違うでしょっ!ただ、必要な時はすぐってことよ」
雪見は、半裸の姿のまま電気スタンドだけが点けてある机に向かった。机の上には、赤書きが大量に入っている原稿用紙やワープロがごちゃごちゃと並んでいる。
「ひどいよ、雪ちゃん」
「創作のためにはギセイも必要なのよ」
「まずはこんなことしなくても書けるようになる方が先だと思うよ…前はバイクでスランプ解消してるって言ってたのに…」
「時間がないのっ!しばらく静かにしてて」
「うー…自分の気が済んだらもう用済み」
「気が済んだんだからしょうがないでしょ」
「開き直りだよ…」
「なんとでもいいなさい」
「は、恥ずかしいよ」
「大丈夫」
「あんまり大丈夫じゃないよ…」
みさきが、胸と脚の付け根を隠して身を縮める。
「手、どかしてよ」
「…いやだよ」
「ここまで来ていやだもないでしょ」
「雪ちゃん、借金のカタに身体を出させるなんて極悪人だよっ…」
「だーっ!誰もそんなことしてないでしょ!みさきもいいって言ったんじゃない!」
「…うー」
「うーもえーもないでしょ」
「ひどいよ」
「ひどくないわよっ」
雪見はみさきの胸に乗った手を払うと、ぎゅっと乳房をつかんだ。
「…痛い」
「…そうかもね」
思い直したように、柔らかいタッチにする。
「私の胸はバイクのハンドルじゃないよ…」
「そんなことわかってるわよっ」
「雪ちゃん、こうしている間にもバイクに乗ってる時みたいに目がぎらぎらしてきて…」
「しないわよっ!第一、みさきにはそんなもの見えないでしょ」
「差別だよ」
「してないっ。それにバイクは最近忙しくてお預けになってるわよ」
ぐい、ぐい。
「…やっぱり痛いよ」
「…みさきが変なことばっかり言うから、調子が狂うのよ」
「じゃあ終わり?」
「終わらないっ」
雪見はみさきの乳房をつかんだまま、口を尖らせてしばし考えにふける。
「もっと建設的なことをしようよ」
「みさきの食事よりは建設的よ」
「人は食べないと動けないんだよ」
「食べても食べても止まらないのを見てると、努力ってもんが空しくなるのよ」
「よくわからないよ」
「それでいいわよ…あっ」
雪見はぽん、と手を叩いてみさきの事をまじまじと見つめた。
「な、なに?」
見えなくても雰囲気はつかめる。みさきはたじっとなって身を引こうとした。
「………」
「だ、黙ってるなんて反則だよ」
「………」
がし!
「わっ、わっ、なに!?」
雪見の手がみさきの太股を思い切りつかんだ。みさきは反射的に両手を脚の付け根の所へ動かそうとする。
ぢゅっ。
「ゆっ、ゆっ、ゆゆっ、雪ちゃんっ!」
一瞬早く、雪見の顔がみさきの秘部に滑り込んでいた。そして、べろんと出された舌がみさきのクレヴァスに吸い付く。
「わーっ、わーっ!」
みさきは思わずぺしぺしと雪見の頭を叩いていた。
「んんっ…」
雪見は反射的に顔を上げて抗議しそうになったが、思い直して顔をより強く押しつけ、舌をクレヴァスの中に差し込んでいく。
「だ、だめだよっ、こんなの…」
雪見が言葉を返してこない以上、みさきは力で押し返そうとするしかなかった。だが、いくら力を入れて雪見の頭を押し戻そうとしても、雪見が頭を押してくる力の方が強い。
ぺろ、ぺろ…
「だめっ、だめっ」
雪見はじっくりと味見するかのように、みさきのクレヴァスの中を舌でなぶる。みさきのピンク色の粘膜は、唾液だけで充分な潤いを帯びてきていた。
ちゅうっ…ちゅううっ。
自分の唾液を吸い取るような、強い吸引を行う。みさきの下の唇が、ぴったりと雪見の唇に重なっていた。
「あっ…雪ちゃんっ!?」
三度目の吸い立てを受けた瞬間、みさきがくたっと全身を弛緩させた。
ちゅっ、ちゅっ、ちゅっ。
「だ、だめだよ…あっ…あっ」
雪見の唇は、みさきの奥に隠れた真珠色の突起を探り当てていたのだ。そこを、ありたけの力で吸い立てていく。雪見の頭を押さえつけようとするみさきの手も、すぐに力を失ってしまった。切なそうな顔をしながら、両手を雪見の頭に当てて荒い息を立てるだけである。
ちゅっ…ぢゅっ、ぢゅぢゅっ。
「うーっ!」
さらに深く侵入した雪見の唇が、直接突起を捉える。数回激しくしごかれると、包皮が剥けて、ピンと尖った部分が直接雪見の唇に吸い立てられてしまった。
ちろちろちろ。
さらに、細くとがらせた舌先が執拗に突起を転がしていく。
ぷじゅっ!
「あっ!」
みさきが目をぎゅっと閉じた。その瞬間みさきの中から透明な液体が噴き出して、雪見のあごの辺りに飛びかかる。
ちろちろちろ…
雪見は狩り立てるような真剣な目で、みさきの最も弱い部分をこれでもかと言うほどに責めた。他の部分には目もくれず、ただ敏感な突起だけを容赦なく舐める。
「う…うー…うーっ…!」
…ビクビクビクッ!
ついにみさきが全身を激しく震わせ、昇天した。長い髪を振り乱しながら、無茶苦茶に雪見の顔へクレヴァスを押しつける。口元からよだれが垂れていた。
「…ふぅ」
「ゆ、ゆきひゃん、ひほいよ」
ヒク…!ヒク…!と、未だに身体をひくつかせているみさきが口元を拭きながら言う。
「何言ってんの。気持ちよくさせてあげたんだから、感謝して欲しいくらいよ」
「私、初めてだったのに…もう、お嫁さんにいけないよ…」
「初めてじゃないっ!それに、バージンはずっととっといてあげてるでしょ!?なんだったら今キズモノのからだにしてほしいっ!?」
「ゆ、雪ちゃん、落ち着いてよっ…」
「はぁ…はぁっ…これだからあんたは…」
「で、私は帰っていいの?」
「だめ。今晩はずっとここにいて」
「私、監禁?」
「違うでしょっ!ただ、必要な時はすぐってことよ」
雪見は、半裸の姿のまま電気スタンドだけが点けてある机に向かった。机の上には、赤書きが大量に入っている原稿用紙やワープロがごちゃごちゃと並んでいる。
「ひどいよ、雪ちゃん」
「創作のためにはギセイも必要なのよ」
「まずはこんなことしなくても書けるようになる方が先だと思うよ…前はバイクでスランプ解消してるって言ってたのに…」
「時間がないのっ!しばらく静かにしてて」
「うー…自分の気が済んだらもう用済み」
「気が済んだんだからしょうがないでしょ」
「開き直りだよ…」
「なんとでもいいなさい」
コツ…!
「抱きたければ勝手に抱けばいい」
目の前で鋭く響きわたった靴音にも反応せず、友里は言い放った。
「あれを舐めろと言われれば舐めるし、目の前で自慰をして見せろと言われれば見せる」
冷ややかに続ける。目の前の男に向けられた視線も、それと同じくらいに冷たい。
「それが不可視の力を修得するために必要なことなら、私は何だってする」
そして、友里は自らの着衣を無造作に脱ぎ払い始めた。自分の肌をさらけ出しているという事への意識など皆無に見える。ただ、行為への準備をしただけ。
友里が男達の前で何度となく言ってきた科白と同じように、毎回毎回変わらない乾燥した行為。仮に目の前の男の目がいつもより下卑ていたとしても、そんなものは友里にとって誤差に他ならなかった。
「…そうか」
男の口元が、にやりと歪む。
それは、露わになった友里の肢体を見ての反応ではない。何かしらの期待か予測を持ってのものと見て間違いないはずだった。
と言っても、そんな表情を見ることは友里にとって日常茶飯事だ。その結果は鞭による打擲(ちょうちゃく)だったり、浣腸による排泄だったりした。しかしそれすらも友里は無感動に受け止めてきたのだ。盲目的な信念によって。
「するなら早くすればいい」
きぃ…
友里が不機嫌そうに言った瞬間、入り口の扉がきしんだ音を立てた。
「こっちに来い」
男が扉に向かって声をかける。
「………」
面倒くさそうに、友里は新たな来客に目をやった。相手が二人になろうと三人になろうと、知ったことではないのだ。
「あ、あのっ…」
「…!!」
だが、扉の隙間から顔を出している顔を見て、友里に動揺が走った。
「…早くこっちに来い。早くだ」
「は、はい…」
きぃっ。
男ではなく、少女。
ばたんっ。
重い扉が閉まる。そして少女がおずおずと全身を現した。小柄なショートカットで、友里よりも年下のようだ。
少女は両手を身体の前で揃えながら、恐る恐るの足取りで男の方に向かっていく。
「B‐73」
「え、え…は、はいっ」
少女は自分の手の甲を見てから、慌てて返事をした。
「そこで、止まれ」
「わ…わかりました」
ちょうど男と友里の中間地点で少女は立ち止まる。そして、きょろきょろと交互に二人へ目をやった。
「…どうした、知り合いか?」
「く…」
友里は歯がみした。その友里に、何か言いたそうな様子で少女が顔を向ける。どこか申し訳なさそうな、恥ずかしそうな。同性の裸を見せられている事が原因のひとつではあるだろうが、それだけではないようだ。
「まぁ、そんな事はどうでもいいな…」
「あ、あのっ…お姉ちゃんと話をさせてくれるって言いましたよね…」
「そんな事は言っていない。人の話はよく聞くんだな。会わせてやると言っただけだ」
「そんな…」
少女がきゅっと眉をしかめて苦しそうな顔をする。
「ところで今こいつが言ってたが。姉妹か?」
「…知らない」
友里は床を見つめながら吐き捨てた。
「お姉ちゃん…」
もちろん、眼前の少女が由依である事は扉の隙間から顔が見えた時から気づいている。その由依が、悲しそうだが責めてはいない、今のような声を出すだろうことも分かっていた。それでも友里は知らないと言ったのだ。
「そんな子は知らない。他人だ。部屋の外に出してやってほしい」
由依を前にしても、友里は事務的に話し続けた。その声のトーンの低さに由依は不安を覚えているようだったが、仕方がない。
「なんで外に出す必要があるんだ?」
「私とは関係ない人間だから」
「バカか。ここは精錬の間だぞ。Bー73も、ここがどういう所か知ってるよなぁ?」
「は…は、はいぃっ…」
由依がピクンと震えて、友里の方に一歩後ずさりする。
「じゃあ、お前はどうなると思う?」
「わ、わかりませんよぉ…」
「だそうだ。お前は?」
「…わからない」
「想像力のない奴らだな。じゃあ言う。お前がB−73を脱がして絡め。姉妹じゃないなら抵抗もないだろ?」
「…っ!」
「えっ…ええぇっ!?」
友里と由依は二様の動揺の仕方を見せた。友里はぐっと男をにらみ、由依は男と友里の顔を見比べて混乱している。
「…なんだ?命令を聞かないのか?」
「う…」
友里はぎりっと歯を噛みしめた。
目の前に、おののく妹の顔と、食堂で謝られた時の表情が順番にフラッシュしていく。ここまでの動揺を感じるのは、友里にとってそうそうない事だった。
「……わかった」
「お、お姉ちゃんっ!?」
だが友里はそう言った。悲鳴にも似た声が上がる。
「私は、不可視の力を手に入れるっ…」
友里は目を閉じて、言い聞かせるようにつぶやいた。そしてうっすらと目を開いて、由依に向かって歩き始める。
「そうだ。お前は選ばれた人間なんだからな…」
男は満足そうに言い、腕組みをして二人を見つめた。
「お、お姉ちゃ…うぷっ」
由依が何か言おうとした時には、もう友里の口が由依の唇をふさいでいた。
「んっ…んふっ…んんんーっ」
いやいやと顔を振ろうとするが、友里はしっかりと由依の頬を支えて逃そうとしない。その唇の隙間から入り込んだ友里の舌は、由依の舌にねっとりと絡みついてなぶっていた。
「ふ…ふうっ」
由依は手をぱたぱた振って暴れていたが、次第に抵抗が小さくなってくる。最後にはくたりと手を垂らして、姉のキスに身を委ねてしまっていた。
「…ぷはぁっ…はぁっ…はぁっ、はぁっ…」
やっと解放されると、由依は荒く息をつきながら肩を落とす。顔を真っ赤にして力無く床を見ている様子は、由依の精神的ダメージを表しているように見えた。
友里は口元の唾液をぬぐいながら、遠い物を見つめるような目で由依の事を見る。
「キスだけで終わりってこたないだろ?」
しばし二人はそうしていたが、男の促(うなが)しに友里が動いた。
「い…いやぁ…」
由依は顔を少しだけ上げて言ったが、抵抗するだけの気力はないようだ。ただ立ちつくしているだけである。
友里は床に脚をつくと、自分の服と同じように由依のスカートを機械的にずり下げた。すぐに由依の白いショーツが見え始め、膝を過ぎたところでスカートはぱさりと床にすり落ちてしまう。
「!」
ショーツを脱がされる時だけはさすがに由依も手を伸ばして友里の手を押さえつけようとしたが、友里は何も乗っていないかのように作業を進めていった。すぐに由依の恥部は露わになり、それと同時に由依の手からは力が抜けてしまう。
「ううっ…」
由依は目を固く閉じて、顔を少し上げた。目の端からこぼれ落ちそうな涙を必死にこらえる。
しかし友里はこれまでと同じように、意思を感じさせない動作で妹の性器に口づけていった。
ちゅぱっ。
「んっ……」
口が触れた瞬間は、さすがに由依も声を出してしまった。由依は両手を後ろに組んで、無反応でいようと懸命になる。
ちゅぱちゅぱ。ちゅぱっ。
施設で暮らす中、決して清潔に出来ているとは言い難い性器を友里は嫌がりもせずに舐めていった。ぴったりと閉じていた由依の幼い割れ目を開いて、中にある唇状の部分を本物の唇で幾度もしごく。
何十回もそうした後で、友里はさらに舌を奥深くまで差し込んだ。そして、見過ごしてしまいそうなほど小さい秘核を舌の先で見つけだすと、ころころと軽やかに転がし始める。
「ん…ン…!」
由依の息が、また荒くなってくる。他の部分と同様に未発達だった由依の性感でも、巧みな舌の動きで秘核を責められては快感を見出さざるを得ないようだった。
くりっくりっ…ちゅぱっ。
幾度となく男の精を吐き出させてきた友里の舌戯である。友里は出来るだけ何も考えないように努めている様子だったが、そのために無意識下にインプットされている行動様式が直接出てきてしまっているのだ。由依は容赦ない姉の絶妙な舌の攻撃に、未体験の悦びを感じてしまう。同性の嫌悪感もほとんどなかった。由依の深層にある、ペニスで犯される事への恐怖が作用しているのかもしれない。
とろん…
「あぅ…」
由依が恥ずかしそうな声を出した。
友里はすぐに攻撃の対象を秘核から由依の濡れた部分に変更する。
ちゅるっ…じゅるっ…
「あ…あはぁっ」
淫乱な液を吸い立てられる感覚が、背徳的な刺激を由依にもたらした。そうなればすぐにまた透明な液体が生まれ、由依の秘部を濡らす。それはまた友里に舐め取られていく。
くりゅくりゅっ。
友里は同時に指で秘核も責めた。唾液に濡れた部分を高速でバイブレーションされると、由依の身体をずんっと何かがせり上がってくる。
「…んあああっ!?」
手を後ろに組んだまま、由依は激しく背中を反らせて絶叫した。友里は指を濡れそぼったヴァギナに突っ込み、カギ状に曲げてぐりぐりと刺激する。もちろん、秘核をいじる手も止めていない。
小さなブラジャーを可愛く勃起した乳首が突き上げ、最後のトドメとなる。
「あうっ!ふあああんっ!」
そして、由依は生まれて始めてのエクスタシーを姉の手によって得たのである。
友里は何かが壊れたような顔で、呆然と床を見ていた。
「抱きたければ勝手に抱けばいい」
目の前で鋭く響きわたった靴音にも反応せず、友里は言い放った。
「あれを舐めろと言われれば舐めるし、目の前で自慰をして見せろと言われれば見せる」
冷ややかに続ける。目の前の男に向けられた視線も、それと同じくらいに冷たい。
「それが不可視の力を修得するために必要なことなら、私は何だってする」
そして、友里は自らの着衣を無造作に脱ぎ払い始めた。自分の肌をさらけ出しているという事への意識など皆無に見える。ただ、行為への準備をしただけ。
友里が男達の前で何度となく言ってきた科白と同じように、毎回毎回変わらない乾燥した行為。仮に目の前の男の目がいつもより下卑ていたとしても、そんなものは友里にとって誤差に他ならなかった。
「…そうか」
男の口元が、にやりと歪む。
それは、露わになった友里の肢体を見ての反応ではない。何かしらの期待か予測を持ってのものと見て間違いないはずだった。
と言っても、そんな表情を見ることは友里にとって日常茶飯事だ。その結果は鞭による打擲(ちょうちゃく)だったり、浣腸による排泄だったりした。しかしそれすらも友里は無感動に受け止めてきたのだ。盲目的な信念によって。
「するなら早くすればいい」
きぃ…
友里が不機嫌そうに言った瞬間、入り口の扉がきしんだ音を立てた。
「こっちに来い」
男が扉に向かって声をかける。
「………」
面倒くさそうに、友里は新たな来客に目をやった。相手が二人になろうと三人になろうと、知ったことではないのだ。
「あ、あのっ…」
「…!!」
だが、扉の隙間から顔を出している顔を見て、友里に動揺が走った。
「…早くこっちに来い。早くだ」
「は、はい…」
きぃっ。
男ではなく、少女。
ばたんっ。
重い扉が閉まる。そして少女がおずおずと全身を現した。小柄なショートカットで、友里よりも年下のようだ。
少女は両手を身体の前で揃えながら、恐る恐るの足取りで男の方に向かっていく。
「B‐73」
「え、え…は、はいっ」
少女は自分の手の甲を見てから、慌てて返事をした。
「そこで、止まれ」
「わ…わかりました」
ちょうど男と友里の中間地点で少女は立ち止まる。そして、きょろきょろと交互に二人へ目をやった。
「…どうした、知り合いか?」
「く…」
友里は歯がみした。その友里に、何か言いたそうな様子で少女が顔を向ける。どこか申し訳なさそうな、恥ずかしそうな。同性の裸を見せられている事が原因のひとつではあるだろうが、それだけではないようだ。
「まぁ、そんな事はどうでもいいな…」
「あ、あのっ…お姉ちゃんと話をさせてくれるって言いましたよね…」
「そんな事は言っていない。人の話はよく聞くんだな。会わせてやると言っただけだ」
「そんな…」
少女がきゅっと眉をしかめて苦しそうな顔をする。
「ところで今こいつが言ってたが。姉妹か?」
「…知らない」
友里は床を見つめながら吐き捨てた。
「お姉ちゃん…」
もちろん、眼前の少女が由依である事は扉の隙間から顔が見えた時から気づいている。その由依が、悲しそうだが責めてはいない、今のような声を出すだろうことも分かっていた。それでも友里は知らないと言ったのだ。
「そんな子は知らない。他人だ。部屋の外に出してやってほしい」
由依を前にしても、友里は事務的に話し続けた。その声のトーンの低さに由依は不安を覚えているようだったが、仕方がない。
「なんで外に出す必要があるんだ?」
「私とは関係ない人間だから」
「バカか。ここは精錬の間だぞ。Bー73も、ここがどういう所か知ってるよなぁ?」
「は…は、はいぃっ…」
由依がピクンと震えて、友里の方に一歩後ずさりする。
「じゃあ、お前はどうなると思う?」
「わ、わかりませんよぉ…」
「だそうだ。お前は?」
「…わからない」
「想像力のない奴らだな。じゃあ言う。お前がB−73を脱がして絡め。姉妹じゃないなら抵抗もないだろ?」
「…っ!」
「えっ…ええぇっ!?」
友里と由依は二様の動揺の仕方を見せた。友里はぐっと男をにらみ、由依は男と友里の顔を見比べて混乱している。
「…なんだ?命令を聞かないのか?」
「う…」
友里はぎりっと歯を噛みしめた。
目の前に、おののく妹の顔と、食堂で謝られた時の表情が順番にフラッシュしていく。ここまでの動揺を感じるのは、友里にとってそうそうない事だった。
「……わかった」
「お、お姉ちゃんっ!?」
だが友里はそう言った。悲鳴にも似た声が上がる。
「私は、不可視の力を手に入れるっ…」
友里は目を閉じて、言い聞かせるようにつぶやいた。そしてうっすらと目を開いて、由依に向かって歩き始める。
「そうだ。お前は選ばれた人間なんだからな…」
男は満足そうに言い、腕組みをして二人を見つめた。
「お、お姉ちゃ…うぷっ」
由依が何か言おうとした時には、もう友里の口が由依の唇をふさいでいた。
「んっ…んふっ…んんんーっ」
いやいやと顔を振ろうとするが、友里はしっかりと由依の頬を支えて逃そうとしない。その唇の隙間から入り込んだ友里の舌は、由依の舌にねっとりと絡みついてなぶっていた。
「ふ…ふうっ」
由依は手をぱたぱた振って暴れていたが、次第に抵抗が小さくなってくる。最後にはくたりと手を垂らして、姉のキスに身を委ねてしまっていた。
「…ぷはぁっ…はぁっ…はぁっ、はぁっ…」
やっと解放されると、由依は荒く息をつきながら肩を落とす。顔を真っ赤にして力無く床を見ている様子は、由依の精神的ダメージを表しているように見えた。
友里は口元の唾液をぬぐいながら、遠い物を見つめるような目で由依の事を見る。
「キスだけで終わりってこたないだろ?」
しばし二人はそうしていたが、男の促(うなが)しに友里が動いた。
「い…いやぁ…」
由依は顔を少しだけ上げて言ったが、抵抗するだけの気力はないようだ。ただ立ちつくしているだけである。
友里は床に脚をつくと、自分の服と同じように由依のスカートを機械的にずり下げた。すぐに由依の白いショーツが見え始め、膝を過ぎたところでスカートはぱさりと床にすり落ちてしまう。
「!」
ショーツを脱がされる時だけはさすがに由依も手を伸ばして友里の手を押さえつけようとしたが、友里は何も乗っていないかのように作業を進めていった。すぐに由依の恥部は露わになり、それと同時に由依の手からは力が抜けてしまう。
「ううっ…」
由依は目を固く閉じて、顔を少し上げた。目の端からこぼれ落ちそうな涙を必死にこらえる。
しかし友里はこれまでと同じように、意思を感じさせない動作で妹の性器に口づけていった。
ちゅぱっ。
「んっ……」
口が触れた瞬間は、さすがに由依も声を出してしまった。由依は両手を後ろに組んで、無反応でいようと懸命になる。
ちゅぱちゅぱ。ちゅぱっ。
施設で暮らす中、決して清潔に出来ているとは言い難い性器を友里は嫌がりもせずに舐めていった。ぴったりと閉じていた由依の幼い割れ目を開いて、中にある唇状の部分を本物の唇で幾度もしごく。
何十回もそうした後で、友里はさらに舌を奥深くまで差し込んだ。そして、見過ごしてしまいそうなほど小さい秘核を舌の先で見つけだすと、ころころと軽やかに転がし始める。
「ん…ン…!」
由依の息が、また荒くなってくる。他の部分と同様に未発達だった由依の性感でも、巧みな舌の動きで秘核を責められては快感を見出さざるを得ないようだった。
くりっくりっ…ちゅぱっ。
幾度となく男の精を吐き出させてきた友里の舌戯である。友里は出来るだけ何も考えないように努めている様子だったが、そのために無意識下にインプットされている行動様式が直接出てきてしまっているのだ。由依は容赦ない姉の絶妙な舌の攻撃に、未体験の悦びを感じてしまう。同性の嫌悪感もほとんどなかった。由依の深層にある、ペニスで犯される事への恐怖が作用しているのかもしれない。
とろん…
「あぅ…」
由依が恥ずかしそうな声を出した。
友里はすぐに攻撃の対象を秘核から由依の濡れた部分に変更する。
ちゅるっ…じゅるっ…
「あ…あはぁっ」
淫乱な液を吸い立てられる感覚が、背徳的な刺激を由依にもたらした。そうなればすぐにまた透明な液体が生まれ、由依の秘部を濡らす。それはまた友里に舐め取られていく。
くりゅくりゅっ。
友里は同時に指で秘核も責めた。唾液に濡れた部分を高速でバイブレーションされると、由依の身体をずんっと何かがせり上がってくる。
「…んあああっ!?」
手を後ろに組んだまま、由依は激しく背中を反らせて絶叫した。友里は指を濡れそぼったヴァギナに突っ込み、カギ状に曲げてぐりぐりと刺激する。もちろん、秘核をいじる手も止めていない。
小さなブラジャーを可愛く勃起した乳首が突き上げ、最後のトドメとなる。
「あうっ!ふあああんっ!」
そして、由依は生まれて始めてのエクスタシーを姉の手によって得たのである。
友里は何かが壊れたような顔で、呆然と床を見ていた。
「や、やだよ…祐一」
「いいだろ、別に変なことするわけじゃないし」
「じゅうぶん変な事だよっ…」
「そこまで嫌がるようなものか?」
「だ…だって」
名雪は脚をぴったりと閉じた状態で、祐一の事をうかがう。
「いつも通りにしようよ…」
「そればっかりじゃ飽きるだろ」
「だから、私はいつも通りでいいのに…」
「俺は飽きた」
「祐一の方はなんにも気持ちよくないのに…」
「する方も、いろいろ変えてみないと飽きるんだよ」
「中に入っている時が一番いいんじゃないの…?」
「名雪、入れてるときよりその前の方が気持ちよくなってるっぽいしな」
「うぅ…」
名雪の頬の赤みが増す。否定することはできないらしい。
「感じているとこ見ていると面白いからな」
「見せ物じゃないよっ…」
「名雪の反応ってメチャクチャ素直だし」
「知らないよ…」
「ということで、素直に脚を開こうな」
「やだもん…」
「じゃあ…名雪がしてくれるのか?」
「え」
名雪がぱちくりとまばたきをする。
「お前がしてくれるんなら、俺は全然構わないぞ」
「わ、私がするって…」
名雪は恐る恐るに祐一の股間の方へ目をやる。
「う…それは…いやだよ…」
「じゃあ俺がする」
「そんなぁ…」
言いつつも、祐一が膝の間に手の平を割り入れたのに対して名雪は抵抗しなかった。そのまま祐一が手を進めても名雪は動かない。
祐一はさらに、もう片方の手を名雪の脚の間に入れた。
「よっ…」
そして左右に力を入れると、名雪の脚がゆっくりと開いていく。その奥にある秘裂も、はっきりと見えるようになっていった。
「開きすぎだよ…」
「こうしないと、俺の顔入らないからな」
言いながら祐一は、開脚して座った状態の名雪に向かって顔を寄せていく。
「だ、だめだよ…」
脚に祐一の髪の毛がこすれるのを感じる。名雪はこれまでにない、ぞくっとした感覚を覚えていた。不安感と恥ずかしさが入り交じって、心臓の鼓動がどんどん速まっていく。
がっ…
祐一が名雪の太股をつかみ直した。
「…んっ!」
次の瞬間、秘裂に祐一が唇を触れさせる感覚が生まれる。勢い余って唇を押しつけてしまったようだが、それだけでも未知の感触がはっきりと分かった。
「…あ、あ、あっ」
そして、ずるりと舌が秘裂の中に侵入してくる。ペニスで突かれるのとも違う、身体の奥の奥まで調べられてしまいそうな感じだった。異物感ではあるが、ぬるんとして柔らかく、窮屈な感じはしない。だがそれが動く度に、名雪の性神経が激しく刺激されていた。
「怖いよ…ゆういち」
名雪は表情が見えない祐一の事を、不安げに見ている。
ぬちゅっ、ぬちゅ…
「うっ…はあぁっ…」
それを打ち消すかのように、祐一は強く舌でかき回した。唾液も送り込まれて、ぬるぬるした感覚はますます大きくなってきている。
べろん。
「あっ…!」
さらにクリトリスを大きく舐め上げられる。
敏感な部分も、唾液の滑りのためか緊張が生んだ興奮のせいか、痛みではなく強烈な快感をもたらすだけだった。
「だめ…だめっ」
名雪が次第に声を高くして、脚をぶるぶると震わせ始める。祐一の頭を挟み込もうとしているようだが、上手くいかないようだった。
ちゅううぅっ…
「ああーっ!?あっ、あっ…?」
クリトリスを吸い上げられた瞬間、名雪はほとんど絶叫に近い嬌声を上げる。祐一の頭に当てた手をぎゅぅぎゅぅと押して必死に性感に耐えようとするが、祐一も負けじと顔を性器に押しつけてピンク色のクリトリスを責めに責める。もちろん、包皮などは名雪自身の勃起と強い舐め立てによって剥けてしまっていた。
「私…私っ…ストップ…祐一…」
ちゅっ…ちゅうぅ…
「あ!ああ…あっ…ぁ」
身体をねじるようにして悶え、がっくりと頭を垂れる。
ぺろ…ちゅっ
「だ、だめええぇ…もう、本当に…一度、止めてよ…祐一」
涙声で言う名雪に、祐一もようやく行為を止めて顔を上げた。
「…なんか、ピクッてなったよな」
「死んじゃうかと思ったよ…」
「今ので、イッたのか?」
「わ、わからないよ…」
名雪は首を横に振る。だが祐一はそれを見ずに、突然名雪のヴァギナに指を差し込んだ。
「わっ…」
「濡れてるな…いつもよりも」
「ぬ、抜いてよ…祐一のでしよう?ね?」
「…そうだな、そうするか」
「あ…でも、ちょっと休憩してからね」
「なに言ってるんだ、すぐするに決まってるだろ」
「だ、だめだよ…私、今したら…」
言ってから名雪は、ぼっと顔を真っ赤にして黙り込む。
「今したら…どうなるんだ?」
「な、なんでもないよ…でも、あとで…きゃっ!」
誤魔化そうとする名雪の上に、祐一がのしかかっていった。
「だ、だめぇ〜っ!」
「いいだろ、別に変なことするわけじゃないし」
「じゅうぶん変な事だよっ…」
「そこまで嫌がるようなものか?」
「だ…だって」
名雪は脚をぴったりと閉じた状態で、祐一の事をうかがう。
「いつも通りにしようよ…」
「そればっかりじゃ飽きるだろ」
「だから、私はいつも通りでいいのに…」
「俺は飽きた」
「祐一の方はなんにも気持ちよくないのに…」
「する方も、いろいろ変えてみないと飽きるんだよ」
「中に入っている時が一番いいんじゃないの…?」
「名雪、入れてるときよりその前の方が気持ちよくなってるっぽいしな」
「うぅ…」
名雪の頬の赤みが増す。否定することはできないらしい。
「感じているとこ見ていると面白いからな」
「見せ物じゃないよっ…」
「名雪の反応ってメチャクチャ素直だし」
「知らないよ…」
「ということで、素直に脚を開こうな」
「やだもん…」
「じゃあ…名雪がしてくれるのか?」
「え」
名雪がぱちくりとまばたきをする。
「お前がしてくれるんなら、俺は全然構わないぞ」
「わ、私がするって…」
名雪は恐る恐るに祐一の股間の方へ目をやる。
「う…それは…いやだよ…」
「じゃあ俺がする」
「そんなぁ…」
言いつつも、祐一が膝の間に手の平を割り入れたのに対して名雪は抵抗しなかった。そのまま祐一が手を進めても名雪は動かない。
祐一はさらに、もう片方の手を名雪の脚の間に入れた。
「よっ…」
そして左右に力を入れると、名雪の脚がゆっくりと開いていく。その奥にある秘裂も、はっきりと見えるようになっていった。
「開きすぎだよ…」
「こうしないと、俺の顔入らないからな」
言いながら祐一は、開脚して座った状態の名雪に向かって顔を寄せていく。
「だ、だめだよ…」
脚に祐一の髪の毛がこすれるのを感じる。名雪はこれまでにない、ぞくっとした感覚を覚えていた。不安感と恥ずかしさが入り交じって、心臓の鼓動がどんどん速まっていく。
がっ…
祐一が名雪の太股をつかみ直した。
「…んっ!」
次の瞬間、秘裂に祐一が唇を触れさせる感覚が生まれる。勢い余って唇を押しつけてしまったようだが、それだけでも未知の感触がはっきりと分かった。
「…あ、あ、あっ」
そして、ずるりと舌が秘裂の中に侵入してくる。ペニスで突かれるのとも違う、身体の奥の奥まで調べられてしまいそうな感じだった。異物感ではあるが、ぬるんとして柔らかく、窮屈な感じはしない。だがそれが動く度に、名雪の性神経が激しく刺激されていた。
「怖いよ…ゆういち」
名雪は表情が見えない祐一の事を、不安げに見ている。
ぬちゅっ、ぬちゅ…
「うっ…はあぁっ…」
それを打ち消すかのように、祐一は強く舌でかき回した。唾液も送り込まれて、ぬるぬるした感覚はますます大きくなってきている。
べろん。
「あっ…!」
さらにクリトリスを大きく舐め上げられる。
敏感な部分も、唾液の滑りのためか緊張が生んだ興奮のせいか、痛みではなく強烈な快感をもたらすだけだった。
「だめ…だめっ」
名雪が次第に声を高くして、脚をぶるぶると震わせ始める。祐一の頭を挟み込もうとしているようだが、上手くいかないようだった。
ちゅううぅっ…
「ああーっ!?あっ、あっ…?」
クリトリスを吸い上げられた瞬間、名雪はほとんど絶叫に近い嬌声を上げる。祐一の頭に当てた手をぎゅぅぎゅぅと押して必死に性感に耐えようとするが、祐一も負けじと顔を性器に押しつけてピンク色のクリトリスを責めに責める。もちろん、包皮などは名雪自身の勃起と強い舐め立てによって剥けてしまっていた。
「私…私っ…ストップ…祐一…」
ちゅっ…ちゅうぅ…
「あ!ああ…あっ…ぁ」
身体をねじるようにして悶え、がっくりと頭を垂れる。
ぺろ…ちゅっ
「だ、だめええぇ…もう、本当に…一度、止めてよ…祐一」
涙声で言う名雪に、祐一もようやく行為を止めて顔を上げた。
「…なんか、ピクッてなったよな」
「死んじゃうかと思ったよ…」
「今ので、イッたのか?」
「わ、わからないよ…」
名雪は首を横に振る。だが祐一はそれを見ずに、突然名雪のヴァギナに指を差し込んだ。
「わっ…」
「濡れてるな…いつもよりも」
「ぬ、抜いてよ…祐一のでしよう?ね?」
「…そうだな、そうするか」
「あ…でも、ちょっと休憩してからね」
「なに言ってるんだ、すぐするに決まってるだろ」
「だ、だめだよ…私、今したら…」
言ってから名雪は、ぼっと顔を真っ赤にして黙り込む。
「今したら…どうなるんだ?」
「な、なんでもないよ…でも、あとで…きゃっ!」
誤魔化そうとする名雪の上に、祐一がのしかかっていった。
「だ、だめぇ〜っ!」
「い…いやだ」
「まあ、ちょっと待てって」
「ゆ、祐一」
舞が見えない視界の中で必死に顔を動かす。タオルで作られた簡単な目隠しだったが、手も足も自由にならない状況でははずせそうになかった。
包帯で手当たり次第に縛ったという感じの拘束だったが、一応拘束として機能している。舞が身体を動かせるのは、包帯の小さな弾力の範囲だけだった。
「なんで、こんな事を」
「今にわかる」
真下から聞こえてくる祐一の声が、舞の耳に入ってくる。
ふぅっ、と祐一が息を吹きかけた。そこだけには包帯が縛られておらず、剥き出しにされている。
「あ…ああっ、祐一!」
祐一はそこに息を吹きかけ続ける。柔らかく包み込むような弱い息から、吹き付けるような強い息まで。それは直接的な刺激には程遠いものだったが、そうしている内に舞はぴくぴくと身体を震わせ始める。
「どうだ…舞」
「か、身体が変になってくる」
「こういうのも面白いだろ?」
「や、やめて…身体が…おかしくなる」
「やめない」
祐一はなおも執拗に息を吹きかけ続けた。もっと口を近づけて、包帯の上から太股をさすったり内股から指を這い上がらせたりする動きも加える。ただし、核心の部分には直接的な刺激を全く加えない。
「だ…だめ、祐一」
「舞、どうして欲しい?」
「もっと…もっと」
「もっと、どうするんだ」
祐一はぎりぎりの所まで指を近づけ、ステップを踏むような動かし方をする。
「ひっ…い、言えない」
「じゃあこのまんまだな」
「や…祐一、して欲しい」
「じゃあ言ってみろ」
「い、いえ…」
「言えるよな?」
「………」
舞は言葉を閉ざした。だが視界と身体の拘束は、逆に理性の拘束をゆるめ、解きほぐしていく。
「さ、舞」
「わ、私の」
「舞の?」
「私の…オ○○コを触って欲しいっ…」
「へぇ、舞でもそういう言葉知ってたんだな」
「そ、そんなこと」
舞が顔を真っ赤にする。
「なんか、意外だな」
「そ、それより…祐一、早く…」
「ああ、悪い。約束だもんな」
祐一の指が、舞の肌を離れる。
「…祐一?」
ぴちゅっ。
「あっ!」
舞が驚いた声を上げた。そこに触れたのは指ではなく、もっとなま暖かく柔らかな物体だった。
「き、きたな…ひっ!」
すぐに、それは秘裂の間を割り込んで中の粘膜をなぶり始める。未知の感覚は背中を這い上がる不安感と性感になっていった。指よりも、何倍もいやらしくて気持ちいいのだ。舞は自分が性欲に自制の利く方だと思っていたが、身体全体に快感の固まりが広がっていくような感覚を感じていると、その自信がどんどん瓦解していく。
祐一にヴァギナを突かれている快感は、深い結合感から来る安堵感や祐一を気持ちよくしているという自尊心なども混ざった感覚だが、これはただ純粋に気持ちいい性行為だった。これをクンニリングスと呼ぶ事を、舞はずっと後で知ることになる。
「ゆ…祐一っ!」
舞はありたけの力で脚を閉じようとし、祐一の頭を挟み込んだ。包帯のせいで全ての力を出す事が出来なかったが、そのもどかしさも妙に舞の身体を煽る。
「あ、そこは、そこは」
祐一の攻撃対象は、舞の小さな突起に移ろうとしていた。舞は困惑した声を上げるが、
「ひぅっ」
直接一舐めされた瞬間、高い声を上げて悶えてしまった。祐一は顔全体を押しつけるように深く舌を差し込み、その部分を動物のように荒いタッチで舐め立てていく。
「あ…あ、あっ!」
舞の身体から力が抜けていった。熱い吐息を吐き出しながら、宙を仰いで身体を祐一にさらけ出す。快楽に溺れただらしない表情を見せているのも、瞳を見られていないからという安心感があるからだ。
確かに、目が見えていない事で普段の姿と乖離した舞の乱れようも少しおとなしめに見えていたかもしれない。もし今タオルを取ってしまったなら、淫らに歪んだ舞の愉悦の表情が浮かび上がる事だろう。
「祐一っ」
ぷじゅっ…
愛の液が噴き出して、祐一のあごの辺りに飛びかかる。
「舞」
祐一は顔を引いて、その愛液を手で拭いながら舞の姿を見つめる。ひく…ひく、と舞の身体が痙攣していた。舞がこれほど早くイッてしまうなど、これまで経験したことがない。
「良かった、よな」
「ゆ…祐一」
舞は未だ身体を震わせながら、呆然とした言葉を返すばかりである。
祐一はふと思い立って、舞自身の愛液に濡れた指を舞の口の中に入れてみた。
「っぐ」
「舐める」
「……」
命令口調でも頼む口調でも無い、動詞を放っただけだが、舞は素直にそれに従った。唇をすぼめて、しゃぶるような動きで指についた愛液を舐め取っていく。
「舞…」
祐一の頭には、まだ舞にしてもらった事のない一つの行為が浮かんできていた。
「まあ、ちょっと待てって」
「ゆ、祐一」
舞が見えない視界の中で必死に顔を動かす。タオルで作られた簡単な目隠しだったが、手も足も自由にならない状況でははずせそうになかった。
包帯で手当たり次第に縛ったという感じの拘束だったが、一応拘束として機能している。舞が身体を動かせるのは、包帯の小さな弾力の範囲だけだった。
「なんで、こんな事を」
「今にわかる」
真下から聞こえてくる祐一の声が、舞の耳に入ってくる。
ふぅっ、と祐一が息を吹きかけた。そこだけには包帯が縛られておらず、剥き出しにされている。
「あ…ああっ、祐一!」
祐一はそこに息を吹きかけ続ける。柔らかく包み込むような弱い息から、吹き付けるような強い息まで。それは直接的な刺激には程遠いものだったが、そうしている内に舞はぴくぴくと身体を震わせ始める。
「どうだ…舞」
「か、身体が変になってくる」
「こういうのも面白いだろ?」
「や、やめて…身体が…おかしくなる」
「やめない」
祐一はなおも執拗に息を吹きかけ続けた。もっと口を近づけて、包帯の上から太股をさすったり内股から指を這い上がらせたりする動きも加える。ただし、核心の部分には直接的な刺激を全く加えない。
「だ…だめ、祐一」
「舞、どうして欲しい?」
「もっと…もっと」
「もっと、どうするんだ」
祐一はぎりぎりの所まで指を近づけ、ステップを踏むような動かし方をする。
「ひっ…い、言えない」
「じゃあこのまんまだな」
「や…祐一、して欲しい」
「じゃあ言ってみろ」
「い、いえ…」
「言えるよな?」
「………」
舞は言葉を閉ざした。だが視界と身体の拘束は、逆に理性の拘束をゆるめ、解きほぐしていく。
「さ、舞」
「わ、私の」
「舞の?」
「私の…オ○○コを触って欲しいっ…」
「へぇ、舞でもそういう言葉知ってたんだな」
「そ、そんなこと」
舞が顔を真っ赤にする。
「なんか、意外だな」
「そ、それより…祐一、早く…」
「ああ、悪い。約束だもんな」
祐一の指が、舞の肌を離れる。
「…祐一?」
ぴちゅっ。
「あっ!」
舞が驚いた声を上げた。そこに触れたのは指ではなく、もっとなま暖かく柔らかな物体だった。
「き、きたな…ひっ!」
すぐに、それは秘裂の間を割り込んで中の粘膜をなぶり始める。未知の感覚は背中を這い上がる不安感と性感になっていった。指よりも、何倍もいやらしくて気持ちいいのだ。舞は自分が性欲に自制の利く方だと思っていたが、身体全体に快感の固まりが広がっていくような感覚を感じていると、その自信がどんどん瓦解していく。
祐一にヴァギナを突かれている快感は、深い結合感から来る安堵感や祐一を気持ちよくしているという自尊心なども混ざった感覚だが、これはただ純粋に気持ちいい性行為だった。これをクンニリングスと呼ぶ事を、舞はずっと後で知ることになる。
「ゆ…祐一っ!」
舞はありたけの力で脚を閉じようとし、祐一の頭を挟み込んだ。包帯のせいで全ての力を出す事が出来なかったが、そのもどかしさも妙に舞の身体を煽る。
「あ、そこは、そこは」
祐一の攻撃対象は、舞の小さな突起に移ろうとしていた。舞は困惑した声を上げるが、
「ひぅっ」
直接一舐めされた瞬間、高い声を上げて悶えてしまった。祐一は顔全体を押しつけるように深く舌を差し込み、その部分を動物のように荒いタッチで舐め立てていく。
「あ…あ、あっ!」
舞の身体から力が抜けていった。熱い吐息を吐き出しながら、宙を仰いで身体を祐一にさらけ出す。快楽に溺れただらしない表情を見せているのも、瞳を見られていないからという安心感があるからだ。
確かに、目が見えていない事で普段の姿と乖離した舞の乱れようも少しおとなしめに見えていたかもしれない。もし今タオルを取ってしまったなら、淫らに歪んだ舞の愉悦の表情が浮かび上がる事だろう。
「祐一っ」
ぷじゅっ…
愛の液が噴き出して、祐一のあごの辺りに飛びかかる。
「舞」
祐一は顔を引いて、その愛液を手で拭いながら舞の姿を見つめる。ひく…ひく、と舞の身体が痙攣していた。舞がこれほど早くイッてしまうなど、これまで経験したことがない。
「良かった、よな」
「ゆ…祐一」
舞は未だ身体を震わせながら、呆然とした言葉を返すばかりである。
祐一はふと思い立って、舞自身の愛液に濡れた指を舞の口の中に入れてみた。
「っぐ」
「舐める」
「……」
命令口調でも頼む口調でも無い、動詞を放っただけだが、舞は素直にそれに従った。唇をすぼめて、しゃぶるような動きで指についた愛液を舐め取っていく。
「舞…」
祐一の頭には、まだ舞にしてもらった事のない一つの行為が浮かんできていた。
ぺちゅっ、ぷちゅ、ぐぢゅっ…
淫靡な水音がハーモニーを奏でる。
なぜなら、ここにいる少女達はシックス・ナインに励んでいるからだ。
くりゅっ…
「ひっ」
クリトリスを舐められた。下になっていたあゆが小さな声を上げる。もちろん、その間舌の動きの方はおろそかになってしまう。
くりゅくりゅ、くりゅっ…
「………!」
間断無き舌の攻撃に腰をぴくつかせながらも、あゆは懸命に佐祐理の秘部に舌を割り入れて闇雲に動かした。佐祐理はぎゅっと目を閉じ、眉をしかめてその刺激に耐えながらも、一度捉えたあゆの幼い突起を執拗になめ回して離さない。
「あ、あ」
あゆがまた舌の動きを止めた。その機に、佐祐理は半開きに目を開けて人差し指をあゆの中に勢い良く挿入する。
つぶっ…
「ううーっ!」
もはやあゆの意識は朦朧として、佐祐理の秘裂を舐めるどころではなくなっている。佐祐理のクンニリングスは、恐ろしく上手かった。
「だ…だめ…」
あゆが観念しても、佐祐理は容赦ない舌の動きを全く緩めようとしなかった。尋常ではなく大きな波があゆの細腰に迫ってくる。
「…ああっ!」
びくんっ!びくん、びくんっ!びくんっ!
その瞬間、あゆの全身が激しく痙攣した。指が挿入されていたにも拘わらずヴァギナの隙間からは愛液がほとばしり、佐祐理の頬を濡らした。
ヴーッ…ヴーッ…
そして、低い音のブザーが鳴り響く。同時にプシューという空気音がして、壁の一部が開く。佐祐理の後ろの方に部屋の出口ができていた。
佐祐理は立ち上がり、気絶したようになってぴくぴくと震えるあゆを見下ろした。良く見ると、二人とも剃られたように秘部がつるつるとしている事がわかる。
「ご、ごめんなさい…佐祐理は、ここから出て、会わなきゃいけない人がいるんです…」
小さく頭を下げながら、佐祐理は部屋から出ていく。
佐祐理が部屋を出た瞬間、また空気音がする。それは佐祐理の出ていった出口が閉まった音であると同時に、逆側に入り口が出来た音だ。
「あ…あゆちゃん!?」
それは聞いた事のある声だった…
「な、名雪さん…」
倒れたままの姿勢であゆはつぶやく。
やがてあゆの視界に入ってきたのは、果たして全裸の名雪の姿だった…。無論、秘部にはわずかなヘアすら生える事を許されていない。
「い、いやだよ…ボク、名雪さんとこんな事したくないよ…」
「………」
「ねぇ、名雪さんもそうでしょっ!?ねぇ、答えてよっ!」
「ご、ごめん、あゆちゃん…私…ここから出るの…家に帰るの…」
「名雪さんっ!?」
絶望的な声。
「ごめんね…本当にごめんね…」
泣きそうな声。同時に、ピピッ…と電子音がどこからともなく響く。さっきのブザーから、きっかり30秒後だ。
名雪はかがみ込んで、倒れ込んだあゆの秘部に思い切り顔を近づける。
ぬち…
「いやっ!」
舌が秘裂に侵入してくる。絶頂を迎えたばかりのあゆにとって、それは激烈すぎる刺激だった。
佐祐理に比べれば稚拙な動きなのは否めない。しかし、身体は興奮しきっており、愛液もたっぷりとあふれ返っているのだから、あっという間に快感の渦が巻き起こってくる。それを知ってか知らずか、名雪の舌は最初からピンピンに膨れ上がったクリトリスを責めていた。
「だ、だめ…ボク、またイッちゃうよぉっ!」
快感のボルテージが下がりきらないうちに刺激を受けているのだ。あゆは、すぐに絶頂の崖っぷちまで追いやられてしまう。必死で踏みとどまろうと耐えるが、名雪の攻撃が続く限り時間の問題なのは明らかだった。
「ゆ、許して、名雪さん…ボク、これでイッちゃうと『三回目』だから…だめ…なの…」
名雪は聞こえていないとばかりに指をヴァギナに突き刺す。
「ああっ!だめ!な、名雪さん、助けてっ!一緒にここから出ようよっ!」
あゆの腰がひゅくひゅくと震え始める。あゆは最後の坂道を一気に押し上げられていく。もはや、名雪が舌の動きを止めても絶頂を避ける事はできないだろう。
「ボ、ボク…イっちゃううっ…!」
淫靡な水音がハーモニーを奏でる。
なぜなら、ここにいる少女達はシックス・ナインに励んでいるからだ。
くりゅっ…
「ひっ」
クリトリスを舐められた。下になっていたあゆが小さな声を上げる。もちろん、その間舌の動きの方はおろそかになってしまう。
くりゅくりゅ、くりゅっ…
「………!」
間断無き舌の攻撃に腰をぴくつかせながらも、あゆは懸命に佐祐理の秘部に舌を割り入れて闇雲に動かした。佐祐理はぎゅっと目を閉じ、眉をしかめてその刺激に耐えながらも、一度捉えたあゆの幼い突起を執拗になめ回して離さない。
「あ、あ」
あゆがまた舌の動きを止めた。その機に、佐祐理は半開きに目を開けて人差し指をあゆの中に勢い良く挿入する。
つぶっ…
「ううーっ!」
もはやあゆの意識は朦朧として、佐祐理の秘裂を舐めるどころではなくなっている。佐祐理のクンニリングスは、恐ろしく上手かった。
「だ…だめ…」
あゆが観念しても、佐祐理は容赦ない舌の動きを全く緩めようとしなかった。尋常ではなく大きな波があゆの細腰に迫ってくる。
「…ああっ!」
びくんっ!びくん、びくんっ!びくんっ!
その瞬間、あゆの全身が激しく痙攣した。指が挿入されていたにも拘わらずヴァギナの隙間からは愛液がほとばしり、佐祐理の頬を濡らした。
ヴーッ…ヴーッ…
そして、低い音のブザーが鳴り響く。同時にプシューという空気音がして、壁の一部が開く。佐祐理の後ろの方に部屋の出口ができていた。
佐祐理は立ち上がり、気絶したようになってぴくぴくと震えるあゆを見下ろした。良く見ると、二人とも剃られたように秘部がつるつるとしている事がわかる。
「ご、ごめんなさい…佐祐理は、ここから出て、会わなきゃいけない人がいるんです…」
小さく頭を下げながら、佐祐理は部屋から出ていく。
佐祐理が部屋を出た瞬間、また空気音がする。それは佐祐理の出ていった出口が閉まった音であると同時に、逆側に入り口が出来た音だ。
「あ…あゆちゃん!?」
それは聞いた事のある声だった…
「な、名雪さん…」
倒れたままの姿勢であゆはつぶやく。
やがてあゆの視界に入ってきたのは、果たして全裸の名雪の姿だった…。無論、秘部にはわずかなヘアすら生える事を許されていない。
「い、いやだよ…ボク、名雪さんとこんな事したくないよ…」
「………」
「ねぇ、名雪さんもそうでしょっ!?ねぇ、答えてよっ!」
「ご、ごめん、あゆちゃん…私…ここから出るの…家に帰るの…」
「名雪さんっ!?」
絶望的な声。
「ごめんね…本当にごめんね…」
泣きそうな声。同時に、ピピッ…と電子音がどこからともなく響く。さっきのブザーから、きっかり30秒後だ。
名雪はかがみ込んで、倒れ込んだあゆの秘部に思い切り顔を近づける。
ぬち…
「いやっ!」
舌が秘裂に侵入してくる。絶頂を迎えたばかりのあゆにとって、それは激烈すぎる刺激だった。
佐祐理に比べれば稚拙な動きなのは否めない。しかし、身体は興奮しきっており、愛液もたっぷりとあふれ返っているのだから、あっという間に快感の渦が巻き起こってくる。それを知ってか知らずか、名雪の舌は最初からピンピンに膨れ上がったクリトリスを責めていた。
「だ、だめ…ボク、またイッちゃうよぉっ!」
快感のボルテージが下がりきらないうちに刺激を受けているのだ。あゆは、すぐに絶頂の崖っぷちまで追いやられてしまう。必死で踏みとどまろうと耐えるが、名雪の攻撃が続く限り時間の問題なのは明らかだった。
「ゆ、許して、名雪さん…ボク、これでイッちゃうと『三回目』だから…だめ…なの…」
名雪は聞こえていないとばかりに指をヴァギナに突き刺す。
「ああっ!だめ!な、名雪さん、助けてっ!一緒にここから出ようよっ!」
あゆの腰がひゅくひゅくと震え始める。あゆは最後の坂道を一気に押し上げられていく。もはや、名雪が舌の動きを止めても絶頂を避ける事はできないだろう。
「ボ、ボク…イっちゃううっ…!」
「ふ…!?は…うぅっ、うっ、うっ」
股間に埋めた顔が上下左右に激しく動かされる。
「あ…ちょ、ちょっと強すぎるよっ」
やや余裕を無くした声が上がり、茜の頭に軽く手が添えられる。
「ほら、もっと優しくやってよ」
「んん…ん、んっ!」
詩子の声の言うことなどまるで気にせず、茜は秘裂の間に差し込んだ舌を無茶苦茶に動かした。不慣れな動きではあったが、何かから逃れようとするような切羽詰まった動き。それは、茜に痛みとぎりぎりの強い快感をもたらしていく。
それとは別に、じゅぶっ、じゅぶっというくぐもった水音が聞こえてきていた。茜は背後から犯されているのだ。ついさっきまでは未経験であったはずの茜のヴァギナには十分すぎるほどの愛液が溢れかえっており、男のペニスをやすやすと受け入れてしまっている。
「うっ…締め付けるな」
その声は浩平だった。
「ちょっと前まで処女だったのにね」
「う…ううっ、ううっ」
アイマスクがつけられている、視界が遮られた状況。その状況で背後から突かれている。
そういう異常な状態であるにも拘わらず、膣壁がこすられる度に恐ろしいほどの快感が走った。茜が自ら性感を開発してきたクリトリスでは感じられなかったような、別種の快感が次々に生まれていった。
「詩子」が飲ませた媚薬のせいだとわかっていても、その感覚を無視する事は出来ない。嫌だと思っても腰が動いて、ペニスの動きに応えてしまう。その事を忘れようとする衝動が、無意識のうちに「詩子」への激しいクンニリングスになっていった。
もはや、茜の理性は飛んでいる。
「………っ」
突然、後ろから突かれる動きが止まった。
「…あっ…浩平、やめないでくださいっ」
「欲しいのか?」
「は…はい」
「茜、すごいこと言ってるよ」
「結局、いつもこうされたくてたまらなかったってことだろ」
じゅぶっ。
「ひーっ…ああっ」
悲鳴のような嬌声の後の、安堵しきった声。
「ほら、なめるの止めちゃだめ」
詩子の声に応えて、クンニリングスも再開する。
じゅぶっ、じゅぶっという重い音とぺちゅぺちゅといういやらしい水音が重なっていった。茜の身体の奥底から、熱いものがせり上がってくる。これまでに何度も絶頂に導かれていたが、その中でも最大の波がやってくる。
次第に、茜のヴァギナがひゅくひゅくと震え始めた。
「…イクのか」
「茜、イクの?」
茜は腰と舌の動きを強くする事でそれに応えた。
「…………っ!!」
ビクンッ!ビクンッ!
茜の性感が爆発した。
「あ…ふぁ…あっ」
力つきたように「詩子」の秘部から唇を離し、茜は力つきる。
「まだ、わたしイッてないのに」
「俺もだ」
「罰だよね」
「そうだな」
「まずはオナニー見せてもらうってのがいいよ」
声だけが、茜の脳裏に響いていった…
股間に埋めた顔が上下左右に激しく動かされる。
「あ…ちょ、ちょっと強すぎるよっ」
やや余裕を無くした声が上がり、茜の頭に軽く手が添えられる。
「ほら、もっと優しくやってよ」
「んん…ん、んっ!」
詩子の声の言うことなどまるで気にせず、茜は秘裂の間に差し込んだ舌を無茶苦茶に動かした。不慣れな動きではあったが、何かから逃れようとするような切羽詰まった動き。それは、茜に痛みとぎりぎりの強い快感をもたらしていく。
それとは別に、じゅぶっ、じゅぶっというくぐもった水音が聞こえてきていた。茜は背後から犯されているのだ。ついさっきまでは未経験であったはずの茜のヴァギナには十分すぎるほどの愛液が溢れかえっており、男のペニスをやすやすと受け入れてしまっている。
「うっ…締め付けるな」
その声は浩平だった。
「ちょっと前まで処女だったのにね」
「う…ううっ、ううっ」
アイマスクがつけられている、視界が遮られた状況。その状況で背後から突かれている。
そういう異常な状態であるにも拘わらず、膣壁がこすられる度に恐ろしいほどの快感が走った。茜が自ら性感を開発してきたクリトリスでは感じられなかったような、別種の快感が次々に生まれていった。
「詩子」が飲ませた媚薬のせいだとわかっていても、その感覚を無視する事は出来ない。嫌だと思っても腰が動いて、ペニスの動きに応えてしまう。その事を忘れようとする衝動が、無意識のうちに「詩子」への激しいクンニリングスになっていった。
もはや、茜の理性は飛んでいる。
「………っ」
突然、後ろから突かれる動きが止まった。
「…あっ…浩平、やめないでくださいっ」
「欲しいのか?」
「は…はい」
「茜、すごいこと言ってるよ」
「結局、いつもこうされたくてたまらなかったってことだろ」
じゅぶっ。
「ひーっ…ああっ」
悲鳴のような嬌声の後の、安堵しきった声。
「ほら、なめるの止めちゃだめ」
詩子の声に応えて、クンニリングスも再開する。
じゅぶっ、じゅぶっという重い音とぺちゅぺちゅといういやらしい水音が重なっていった。茜の身体の奥底から、熱いものがせり上がってくる。これまでに何度も絶頂に導かれていたが、その中でも最大の波がやってくる。
次第に、茜のヴァギナがひゅくひゅくと震え始めた。
「…イクのか」
「茜、イクの?」
茜は腰と舌の動きを強くする事でそれに応えた。
「…………っ!!」
ビクンッ!ビクンッ!
茜の性感が爆発した。
「あ…ふぁ…あっ」
力つきたように「詩子」の秘部から唇を離し、茜は力つきる。
「まだ、わたしイッてないのに」
「俺もだ」
「罰だよね」
「そうだな」
「まずはオナニー見せてもらうってのがいいよ」
声だけが、茜の脳裏に響いていった…
くちゅ、くちゅ、くちゅ、くちゅ。
「ふ…ふぁ」
水っぽい音に、切なげな声が重なる。
控え室に置かれたベッドに座って脚を開いた由綺。その秘裂には、すらりと細い二本の指が侵入してひっきりなしに刺激を与え続けていた。かなり手慣れた愛撫である。乱暴さと繊細さを巧みに織り交ぜており、動きのバリエーションも豊富だった。
由綺は惚けた顔のまま、与えられる快楽にただ身を委ねている。背を少しだけ反らせて両手を後ろについた体勢は、為されるがままといった印象が強い。
愛撫をしているのは…理奈だった。
自らも身に何も纏わず、右手だけで由綺の秘部をいじくるタッチ。どこかダンサブルなイメージすらある。確かに、女性の身体を責め立てて嬌声を引き出す営みは、どこか楽曲的な営みに似ているかもしれない。それを知ってか知らずか、理奈の指の動かし方は極めてリズミカルだった。
理奈自身も、無刺激で奉仕的な愛撫をしているわけではない。左手はしっかりと自らの秘裂に当てられており、思うがままの刺激を与えていた。由綺に負けず潤滑の液は豊富であり、四つん這いになった太股には透明な液体がたらたらと伝ってしまっている。
万が一他人に見られたなら、スキャンダラスというだけでは済まない情景だった。だが、この部屋の外では弥生が見張りを続けているのだ。二人に誰かが入ってくるのではなどという心配は全くなかった。
「由綺…もう…いいかしら…」
「う…うんっ、理奈ちゃん、私、もう欲しい」
こくこく、と由綺が頭を縦に振る。
「私も…もう我慢できないわ」
理奈ははいずるようにしてベッドに上がった。由綺は身体をベッドに倒して理奈を待つ。
枕の側に頭を置いて寝転がった由綺に対し、理奈は逆の方向に頭を置いて、同じように寝転がった。そして身体をゆっくり由綺の方に近づけていく。
すぐに脚と脚が絡まっていき、身体同士の密着度が増していった。必然的に濡れそぼった部分の距離も縮まっていき…
ぬちゅっ。
「………!」
「うっ…」
ついには、密着する。いわゆる松葉の体勢で、二人は身を交わらせたのだ。
ぬち…ぬちっ
「あ…ああ」
「い、いいっ」
二人は悦びの声を上げながら、微妙に身体をスライドさせ合って秘裂がこすれ合う快感をむさぼった。目の前に来た互いの脚を抱きしめるように強くつかみ、必死で腰をくねらせる。直接的な刺激ではないにしろ、先ほどの愛撫でクリトリスを露出させている二人にとってそれは十分な性行為だった。
ぐり、ぐりっと理奈が強烈な動きを加え、由綺がぴくぴくという痙攣にも似た動きでそれを捉える。その度に重なり合った秘裂はいやらしく変形し、愛液がほとばしって互いの身体に垂れかかった。
「由綺…私、もう」
「私、私も」
お互いの確認の声が上がると、腰の動きがますます強くなる。ぐちゅぐちゅ、と粘膜の絡まり合う音が響きわたっていった。同時に、熱いものが腰の奥からせり上がってくる。
「あ…ひっ、駄目っ!」
「いっ…いっちゃう」
ひくひくっ…と腰が震えたと思うと、ビクンっと二つの絶頂が合一した。
「あ…あ」
「はぁ…はぁっ」
二人はその体勢のままで、恍惚とした表情を浮かべたまま余韻に浸っていた。
その時、まさか二人は巧妙に隠されたレンズが一部始終を記録していたなどとは思っていなかっただろう。弥生があらゆる事に水の漏れる隙間もないほどの管理をしていると、二人は彼女を信頼しきっていたのだから。
やがて身体を起こした二人は、深い口づけを交わして行為を終えた。
「ふ…ふぁ」
水っぽい音に、切なげな声が重なる。
控え室に置かれたベッドに座って脚を開いた由綺。その秘裂には、すらりと細い二本の指が侵入してひっきりなしに刺激を与え続けていた。かなり手慣れた愛撫である。乱暴さと繊細さを巧みに織り交ぜており、動きのバリエーションも豊富だった。
由綺は惚けた顔のまま、与えられる快楽にただ身を委ねている。背を少しだけ反らせて両手を後ろについた体勢は、為されるがままといった印象が強い。
愛撫をしているのは…理奈だった。
自らも身に何も纏わず、右手だけで由綺の秘部をいじくるタッチ。どこかダンサブルなイメージすらある。確かに、女性の身体を責め立てて嬌声を引き出す営みは、どこか楽曲的な営みに似ているかもしれない。それを知ってか知らずか、理奈の指の動かし方は極めてリズミカルだった。
理奈自身も、無刺激で奉仕的な愛撫をしているわけではない。左手はしっかりと自らの秘裂に当てられており、思うがままの刺激を与えていた。由綺に負けず潤滑の液は豊富であり、四つん這いになった太股には透明な液体がたらたらと伝ってしまっている。
万が一他人に見られたなら、スキャンダラスというだけでは済まない情景だった。だが、この部屋の外では弥生が見張りを続けているのだ。二人に誰かが入ってくるのではなどという心配は全くなかった。
「由綺…もう…いいかしら…」
「う…うんっ、理奈ちゃん、私、もう欲しい」
こくこく、と由綺が頭を縦に振る。
「私も…もう我慢できないわ」
理奈ははいずるようにしてベッドに上がった。由綺は身体をベッドに倒して理奈を待つ。
枕の側に頭を置いて寝転がった由綺に対し、理奈は逆の方向に頭を置いて、同じように寝転がった。そして身体をゆっくり由綺の方に近づけていく。
すぐに脚と脚が絡まっていき、身体同士の密着度が増していった。必然的に濡れそぼった部分の距離も縮まっていき…
ぬちゅっ。
「………!」
「うっ…」
ついには、密着する。いわゆる松葉の体勢で、二人は身を交わらせたのだ。
ぬち…ぬちっ
「あ…ああ」
「い、いいっ」
二人は悦びの声を上げながら、微妙に身体をスライドさせ合って秘裂がこすれ合う快感をむさぼった。目の前に来た互いの脚を抱きしめるように強くつかみ、必死で腰をくねらせる。直接的な刺激ではないにしろ、先ほどの愛撫でクリトリスを露出させている二人にとってそれは十分な性行為だった。
ぐり、ぐりっと理奈が強烈な動きを加え、由綺がぴくぴくという痙攣にも似た動きでそれを捉える。その度に重なり合った秘裂はいやらしく変形し、愛液がほとばしって互いの身体に垂れかかった。
「由綺…私、もう」
「私、私も」
お互いの確認の声が上がると、腰の動きがますます強くなる。ぐちゅぐちゅ、と粘膜の絡まり合う音が響きわたっていった。同時に、熱いものが腰の奥からせり上がってくる。
「あ…ひっ、駄目っ!」
「いっ…いっちゃう」
ひくひくっ…と腰が震えたと思うと、ビクンっと二つの絶頂が合一した。
「あ…あ」
「はぁ…はぁっ」
二人はその体勢のままで、恍惚とした表情を浮かべたまま余韻に浸っていた。
その時、まさか二人は巧妙に隠されたレンズが一部始終を記録していたなどとは思っていなかっただろう。弥生があらゆる事に水の漏れる隙間もないほどの管理をしていると、二人は彼女を信頼しきっていたのだから。
やがて身体を起こした二人は、深い口づけを交わして行為を終えた。
「い…嫌っ、やめて!」
両の目からぼろぼろと涙をこぼしながら香里が訴えかける。その両手両足は細身のロープで何重にも縛られ、固定されてしまっていた。ヒップの部分だけが、辛うじて地面に着地する事を許されている。
そんな状態では反発力など全く生かせるはずもなく、香里の逃げようという試みはロープをぎしぎしと軋ませるだけに止まっていた。M字に開脚された足の真ん中には、ぱっくりと無理矢理に露呈させられている紅の秘めた部分があった。
ヘアは、ない。それなりに発達した恥丘を覆っているべき叢が全くない。香里の足元に落ちている安全カミソリと、ところどころに飛び散った白い泡を見れば何が為されたのかは明らかだった。
香里に近づいていく、小さな影。
「ど…どうしてこんな事するの!?しおりっ…答えて!」
「………」
闇の中から現れたのは、普段とは別人のように冷たく鋭い目をした栞の姿だった。香里と同じように、身には何一つとして纏われていない。しかし、その事を全く気にしていないかのような透明で黒い瞳が、香里のことを静かに見据えた。
「ひ…」
実の妹の姿に怯える。
ついさっきまで泣き叫ぶ香里を無視して、カミソリを操っていた少女なのだ。見慣れてきた身内の姿という事よりも、何をされるかという恐怖心の方が強い。
栞の手には、白っぽく細長い棒があった。
逆の手にはボタン式のライター。
「………!?」
栞は白い棒の方をかざすと、ゆっくり香里の身体の上に近づけてくる。そして儀式的にライターのボタンをカチッ…と押すと、生まれた小さな火を棒に向けて移動させていった。
その瞬間、香里は白い棒が何を意味するのか把握する。
「ゆ!?ゆるしてぇっ!?」
香里の性器の直上に位置された白い棒を、火が舐めた…
……ぽたっ。
永劫にも思える一瞬の後、
「ひぃぃぃっ!……あ……?」
絶叫を上げた香里の声が、途中で止まる。
感じられるはずの激烈な熱さはなく、そこにあるのはべとついた感覚だけ。見ると、落ちてきた液体はすぐに固まる事はなく、秘裂の間をつぅっと滑り落ちている。
ぽた。ぽた。
栞が白い棒の近くで火を滑らせる度、その液体はぽたぽたと滑り落ちて香里の秘裂に垂れ落ちた。
「な…なんなの…?」
拍子抜けの感覚と、得体の知れない液体の恐怖が入り交じってくる。
そして、香里の秘裂が完全にべとべとになってしまうと、栞は体勢を低くしていった。ライターだけを床に置くと、香里の性器にゆっくり顔を近づけていく。
ぺろっ。
「んっ!?」
突然、香里の秘裂をなま暖かい感覚が襲う。
ぺろ…ちろっ。
栞は香里の股間に顔をうずめて、クンニリングスを始めていた…
「や…やぁっ!栞、そんなこと、やめて!」
香里は嫌悪感に身をよじらせる。同性ということ、近親ということ、二重のタブーの感覚が香里を襲う。
すぐに栞の舌は秘裂の内側までもぐり込んできた。栞の舌は身体に相応して小さく細いものだったが、そのためにヒダのあちこちまで的確に滑り込んで刺激してくる。丁寧に丁寧に舐められてくると、香里は段々別の感覚を感じざるを得なくなってくる。
「ん…ん…いやっ」
香里はふるふると頭を振って訴えた。しかし弱々しくなった声は、栞のさらなる大胆な動きを誘発しただけだった。
女として最も弱々しくいやらしい部分を、栞の舌がつんとつついてくる。
「あうっ」
じゅぷ、じゅぷとたっぷりと唾液を含ませた舌が動いて、突起を守っている包皮を強引に脱がせてしまった。後は、舌で転がされる度に激しい快感の波が腰の奥から襲ってくるだけである。栞の柔らかい舌が、何度も何度もそこを包み込んでこねくり回す。
愛しい人に触られた事も、自分で触った事もある部分だ。性の感覚と、太い太い伝達神経で直結されている部分。そこを自分の妹に舐められている。
屈折した快感すら芽生え始めた瞬間、ずんっ、と香里の腰に重苦しい感覚が生まれた。次の瞬間、それは痛みにも似た冷たさに変わる。
「ひっ…ひーっ!つ、つめたいっ!?」
香里の密壷には、栞の持っていた白い棒が突き刺さっている。栞が持っていたと思しき部分には、木のバーがついていた。どこにでもあるミルクアイスだったのだ。ただし、温度は普通のものと比較にならないほど冷やされていたに違いない。
「あ…あくっ、うーっ、だめ…」
香里はメチャクチャに身体を動かして抵抗したが、まるでダメだった。むしろそれは膣の自然な収縮を招き、ますます冷たい感覚が激烈に感じられるようになっただけだ。処女を奪われた時にも比せられる痛みだったが、それとは全く別種の痛みだった。
しかも、痛みに加えて、栞の執拗なクンニリングスは続いている。香里は気が狂ってしまいそうだった。
「ご、ごめんなさいーっ、しおりっ」
「………」
「なんでもします、なんでもしますから…許してくださいっ」
香里はくしゃくしゃになった顔で訴えかけた。言葉も、もはや妹に対して向けたものではない、懇願になっている。
栞は、赤くなった姉の性器からゆっくりとアイスのバーを引き抜いた。表面がどろどろに溶けた白い棒が出てくる。しかし、中心部分は未だに溶けていなかった。
「あ…あ…あはぁーっ…」
香里は放心したようになって、安堵の声を漏らす。
「お姉ちゃん」
「は…はひっ」
もはや呂律(ろれつ)が回っていない。
「自分が、いやらしい女だと認めてください。それから、イク時に自分でイクって言ってください」
「はい…わかりました」
ビクビクと、恐怖に打ち震えた目のままで答える。
そして栞がクンニリングスを再開した。
「うっ…ひ、いいっ、あ、そこっ、いい、感じるっ」
香里が涙をぽろぽろと流しながら、栞の舌の動きに反応して淫靡な声を漏らす。栞は依然として冷たい視線を維持したまま、黙々と舌を動かし続けた。
「あ、あ、そこ、そこですっ、もう、もう、だめですっ、いやらしいから、私、いやらしい身体だから、もうイッちゃいますっ」
栞が行為を再開して30秒も経たないうちに、香里は言う。それを聞いて、栞はクリトリスをはじくような強い動きを連続して加えていった。同時に指を香里のヴァギナに挿入し、膣壁をこりこりとくすぐった。
「あぁっ…イクっ…」
香里はびくんっ!と一度身体をわななかせると、ぐったりとしてしまう。
栞は軽蔑したような目でそれを見ながら、指を締め付けてくるヴァギナの中をぐりぐりと刺激し続けていた。
「祐一さんに、どれくらい会いましたか?すぐ我慢できなくなって、欲しくなっちゃうんでしょう?自分の指で我慢するってこと、できないんですか?」
そして尋問が始まった。
両の目からぼろぼろと涙をこぼしながら香里が訴えかける。その両手両足は細身のロープで何重にも縛られ、固定されてしまっていた。ヒップの部分だけが、辛うじて地面に着地する事を許されている。
そんな状態では反発力など全く生かせるはずもなく、香里の逃げようという試みはロープをぎしぎしと軋ませるだけに止まっていた。M字に開脚された足の真ん中には、ぱっくりと無理矢理に露呈させられている紅の秘めた部分があった。
ヘアは、ない。それなりに発達した恥丘を覆っているべき叢が全くない。香里の足元に落ちている安全カミソリと、ところどころに飛び散った白い泡を見れば何が為されたのかは明らかだった。
香里に近づいていく、小さな影。
「ど…どうしてこんな事するの!?しおりっ…答えて!」
「………」
闇の中から現れたのは、普段とは別人のように冷たく鋭い目をした栞の姿だった。香里と同じように、身には何一つとして纏われていない。しかし、その事を全く気にしていないかのような透明で黒い瞳が、香里のことを静かに見据えた。
「ひ…」
実の妹の姿に怯える。
ついさっきまで泣き叫ぶ香里を無視して、カミソリを操っていた少女なのだ。見慣れてきた身内の姿という事よりも、何をされるかという恐怖心の方が強い。
栞の手には、白っぽく細長い棒があった。
逆の手にはボタン式のライター。
「………!?」
栞は白い棒の方をかざすと、ゆっくり香里の身体の上に近づけてくる。そして儀式的にライターのボタンをカチッ…と押すと、生まれた小さな火を棒に向けて移動させていった。
その瞬間、香里は白い棒が何を意味するのか把握する。
「ゆ!?ゆるしてぇっ!?」
香里の性器の直上に位置された白い棒を、火が舐めた…
……ぽたっ。
永劫にも思える一瞬の後、
「ひぃぃぃっ!……あ……?」
絶叫を上げた香里の声が、途中で止まる。
感じられるはずの激烈な熱さはなく、そこにあるのはべとついた感覚だけ。見ると、落ちてきた液体はすぐに固まる事はなく、秘裂の間をつぅっと滑り落ちている。
ぽた。ぽた。
栞が白い棒の近くで火を滑らせる度、その液体はぽたぽたと滑り落ちて香里の秘裂に垂れ落ちた。
「な…なんなの…?」
拍子抜けの感覚と、得体の知れない液体の恐怖が入り交じってくる。
そして、香里の秘裂が完全にべとべとになってしまうと、栞は体勢を低くしていった。ライターだけを床に置くと、香里の性器にゆっくり顔を近づけていく。
ぺろっ。
「んっ!?」
突然、香里の秘裂をなま暖かい感覚が襲う。
ぺろ…ちろっ。
栞は香里の股間に顔をうずめて、クンニリングスを始めていた…
「や…やぁっ!栞、そんなこと、やめて!」
香里は嫌悪感に身をよじらせる。同性ということ、近親ということ、二重のタブーの感覚が香里を襲う。
すぐに栞の舌は秘裂の内側までもぐり込んできた。栞の舌は身体に相応して小さく細いものだったが、そのためにヒダのあちこちまで的確に滑り込んで刺激してくる。丁寧に丁寧に舐められてくると、香里は段々別の感覚を感じざるを得なくなってくる。
「ん…ん…いやっ」
香里はふるふると頭を振って訴えた。しかし弱々しくなった声は、栞のさらなる大胆な動きを誘発しただけだった。
女として最も弱々しくいやらしい部分を、栞の舌がつんとつついてくる。
「あうっ」
じゅぷ、じゅぷとたっぷりと唾液を含ませた舌が動いて、突起を守っている包皮を強引に脱がせてしまった。後は、舌で転がされる度に激しい快感の波が腰の奥から襲ってくるだけである。栞の柔らかい舌が、何度も何度もそこを包み込んでこねくり回す。
愛しい人に触られた事も、自分で触った事もある部分だ。性の感覚と、太い太い伝達神経で直結されている部分。そこを自分の妹に舐められている。
屈折した快感すら芽生え始めた瞬間、ずんっ、と香里の腰に重苦しい感覚が生まれた。次の瞬間、それは痛みにも似た冷たさに変わる。
「ひっ…ひーっ!つ、つめたいっ!?」
香里の密壷には、栞の持っていた白い棒が突き刺さっている。栞が持っていたと思しき部分には、木のバーがついていた。どこにでもあるミルクアイスだったのだ。ただし、温度は普通のものと比較にならないほど冷やされていたに違いない。
「あ…あくっ、うーっ、だめ…」
香里はメチャクチャに身体を動かして抵抗したが、まるでダメだった。むしろそれは膣の自然な収縮を招き、ますます冷たい感覚が激烈に感じられるようになっただけだ。処女を奪われた時にも比せられる痛みだったが、それとは全く別種の痛みだった。
しかも、痛みに加えて、栞の執拗なクンニリングスは続いている。香里は気が狂ってしまいそうだった。
「ご、ごめんなさいーっ、しおりっ」
「………」
「なんでもします、なんでもしますから…許してくださいっ」
香里はくしゃくしゃになった顔で訴えかけた。言葉も、もはや妹に対して向けたものではない、懇願になっている。
栞は、赤くなった姉の性器からゆっくりとアイスのバーを引き抜いた。表面がどろどろに溶けた白い棒が出てくる。しかし、中心部分は未だに溶けていなかった。
「あ…あ…あはぁーっ…」
香里は放心したようになって、安堵の声を漏らす。
「お姉ちゃん」
「は…はひっ」
もはや呂律(ろれつ)が回っていない。
「自分が、いやらしい女だと認めてください。それから、イク時に自分でイクって言ってください」
「はい…わかりました」
ビクビクと、恐怖に打ち震えた目のままで答える。
そして栞がクンニリングスを再開した。
「うっ…ひ、いいっ、あ、そこっ、いい、感じるっ」
香里が涙をぽろぽろと流しながら、栞の舌の動きに反応して淫靡な声を漏らす。栞は依然として冷たい視線を維持したまま、黙々と舌を動かし続けた。
「あ、あ、そこ、そこですっ、もう、もう、だめですっ、いやらしいから、私、いやらしい身体だから、もうイッちゃいますっ」
栞が行為を再開して30秒も経たないうちに、香里は言う。それを聞いて、栞はクリトリスをはじくような強い動きを連続して加えていった。同時に指を香里のヴァギナに挿入し、膣壁をこりこりとくすぐった。
「あぁっ…イクっ…」
香里はびくんっ!と一度身体をわななかせると、ぐったりとしてしまう。
栞は軽蔑したような目でそれを見ながら、指を締め付けてくるヴァギナの中をぐりぐりと刺激し続けていた。
「祐一さんに、どれくらい会いましたか?すぐ我慢できなくなって、欲しくなっちゃうんでしょう?自分の指で我慢するってこと、できないんですか?」
そして尋問が始まった。
「あ…くっ、んっ、あいざわ…くんっ」
感極まった声。
ぬぢゅっ、とした淫靡な水音と共に、祐一の腰にまたがった香里はペニスを深々と受け入れていた。潤滑の液に濡れ濡れた香里の秘部は、まるで抵抗なく男の逸物を受け入れる。
「かっ、香里っ」
「うっ…相沢君の…奥まで当たってる」
普段の理知などかなぐり捨てたような、直接的でいやらしい科白。成熟した肉体が、祐一の前にあけすけにさらけ出されている。
ず…ずぶっ
「ひうっ、ああぅっ…」
香里が大きく腰を動かし始めた。その度に、長いウェービィヘアが奔放に揺れる。自分で産み出した快楽に、ひっきりなしに愉悦の声を上げる。
ずんずんと積極的にペニスで突かれる様子を見ていれば、香里がヴァギナからもたらされる性感に目覚めている事はすぐわかる。性交に関しては、それなりの経験を積んでいるようだった。
「あ…お姉…ちゃん」
二人の様子を見ながら、乾いた声を上げる少女がひとり。栞だ。栞もまた身に何もまとっておらず、恥ずかしさと興味を兼ね揃えた瞳で激しいセックスの様子を見守っている。
もじもじと両脚を擦らせているが、さすがに欲求をそのまま口に出す事はできないらしい。
「栞もっ…相沢君にっ…」
「え…でも」
「顔に、またがるの…」
「あ…」
栞は顔を真っ赤にした。それでも、待ちかねたようにベッドに上がる。
「祐一さん…いいですか?」
「あ…ああ」
「ありがとうございます…」
香里とは正反対に、乳房も性器も未発達な栞の体躯。陰毛が全く生えていない、つるりとした恥丘…
ぺちゅ。
「ふあっ!?」
祐一の舌が栞の秘部に触れる。驚いたような嬌声が上がる。
ぺちゅ、ぬちゅ…
「く…んあうぅ」
栞は夢見るような声を上げる。はっきりと気持ちいいらしい。割り広げられた秘裂の中は、既に愛の雫に潤い始めたピンク色の粘膜があった。
「し、しおりっ」
「お姉ちゃん…」
二人は欲望に衝かれるままに、口づけた。姉妹であるという抵抗感など薄い紙のように破られる。ただ、背徳の念だけがぞくぞくとするような快感をもたらしていく。
ぐち、ぐち、ぬちゅ、ぬち…
みだらな水音に支配されながら、三人は快感をむさぼり合っていく。
「わ、わたしっ、もうだめです…」
「私も、私もっ、栞、一緒に…」
二人は再び熱く唇を交わす。
『んんーっ!』
そして、姉妹は同時に昇天した。
感極まった声。
ぬぢゅっ、とした淫靡な水音と共に、祐一の腰にまたがった香里はペニスを深々と受け入れていた。潤滑の液に濡れ濡れた香里の秘部は、まるで抵抗なく男の逸物を受け入れる。
「かっ、香里っ」
「うっ…相沢君の…奥まで当たってる」
普段の理知などかなぐり捨てたような、直接的でいやらしい科白。成熟した肉体が、祐一の前にあけすけにさらけ出されている。
ず…ずぶっ
「ひうっ、ああぅっ…」
香里が大きく腰を動かし始めた。その度に、長いウェービィヘアが奔放に揺れる。自分で産み出した快楽に、ひっきりなしに愉悦の声を上げる。
ずんずんと積極的にペニスで突かれる様子を見ていれば、香里がヴァギナからもたらされる性感に目覚めている事はすぐわかる。性交に関しては、それなりの経験を積んでいるようだった。
「あ…お姉…ちゃん」
二人の様子を見ながら、乾いた声を上げる少女がひとり。栞だ。栞もまた身に何もまとっておらず、恥ずかしさと興味を兼ね揃えた瞳で激しいセックスの様子を見守っている。
もじもじと両脚を擦らせているが、さすがに欲求をそのまま口に出す事はできないらしい。
「栞もっ…相沢君にっ…」
「え…でも」
「顔に、またがるの…」
「あ…」
栞は顔を真っ赤にした。それでも、待ちかねたようにベッドに上がる。
「祐一さん…いいですか?」
「あ…ああ」
「ありがとうございます…」
香里とは正反対に、乳房も性器も未発達な栞の体躯。陰毛が全く生えていない、つるりとした恥丘…
ぺちゅ。
「ふあっ!?」
祐一の舌が栞の秘部に触れる。驚いたような嬌声が上がる。
ぺちゅ、ぬちゅ…
「く…んあうぅ」
栞は夢見るような声を上げる。はっきりと気持ちいいらしい。割り広げられた秘裂の中は、既に愛の雫に潤い始めたピンク色の粘膜があった。
「し、しおりっ」
「お姉ちゃん…」
二人は欲望に衝かれるままに、口づけた。姉妹であるという抵抗感など薄い紙のように破られる。ただ、背徳の念だけがぞくぞくとするような快感をもたらしていく。
ぐち、ぐち、ぬちゅ、ぬち…
みだらな水音に支配されながら、三人は快感をむさぼり合っていく。
「わ、わたしっ、もうだめです…」
「私も、私もっ、栞、一緒に…」
二人は再び熱く唇を交わす。
『んんーっ!』
そして、姉妹は同時に昇天した。