窓際の机から、校庭を見ている。
薄暗い教室から少しだけカーテンの隙間を開けて、外を見ている。教室の机の半分には男子の制服が積んであった。もちろん、僕の机の上にも。ただし、今教室には僕しかいない。
今、校庭には僕のクラスの女の子達と隣のクラスの女の子達がいる。でも彼女たちの制服は、この教室にはない。女の子達は更衣室があるからだ。男達は教室で着替えて、今体育館でバスケをしている。僕もその中の一人のはずだったけれど、教室にいる。突き指をしたフリをして、保健室に行くと言って抜けてきたからだ。チームの中の誰もそれを気にしていなかった。僕も自分のチームから抜ける事に全く罪悪感を覚えなかった。
短パンで椅子に座っていると鉄のパイプが当たってすごく冷たい。でも、一応少し身体を動かした後だから少しは気持ちいいような気もする。
それで、ちょっと火照っていた身体が落ち着いてくると…なんだか妙に興奮が沸き上がってきた。
こんな所でも勃起してしまうようになっちゃったのは、やはり学校で淫靡な事に巻き込まれたと言うあの事件のせいかもしれない。体育館から帰ってくるときにだって、あの生徒会室の近くを通ったりするんだから。
僕は欲望を満たすための対象を探していた。と言っても、それは誰かもう決まっている。
今、ちょうど体育座りになって体育教師の話を聞いている所だった。ここからでも分かる、どこを見ているのかもわかりにくい透明な瞳。体育教師が何かを説明しているのを聞いているんだかいないんだか分からないような表情。
そんな瑠璃子さんの意識を、僕は周りの人間に向けてあげることにした。
チリチリチリ…
少しずつ電波を展開して、瑠璃子さんに送り込んでいく。
…パッ…と、瑠璃子さんが大きく目を見開くのがわかった。
チリ…チリチリチリ……
瑠璃子さんはきょろきょろと慌てて周囲を見回し始める。そして僕のいる教室の方を見て、視線を留めた。
”な、長瀬ちゃん…!”
”瑠璃子さん、授業に集中してなかったでしょ?”
”や、やめて…今は…だめだよ…”
”少し集中させてあげるね”
チリッ…チリチリチリ……
瑠璃子さんの、ブルマの中の部分を、興奮させる。
そのイメージを僕はゆっくりと脳裏に描いた。密閉性の高い生地の中に包まれた部分を、透明な舌でなぞり上げていく。瑠璃子さんが甘い息を漏らしたら、すかさずに割れ目の中に舌を入り込ませて瑠璃子さんの一番敏感な「アンテナ」を徹底的にくすぐってあげる。
”うふぅっ…! な、長瀬ちゃあんっ…”
ピィィィッ…と、窓越しにもホイッスルの音が聞こえてきて、女の子達はいっせいに立ち上がった。体育教師の話が終わったらしい。瑠璃子さんは、他の子達から遅れて少しずつ立ち上がっていく。
チリリ…チリ…チリ
感度の良いその「アンテナ」は、僕が遠隔に刺激してあげるとぷっくりと膨らんでますます敏感になってきた。
”う…うう…やめて…! やだよ、長瀬ちゃん…!”
瑠璃子さんが必死で訴え掛けてくる。しかしそのバックでは、声にならない喘ぎが僕の頭に直接響いてきていた。いくら瑠璃子さんがイヤだと僕に送ってきていても、瑠璃子さんの身体は気持ちよくなって悦んでいる事を僕にしっかり伝えてくる。
”はっ…あ…”
女の子達が移動し始めた辺りで、瑠璃子さんの緊張が一気に高まった。遅れないようにと必死で歩き始めた瑠璃子さんに、僕はさらに強い電波を送り込む。
”ふあ…あぅ……”
瑠璃子さんがかくんと肩を落とすのが、ここからでも見えた。瑠璃子さんのブルマの中に透明な液体があふれ出したのだ。
チリ…チリチリ…チリ…
”だ、だめぇ…長瀬ちゃん、もう許して…”
瑠璃子さんは下をうつむいて何とか他の子達に悟られないようにしていたけど、ブルマはあっという間に瑠璃子さんの恥ずかしい液で濡れていく。女の子達が止まった時には、もうブルマの生地はぐしょぐしょになって、触ったらじゅうっと液体がにじみ出てきそうな感じになっていた。紺色の生地のおかげでシミは目立たないだろうけれど、よく見ればブルマの真ん中の部分の生地の色だけ舟形に濃くなっているのが他の女の子の目にもわかるだろう…もちろん、瑠璃子さんがそんな状態だと気づいている子なんていないだろうから、そんな所に目を向けるはずもないのだけれど。
たったったっ…
そして、先頭の女の子がトラックを走っていく。その先には、5段の跳び箱があった。なんでバスケを体育館でやっているのに外で跳び箱をやらなくちゃいけないのか、その辺は僕にもよくわからない。いい加減なカリキュラムを組んだ教師達のせいなんだろう。
普段だったらその教師達のバカさ加減をせせら笑っていた所だろうけど、僕は今日ばかりはその選択に感謝していた。
たったったっ…
チリ…チリ…チリ…
”う…ううっ!”
瑠璃子さんは跳ね上がりそうになって反応している。脚はかくかくと震えて、今にも倒れ込んでしまいそうだった。それでも僕は容赦せずに瑠璃子さんの敏感な「アンテナ」を撫でてあげる。
たぶん、普段の瑠璃子さんだったらもうガマンせずにイッてしまっていた事だろう。でも、あんなに他の子がたくさんいる中でイッてしまうなんて事を瑠璃子さんがするはずもない。全身を汗びっしょりにして、ブルマの中をぬるぬるした液でいっぱいにして、それでもイッてしまわないように何とか耐えている。
”ん…んんーっ…”
たったったったっ…
瑠璃子さんの前にいる女の子の数が、どんどん少なくなっていく。その子達はみんな適当に走っていって、低い跳び箱を軽く越えて列の後ろにまた戻ってきていた。
だが、瑠璃子さんの顔は不安に満ちている。
たったったっ…
チリチリ…
たったったっ…
チリチリ…
僕は女の子が走り出す度に電波を強くして、瑠璃子さんに教えて上げた。
”もうすぐ、瑠璃子さんの順番だよ?”と…
”お、お願い…長瀬ちゃん、私が跳ぶ時だけは電波、届けないで…”
”………”
”な、長瀬ちゃんっ…!”
たったったったっ…
瑠璃子さんの前の女の子が走っていく。
”お、お願いっ! 長瀬ちゃん…”
タンッ!
小気味よい音を立てて、その子が跳び箱を飛び越える。
……たったったったっ…
瑠璃子さんはとどまる事もできず、走り始めた。
見た目にも、ちょっとふらついているのがわかる。でも、他の子達は何も気にしていないようだった。
たったったったっ…
あっという間に瑠璃子さんと跳び箱の距離は縮まっていく。
たったったっ…!
瑠璃子さんが、踏み切ろうとした。
チリチリチリチリチリチリッ…!!
”あああーーーっ!?”
僕にだけ聞こえる、瑠璃子さんの絶叫が響く。「アンテナ」が過負荷で壊れてしまいそうな、強い刺激。
たっ…
当然、踏み切りが上手くいくはずもなく、瑠璃子さんはふらっと跳び箱の上に身をゆらめかせ…
どんっ。
「あっ、ああああーっ!!?」
そこに敏感な部分を思い切り打ち付ける衝撃に、大声を上げながら絶頂してしまっていた…
ビクンッ…ビク、ビクンッ…ビクッ!
瑠璃子さんが跳び箱にまたがったまま、全身を痙攣させる。ブルマの中に、ぷちゅっぷちゅっとはじけるように愛液がほとばしっていく。跳び箱にもシミがべっとり付いてしまったことだろう。
涙目になって身を震わせている瑠璃子さんの状態は、性の悦びを知っている子なら一目で理解することができるはずだ。たぶん、25歳のあの女体育教師にも。
しゅっ…しゅっ。
僕は限界まで高ぶったペニスにゆっくりとポケット・ティッシュのおおいを被せて、自らを慰めた。
ぴゅっ、びゅ…びゅっ
そして白濁の液を吐き出しながら、女の子達と体育教師の短期記憶を綺麗にフラッシュしてあげた…
薄暗い教室から少しだけカーテンの隙間を開けて、外を見ている。教室の机の半分には男子の制服が積んであった。もちろん、僕の机の上にも。ただし、今教室には僕しかいない。
今、校庭には僕のクラスの女の子達と隣のクラスの女の子達がいる。でも彼女たちの制服は、この教室にはない。女の子達は更衣室があるからだ。男達は教室で着替えて、今体育館でバスケをしている。僕もその中の一人のはずだったけれど、教室にいる。突き指をしたフリをして、保健室に行くと言って抜けてきたからだ。チームの中の誰もそれを気にしていなかった。僕も自分のチームから抜ける事に全く罪悪感を覚えなかった。
短パンで椅子に座っていると鉄のパイプが当たってすごく冷たい。でも、一応少し身体を動かした後だから少しは気持ちいいような気もする。
それで、ちょっと火照っていた身体が落ち着いてくると…なんだか妙に興奮が沸き上がってきた。
こんな所でも勃起してしまうようになっちゃったのは、やはり学校で淫靡な事に巻き込まれたと言うあの事件のせいかもしれない。体育館から帰ってくるときにだって、あの生徒会室の近くを通ったりするんだから。
僕は欲望を満たすための対象を探していた。と言っても、それは誰かもう決まっている。
今、ちょうど体育座りになって体育教師の話を聞いている所だった。ここからでも分かる、どこを見ているのかもわかりにくい透明な瞳。体育教師が何かを説明しているのを聞いているんだかいないんだか分からないような表情。
そんな瑠璃子さんの意識を、僕は周りの人間に向けてあげることにした。
チリチリチリ…
少しずつ電波を展開して、瑠璃子さんに送り込んでいく。
…パッ…と、瑠璃子さんが大きく目を見開くのがわかった。
チリ…チリチリチリ……
瑠璃子さんはきょろきょろと慌てて周囲を見回し始める。そして僕のいる教室の方を見て、視線を留めた。
”な、長瀬ちゃん…!”
”瑠璃子さん、授業に集中してなかったでしょ?”
”や、やめて…今は…だめだよ…”
”少し集中させてあげるね”
チリッ…チリチリチリ……
瑠璃子さんの、ブルマの中の部分を、興奮させる。
そのイメージを僕はゆっくりと脳裏に描いた。密閉性の高い生地の中に包まれた部分を、透明な舌でなぞり上げていく。瑠璃子さんが甘い息を漏らしたら、すかさずに割れ目の中に舌を入り込ませて瑠璃子さんの一番敏感な「アンテナ」を徹底的にくすぐってあげる。
”うふぅっ…! な、長瀬ちゃあんっ…”
ピィィィッ…と、窓越しにもホイッスルの音が聞こえてきて、女の子達はいっせいに立ち上がった。体育教師の話が終わったらしい。瑠璃子さんは、他の子達から遅れて少しずつ立ち上がっていく。
チリリ…チリ…チリ
感度の良いその「アンテナ」は、僕が遠隔に刺激してあげるとぷっくりと膨らんでますます敏感になってきた。
”う…うう…やめて…! やだよ、長瀬ちゃん…!”
瑠璃子さんが必死で訴え掛けてくる。しかしそのバックでは、声にならない喘ぎが僕の頭に直接響いてきていた。いくら瑠璃子さんがイヤだと僕に送ってきていても、瑠璃子さんの身体は気持ちよくなって悦んでいる事を僕にしっかり伝えてくる。
”はっ…あ…”
女の子達が移動し始めた辺りで、瑠璃子さんの緊張が一気に高まった。遅れないようにと必死で歩き始めた瑠璃子さんに、僕はさらに強い電波を送り込む。
”ふあ…あぅ……”
瑠璃子さんがかくんと肩を落とすのが、ここからでも見えた。瑠璃子さんのブルマの中に透明な液体があふれ出したのだ。
チリ…チリチリ…チリ…
”だ、だめぇ…長瀬ちゃん、もう許して…”
瑠璃子さんは下をうつむいて何とか他の子達に悟られないようにしていたけど、ブルマはあっという間に瑠璃子さんの恥ずかしい液で濡れていく。女の子達が止まった時には、もうブルマの生地はぐしょぐしょになって、触ったらじゅうっと液体がにじみ出てきそうな感じになっていた。紺色の生地のおかげでシミは目立たないだろうけれど、よく見ればブルマの真ん中の部分の生地の色だけ舟形に濃くなっているのが他の女の子の目にもわかるだろう…もちろん、瑠璃子さんがそんな状態だと気づいている子なんていないだろうから、そんな所に目を向けるはずもないのだけれど。
たったったっ…
そして、先頭の女の子がトラックを走っていく。その先には、5段の跳び箱があった。なんでバスケを体育館でやっているのに外で跳び箱をやらなくちゃいけないのか、その辺は僕にもよくわからない。いい加減なカリキュラムを組んだ教師達のせいなんだろう。
普段だったらその教師達のバカさ加減をせせら笑っていた所だろうけど、僕は今日ばかりはその選択に感謝していた。
たったったっ…
チリ…チリ…チリ…
”う…ううっ!”
瑠璃子さんは跳ね上がりそうになって反応している。脚はかくかくと震えて、今にも倒れ込んでしまいそうだった。それでも僕は容赦せずに瑠璃子さんの敏感な「アンテナ」を撫でてあげる。
たぶん、普段の瑠璃子さんだったらもうガマンせずにイッてしまっていた事だろう。でも、あんなに他の子がたくさんいる中でイッてしまうなんて事を瑠璃子さんがするはずもない。全身を汗びっしょりにして、ブルマの中をぬるぬるした液でいっぱいにして、それでもイッてしまわないように何とか耐えている。
”ん…んんーっ…”
たったったったっ…
瑠璃子さんの前にいる女の子の数が、どんどん少なくなっていく。その子達はみんな適当に走っていって、低い跳び箱を軽く越えて列の後ろにまた戻ってきていた。
だが、瑠璃子さんの顔は不安に満ちている。
たったったっ…
チリチリ…
たったったっ…
チリチリ…
僕は女の子が走り出す度に電波を強くして、瑠璃子さんに教えて上げた。
”もうすぐ、瑠璃子さんの順番だよ?”と…
”お、お願い…長瀬ちゃん、私が跳ぶ時だけは電波、届けないで…”
”………”
”な、長瀬ちゃんっ…!”
たったったったっ…
瑠璃子さんの前の女の子が走っていく。
”お、お願いっ! 長瀬ちゃん…”
タンッ!
小気味よい音を立てて、その子が跳び箱を飛び越える。
……たったったったっ…
瑠璃子さんはとどまる事もできず、走り始めた。
見た目にも、ちょっとふらついているのがわかる。でも、他の子達は何も気にしていないようだった。
たったったったっ…
あっという間に瑠璃子さんと跳び箱の距離は縮まっていく。
たったったっ…!
瑠璃子さんが、踏み切ろうとした。
チリチリチリチリチリチリッ…!!
”あああーーーっ!?”
僕にだけ聞こえる、瑠璃子さんの絶叫が響く。「アンテナ」が過負荷で壊れてしまいそうな、強い刺激。
たっ…
当然、踏み切りが上手くいくはずもなく、瑠璃子さんはふらっと跳び箱の上に身をゆらめかせ…
どんっ。
「あっ、ああああーっ!!?」
そこに敏感な部分を思い切り打ち付ける衝撃に、大声を上げながら絶頂してしまっていた…
ビクンッ…ビク、ビクンッ…ビクッ!
瑠璃子さんが跳び箱にまたがったまま、全身を痙攣させる。ブルマの中に、ぷちゅっぷちゅっとはじけるように愛液がほとばしっていく。跳び箱にもシミがべっとり付いてしまったことだろう。
涙目になって身を震わせている瑠璃子さんの状態は、性の悦びを知っている子なら一目で理解することができるはずだ。たぶん、25歳のあの女体育教師にも。
しゅっ…しゅっ。
僕は限界まで高ぶったペニスにゆっくりとポケット・ティッシュのおおいを被せて、自らを慰めた。
ぴゅっ、びゅ…びゅっ
そして白濁の液を吐き出しながら、女の子達と体育教師の短期記憶を綺麗にフラッシュしてあげた…
「や、やだ、浩之ちゃん、これ何なの…?」
「別にイヤな匂いじゃねーだろ?」
「………」
あかりは浩之の差し出した小瓶に顔を少しだけ近づける。
「何の匂いがする?」
「桃みたいな…匂い」
「だろ」
「で、でも、匂いだけじゃ…」
「つべこべ言わずにいっぺん飲んでみろよ。毒だったら飲ませようなんて俺も思わねーって」
「……それは…そうかもしれないけれど…」
「ほら」
あかりの声が少し弱々しくなった所で、浩之はぐいっとあかりの手の平に瓶を押しつける。
「…少しだけ…少しだけだよ…?」
「ああ」
あかりは劇薬でも扱っているような慎重な手つきで、キコキコとコルク栓を外した。
「………」
栓の空いたその瓶を、あかりは口元まで持って行く。そして瓶の上の辺りの空気を手で扇ぎ、改めてその匂いを確かめていた。
「さ、一気にいけよ」
「す、少しだけだからね」
あかりは瓶を口にぴたり…と当てる。その状態から、少しずつ瓶の角度を傾けていく。
中に入った透明な液体は、それに合わせて瓶の口の方にさらりと移動していった。それが表面張力でとどまっている状態になると、あかりはますます慎重に瓶を傾けていこうとする。
…ぐぐっ!
「ああっ!?」
その時、不意に浩之が瓶の底を手で突いた。
びしゃっ!
「んんっ!」
意識を完全に瓶だけに奪われていたあかりはとっさに反応できず、思い切り瓶の中身を浴びせかけられてしまう。口の中にもだいぶ入ってしまったし、制服の胸元からも液体が染み込んでいった。
「ひっ…ひどいっ…浩之ちゃんっ…!」
「お前がぼーっとしていたからな」
「そ、それで、これって何だったの…?」
舌の上で甘ったるい液体を転がしながら、あかりは訊く。その口当たりの良さからか、あかりは口の奥に入ってしまったぶんを躊躇無く飲み込んでしまっていた。
「それはな…」
浩之はすぅっとあかりの身体に手を伸ばす。
「えっ…ひ、浩之ちゃん…きゃっ! だ、だめっ!」
胸の膨らみに手を伸ばしてきた浩之から、あかりは慌てて逃げた。昔からの仲とは言え、もう高校生の男女なのだ。冗談で済まされることと済まされない事がある。
「だ、だめだよ…そんなの…」
あかりは、小瓶の液体に濡れた胸元をぎゅっと抱き締めながら言った。
「イヤなのか?」
「イ、イヤとか…そういうのじゃなくて…そういうのって、恋人と恋人になった人達がやることじゃないかな…」
「………」
「ひ、浩之ちゃん…お、怒ってるの…?」
「いや、別に」
「そ、そう…それなら…いいんだけれど…」
あかりは浩之の顔をうかがいながらつぶやいた。
「ねぇ、お勉強の続き…始める?」
「違う方のお勉強ならな」
「ひ…浩之ちゃ…ん…っ…?」
その時、ぐらっとあかりの意識がゆらめく。
「え…あっ」
あかりは倒れ込みそうになり、慌ててタンスに寄りかかった。
「そろそろ利いてきたか?」
「な、なんなの…? あれ、お薬なの…?」
「そうだな」
「な、何のお薬…なの…?」
言いながら、あかりの顔がどんどん赤みを増していく。タンスに寄りかかった身体も、いつ倒れてもおかしくなさそうに力を失いつつあった。
「もうわかってんだろ? しらばっくれるのやめよーぜ」
「わ、わかんないよ…浩之ちゃんっ…」
「身体がジンジンするだろ?」
「し、してる…」
「あそこが熱くなって、濡れてきてるだろ?」
「…えっ!?」
「見せてみろよ」
「い、いやあぁっ…」
あかりは近づいてくる浩之に震え上がった声を出すが、タンスにしがみついているのが精一杯で動くことが出来ない。
「よっ…と」
「ああっ…お、お願い、浩之ちゃん…やめて…」
スカートのホックを外そうとする浩之に、あかりは懇願する。しかし浩之は全く構わず、無抵抗のあかりのスカートをずるっと引き下ろした。
「い、いやっ…!?」
下ろされたのはスカートだけではない。ショーツも一緒に引き下ろされていた。その一足飛びの露出に、あかりはただ動揺する事しかできない。
「ほら…濡れてるじゃんか」
くちゅっ…
「あああっ!」
浩之があかりの秘裂を開いた瞬間、粘っこい音がする。確かにそれは、そこまで垂れてきていた小瓶の液体だけではなさそうだった。その液体が引き出した、あかりにとっても初体験の生理的反応が示されているように見える。
「あかり、ココ触ったことあんのか?」
つんっ。
「うんんっ…!?」
浩之が粘膜の中の一点を突いた瞬間、電流のような衝撃があかりの身体を走り抜ける。
「あっ…あ…」
くてん、とあかりは床の上に尻餅をついてしまっていた。そこへの刺激で、タンスにしがみつく力さえも失ってしまったらしい。
「あかり、それは別の薬を飲まないと絶対に治らない。そのまま嫌がっているだけだったら、いつまで経っても帰れねーぞ?」
「…そ、そんな」
「どうだ? ヤル気になったか?」
にやっ、と口の端を歪めながら浩之はあかりに迫る。
「………浩之ちゃん…」
「なんだよ」
「…わかったよ…わかったから、浩之ちゃん…」
あかりはすっと肩の力を抜いて、眼前にまで迫ってきている浩之を見つめ返した。
「優しくしてくれたら、私も…いいよ」
「……おいあかり、改まって何言ってるんだ?」
目を何度かしばたたかせてから、浩之が言う。
「浩之ちゃんだったら、私もいいから…後悔、しないから」
「………」
目を潤ませてぽつぽつと言うあかりに、浩之は毒気を抜かれてしまった。ボリボリと頭を掻いてから、わざとらしいため息を吐き出す。
「…よくわかんない奴だよな、お前って」
「…そう?」
「するって言ったんだからな。もう俺はやめねーぞ」
「いいよ」
「なんでもするのか?」
「…うん」
「じゃあ、俺のを舐めてくれって言ってもするのか?」
「………いいよ」
あかりは少しの間を置いてから、しっかりとうなずいた。
「でも、このままじゃ身体が動かないよ…」
「ちょっと待て」
浩之はシャツをばっと脱いでしまうと、自分のズボンに手を掛けて、トランクスとまとめて引きずり下ろす。三秒の後には、浩之は裸になってしまっていた。
「持ち上げるぞ」
「え…」
浩之があかりの腕をぐいとつかむと、あかりは多少の不安を顔に出す。
「…よっ」
あかりの身体は華奢とは言え、力が抜けきっている状態では起こすのにもそれなりに力がいる。しかし浩之はあかりの腰の辺りにも手を回し、何とかムリな力を掛けないで起こす事に成功した。
「あっ…」
そしてそのまま、あかりの身体を抱えながら後ろの方に倒れていく。あかりは身体が宙を移動する感覚に多少の恐怖感も覚えたが、浩之の身体の落ちていく所にちょうど大きなクッションがあるのを見て安堵した。
ばふっ。
「………」
折り重なるようにしてクッションに倒れ込んだ二人。その衝撃であかりの身体は少し跳ね飛んで、上手い具合に浩之の股間の所へと顔が移動した。
「あっ」
浩之のペニスが、目の前に飛び込んでくる。あかりはさっきからチラチラと見えていたはずのそれを見ただけで、かーっと顔を赤くした。すっかりそれの存在が意識から飛んでいたようだ。
「するんだよな?」
「うん…」
あかりは顔だけをずりずりと動かして、その怒張を何とか口の中に含もうと努力する。手が使えないだけになかなか入っていかなかったが、あかりはペニスの表面を唾液でべとべとにしながらも何とかそれをくわえこむ事に成功する。
ちゅぼっ、ちゅぼっ
「………」
先端部分をくわえて舐め転がしてくるあかりの事を、浩之は沈黙して見守っていた。ただ舌を使ってぐにぐにとこねるように刺激しているだけだが、全く初めての行為のはずなのに臆さずこなす事が出来ているというだけでも驚きである。イヤそうな素振りを見せることすらなく、あかりは浩之のペニスを黙々と愛していた。
ちゅぼ、ちゅる…くちゅっ
舌だけで行われる刺激はやや大味で繊細さに欠けたが、浩之の快感は徐々に膨れ上がっていく。腰の辺りが、ジワジワと痺れてくるような気がしてくる。
「…あかり、もういい」
「んっ…」
浩之が言うと、あかりは少しためらってからペニスを離した。苦労して口の中まで導き入れたそれに、自然と愛着が湧いてしまったのかもしれない。
「動くぞ…」
そう言いながら浩之は下半身をずらし、あかりの身体の下から抜け出した。そして立ち上がると、俯せになったあかりの身体をつかんで横にごろんと転がす。クッションからずれたあかりの身体は、床の上にそのまま仰向けの状態で横たえられる。
そこに、浩之はのしかかっていった。
「…浩之ちゃん」
姿勢を二転三転させられても、あかりの純粋に浩之を求める瞳は変わっていない。
「………」
浩之は何とも言葉を返す事ができず、直接的な行動に出ていた。
「あ」
「力抜いてろよ」
ペニスを秘裂の中に埋め込みながら、そこを指で広げて状態を確認する。綺麗なピンク色をしたその部分は、うっすらと潤いを帯びていた。全く性感に無縁であったはずのあかりが、無刺激に近い状態から濡れることができているのだ。芹香の調合した薬の効き目は相当の物であるようだ。
「うん、浩之ちゃん…入ってきて」
「痛ぇぞ? 我慢してろよ」
「大丈夫だと思うよ…浩之ちゃんのなら」
「こんなの、誰のだって同じだ」
半ば吐き捨てるように言いながら、浩之はぐぐっと腰に込めた力を強くしていく。
「あ…!」
あかりの媚肉のほんのわずかな隙間をぐりぐりと突き回している間に、そこを押し広げながらペニスの先端がずぶっと入っていった。
「んっ…あ…」
ずず…ず…ずずず
「痛いんだろ? ムリそうだったら言えよ」
浩之はあかりの事を気遣う台詞まで言う。意地悪な思いつきから始まった計画は、だいぶ方向修正させられているようだった。
「平気…もっと、入ってきていいよ…」
「今、入れてるとこだろ」
ずずっ…ず…
「…そうだね…」
あかりは少し微笑みながら言う。激痛を感じてどうしようもないという事はなさそうだ。
ずず…
コツ、とペニスの先に固い物が当たってくる。
「ここが一番奥か」
「うん」
「動くからな」
「いいよ、浩之ちゃんが気持ちよくなるように動いて」
「…本当にそうするからな」
ずずっ…
粘液でぬめりを帯びた狭い部分。浩之はそこを慎重にバックしていく。
…ずず
そして、同じくらいのスピードでまた挿入していく。
「もっと、速く動いてもいいのに…」
「お前がすごい締め付けるからな。これくらいじゃないと動けねーんだよ」
「本当?」
「ホントだ。余計な事考えずに、あかりは痛みをガマンしてりゃいいんだよ」
「いやだよ…浩之ちゃんの、もっとたくさん感じたいもん…」
「はぁ…お前の言ってる事、ウソかホントか全然わかんなくなってきた…」
「本当だよ、全部…」
「…わかったよ」
ずずずっ…
浩之はまた慎重な動作であかりの中を動き始める。
「ふぅ…」
あかりはそれに合わせて呼吸していた。その吸って吐いてのリズムに、段々浩之の動きが合ってくる。どちらがどちらに合わせたのか定かではなかったが、二人のリズムは徐々に合一し始める。
「んっ…はぁ…んっ…はぁっ…」
緩慢極まりない抽送ではあったが、その狭い中を延々と移動しているだけでも浩之は少しずつ追いつめられていった。
ずぽっ…
数分も経ったろうか、浩之はそこで一気にペニスをあかりの中から引き抜いてしまう。
「あ…」
「このままじゃあかりの中に出しちまうからな。終わりにしとこう」
「ねぇ、浩之ちゃん」
「なんだ」
「服に掛からないようにすれば…私の脚とか、腰の辺りに出しちゃってもいいよ」
「おい…あかり」
「そうしないと、浩之ちゃん満足じゃないでしょ…?」
「………ったく」
浩之はあかりの内股辺りにペニスの狙いをつけて、あかりの粘液でぬるぬるする肉棒を自らしごき立てた。
「………出すぞ」
「うん」
びゅっ、びゅっ、びゅ…びゅっ
「あ…」
浩之の吐き出した精液が、太股から秘部のヘアの辺りまで掛かっていく。その生暖かい感触を、あかりは妙に嬉しそうな表情で見守っていた。
「…はぁ」
「浩之ちゃん、良かった…?」
「…わかんねー」
ぶっきらぼうに答える。
「ちゃんと、身体が動くときだったら…もっと、いろいろしてあげるね」
「次があればな」
「私はいつでもいいよ…浩之ちゃんだったら」
「あかり、お前な…俺はまだ…」
「だって、浩之ちゃんこんな事で私をだましたりしないから…」
「………」
浩之は下半身を晒したままに微笑みを浮かべるあかりの事を、嘆息しながら見つめていた。
「別にイヤな匂いじゃねーだろ?」
「………」
あかりは浩之の差し出した小瓶に顔を少しだけ近づける。
「何の匂いがする?」
「桃みたいな…匂い」
「だろ」
「で、でも、匂いだけじゃ…」
「つべこべ言わずにいっぺん飲んでみろよ。毒だったら飲ませようなんて俺も思わねーって」
「……それは…そうかもしれないけれど…」
「ほら」
あかりの声が少し弱々しくなった所で、浩之はぐいっとあかりの手の平に瓶を押しつける。
「…少しだけ…少しだけだよ…?」
「ああ」
あかりは劇薬でも扱っているような慎重な手つきで、キコキコとコルク栓を外した。
「………」
栓の空いたその瓶を、あかりは口元まで持って行く。そして瓶の上の辺りの空気を手で扇ぎ、改めてその匂いを確かめていた。
「さ、一気にいけよ」
「す、少しだけだからね」
あかりは瓶を口にぴたり…と当てる。その状態から、少しずつ瓶の角度を傾けていく。
中に入った透明な液体は、それに合わせて瓶の口の方にさらりと移動していった。それが表面張力でとどまっている状態になると、あかりはますます慎重に瓶を傾けていこうとする。
…ぐぐっ!
「ああっ!?」
その時、不意に浩之が瓶の底を手で突いた。
びしゃっ!
「んんっ!」
意識を完全に瓶だけに奪われていたあかりはとっさに反応できず、思い切り瓶の中身を浴びせかけられてしまう。口の中にもだいぶ入ってしまったし、制服の胸元からも液体が染み込んでいった。
「ひっ…ひどいっ…浩之ちゃんっ…!」
「お前がぼーっとしていたからな」
「そ、それで、これって何だったの…?」
舌の上で甘ったるい液体を転がしながら、あかりは訊く。その口当たりの良さからか、あかりは口の奥に入ってしまったぶんを躊躇無く飲み込んでしまっていた。
「それはな…」
浩之はすぅっとあかりの身体に手を伸ばす。
「えっ…ひ、浩之ちゃん…きゃっ! だ、だめっ!」
胸の膨らみに手を伸ばしてきた浩之から、あかりは慌てて逃げた。昔からの仲とは言え、もう高校生の男女なのだ。冗談で済まされることと済まされない事がある。
「だ、だめだよ…そんなの…」
あかりは、小瓶の液体に濡れた胸元をぎゅっと抱き締めながら言った。
「イヤなのか?」
「イ、イヤとか…そういうのじゃなくて…そういうのって、恋人と恋人になった人達がやることじゃないかな…」
「………」
「ひ、浩之ちゃん…お、怒ってるの…?」
「いや、別に」
「そ、そう…それなら…いいんだけれど…」
あかりは浩之の顔をうかがいながらつぶやいた。
「ねぇ、お勉強の続き…始める?」
「違う方のお勉強ならな」
「ひ…浩之ちゃ…ん…っ…?」
その時、ぐらっとあかりの意識がゆらめく。
「え…あっ」
あかりは倒れ込みそうになり、慌ててタンスに寄りかかった。
「そろそろ利いてきたか?」
「な、なんなの…? あれ、お薬なの…?」
「そうだな」
「な、何のお薬…なの…?」
言いながら、あかりの顔がどんどん赤みを増していく。タンスに寄りかかった身体も、いつ倒れてもおかしくなさそうに力を失いつつあった。
「もうわかってんだろ? しらばっくれるのやめよーぜ」
「わ、わかんないよ…浩之ちゃんっ…」
「身体がジンジンするだろ?」
「し、してる…」
「あそこが熱くなって、濡れてきてるだろ?」
「…えっ!?」
「見せてみろよ」
「い、いやあぁっ…」
あかりは近づいてくる浩之に震え上がった声を出すが、タンスにしがみついているのが精一杯で動くことが出来ない。
「よっ…と」
「ああっ…お、お願い、浩之ちゃん…やめて…」
スカートのホックを外そうとする浩之に、あかりは懇願する。しかし浩之は全く構わず、無抵抗のあかりのスカートをずるっと引き下ろした。
「い、いやっ…!?」
下ろされたのはスカートだけではない。ショーツも一緒に引き下ろされていた。その一足飛びの露出に、あかりはただ動揺する事しかできない。
「ほら…濡れてるじゃんか」
くちゅっ…
「あああっ!」
浩之があかりの秘裂を開いた瞬間、粘っこい音がする。確かにそれは、そこまで垂れてきていた小瓶の液体だけではなさそうだった。その液体が引き出した、あかりにとっても初体験の生理的反応が示されているように見える。
「あかり、ココ触ったことあんのか?」
つんっ。
「うんんっ…!?」
浩之が粘膜の中の一点を突いた瞬間、電流のような衝撃があかりの身体を走り抜ける。
「あっ…あ…」
くてん、とあかりは床の上に尻餅をついてしまっていた。そこへの刺激で、タンスにしがみつく力さえも失ってしまったらしい。
「あかり、それは別の薬を飲まないと絶対に治らない。そのまま嫌がっているだけだったら、いつまで経っても帰れねーぞ?」
「…そ、そんな」
「どうだ? ヤル気になったか?」
にやっ、と口の端を歪めながら浩之はあかりに迫る。
「………浩之ちゃん…」
「なんだよ」
「…わかったよ…わかったから、浩之ちゃん…」
あかりはすっと肩の力を抜いて、眼前にまで迫ってきている浩之を見つめ返した。
「優しくしてくれたら、私も…いいよ」
「……おいあかり、改まって何言ってるんだ?」
目を何度かしばたたかせてから、浩之が言う。
「浩之ちゃんだったら、私もいいから…後悔、しないから」
「………」
目を潤ませてぽつぽつと言うあかりに、浩之は毒気を抜かれてしまった。ボリボリと頭を掻いてから、わざとらしいため息を吐き出す。
「…よくわかんない奴だよな、お前って」
「…そう?」
「するって言ったんだからな。もう俺はやめねーぞ」
「いいよ」
「なんでもするのか?」
「…うん」
「じゃあ、俺のを舐めてくれって言ってもするのか?」
「………いいよ」
あかりは少しの間を置いてから、しっかりとうなずいた。
「でも、このままじゃ身体が動かないよ…」
「ちょっと待て」
浩之はシャツをばっと脱いでしまうと、自分のズボンに手を掛けて、トランクスとまとめて引きずり下ろす。三秒の後には、浩之は裸になってしまっていた。
「持ち上げるぞ」
「え…」
浩之があかりの腕をぐいとつかむと、あかりは多少の不安を顔に出す。
「…よっ」
あかりの身体は華奢とは言え、力が抜けきっている状態では起こすのにもそれなりに力がいる。しかし浩之はあかりの腰の辺りにも手を回し、何とかムリな力を掛けないで起こす事に成功した。
「あっ…」
そしてそのまま、あかりの身体を抱えながら後ろの方に倒れていく。あかりは身体が宙を移動する感覚に多少の恐怖感も覚えたが、浩之の身体の落ちていく所にちょうど大きなクッションがあるのを見て安堵した。
ばふっ。
「………」
折り重なるようにしてクッションに倒れ込んだ二人。その衝撃であかりの身体は少し跳ね飛んで、上手い具合に浩之の股間の所へと顔が移動した。
「あっ」
浩之のペニスが、目の前に飛び込んでくる。あかりはさっきからチラチラと見えていたはずのそれを見ただけで、かーっと顔を赤くした。すっかりそれの存在が意識から飛んでいたようだ。
「するんだよな?」
「うん…」
あかりは顔だけをずりずりと動かして、その怒張を何とか口の中に含もうと努力する。手が使えないだけになかなか入っていかなかったが、あかりはペニスの表面を唾液でべとべとにしながらも何とかそれをくわえこむ事に成功する。
ちゅぼっ、ちゅぼっ
「………」
先端部分をくわえて舐め転がしてくるあかりの事を、浩之は沈黙して見守っていた。ただ舌を使ってぐにぐにとこねるように刺激しているだけだが、全く初めての行為のはずなのに臆さずこなす事が出来ているというだけでも驚きである。イヤそうな素振りを見せることすらなく、あかりは浩之のペニスを黙々と愛していた。
ちゅぼ、ちゅる…くちゅっ
舌だけで行われる刺激はやや大味で繊細さに欠けたが、浩之の快感は徐々に膨れ上がっていく。腰の辺りが、ジワジワと痺れてくるような気がしてくる。
「…あかり、もういい」
「んっ…」
浩之が言うと、あかりは少しためらってからペニスを離した。苦労して口の中まで導き入れたそれに、自然と愛着が湧いてしまったのかもしれない。
「動くぞ…」
そう言いながら浩之は下半身をずらし、あかりの身体の下から抜け出した。そして立ち上がると、俯せになったあかりの身体をつかんで横にごろんと転がす。クッションからずれたあかりの身体は、床の上にそのまま仰向けの状態で横たえられる。
そこに、浩之はのしかかっていった。
「…浩之ちゃん」
姿勢を二転三転させられても、あかりの純粋に浩之を求める瞳は変わっていない。
「………」
浩之は何とも言葉を返す事ができず、直接的な行動に出ていた。
「あ」
「力抜いてろよ」
ペニスを秘裂の中に埋め込みながら、そこを指で広げて状態を確認する。綺麗なピンク色をしたその部分は、うっすらと潤いを帯びていた。全く性感に無縁であったはずのあかりが、無刺激に近い状態から濡れることができているのだ。芹香の調合した薬の効き目は相当の物であるようだ。
「うん、浩之ちゃん…入ってきて」
「痛ぇぞ? 我慢してろよ」
「大丈夫だと思うよ…浩之ちゃんのなら」
「こんなの、誰のだって同じだ」
半ば吐き捨てるように言いながら、浩之はぐぐっと腰に込めた力を強くしていく。
「あ…!」
あかりの媚肉のほんのわずかな隙間をぐりぐりと突き回している間に、そこを押し広げながらペニスの先端がずぶっと入っていった。
「んっ…あ…」
ずず…ず…ずずず
「痛いんだろ? ムリそうだったら言えよ」
浩之はあかりの事を気遣う台詞まで言う。意地悪な思いつきから始まった計画は、だいぶ方向修正させられているようだった。
「平気…もっと、入ってきていいよ…」
「今、入れてるとこだろ」
ずずっ…ず…
「…そうだね…」
あかりは少し微笑みながら言う。激痛を感じてどうしようもないという事はなさそうだ。
ずず…
コツ、とペニスの先に固い物が当たってくる。
「ここが一番奥か」
「うん」
「動くからな」
「いいよ、浩之ちゃんが気持ちよくなるように動いて」
「…本当にそうするからな」
ずずっ…
粘液でぬめりを帯びた狭い部分。浩之はそこを慎重にバックしていく。
…ずず
そして、同じくらいのスピードでまた挿入していく。
「もっと、速く動いてもいいのに…」
「お前がすごい締め付けるからな。これくらいじゃないと動けねーんだよ」
「本当?」
「ホントだ。余計な事考えずに、あかりは痛みをガマンしてりゃいいんだよ」
「いやだよ…浩之ちゃんの、もっとたくさん感じたいもん…」
「はぁ…お前の言ってる事、ウソかホントか全然わかんなくなってきた…」
「本当だよ、全部…」
「…わかったよ」
ずずずっ…
浩之はまた慎重な動作であかりの中を動き始める。
「ふぅ…」
あかりはそれに合わせて呼吸していた。その吸って吐いてのリズムに、段々浩之の動きが合ってくる。どちらがどちらに合わせたのか定かではなかったが、二人のリズムは徐々に合一し始める。
「んっ…はぁ…んっ…はぁっ…」
緩慢極まりない抽送ではあったが、その狭い中を延々と移動しているだけでも浩之は少しずつ追いつめられていった。
ずぽっ…
数分も経ったろうか、浩之はそこで一気にペニスをあかりの中から引き抜いてしまう。
「あ…」
「このままじゃあかりの中に出しちまうからな。終わりにしとこう」
「ねぇ、浩之ちゃん」
「なんだ」
「服に掛からないようにすれば…私の脚とか、腰の辺りに出しちゃってもいいよ」
「おい…あかり」
「そうしないと、浩之ちゃん満足じゃないでしょ…?」
「………ったく」
浩之はあかりの内股辺りにペニスの狙いをつけて、あかりの粘液でぬるぬるする肉棒を自らしごき立てた。
「………出すぞ」
「うん」
びゅっ、びゅっ、びゅ…びゅっ
「あ…」
浩之の吐き出した精液が、太股から秘部のヘアの辺りまで掛かっていく。その生暖かい感触を、あかりは妙に嬉しそうな表情で見守っていた。
「…はぁ」
「浩之ちゃん、良かった…?」
「…わかんねー」
ぶっきらぼうに答える。
「ちゃんと、身体が動くときだったら…もっと、いろいろしてあげるね」
「次があればな」
「私はいつでもいいよ…浩之ちゃんだったら」
「あかり、お前な…俺はまだ…」
「だって、浩之ちゃんこんな事で私をだましたりしないから…」
「………」
浩之は下半身を晒したままに微笑みを浮かべるあかりの事を、嘆息しながら見つめていた。
「と…冬弥君っ…」
由綺の声が震えている。
「ど、どうしたの? 由綺…」
冬弥は胸に飛び込んできた由綺の体を反射的に抱きとめつつも、戸惑いを隠せない様子だった。
外からは、何とも形容しがたい熱気のような物が伝わってきている。激しい喧噪があるわけではない。しかしごくごく静かなざわめきの中に、見えない存在感のような物が形成されている。冬弥と由綺のいる、この仮設の楽屋にもそういう雰囲気はビリビリと伝わってきていた。
「わ、私…からだが…」
由綺は既にステージ衣装を身につけている。19時開演の野外コンサート。海の近くという事で爽やかなブルーを基調にしたシースルー気味の衣装だった。それだけなら少々安っぽいかもしれないが、細かいシルバーアクセサリが要所要所を引き締めて、衣装の全体としては由綺の体を華麗に彩っている。
その衣装を、由綺を抱きしめている冬弥の体にすりつけるようにして…
「か、体がどうかしたの? 調子悪くなった?」
「う、ううん、そうじゃなくて…私…」
不意に由綺が冬弥の顔を見上げる。その目は、いつのまにか涙で潤んでいた。
「と、冬弥君が欲しくて…たまらないの…」
「え…」
「こ、このままじゃおかしくなっちゃいそう…」
由綺は再び冬弥の胸にぎゅっと顔をうずめると、きわどい部分を冬弥の腰に押しつける。
「で、でも…今は…」
「まだ時間は大丈夫だと思うから…冬弥君、お願い…して…」
そう言って、由綺は冬弥の体からわずかに身を離す。
「も、もう我慢できないの…!」
由綺は銀砂を流したような衣装の裾を、冬弥の前でたくし上げる。そして、やはり青系統の色をしているショーツをつかんでずり下げようとする。
「ま、待って! 由綺…その衣装、汚したら大変なんだから……」
「…あ…」
「わかった。わかった、ちゃんとしてあげるから、全部綺麗に脱いでよ」
「え…う、うん…」
冬弥がそう言うと、由綺は多少落ち着いたようだった。
「………」
する…
そして、きちんと衣装の留め具をひとつずつ外して脱ぎ始める。それでも由綺は、明らかに欲望に衝き動かされていると分かるせわしない動作と呼吸のままだった。
冬弥はそれを後目に、自分の服を脱ぎ去る。冬弥の服は普通のジーンズとTシャツ、ADをやるのに支障が無さそうな動き易さ重視の服だ。
ちゃり…
「こ、これで、いいよね…?」
「うん…」
由綺は最後に銀のブレスレットを外してプレハブの床の隅に置くと、ふらふらとした足取りで冬弥の方に近づいてくる。
「じゃあ、由綺、上になって」
「えっ…」
冬弥は由綺の返事も待たずに、ベニヤの上に自分の体を横たえる。
「…うん…わかった…」
由綺はわずかに緊張した表情になったが、やはり欲望の色の方がよほど強かった。冬弥の体を躊躇せずにまたぐと、由綺はそのままペニスの間際にまで一気に腰を落としていく。
つぅっ…
「あっ…」
「由綺…すっごい濡れてる…」
まだ何も刺激していない由綺の秘部から、透明な液体が糸を引いて冬弥の性器の上に落ちてくる。
「や、やだっ、冬弥君…」
大きく開脚した自分がどういう風に見えているのか、由綺はその姿勢になって初めて気がついたようだった。しかし狼狽しながらも、由綺はねっとりした液体が光っている粘膜の部分を隠そうともせずに冬弥のペニスを握る。
「そう…そうやって持って、由綺の中に入れて…」
「うん…!」
由綺は目を細めた、ひどく切なそうな表情でこくんとうなずいた。冬弥は思わず苦笑するが、ペニスの先に由綺の濡れた感触が生まれると多少緊張を顔に出す。
ぬちゅる…
「んん…」
指で真上を向かされたペニスに、由綺がぴたりと当てたヴァギナの入り口。
ぷぢゅる…
「…あんっ…」
由綺が腰を落とすと、そこがいやらしく口を開いてぱっくりと冬弥のペニスを飲み込んでいった。
ぷぢゅ…ぢゅくっ
「はぁっ…と、冬弥君のが入ってるぅっ…」
「由綺の中…熱くて、ぬるぬるしててすごい…」
「い、いやだよぉっ…」
由綺は恥ずかしげに顔を振ったが、それと同時に腰が動いて上下の運動を開始していた。
ぢゅくっ、ぢゅくっ、ぢゅくっ…
「あっ…はぁっ…んああっ…! と、冬弥君…気持ちいいよっ…」
長い由綺の髪が、冬弥の体の上で奔放に揺れる。これほどに由綺が乱れるのを、冬弥は見たことがなかった。
「由綺…こんな所でそんなに腰振って、恥ずかしくないの?」
「え…? だ…だって…」
ぢゅく、ぢゅく…ぢゅくっ
冬弥が少し意地悪げな口調で言うと、由綺は少し困ったような表情を浮かべる。しかし、腰の動きは一向に止まっていない。リズミカルな水音が、即席の建造物の中にこだましていく。
「か、体が…なんだか、おかしくなって…」
「由綺の体でしょ? 由綺って、いつもは奥手そうにしているけど、実は結構インランだったんだ」
「ち、違うよっ…!」
さすがに由綺が腰の動きをゆるめる。しかし完全にストップさせるまでには至らなかった。
「外で待ってるお客さん、由綺が本当はこんななの見たらどう思うかな? みんな嫌うかな? それともかえって喜ぶかな?」
「ち、違うの…! 冬弥君の前だから…冬弥君以外の人の前で、こんなになんか絶対にならないっ…!」
由綺は再び腰の動きを速める。ギシッ、ギシッとやわな床がきしみそうな勢いだった。
「じゃあ…俺と会えない間、我慢できなくなってひとりエッチしたりしてたんだ?」
「してないよ…! 本当…! 冬弥君に会えなくて、寂しかったけれど…こんなになっちゃったのは、今日だけだよっ…!」
自らの正当性を証明するかのように、由綺はまた腰を激しく打ち付ける。それはむしろ由綺が淫乱であるという主張に見えるようにも思えるが、由綺本人はそんな事を気にせずにただ自分の激情をぶつけているようだった。
「…そう…」
「そうなのっ…本当…」
由綺は目に涙を溜めて、がくがくと腰を振る。その涙は、思いを伝えようと言う必死の努力から生まれたものでもあったろうが、端的に言えば由綺が絶頂しかかっている徴(しるし)でもあった。
「…由綺…」
冬弥の腰の奥からも、熱い物がこみあげてくる。
「だめ…私…イッちゃい…そう…!」
「俺もだから…一緒に…」
そう言うと、冬弥は由綺に向かって手を差し伸べる。
「と、冬弥君…!」
由綺はその手を固く握りしめると、支えの無くなった不安定な状態で腰を闇雲に振る。冬弥は跳ね上げるように由綺の中を突いて、その動きを助けた。
「ん…あ…あーっ!」
…ビク…!
びゅっ、びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ!
ビク、ビク…ビク…
「イ、イッちゃった…私…」
呆然とした声で、由綺は自らの状態を口にする。
「由綺の中…ひくひく言ってる…」
びゅ、びゅ…
「ん…はぁっ…冬弥君の…あつい…」
冬弥の精を搾り取るような勢いで、由綺の中が収縮する。
「由綺…」
「とうやくぅん…」
二人はそうやって交わったまま、かなりの間見つめ合っていた。
「……もう大丈夫?」
そして、思い出したように冬弥が言う。
「う、うん…もう、大丈夫だと思うよ…」
「そしたら、後かたづけは任せて早く行きなよ。体はちゃんと拭いてね」
「…上手くいきました」
「そうですか…」
「ありがとうございます…って、一応言っておきますね。弥生さんのくれた、アレ…」
「いえ。こちらとしても、由綺さんのコンディションを高めておきたかったのですから、構いません」
「あれで、いいんでしょうか…?」
本番直前、舞台の袖。弥生に後ろから忍び寄ってきて、顔を合わせずに会話する冬弥。
「欲求不満はあらゆる才能を台無しにしますわ」
弥生は臆面もなく言った。その声からでは、本気なのかどうかよくわからない。恐らく表情をのぞけたとしても、それを判断することはできないだろう。
「そうですか…」
冬弥は適当に相槌を打つと、舞台の闇の中へと目をこらして、中央にいるはずの由綺を探す。
当然、由綺は既に衣装をしっかりと身につけて、アイドルとしての姿でいるはずだった。
でも…
由綺が行為の終わった後の部分をあまり拭かずに、中に冬弥の放った精をいっぱいにしたまま、あの場所に立っているなんて…それで、コロンの量を多めにすれば誤魔化せるよと言った事なんて…誰が信じるだろうか?
「…始まりますわ」
「…あ」
弥生がぽつりと言う。同時に、幕の向こうの会場の方が一気に静まり返っていくのが分かった。
…カッ!
強烈なライトがステージを満たして…今宵のコンサートは始まった。
由綺の声が震えている。
「ど、どうしたの? 由綺…」
冬弥は胸に飛び込んできた由綺の体を反射的に抱きとめつつも、戸惑いを隠せない様子だった。
外からは、何とも形容しがたい熱気のような物が伝わってきている。激しい喧噪があるわけではない。しかしごくごく静かなざわめきの中に、見えない存在感のような物が形成されている。冬弥と由綺のいる、この仮設の楽屋にもそういう雰囲気はビリビリと伝わってきていた。
「わ、私…からだが…」
由綺は既にステージ衣装を身につけている。19時開演の野外コンサート。海の近くという事で爽やかなブルーを基調にしたシースルー気味の衣装だった。それだけなら少々安っぽいかもしれないが、細かいシルバーアクセサリが要所要所を引き締めて、衣装の全体としては由綺の体を華麗に彩っている。
その衣装を、由綺を抱きしめている冬弥の体にすりつけるようにして…
「か、体がどうかしたの? 調子悪くなった?」
「う、ううん、そうじゃなくて…私…」
不意に由綺が冬弥の顔を見上げる。その目は、いつのまにか涙で潤んでいた。
「と、冬弥君が欲しくて…たまらないの…」
「え…」
「こ、このままじゃおかしくなっちゃいそう…」
由綺は再び冬弥の胸にぎゅっと顔をうずめると、きわどい部分を冬弥の腰に押しつける。
「で、でも…今は…」
「まだ時間は大丈夫だと思うから…冬弥君、お願い…して…」
そう言って、由綺は冬弥の体からわずかに身を離す。
「も、もう我慢できないの…!」
由綺は銀砂を流したような衣装の裾を、冬弥の前でたくし上げる。そして、やはり青系統の色をしているショーツをつかんでずり下げようとする。
「ま、待って! 由綺…その衣装、汚したら大変なんだから……」
「…あ…」
「わかった。わかった、ちゃんとしてあげるから、全部綺麗に脱いでよ」
「え…う、うん…」
冬弥がそう言うと、由綺は多少落ち着いたようだった。
「………」
する…
そして、きちんと衣装の留め具をひとつずつ外して脱ぎ始める。それでも由綺は、明らかに欲望に衝き動かされていると分かるせわしない動作と呼吸のままだった。
冬弥はそれを後目に、自分の服を脱ぎ去る。冬弥の服は普通のジーンズとTシャツ、ADをやるのに支障が無さそうな動き易さ重視の服だ。
ちゃり…
「こ、これで、いいよね…?」
「うん…」
由綺は最後に銀のブレスレットを外してプレハブの床の隅に置くと、ふらふらとした足取りで冬弥の方に近づいてくる。
「じゃあ、由綺、上になって」
「えっ…」
冬弥は由綺の返事も待たずに、ベニヤの上に自分の体を横たえる。
「…うん…わかった…」
由綺はわずかに緊張した表情になったが、やはり欲望の色の方がよほど強かった。冬弥の体を躊躇せずにまたぐと、由綺はそのままペニスの間際にまで一気に腰を落としていく。
つぅっ…
「あっ…」
「由綺…すっごい濡れてる…」
まだ何も刺激していない由綺の秘部から、透明な液体が糸を引いて冬弥の性器の上に落ちてくる。
「や、やだっ、冬弥君…」
大きく開脚した自分がどういう風に見えているのか、由綺はその姿勢になって初めて気がついたようだった。しかし狼狽しながらも、由綺はねっとりした液体が光っている粘膜の部分を隠そうともせずに冬弥のペニスを握る。
「そう…そうやって持って、由綺の中に入れて…」
「うん…!」
由綺は目を細めた、ひどく切なそうな表情でこくんとうなずいた。冬弥は思わず苦笑するが、ペニスの先に由綺の濡れた感触が生まれると多少緊張を顔に出す。
ぬちゅる…
「んん…」
指で真上を向かされたペニスに、由綺がぴたりと当てたヴァギナの入り口。
ぷぢゅる…
「…あんっ…」
由綺が腰を落とすと、そこがいやらしく口を開いてぱっくりと冬弥のペニスを飲み込んでいった。
ぷぢゅ…ぢゅくっ
「はぁっ…と、冬弥君のが入ってるぅっ…」
「由綺の中…熱くて、ぬるぬるしててすごい…」
「い、いやだよぉっ…」
由綺は恥ずかしげに顔を振ったが、それと同時に腰が動いて上下の運動を開始していた。
ぢゅくっ、ぢゅくっ、ぢゅくっ…
「あっ…はぁっ…んああっ…! と、冬弥君…気持ちいいよっ…」
長い由綺の髪が、冬弥の体の上で奔放に揺れる。これほどに由綺が乱れるのを、冬弥は見たことがなかった。
「由綺…こんな所でそんなに腰振って、恥ずかしくないの?」
「え…? だ…だって…」
ぢゅく、ぢゅく…ぢゅくっ
冬弥が少し意地悪げな口調で言うと、由綺は少し困ったような表情を浮かべる。しかし、腰の動きは一向に止まっていない。リズミカルな水音が、即席の建造物の中にこだましていく。
「か、体が…なんだか、おかしくなって…」
「由綺の体でしょ? 由綺って、いつもは奥手そうにしているけど、実は結構インランだったんだ」
「ち、違うよっ…!」
さすがに由綺が腰の動きをゆるめる。しかし完全にストップさせるまでには至らなかった。
「外で待ってるお客さん、由綺が本当はこんななの見たらどう思うかな? みんな嫌うかな? それともかえって喜ぶかな?」
「ち、違うの…! 冬弥君の前だから…冬弥君以外の人の前で、こんなになんか絶対にならないっ…!」
由綺は再び腰の動きを速める。ギシッ、ギシッとやわな床がきしみそうな勢いだった。
「じゃあ…俺と会えない間、我慢できなくなってひとりエッチしたりしてたんだ?」
「してないよ…! 本当…! 冬弥君に会えなくて、寂しかったけれど…こんなになっちゃったのは、今日だけだよっ…!」
自らの正当性を証明するかのように、由綺はまた腰を激しく打ち付ける。それはむしろ由綺が淫乱であるという主張に見えるようにも思えるが、由綺本人はそんな事を気にせずにただ自分の激情をぶつけているようだった。
「…そう…」
「そうなのっ…本当…」
由綺は目に涙を溜めて、がくがくと腰を振る。その涙は、思いを伝えようと言う必死の努力から生まれたものでもあったろうが、端的に言えば由綺が絶頂しかかっている徴(しるし)でもあった。
「…由綺…」
冬弥の腰の奥からも、熱い物がこみあげてくる。
「だめ…私…イッちゃい…そう…!」
「俺もだから…一緒に…」
そう言うと、冬弥は由綺に向かって手を差し伸べる。
「と、冬弥君…!」
由綺はその手を固く握りしめると、支えの無くなった不安定な状態で腰を闇雲に振る。冬弥は跳ね上げるように由綺の中を突いて、その動きを助けた。
「ん…あ…あーっ!」
…ビク…!
びゅっ、びゅくっ、びゅくっ、びゅくっ!
ビク、ビク…ビク…
「イ、イッちゃった…私…」
呆然とした声で、由綺は自らの状態を口にする。
「由綺の中…ひくひく言ってる…」
びゅ、びゅ…
「ん…はぁっ…冬弥君の…あつい…」
冬弥の精を搾り取るような勢いで、由綺の中が収縮する。
「由綺…」
「とうやくぅん…」
二人はそうやって交わったまま、かなりの間見つめ合っていた。
「……もう大丈夫?」
そして、思い出したように冬弥が言う。
「う、うん…もう、大丈夫だと思うよ…」
「そしたら、後かたづけは任せて早く行きなよ。体はちゃんと拭いてね」
「…上手くいきました」
「そうですか…」
「ありがとうございます…って、一応言っておきますね。弥生さんのくれた、アレ…」
「いえ。こちらとしても、由綺さんのコンディションを高めておきたかったのですから、構いません」
「あれで、いいんでしょうか…?」
本番直前、舞台の袖。弥生に後ろから忍び寄ってきて、顔を合わせずに会話する冬弥。
「欲求不満はあらゆる才能を台無しにしますわ」
弥生は臆面もなく言った。その声からでは、本気なのかどうかよくわからない。恐らく表情をのぞけたとしても、それを判断することはできないだろう。
「そうですか…」
冬弥は適当に相槌を打つと、舞台の闇の中へと目をこらして、中央にいるはずの由綺を探す。
当然、由綺は既に衣装をしっかりと身につけて、アイドルとしての姿でいるはずだった。
でも…
由綺が行為の終わった後の部分をあまり拭かずに、中に冬弥の放った精をいっぱいにしたまま、あの場所に立っているなんて…それで、コロンの量を多めにすれば誤魔化せるよと言った事なんて…誰が信じるだろうか?
「…始まりますわ」
「…あ」
弥生がぽつりと言う。同時に、幕の向こうの会場の方が一気に静まり返っていくのが分かった。
…カッ!
強烈なライトがステージを満たして…今宵のコンサートは始まった。
ぐにゅぐにゅ…
「あっ…お、太田さんっ…」
赤ん坊のような、無邪気な指さばきが僕のペニスを揉むように撫でてくる。
ぐにっ、ぐにっ、ぐに…
太田さんの指先は、狂気を感じさせる包帯に覆われた顔や発情しきった瞳にそぐわないほど、ひんやりとしていて女の子を感じさせた。多少乱暴に扱われていても、太田さんのあのすらっと長そうな指が嬉しそうに僕のペニスに絡んでくると思うだけで背筋が震え上がるほど気持ちよくなってしまいそうだ。
精神がどんな状態なのかとても想像はつかないが、太田さんの指はまだまだ教室でシャープペンをすらすらと滑らせている時の理知的で綺麗な指と同じように思えてしまうのだから…
「いい格好じゃないか」
太田さんの後ろに立った月島さんが、僕を見下ろしながらからかうように言う。
「………」
僕は目をそらしたかったが、体はぴくりとも動かなかった。
ぐにぐにっ…
太田さんは僕の太股の辺りを両脚まとめて持ち上げて、ペニスをいじっている。腰の部分も床につかず、背中だけを床につけさせられている状態だ。月島さんの目には、僕の脚の間が全て見られてしまっていることになる。太田さんに責められている勃起したペニスから、後ろまで…
「…そうだ、太田さん…」
月島さんの目がいやな輝きを見せる。
「…ほら、太田さんの大好きなものだ」
そう言って、月島さんは僕のペニスを爛々とした目で見ている太田さんの頬にピンク色をした玩具を押しつけた。呼びかけには全く応じていなかった太田さんが、ゆっくりとそれに目を向ける。
ぱっ!
そしてそれが何であるのか気づくと、月島さんの手から奪うようにしてピンク色のリモコン式ローターを受け取った。僕のペニスから完全に興味を失ったようだ。
ヴィー…ヴィー…
「うあ…あああ」
太田さんは僕の脚を抱えたまま、膝立ちになってそこから思い切り脚を開き、高い音を立てるローターをぐりぐり押しつけ始める。月島さんがスイッチを入れてやったようだ。
ヴィ…ヴィー…
一転して、僕は鑑賞者になる。視線の端に映る太田さんの自慰から、目をそらす事は僕には出来ない。
もっとも、顔が自由に動いたとしても、そこからきちんと目をそらせていたかは少し疑わしいが…
あの太田さんが、自慰をしている。あられもなく性器を見せつけながら、高速振動を自分の感じる所に押しつけている。ぐちゅっぐちゅっという音を立てながら、濡れた部分をかき回している。実際に見る女の子の自慰は、あまりにリアルでいやらしかった。
ちり…ちり…
「うっ…!?」
その時、頭の中に、またあのちりちりという感覚がやってくる…
「太田さん、ストップ」
「………」
あれだけ自慰に夢中になっていた太田さんが、ぴたりと指を止めて月島さんの事を見上げていた。
「それがどれだけ気持ちいいのか、彼にも教えてやりなよ」
「えっ!?」
「彼も、お預けを食らってうずうずしているはずだからね」
ヴィーヴィーヴィー…
「うあっ…!」
濡れた振動が、僕の後ろの方を襲う。太田さんは月島さんの命令を何のためらいもなく実行しようとしていた。
「や、やめっ…太田さん…!」
何かが口元にこみあげてくるような感触を覚えながら、僕は懸命に体を動かして逃げようとする。だがやはり体は動かない。太田さんに脚を持ち上げられて弱い部分を丸見えにしている状態から、ほんのわずかにも動かない。
ヴィーヴィーヴィー…
「うっ、かはっ、ああぅっ」
太田さんが圧力を段々強くしてきているのがわかる。苦しさも、それに比例して大きくなってくる。
ちりっ…ちりちりちりっ…
「ああっ!?」
僕は思わず叫んでいた。
脳天を直撃するような激しい電波が叩きつけられたのだ。
「もうちょっとゆるめてもらおうか」
「あっ…あぐ…」
全身が弛緩していく。電車が減速して止まるような感じで、僕の体が弛緩してゆるゆるになっていく。
「太田さん…」
ぐぐ…ぐぐぐ…
「あっ、あーっ…!?」
だめだっ…
もう入りそうになっている。それが、自分でもよくわかった。震える部分が外側だけじゃなくて、内側にまで触れてきているのが感じられる。
「女の子がどういう風に感じるのか、キミもよく勉強するんだね」
月島さんは、最初に太田さんにローターを手渡した時と同じ瞳で僕を見つめていた。頭のいい人間がバカらしいことを考えついた時に、こういう瞳をするのだ。僕は妙な納得を感じていた。
ぐ…ぐぐ…
「あっ、ぐぅ…」
しかし、今はそれどころではない。太田さんの愛液のぬるっとした潤滑も加わり、ローターは今にも…
ぐ…ぐぐぐ…
「ああっ…うああああぁ…」
入れられて、しまった…!
「あっ…くぁ…」
灼熱の物体が入っているような、重苦しい感触だった。それにくわえて、えぐるような痛みが僕の腸内を襲ってくる。激しく貶められている、そんな事を感じずにはいられない痛みだった。
「どうだい? 初めてを失った気分は」
「と、止め…」
「なかなか苦しいもんだろう? そこから永遠に抜け出せないんじゃないかって、そういう事を思わせる苦しさだろう? 僕は、直接には経験したことがないからわからないけれどね」
ヴヴヴヴヴ…
月島さんが言う間にも、中はえぐられ続ける。
「しかし」
ちりっ…ちりちりちりっ…
「うあっ!?」
脳にまた電撃が走る。そのパルスは、あっという間に体を駆け抜けて僕の腸内を包み込んだ。
ちゅぼっ!
「あっ…ああっ…」
その時、太田さんが僕の両脚を離して、吸い込むように僕のペニスをくわえこむ。ずっと放っておかれたペニスは、後ろで感じている苦痛とあいまって甘すぎる快感を僕に与えた。
ちゅぱ、ちゅぱ…ちゅぷるっ
「うっ…はぁ」
積極的に舌を使う太田さんのフェラチオ。それを感じている間に、ねずみのようにせわしなく走るパルスが、腸内の感覚とペニスの感覚を結んでいく…
「んっ…あっ、あっ…あ…」
なにか、痺れるような感覚が生まれてきていた。
さっきまでえぐられていた部分が、麻痺したようになって痛みを感じなくなってきている。代わりに、どんよりとした異物感だけが僕の中に生まれている。
ちゅぷ、ちゅぷ。ちゅる…
それに、太田さんの絶妙な舌の動きが気持ちいい…
こ、これって…?
「苦しさを感じるよりも、快感に思ってしまった方がもっと抜け出せない無限地獄のようになることもあるのさ」
「か、快感なんか…!」
ちり…ちりちりちり…
「あっ…!」
全身が一瞬ビクゥッ、と収縮しそうな気がした。
ヴヴヴヴヴ…
「うっ…あっ、あああああああぁっ…」
だ、だめだ…
痺れていた部分が、一気に快感を感じる部分として開花したような感覚だった。痛みを感じていた部分というのがウソのように、内面からのくぐもった快感が僕を襲ってくる。
ちゅぽん。
太田さんが、僕のペニスから舌を離した…
「さあ太田さん、彼がこのまま出してしまう所を見届けるとしよう」
「そんな…バカなことは…」
僕は精一杯に強がって見せたが、うねるような射精感はもう腰の奥底にドクドクと溜まりだしていた。しかも、太田さんが口を離したというのに止まらない…ローターの鈍い振動が、どんどん僕の快感を引き出してくるのを誤魔化すことは出来ない…
「うっ…はぁっ、はぁっ…」
呼吸を乱しながら、僕は必死で括約筋を締め付ける。だが、それはローターをよりきつく感じてしまう結果を生む事に他ならなかった。
ヴヴヴヴ…
「くぅぅぅっ…」
かと言って…このままゆるめていたら…
「限界だね」
「う…ううっ、ううっ、ううううーっ…」
ぷちゅっ、と半透明の液体がペニスの先からほとばしりでた。
「くっ、くっ、くふぅぅっ…」
慌てて、ありたけの力でバルブを締め付けようとした結果…僕は、ローターの振動を最強に近いまでに受け止めてしまうことになり…
「っ!」
びゅっびゅびゅっ!
「あっ…」
…びゅっびゅっびゅっ……びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅっ…
一度放出が始まってしまうと、止めることはもう不可能だった。僕は床の上に自分の精液が、信じられないほどの量吐き出されていくのを呆然と見つめる。
「無様だね」
「………」
「でも、奪われているばかりじゃキミのような奴は被害者面をし始める。次はキミが奪う番だ」
「………?」
未だローターの振動は止まっておらず、僕は月島さんの話を霞がかった状態で聞いていた。
…がちゃり。
「ユ…ユウくん!?」
「ご苦労様。その子をこっちに連れてきてくれるかな」
そして僕の耳に入ってきたのは、怯えきった新城さんの声だった…
「あっ…お、太田さんっ…」
赤ん坊のような、無邪気な指さばきが僕のペニスを揉むように撫でてくる。
ぐにっ、ぐにっ、ぐに…
太田さんの指先は、狂気を感じさせる包帯に覆われた顔や発情しきった瞳にそぐわないほど、ひんやりとしていて女の子を感じさせた。多少乱暴に扱われていても、太田さんのあのすらっと長そうな指が嬉しそうに僕のペニスに絡んでくると思うだけで背筋が震え上がるほど気持ちよくなってしまいそうだ。
精神がどんな状態なのかとても想像はつかないが、太田さんの指はまだまだ教室でシャープペンをすらすらと滑らせている時の理知的で綺麗な指と同じように思えてしまうのだから…
「いい格好じゃないか」
太田さんの後ろに立った月島さんが、僕を見下ろしながらからかうように言う。
「………」
僕は目をそらしたかったが、体はぴくりとも動かなかった。
ぐにぐにっ…
太田さんは僕の太股の辺りを両脚まとめて持ち上げて、ペニスをいじっている。腰の部分も床につかず、背中だけを床につけさせられている状態だ。月島さんの目には、僕の脚の間が全て見られてしまっていることになる。太田さんに責められている勃起したペニスから、後ろまで…
「…そうだ、太田さん…」
月島さんの目がいやな輝きを見せる。
「…ほら、太田さんの大好きなものだ」
そう言って、月島さんは僕のペニスを爛々とした目で見ている太田さんの頬にピンク色をした玩具を押しつけた。呼びかけには全く応じていなかった太田さんが、ゆっくりとそれに目を向ける。
ぱっ!
そしてそれが何であるのか気づくと、月島さんの手から奪うようにしてピンク色のリモコン式ローターを受け取った。僕のペニスから完全に興味を失ったようだ。
ヴィー…ヴィー…
「うあ…あああ」
太田さんは僕の脚を抱えたまま、膝立ちになってそこから思い切り脚を開き、高い音を立てるローターをぐりぐり押しつけ始める。月島さんがスイッチを入れてやったようだ。
ヴィ…ヴィー…
一転して、僕は鑑賞者になる。視線の端に映る太田さんの自慰から、目をそらす事は僕には出来ない。
もっとも、顔が自由に動いたとしても、そこからきちんと目をそらせていたかは少し疑わしいが…
あの太田さんが、自慰をしている。あられもなく性器を見せつけながら、高速振動を自分の感じる所に押しつけている。ぐちゅっぐちゅっという音を立てながら、濡れた部分をかき回している。実際に見る女の子の自慰は、あまりにリアルでいやらしかった。
ちり…ちり…
「うっ…!?」
その時、頭の中に、またあのちりちりという感覚がやってくる…
「太田さん、ストップ」
「………」
あれだけ自慰に夢中になっていた太田さんが、ぴたりと指を止めて月島さんの事を見上げていた。
「それがどれだけ気持ちいいのか、彼にも教えてやりなよ」
「えっ!?」
「彼も、お預けを食らってうずうずしているはずだからね」
ヴィーヴィーヴィー…
「うあっ…!」
濡れた振動が、僕の後ろの方を襲う。太田さんは月島さんの命令を何のためらいもなく実行しようとしていた。
「や、やめっ…太田さん…!」
何かが口元にこみあげてくるような感触を覚えながら、僕は懸命に体を動かして逃げようとする。だがやはり体は動かない。太田さんに脚を持ち上げられて弱い部分を丸見えにしている状態から、ほんのわずかにも動かない。
ヴィーヴィーヴィー…
「うっ、かはっ、ああぅっ」
太田さんが圧力を段々強くしてきているのがわかる。苦しさも、それに比例して大きくなってくる。
ちりっ…ちりちりちりっ…
「ああっ!?」
僕は思わず叫んでいた。
脳天を直撃するような激しい電波が叩きつけられたのだ。
「もうちょっとゆるめてもらおうか」
「あっ…あぐ…」
全身が弛緩していく。電車が減速して止まるような感じで、僕の体が弛緩してゆるゆるになっていく。
「太田さん…」
ぐぐ…ぐぐぐ…
「あっ、あーっ…!?」
だめだっ…
もう入りそうになっている。それが、自分でもよくわかった。震える部分が外側だけじゃなくて、内側にまで触れてきているのが感じられる。
「女の子がどういう風に感じるのか、キミもよく勉強するんだね」
月島さんは、最初に太田さんにローターを手渡した時と同じ瞳で僕を見つめていた。頭のいい人間がバカらしいことを考えついた時に、こういう瞳をするのだ。僕は妙な納得を感じていた。
ぐ…ぐぐ…
「あっ、ぐぅ…」
しかし、今はそれどころではない。太田さんの愛液のぬるっとした潤滑も加わり、ローターは今にも…
ぐ…ぐぐぐ…
「ああっ…うああああぁ…」
入れられて、しまった…!
「あっ…くぁ…」
灼熱の物体が入っているような、重苦しい感触だった。それにくわえて、えぐるような痛みが僕の腸内を襲ってくる。激しく貶められている、そんな事を感じずにはいられない痛みだった。
「どうだい? 初めてを失った気分は」
「と、止め…」
「なかなか苦しいもんだろう? そこから永遠に抜け出せないんじゃないかって、そういう事を思わせる苦しさだろう? 僕は、直接には経験したことがないからわからないけれどね」
ヴヴヴヴヴ…
月島さんが言う間にも、中はえぐられ続ける。
「しかし」
ちりっ…ちりちりちりっ…
「うあっ!?」
脳にまた電撃が走る。そのパルスは、あっという間に体を駆け抜けて僕の腸内を包み込んだ。
ちゅぼっ!
「あっ…ああっ…」
その時、太田さんが僕の両脚を離して、吸い込むように僕のペニスをくわえこむ。ずっと放っておかれたペニスは、後ろで感じている苦痛とあいまって甘すぎる快感を僕に与えた。
ちゅぱ、ちゅぱ…ちゅぷるっ
「うっ…はぁ」
積極的に舌を使う太田さんのフェラチオ。それを感じている間に、ねずみのようにせわしなく走るパルスが、腸内の感覚とペニスの感覚を結んでいく…
「んっ…あっ、あっ…あ…」
なにか、痺れるような感覚が生まれてきていた。
さっきまでえぐられていた部分が、麻痺したようになって痛みを感じなくなってきている。代わりに、どんよりとした異物感だけが僕の中に生まれている。
ちゅぷ、ちゅぷ。ちゅる…
それに、太田さんの絶妙な舌の動きが気持ちいい…
こ、これって…?
「苦しさを感じるよりも、快感に思ってしまった方がもっと抜け出せない無限地獄のようになることもあるのさ」
「か、快感なんか…!」
ちり…ちりちりちり…
「あっ…!」
全身が一瞬ビクゥッ、と収縮しそうな気がした。
ヴヴヴヴヴ…
「うっ…あっ、あああああああぁっ…」
だ、だめだ…
痺れていた部分が、一気に快感を感じる部分として開花したような感覚だった。痛みを感じていた部分というのがウソのように、内面からのくぐもった快感が僕を襲ってくる。
ちゅぽん。
太田さんが、僕のペニスから舌を離した…
「さあ太田さん、彼がこのまま出してしまう所を見届けるとしよう」
「そんな…バカなことは…」
僕は精一杯に強がって見せたが、うねるような射精感はもう腰の奥底にドクドクと溜まりだしていた。しかも、太田さんが口を離したというのに止まらない…ローターの鈍い振動が、どんどん僕の快感を引き出してくるのを誤魔化すことは出来ない…
「うっ…はぁっ、はぁっ…」
呼吸を乱しながら、僕は必死で括約筋を締め付ける。だが、それはローターをよりきつく感じてしまう結果を生む事に他ならなかった。
ヴヴヴヴ…
「くぅぅぅっ…」
かと言って…このままゆるめていたら…
「限界だね」
「う…ううっ、ううっ、ううううーっ…」
ぷちゅっ、と半透明の液体がペニスの先からほとばしりでた。
「くっ、くっ、くふぅぅっ…」
慌てて、ありたけの力でバルブを締め付けようとした結果…僕は、ローターの振動を最強に近いまでに受け止めてしまうことになり…
「っ!」
びゅっびゅびゅっ!
「あっ…」
…びゅっびゅっびゅっ……びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅっ、びゅっ…
一度放出が始まってしまうと、止めることはもう不可能だった。僕は床の上に自分の精液が、信じられないほどの量吐き出されていくのを呆然と見つめる。
「無様だね」
「………」
「でも、奪われているばかりじゃキミのような奴は被害者面をし始める。次はキミが奪う番だ」
「………?」
未だローターの振動は止まっておらず、僕は月島さんの話を霞がかった状態で聞いていた。
…がちゃり。
「ユ…ユウくん!?」
「ご苦労様。その子をこっちに連れてきてくれるかな」
そして僕の耳に入ってきたのは、怯えきった新城さんの声だった…
ブ…ン
鈍いモーターのような音が収束し、セリオがゆっくりと目を開く。
「…おはよう、セリオ…気分はどう?」
「正常に起動しました」
「そう?」
「ええ」
セリオははきはきと答える。数秒前までは死んだように目を閉じて動かない状態だったのだから、少々奇妙な光景だった。ぴったりと手を体の脇につけて首だけを綾香の方に向けている様子は機械的だが、それでも容姿が完全に人間である以上、寝起きの状態が存在しないのが不自然に見えるのは否めない。
「綾香様、SEXをされるのですか?」
そして直接的に訊く。
確かに、休止状態の間に服が完全に剥ぎ取られていて、ベッドの上に上がってきた綾香も裸だったとなればそういう風に考えるのが自然かもしれない。綾香に求められて交わるのは、これが初めての事ではない。
「ん」
綾香は少しだけうなずいてそれを肯定した。
「はい」
セリオはうなずき返すと、全身を少しリラックスさせて体を開く。それでもまだ、セリオの肢体はかっちりとした機械的な印象を保持したままのものだったが…
しかし、綾香が下半身に近づいてくるのに合わせて視線を自分の下半身の方に向けた時、セリオはかすかに動揺を見せる。
「これは…?」
「ふふ、多分自己診断プログラムにも引っかからないんじゃないかしら」
「綾香様、これは…」
セリオは自分の下半身の、なだらかな恥丘の部分を食い入るように見つめていた。普段は滑らかなカーブの上にすっと細い筋が入っているだけのはずの所だ。
そこに、セリオの肌と同じ色をした肉の棒がにゅっと生えていた。
「………」
セリオは思わず、それに自分の指を添えて表面を撫で始める。セリオにとっては、そこは存在しないインターフェイスのはずなのだ。
「うっ…」
だが、セリオは小さくうめいて手をそこから離してしまった。
「感じる?」
「な、なぜ…」
セリオにとって、自分の体から生えているものであっても自分のプログラムが認識できない物は存在していないに等しいものである。ところが、今セリオの股間から生えた肉棒はプログラムが認識しないにも拘わらず、触った時にセリオの快感中枢を刺激してきたのだ。
「やっぱり、完全に隠し機能みたい。その方が面白そうだけど…」
綾香の目が妖しく輝いた。そして、綾香は顔をセリオの脚の間に突っ込んでくる。
「………」
太股に触れる綾香のさらっとした髪の感触は、前にも感じた事があるものである。しかしセリオは、その細やかな感触を妙に敏感に感じ取ってしまっていた。ただ髪が脚に触れているだけのはずなのに、快感中枢がピクリと反応してしまう。
「いくわよ…」
綾香がセリオの股間の前でつぶやいた。
…はむっ…
「………!」
綾香の唇に肉棒がはさみこまれると、セリオの体に電撃のような快感が走る。
「んーっ…んんー」
ぬぷ、ぬぷと唇を使って上下に肉棒がゆっくりとしごかれる。そうしながら、綾香は上目を使ってセリオの反応をじっと見ていた。前髪に隠れかけた綾香の瞳が、興味津々にセリオの表情の変化をうかがう。
口一杯に肉棒をくわえこんだ綾香の顔は、いたずらっぽそうな調子も残していたが非常に誘惑的だった。その表情が、その瞳に見つめられることが、セリオの快感中枢をさらに動かす。無感情であるはずのセリオが、綾香の淫乱な様子を見ていることでなぜか震えるような物を感じてしまう。
カチ。
ヴィーン…
「………」
その時、綾香の体の方からセリオにも聞き覚えのある振動音が響き始める。セリオの記憶しているデータによれば、それはピンク色をした扁平な形のローターであるはずだった。前に、何度か使われた事がある。色々な所に当てられた事も、中に挿入されたこともある。
しかし、今のセリオはその振動に若干の不安を覚えざるを得ない。
ヴィーン…
振動音が近づいていく流。果たして、綾香が体の下の方から持ち出してきたものはセリオの知ったローターだった。綾香はそれを自分の頬の横の辺りまで持ってきて、セリオに存在を見せつける。
ぬぷ、ぬぷ…
そして綾香は肉棒を唇でしごく動きを再開させながら、ローターを肉棒の根元の辺りに近づけていった。
ヴィー…ぶ…ぶぶぶ…ぶぶ…
「あ…ああ…!」
ローターが肉棒にあてがわれると、振動音が少し低くなる。それと同時に、セリオの体を快感が突き抜ける。
ぶぶぶ…ぶぶ…ぶぶぶぶ…
「く…う…ううっ…」
セリオが声を漏らすなど、滅多にない事だ。少々の苦痛程度では、表情一つ変えないセリオである。しかし舐められて敏感になった肉棒を刺激され、さらに秘裂の中に収まっているクリトリスにまで間接的に振動を与えられてはセリオもたまらないようだった。
もっとも、前にローターを使われた時はクリトリスに直接あてがわれてもセリオはほとんど無反応であったのだが…
綾香はセリオの反応に、満足そうな表情を浮かべる。そしてローターを移動させ、秘裂の中にぐりぐりと押し込んでいく。
ぬちっ。
セリオの入り口の部分は、とろんとした液体を垂らして侵入物を今か今かと待ちかまえているようにすら見えた。綾香はその入り口近くをローターで撫でてから、ずぷりと振動するローターを中に押し込んでいく。
「ああああっ…綾香様っ…!」
ヴヴヴヴ…ヴヴ…
粘っこい液体に満ちた膣壁にくるまれて、ローターの振動音はさらに低くくぐもった物になる。だが、音が低くなったという事はそれだけローターの振動がセリオの膣壁に直接響いているということだ。
すっぽりとローターをセリオの中に挿入してしまうと、綾香はくわえっぱなしにしていた肉棒の方に再び取りかかる。
ちろ、ちろ…
「あっ…ああ…」
しごくだけでなく、先に近い方を舌先で丁寧に舐め転がすとセリオが溶けてしまいそうな声を出した。普段の事務的で落ち着いた調子を完全に失ってしまっている。
ちろ、ちろ…
満面に笑みを湛えたまま、綾香は舌なめずりでもしているかのように真っ赤な舌を少しだけ出して小刻みに動かす。綾香自身は快楽をむさぼっているというわけではないのに、その表情はひどく淫らだった。
ヴヴヴ…
「んーっ…はああっ…!」
中からのローターと綾香のフェラチオ、二箇所の責め立てにセリオは完全に支配されてしまったようだった。
すりっ…すり…
「!!? 綾香様!?」
それに、さらに第三の刺激が加わろうとする。
ちゅく、ちゅく。
「そ、そこは…なぜ…」
セリオのヒップの奥のすぼまりを、綾香の指先が触っていた。さっきローターを入れるときに使った指らしく、ねとねとした液体で濡れている。その液体をまぶすように、綾香はそこを撫でていく。
「く…あ…ああ…!?」
ロボットである以上、そこはただの「飾り」の器官でしかない。そういうはずなのだが、セリオはそこを触られてくるうちに変な感覚が生まれてきたのを否定できなかった。快感中枢に近いのだが、少し違う。まるで第二の快感中枢が生まれて、それが第一の快感中枢に影響を与えているような感じだ。
ちろ、ちろ…
そうしながら、綾香はさらにセリオの肉棒を舐める。セリオの体の弛緩がさらに強まる。
…つぷ
「んはぁっ!?」
その弛緩が十分にまで達したと思った所で、綾香の指がセリオの窮屈な所に侵入した。
「あ…ああっ、ああ…!」
ぎゅうぎゅうと綾香の指が締め付けられる。その収縮を見極めながら、綾香は少しずつ指を動かす。
「あっ…綾香様…そ、そこは…」
そうするとセリオは切羽詰まった声を出した。だが、ロボットである以上やめてくれと言うことはない。そこを刺激されたからと言って、ロボットとしての機能に損傷が出るわけではないのだから…
くに、くに…
「う…ああ…ああ」
綾香のしなやかな指が煽るようにセリオの中を動く。前に入れられたローターの悩ましい快感と、肉棒を綾香が舐めるとろけるような快感が合わさって、そこに狂おしい指責めの快感が加わる。
「あ、綾香様…もう…私は…」
セリオの体の中に、何か強烈なエネルギーが溜め込まれるような感覚が生まれる。一瞬セリオはオーバーヒートしそうなのかと思ったが、そうではない。溜め込まれているのは、セリオの中に抑えておくことが出来なくなって爆発しそうになっている快感だ。
「う…うう」
体をよがらせながらセリオがか細い声を出す。普段は何の感慨も与えないセリオの声も、切なそうに息を吐き出す唇から高いトーンで生まれてくると実にいじらしく、色っぽい響きを持つ。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ…
ぐに、ぐにっ。
「あっ…はぁんっ…ああああああっ…!」
最後に、綾香が唇と指を思い切り動かしてセリオにとどめを刺した。ローターの振動に下支えされた快感が、一気にボーダーを越えて跳ね上がる。
どぴゅっ! びゅっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるるっ…
「あっ、あっ、あっ、あっ、ああーっ…」
「!!」
綾香の口の中に、あふれんばかりの白濁液が放出された。
びゅっ、びゅくっ、びゅぅっ、びゅ…
「あっ……あっ…ああぁ…」
脱力しきったセリオの声。
「…っは…」
綾香は口元からおびただしい白濁液を垂らし、顔のあちこちに白濁液の放射の直撃を受けた状態だった。途中で飲み込むのを諦めて口を離したが、速いペースの脈動から逃げる事はとてもできなかったのだ。
「あ、綾香様…申し訳有りません…」
「い、いいのいいの…少し量を増やしすぎちゃったかな…こんなに出るなんて思わなかった…」
「量を…?」
「関係ない関係ない。セリオが感じてる顔を見られたからいいわよ。やっぱり何をしても反応がないのより、こっちの方がずっと面白いし」
綾香は少し舌っ足らずな声で言いながらティッシュの箱を取ってきて、口元や顔をぬぐっていった。
「ふふ、まだこんなに立ってる…ローター入れっぱなしだからね…今度は、どうしよっか…」
そう言いながら、綾香はセリオの頬を撫でる。
「綾香様…」
セリオは戸惑いを浮かべた声を出しつつも、綾香の事を熱さを感じさせる目で見ていた。
鈍いモーターのような音が収束し、セリオがゆっくりと目を開く。
「…おはよう、セリオ…気分はどう?」
「正常に起動しました」
「そう?」
「ええ」
セリオははきはきと答える。数秒前までは死んだように目を閉じて動かない状態だったのだから、少々奇妙な光景だった。ぴったりと手を体の脇につけて首だけを綾香の方に向けている様子は機械的だが、それでも容姿が完全に人間である以上、寝起きの状態が存在しないのが不自然に見えるのは否めない。
「綾香様、SEXをされるのですか?」
そして直接的に訊く。
確かに、休止状態の間に服が完全に剥ぎ取られていて、ベッドの上に上がってきた綾香も裸だったとなればそういう風に考えるのが自然かもしれない。綾香に求められて交わるのは、これが初めての事ではない。
「ん」
綾香は少しだけうなずいてそれを肯定した。
「はい」
セリオはうなずき返すと、全身を少しリラックスさせて体を開く。それでもまだ、セリオの肢体はかっちりとした機械的な印象を保持したままのものだったが…
しかし、綾香が下半身に近づいてくるのに合わせて視線を自分の下半身の方に向けた時、セリオはかすかに動揺を見せる。
「これは…?」
「ふふ、多分自己診断プログラムにも引っかからないんじゃないかしら」
「綾香様、これは…」
セリオは自分の下半身の、なだらかな恥丘の部分を食い入るように見つめていた。普段は滑らかなカーブの上にすっと細い筋が入っているだけのはずの所だ。
そこに、セリオの肌と同じ色をした肉の棒がにゅっと生えていた。
「………」
セリオは思わず、それに自分の指を添えて表面を撫で始める。セリオにとっては、そこは存在しないインターフェイスのはずなのだ。
「うっ…」
だが、セリオは小さくうめいて手をそこから離してしまった。
「感じる?」
「な、なぜ…」
セリオにとって、自分の体から生えているものであっても自分のプログラムが認識できない物は存在していないに等しいものである。ところが、今セリオの股間から生えた肉棒はプログラムが認識しないにも拘わらず、触った時にセリオの快感中枢を刺激してきたのだ。
「やっぱり、完全に隠し機能みたい。その方が面白そうだけど…」
綾香の目が妖しく輝いた。そして、綾香は顔をセリオの脚の間に突っ込んでくる。
「………」
太股に触れる綾香のさらっとした髪の感触は、前にも感じた事があるものである。しかしセリオは、その細やかな感触を妙に敏感に感じ取ってしまっていた。ただ髪が脚に触れているだけのはずなのに、快感中枢がピクリと反応してしまう。
「いくわよ…」
綾香がセリオの股間の前でつぶやいた。
…はむっ…
「………!」
綾香の唇に肉棒がはさみこまれると、セリオの体に電撃のような快感が走る。
「んーっ…んんー」
ぬぷ、ぬぷと唇を使って上下に肉棒がゆっくりとしごかれる。そうしながら、綾香は上目を使ってセリオの反応をじっと見ていた。前髪に隠れかけた綾香の瞳が、興味津々にセリオの表情の変化をうかがう。
口一杯に肉棒をくわえこんだ綾香の顔は、いたずらっぽそうな調子も残していたが非常に誘惑的だった。その表情が、その瞳に見つめられることが、セリオの快感中枢をさらに動かす。無感情であるはずのセリオが、綾香の淫乱な様子を見ていることでなぜか震えるような物を感じてしまう。
カチ。
ヴィーン…
「………」
その時、綾香の体の方からセリオにも聞き覚えのある振動音が響き始める。セリオの記憶しているデータによれば、それはピンク色をした扁平な形のローターであるはずだった。前に、何度か使われた事がある。色々な所に当てられた事も、中に挿入されたこともある。
しかし、今のセリオはその振動に若干の不安を覚えざるを得ない。
ヴィーン…
振動音が近づいていく流。果たして、綾香が体の下の方から持ち出してきたものはセリオの知ったローターだった。綾香はそれを自分の頬の横の辺りまで持ってきて、セリオに存在を見せつける。
ぬぷ、ぬぷ…
そして綾香は肉棒を唇でしごく動きを再開させながら、ローターを肉棒の根元の辺りに近づけていった。
ヴィー…ぶ…ぶぶぶ…ぶぶ…
「あ…ああ…!」
ローターが肉棒にあてがわれると、振動音が少し低くなる。それと同時に、セリオの体を快感が突き抜ける。
ぶぶぶ…ぶぶ…ぶぶぶぶ…
「く…う…ううっ…」
セリオが声を漏らすなど、滅多にない事だ。少々の苦痛程度では、表情一つ変えないセリオである。しかし舐められて敏感になった肉棒を刺激され、さらに秘裂の中に収まっているクリトリスにまで間接的に振動を与えられてはセリオもたまらないようだった。
もっとも、前にローターを使われた時はクリトリスに直接あてがわれてもセリオはほとんど無反応であったのだが…
綾香はセリオの反応に、満足そうな表情を浮かべる。そしてローターを移動させ、秘裂の中にぐりぐりと押し込んでいく。
ぬちっ。
セリオの入り口の部分は、とろんとした液体を垂らして侵入物を今か今かと待ちかまえているようにすら見えた。綾香はその入り口近くをローターで撫でてから、ずぷりと振動するローターを中に押し込んでいく。
「ああああっ…綾香様っ…!」
ヴヴヴヴ…ヴヴ…
粘っこい液体に満ちた膣壁にくるまれて、ローターの振動音はさらに低くくぐもった物になる。だが、音が低くなったという事はそれだけローターの振動がセリオの膣壁に直接響いているということだ。
すっぽりとローターをセリオの中に挿入してしまうと、綾香はくわえっぱなしにしていた肉棒の方に再び取りかかる。
ちろ、ちろ…
「あっ…ああ…」
しごくだけでなく、先に近い方を舌先で丁寧に舐め転がすとセリオが溶けてしまいそうな声を出した。普段の事務的で落ち着いた調子を完全に失ってしまっている。
ちろ、ちろ…
満面に笑みを湛えたまま、綾香は舌なめずりでもしているかのように真っ赤な舌を少しだけ出して小刻みに動かす。綾香自身は快楽をむさぼっているというわけではないのに、その表情はひどく淫らだった。
ヴヴヴ…
「んーっ…はああっ…!」
中からのローターと綾香のフェラチオ、二箇所の責め立てにセリオは完全に支配されてしまったようだった。
すりっ…すり…
「!!? 綾香様!?」
それに、さらに第三の刺激が加わろうとする。
ちゅく、ちゅく。
「そ、そこは…なぜ…」
セリオのヒップの奥のすぼまりを、綾香の指先が触っていた。さっきローターを入れるときに使った指らしく、ねとねとした液体で濡れている。その液体をまぶすように、綾香はそこを撫でていく。
「く…あ…ああ…!?」
ロボットである以上、そこはただの「飾り」の器官でしかない。そういうはずなのだが、セリオはそこを触られてくるうちに変な感覚が生まれてきたのを否定できなかった。快感中枢に近いのだが、少し違う。まるで第二の快感中枢が生まれて、それが第一の快感中枢に影響を与えているような感じだ。
ちろ、ちろ…
そうしながら、綾香はさらにセリオの肉棒を舐める。セリオの体の弛緩がさらに強まる。
…つぷ
「んはぁっ!?」
その弛緩が十分にまで達したと思った所で、綾香の指がセリオの窮屈な所に侵入した。
「あ…ああっ、ああ…!」
ぎゅうぎゅうと綾香の指が締め付けられる。その収縮を見極めながら、綾香は少しずつ指を動かす。
「あっ…綾香様…そ、そこは…」
そうするとセリオは切羽詰まった声を出した。だが、ロボットである以上やめてくれと言うことはない。そこを刺激されたからと言って、ロボットとしての機能に損傷が出るわけではないのだから…
くに、くに…
「う…ああ…ああ」
綾香のしなやかな指が煽るようにセリオの中を動く。前に入れられたローターの悩ましい快感と、肉棒を綾香が舐めるとろけるような快感が合わさって、そこに狂おしい指責めの快感が加わる。
「あ、綾香様…もう…私は…」
セリオの体の中に、何か強烈なエネルギーが溜め込まれるような感覚が生まれる。一瞬セリオはオーバーヒートしそうなのかと思ったが、そうではない。溜め込まれているのは、セリオの中に抑えておくことが出来なくなって爆発しそうになっている快感だ。
「う…うう」
体をよがらせながらセリオがか細い声を出す。普段は何の感慨も与えないセリオの声も、切なそうに息を吐き出す唇から高いトーンで生まれてくると実にいじらしく、色っぽい響きを持つ。
ぐちゅ、ぐちゅ、ぐちゅ…
ぐに、ぐにっ。
「あっ…はぁんっ…ああああああっ…!」
最後に、綾香が唇と指を思い切り動かしてセリオにとどめを刺した。ローターの振動に下支えされた快感が、一気にボーダーを越えて跳ね上がる。
どぴゅっ! びゅっ、びゅるっ、びゅるっ、びゅるるっ…
「あっ、あっ、あっ、あっ、ああーっ…」
「!!」
綾香の口の中に、あふれんばかりの白濁液が放出された。
びゅっ、びゅくっ、びゅぅっ、びゅ…
「あっ……あっ…ああぁ…」
脱力しきったセリオの声。
「…っは…」
綾香は口元からおびただしい白濁液を垂らし、顔のあちこちに白濁液の放射の直撃を受けた状態だった。途中で飲み込むのを諦めて口を離したが、速いペースの脈動から逃げる事はとてもできなかったのだ。
「あ、綾香様…申し訳有りません…」
「い、いいのいいの…少し量を増やしすぎちゃったかな…こんなに出るなんて思わなかった…」
「量を…?」
「関係ない関係ない。セリオが感じてる顔を見られたからいいわよ。やっぱり何をしても反応がないのより、こっちの方がずっと面白いし」
綾香は少し舌っ足らずな声で言いながらティッシュの箱を取ってきて、口元や顔をぬぐっていった。
「ふふ、まだこんなに立ってる…ローター入れっぱなしだからね…今度は、どうしよっか…」
そう言いながら、綾香はセリオの頬を撫でる。
「綾香様…」
セリオは戸惑いを浮かべた声を出しつつも、綾香の事を熱さを感じさせる目で見ていた。
(10/16続きですね)
…ぽたっ。
…ぽた…
誰もいない楽屋に、秘やかな水滴の音が響く。静かな水面を叩いて、その水面の下にゆらゆらと混ざり合っていく音だ。水面も、水滴も、共に透明。そして水面は、それほど大きくない容器の中に閉じこめられている。
弥生の手にしたスポイトから垂れ落ちる雫は、極めて静謐な形で容器の中の液体に交じり、その痕跡を失っていった。スポイトの中にある液体が全て水面の中に混ざってしまっても、混ざる前と全く変わった様子はない。
「………」
手にしたスポイトをハンドバッグの中にしまい、弥生は何事もなかったかのようにねじ式になった容器のフタを閉めていった。フタの先がストロー状になっていて、そのまま中身を飲めるタイプの軽い水筒だ。白地に、スポーツドリンクの商品名とメーカーの名前が青い文字で印刷してある。
…きゅ。
最後までフタを閉めてしまうと、テーブルの上に乗っていたその水筒は、弥生がこの部屋に入ってくる前と全く同じ状態になってしまった。恐らく、弥生が手を触れたと言うことに誰も気づく事はできないだろう。
強いて言えば、スポイトの中の水滴にはかすかに匂いがついているというのが微細な痕跡かもしれない。しかしそんなものは、スポーツドリンクのほのかに甘く酸味をもった香りの中へと完全に混ざり込んでしまっていた。
コツ、コツ…
ハンドバッグを手にし、ヒールの音を響かせて、弥生は楽屋の入り口に歩いていく。いつも通りの、無機質な歩き方だ。
…がちゃ。
「…あ」
「あら…」
その時、不意にドアが開く。その向こうから、ステージ衣装に身を包んだ理奈が顔を出していた。
「緒方さん、収録では?」
「…次の収録の予定が押しているから一度帰ってきたんです。篠塚さんは?」
「由綺さんの忘れ物を取りに参りまして」
弥生はハンドバッグから、小さな髪留めをのぞかせて理奈に示す。
「今日は由綺、後ろで縛っているはずじゃ」
「いえ、これは由綺さんの私物です」
「…そうですか」
理奈はそう言うと、弥生の横をすり抜けて楽屋の中に入っていく。理奈の手にした、テーブルの上に乗っているのと全く同じ型の水筒はカラカラとストローの揺れる音を立てていた。空になっているのは間違いない。
…きぃっ…
少し乱暴に理奈が押し出したドア。そのノブを弥生は滑らかにつかんで開き、その隙間から楽屋の外に消えていった。
…かちゃん。
微かな音を立てて、楽屋のドアは綺麗に閉まった。
カンッ…
照明がほとんど落ちた、暗がりに満ちたスタジオ。
そこに、決定的な意志を感じさせる強い足音が響いた。恐らく普通のスニーカーか何かのゴム底なのだろうが、あまりに沈黙に支配されている闇の中ではそんな音でも極めて硬質に、固く響く。防音の設備が整えられているスタジオの中なのに、とても大きく響く。
また、その音がこの暗がりの中で唯一ライトの当たっている辺りから響いてきたという事も、その音の意志性を強く感じさせるのに一役買っていた。明と暗をきっちりと分けるには程遠い、やんわりとした暖色系の光。それがひとつだけ、一段高くなったステージの横を照らしている。
その音が闇の中に消えていくのに合わせて、光の中で二人の人間が向き合った。
背丈からすれば、片方が男でもう片方が女。二人とも、このステージが昼間扱われているような華やかさを感じさせる服装ではなく、趣味の良さは感じさせるものの普段着と言って間違いない服を着ていた。
冬弥と、理奈だった。
『………』
少しずつ冬弥が顔を理奈に近づけていくのに合わせて、理奈の目が閉じていく。その理奈の唇に冬弥はそっと己の唇を合わせた。
しばしの間、二人は無音的に口づけ合う。時が止まったような、静かで落ち着いたキスだった。だがそれはゆるやかに崩れ、理奈が冬弥の背中に手を回し、冬弥が理奈の背中に手を回しする間に二人の情熱が高まっていく。より深く唇が重なり合い、わずかながら冬弥の舌が理奈の唇の間に差し込まれて蠢く。
そうされると、理奈は鼻腔から感極まったような呼吸を漏らした。腕に入れた力が抜けて、ややもすると膝からかくんと崩れ落ちてしまいそうだ。そんな理奈を、冬弥はよりしっかりと支えてさらに深く舌を差し込んでいった。
冬弥の舌はぎごちないながらも積極的に理奈の舌をなぶり、腕は力強く理奈の背中を抱きしめる。無我夢中のままのディープ・キッスだったが、理奈は完全にその虜になってしまったようだった。普段の気の強さなど、全く感じさせないほどに弱々しい瞳が揺れる。
「…んはぁ…」
長いキスを終えて唇を離すと、冬弥は何か大仕事をしたかのようなため息をついた。
「…はっ…! はっ…! はぁっ…!」
そして理奈は、それとは比べ物にならないほどに呼吸を荒くしていた。泣きかけているかのような、かすれた速い吐息が冬弥の心を打つ。それに加えて、冬弥の腹の辺りには理奈の心臓の鼓動が激しく響いてきていた。
冬弥は、思わず少し乱暴な手つきで理奈のスカートに手を伸ばしてしまう。
「…あっ」
理奈が、一瞬身体を引いた。
「…ご、ごめん」
冬弥も、我に返ったような声を出して身を引いてしまう。
「い、いいの。ごめんなさい…」
だが理奈は謝りながら、自分の体を冬弥の体に押しつけた。そのまま、求める瞳で冬弥の事を見上げる。
「…嫌だったら、言ってよ」
冬弥は、今度は少し冷静な手つきで理奈のスカートの裾に手を伸ばし、そこからまくり上げるようにして手を侵入させる。
ぴと…
「…あ…!」
目測で動いているために、イレギュラーな動きをする冬弥の手。それが太股の部分に触れると、理奈は冬弥が少し驚いてしまうほどに脚を痙攣させた。
「大丈夫だから…理奈ちゃん、大丈夫だから」
「う、うん」
冬弥は言って、そのまま太股に張りついた手をゆっくり上にスライドさせていく。そこをたどっていけば、目的の箇所に間違いなくたどりつけるという確信があった。
「…あ。………あ…」
理奈はその冬弥の動きに、脚をもじもじと動かす。
「大丈夫、だよね?」
「う、うんっ…」
冬弥の声に、理奈はかくかくと首を縦に振る。何かを怖がっているかのようなその理奈の反応を訝しがりながらも、冬弥は理奈がこういう事に慣れていないのだと思って納得した。
…ふにゅっ。
「!!」
「あっ」
その時、冬弥の手に柔らかい生地で包まれた、さらに柔らかな部分の感触が生まれる。いつの間にか、理奈の脚の付け根までに到達していたのだ。
じゅん…っ
「…え?」
「あ、あっ…いやああぁ…」
生暖かい、湿った感触。冬弥は自分の指の先に生まれたそれを理解するのに、かなりの時間を要した。
「ち…違うの…私…なんだか…」
「り、理奈ちゃん、落ち着いてよ」
「違うの。私、こんなじゃない…なんで…」
理奈は唇を噛みしめながら、肩を震わせている。目からは涙があふれそうになっていたが、吐息は相変わらず荒いままで、頬は弱い照明の中でもはっきりわかるほどに紅に染まっていた。
「…大丈夫。俺を信じて、理奈ちゃん」
何を信じさせるのか自分でもわからなかったが、冬弥はできる限り強さを感じさせる口調で言う。
「………うん…」
理奈はうつむいてしまったが、それでもかすかにうなずいた。
「ねぇ、自分で…脱げる?」
「え…」
「俺が…やってもいいんだけど…」
冬弥は言いにくそうに言った。
「…わかったわ」
理奈の声に、冬弥はいったん背中に回していた腕と、濡れたショーツから少しだけ退いていた指を戻して理奈の体から離れる。
…しゅるっ。
照明の中央から少し離れた所で、理奈がスカートの中からショーツを脱ぐ。程良く装飾がほどこされた乳白色のそれから目をそらしながら、理奈はショーツを半分に畳んでステージの上に置いた。それから、降り積もった落ち葉のような色をした厚めの生地のスカートを脱いでいく。
おそらく、ショーツを先に脱いだのは、明らかに一部分が変色して理奈の反応を露骨に示している下着がはっきり見えてしまう事を恐れたからだろう。ぴったりと体にフィットした下着は、スカートを脱いだ状態では液体がどのような形で付着したのかを明白に示してしまうはずだ。
…ぱた…
理奈はスカートも畳むと、濡れたショーツの上に重ねた。隠そうとしている意図は明らかと言える。
「…こ、これでいい?」
暗がりの方から、前の部分を隠して理奈は問う。
「うん…理奈ちゃん、座って、それで床に手をついてくれる?」
「…え…」
「い、いや、その方が服が汚れないだろうし、それに…」
「うん…」
「理奈ちゃん、こういうコトするの…」
「は、はじめて…なの」
冬弥の声に、理奈は顔をさらに赤くしながらもすぐうなずいた。まるで、冬弥が別の判断を示すのを怖がっているかのようだ。
「う、うん、そういう時は、後ろからの方がいいんだって聞いたことあるから…ウソかもしれないけどさ…」
「あ、あ…そ、そうなんだ」
「理奈ちゃんがいやだったらいいんだけど」
「う、ううん、わかった、そうするわ」
こくり、とうなずいて、こくんと唾を飲み込む。
そして理奈は明かりからやや遠ざかった位置のまま、冬弥に背を向けて、膝を立てて床に座った。そのまま、体を前に少しずつ倒して、腕を前についた四つん這いの体勢になる。
「こ、こう…?」
「うん…」
両脚をぴったりと閉じた理奈の体は、位置関係の差もあってとても小さく儚いものに見えた。それだけに、突き出された丸いヒップの露出はエロティックな物として冬弥の視界に飛び込んでくる。
冬弥はそれを見ながら、自分のペニスを隠している着衣を手際よく取り去っていった。金具や衣擦れのかすかな音を、理奈はどんな風に聞いているのか。あまりにも弱々しく見える理奈の肢体は、冬弥にそれを想像させる事を拒んでいた。
「理奈ちゃん…少しだけ、脚、開ける…?」
暗がりの中に冬弥もまた足を踏み出して、そう訊く。
「…こ………これ…くらい…?」
ほんの少し、指が一本通るか通らないかといった広さにだけ、理奈が脚を開く。
冬弥も不十分だとは思ったが、それ以上理奈に要求するのは酷だと思い、理奈の後ろに座るような体勢から指を伸ばしていく。
くにゅっ。
「あ…」
弾力のある太股の隙間を通過すると、理奈が息を吐き出した。
そのまま、指をもっと伸ばして、理奈の恥丘の膨らみを触りにいく。
「あっ…ああっ…!」
指一本の長さで何とか到達できるところまで伸ばして、揺さぶるように動かすと熱く潤った部分を指がかすめた。
…ちゅ…ちゅく
冬弥は指を何回か跳ね上げて、そこを叩くように刺激しながら理奈の力が抜けるのを誘う。案の定、理奈はすぐに脚に入れる力を失って、冬弥の手全体が脚の間を通るのをやすやすと許した。
ちゅく…ちゅくちゅくっ、くちゅんっ
「い、いやああ…やだ…恥ずかしい…」
ヘアの間から侵入した指が秘裂の中をかき回すと、あふれかえるような水音が立つ。何も知らない冬弥が指を動かしているだけだと言うのに、理奈の割れ目の中はお湯のようにどろどろと溶けてしまっていた。理奈は悲痛な声を上げながら、自分の痴態に涙する。
「も、もう、いい?」
「…はっ、はぁっ、はぁぁぁっ…はぁっ」
冬弥は指を止めて訊くが、理奈はしばらくの間呼吸を整えるだけで精一杯といった様子だった。
「こほっ…はぁ…う、うん…いい…」
「…じゃあ。いくよ」
そう言いながら、冬弥はペニスを理奈の濡れそぼった部分に近づけていく。全体が濡れに濡れてしまっているために入り口を探すのは一苦労だったが、今の愛撫の間に冬弥は何とか肉の隙間らしき物を淡い光の中に見つけだすことができていた。
ぬちゅ。
先端が当てられただけで、理奈の秘部は濡れた音を立てる。
「力、抜いてね」
「うん…」
数秒間、理奈の熱い呼吸が暗闇の中にただ響きわたった。
…ぬぢゅっ…!
「う…んっ」
ふんだんな熱い潤いの中にペニスが侵入していくと、理奈が小さくうめく。
「力、抜いて…」
ぬぢゅ…ぬぢゅぅっ…ぢゅ
「あっ…あっ…あっ!」
理奈の声がソプラノに高まり、そして鋭く裏返った。
「あ…ああ…ああぁぁっ…ぁ…」
脱力した理奈の声、潤いの中を伝う確かな赤い筋。理奈は確かに処女だった。それを、冬弥に今捧げた。
「…痛かったでしょ…ごめん」
「だ、大丈夫…冬弥君、好きに動いて…」
「…ごめん」
冬弥はもう一度謝ってから、ペニスを半分まで抜いて、再び差し込んだ。
ぬぢゅ…ぢゅぐっ
重く愛液と破瓜の血液が絡み合い、理奈のヴァギナの中を脈流のように駆け巡る。理奈は小さい悲鳴を上げた。
「痛い…でしょ?」
「…うん…少し」
「我慢しててね…速く終わるようにするから」
ぬぢゅっ、ぢゅぐっ、ぬぢゅっ…
冬弥は心を痛ませつつも、理奈の腰をぎゅっとつかんで腰を前後に動かし始めた。
「う…あ…ああ」
理奈はうめきともため息ともつかない、詰まった声を漏らす。冬弥はそれを気にすることなく、自らのペニスがより強く刺激を感じるように動くことにした。どのように動けば痛みが薄れるかという知識がない以上、そうするしかなかったのだ。
「理奈ちゃん…痛いよね。俺は、すごく気持ちよくなっちゃったけど…」
「い、いいの…大丈夫だから」
理奈の声が、体全体を揺さぶられて少し震えていた。
ぐぢゅっ、ぐちゅ…
「う…理奈ちゃん…」
実際、理奈のヴァギナ中は女性の体を初めて感じる冬弥にも、大きな魅力を感じさせるほど快感だった。処女のためか狭く、締め付けがきついのにあふれてくる粘液はとてつもなく豊富で、尽きる事を知らない。それが、美しく才気に富んだ理奈の体の中なのだと思うだけでも冬弥は激しい興奮を覚えた。
「と、冬弥君…私…私っ…」
あっという間に射精感まで導かれてしまった冬弥に、理奈が叫ぶ。
「冬弥君が、好きっ…! 本当に、どうしようもないくらいに好きっ…信じて…!」
「理奈ちゃん…俺も…愛しているっ…」
情熱的な理奈の声が、冬弥をさらに高ぶらせ、激しく理奈の中を衝く動きをもたらした。
「あっ、あああああーっ…ず、ずっと…ずーっと、一緒にいたいの…だから…こんな私でも、嫌いにならないで…お願いっ…! 好きなの…! 冬弥君が、好きなの…!!」
「俺も…ずっと理奈ちゃんを愛しているっ…!!」
「ああっ…もう…わからないっ…冬弥君、好き…! 好き、大好…き…」
理奈の中が、ぎゅうううっと強烈に締まる。
ビクッ…ビクゥッ…ビクン…!
知性と美を兼ね揃えた相貌が快感に乱れ、すらりとしたヴァージンの肢体が勢い良く飛び跳ねる。理奈は、はじけ飛ぶような激しい絶頂を迎えていた。
…びゅっ、びゅっ…びゅ
その締め付けに耐えきれず、冬弥もまた理奈の中に放出する。
「はぁ…はぁ…」
「うっ…ひくっ…うぅっ…」
理奈は、未だにピクピクと全身を震わせながらしゃくりあげるような音を出していた。冬弥はその中にペニスを入れたまま、感慨と憂いに浸っていた。その感慨のひとつには、処女の理奈をイカせてしまったという事実があったのには間違いない。
それを「緒方理奈」をイカせたという事実にすり替えるという甘美な誘惑を、冬弥は必死に諌めていた。
…かしゃっ。
小型のヴィデオ・カメラの中から、テープが取り出される。
闇の中で、弥生はペンライトの明かりを頼りにそのテープをケースに閉まった。そして、闇の中でわずかに口の端をゆがめて、笑みを浮かべる。
コツ、コツ、コツ…
暗いスタジオの中で、あまりに純粋な靴音とでも言うべき物を響かせて、弥生は特殊なヴィデオ・カメラの見聞きしたものを大切そうにハンドバッグの中にしまった。
…ぽたっ。
…ぽた…
誰もいない楽屋に、秘やかな水滴の音が響く。静かな水面を叩いて、その水面の下にゆらゆらと混ざり合っていく音だ。水面も、水滴も、共に透明。そして水面は、それほど大きくない容器の中に閉じこめられている。
弥生の手にしたスポイトから垂れ落ちる雫は、極めて静謐な形で容器の中の液体に交じり、その痕跡を失っていった。スポイトの中にある液体が全て水面の中に混ざってしまっても、混ざる前と全く変わった様子はない。
「………」
手にしたスポイトをハンドバッグの中にしまい、弥生は何事もなかったかのようにねじ式になった容器のフタを閉めていった。フタの先がストロー状になっていて、そのまま中身を飲めるタイプの軽い水筒だ。白地に、スポーツドリンクの商品名とメーカーの名前が青い文字で印刷してある。
…きゅ。
最後までフタを閉めてしまうと、テーブルの上に乗っていたその水筒は、弥生がこの部屋に入ってくる前と全く同じ状態になってしまった。恐らく、弥生が手を触れたと言うことに誰も気づく事はできないだろう。
強いて言えば、スポイトの中の水滴にはかすかに匂いがついているというのが微細な痕跡かもしれない。しかしそんなものは、スポーツドリンクのほのかに甘く酸味をもった香りの中へと完全に混ざり込んでしまっていた。
コツ、コツ…
ハンドバッグを手にし、ヒールの音を響かせて、弥生は楽屋の入り口に歩いていく。いつも通りの、無機質な歩き方だ。
…がちゃ。
「…あ」
「あら…」
その時、不意にドアが開く。その向こうから、ステージ衣装に身を包んだ理奈が顔を出していた。
「緒方さん、収録では?」
「…次の収録の予定が押しているから一度帰ってきたんです。篠塚さんは?」
「由綺さんの忘れ物を取りに参りまして」
弥生はハンドバッグから、小さな髪留めをのぞかせて理奈に示す。
「今日は由綺、後ろで縛っているはずじゃ」
「いえ、これは由綺さんの私物です」
「…そうですか」
理奈はそう言うと、弥生の横をすり抜けて楽屋の中に入っていく。理奈の手にした、テーブルの上に乗っているのと全く同じ型の水筒はカラカラとストローの揺れる音を立てていた。空になっているのは間違いない。
…きぃっ…
少し乱暴に理奈が押し出したドア。そのノブを弥生は滑らかにつかんで開き、その隙間から楽屋の外に消えていった。
…かちゃん。
微かな音を立てて、楽屋のドアは綺麗に閉まった。
カンッ…
照明がほとんど落ちた、暗がりに満ちたスタジオ。
そこに、決定的な意志を感じさせる強い足音が響いた。恐らく普通のスニーカーか何かのゴム底なのだろうが、あまりに沈黙に支配されている闇の中ではそんな音でも極めて硬質に、固く響く。防音の設備が整えられているスタジオの中なのに、とても大きく響く。
また、その音がこの暗がりの中で唯一ライトの当たっている辺りから響いてきたという事も、その音の意志性を強く感じさせるのに一役買っていた。明と暗をきっちりと分けるには程遠い、やんわりとした暖色系の光。それがひとつだけ、一段高くなったステージの横を照らしている。
その音が闇の中に消えていくのに合わせて、光の中で二人の人間が向き合った。
背丈からすれば、片方が男でもう片方が女。二人とも、このステージが昼間扱われているような華やかさを感じさせる服装ではなく、趣味の良さは感じさせるものの普段着と言って間違いない服を着ていた。
冬弥と、理奈だった。
『………』
少しずつ冬弥が顔を理奈に近づけていくのに合わせて、理奈の目が閉じていく。その理奈の唇に冬弥はそっと己の唇を合わせた。
しばしの間、二人は無音的に口づけ合う。時が止まったような、静かで落ち着いたキスだった。だがそれはゆるやかに崩れ、理奈が冬弥の背中に手を回し、冬弥が理奈の背中に手を回しする間に二人の情熱が高まっていく。より深く唇が重なり合い、わずかながら冬弥の舌が理奈の唇の間に差し込まれて蠢く。
そうされると、理奈は鼻腔から感極まったような呼吸を漏らした。腕に入れた力が抜けて、ややもすると膝からかくんと崩れ落ちてしまいそうだ。そんな理奈を、冬弥はよりしっかりと支えてさらに深く舌を差し込んでいった。
冬弥の舌はぎごちないながらも積極的に理奈の舌をなぶり、腕は力強く理奈の背中を抱きしめる。無我夢中のままのディープ・キッスだったが、理奈は完全にその虜になってしまったようだった。普段の気の強さなど、全く感じさせないほどに弱々しい瞳が揺れる。
「…んはぁ…」
長いキスを終えて唇を離すと、冬弥は何か大仕事をしたかのようなため息をついた。
「…はっ…! はっ…! はぁっ…!」
そして理奈は、それとは比べ物にならないほどに呼吸を荒くしていた。泣きかけているかのような、かすれた速い吐息が冬弥の心を打つ。それに加えて、冬弥の腹の辺りには理奈の心臓の鼓動が激しく響いてきていた。
冬弥は、思わず少し乱暴な手つきで理奈のスカートに手を伸ばしてしまう。
「…あっ」
理奈が、一瞬身体を引いた。
「…ご、ごめん」
冬弥も、我に返ったような声を出して身を引いてしまう。
「い、いいの。ごめんなさい…」
だが理奈は謝りながら、自分の体を冬弥の体に押しつけた。そのまま、求める瞳で冬弥の事を見上げる。
「…嫌だったら、言ってよ」
冬弥は、今度は少し冷静な手つきで理奈のスカートの裾に手を伸ばし、そこからまくり上げるようにして手を侵入させる。
ぴと…
「…あ…!」
目測で動いているために、イレギュラーな動きをする冬弥の手。それが太股の部分に触れると、理奈は冬弥が少し驚いてしまうほどに脚を痙攣させた。
「大丈夫だから…理奈ちゃん、大丈夫だから」
「う、うん」
冬弥は言って、そのまま太股に張りついた手をゆっくり上にスライドさせていく。そこをたどっていけば、目的の箇所に間違いなくたどりつけるという確信があった。
「…あ。………あ…」
理奈はその冬弥の動きに、脚をもじもじと動かす。
「大丈夫、だよね?」
「う、うんっ…」
冬弥の声に、理奈はかくかくと首を縦に振る。何かを怖がっているかのようなその理奈の反応を訝しがりながらも、冬弥は理奈がこういう事に慣れていないのだと思って納得した。
…ふにゅっ。
「!!」
「あっ」
その時、冬弥の手に柔らかい生地で包まれた、さらに柔らかな部分の感触が生まれる。いつの間にか、理奈の脚の付け根までに到達していたのだ。
じゅん…っ
「…え?」
「あ、あっ…いやああぁ…」
生暖かい、湿った感触。冬弥は自分の指の先に生まれたそれを理解するのに、かなりの時間を要した。
「ち…違うの…私…なんだか…」
「り、理奈ちゃん、落ち着いてよ」
「違うの。私、こんなじゃない…なんで…」
理奈は唇を噛みしめながら、肩を震わせている。目からは涙があふれそうになっていたが、吐息は相変わらず荒いままで、頬は弱い照明の中でもはっきりわかるほどに紅に染まっていた。
「…大丈夫。俺を信じて、理奈ちゃん」
何を信じさせるのか自分でもわからなかったが、冬弥はできる限り強さを感じさせる口調で言う。
「………うん…」
理奈はうつむいてしまったが、それでもかすかにうなずいた。
「ねぇ、自分で…脱げる?」
「え…」
「俺が…やってもいいんだけど…」
冬弥は言いにくそうに言った。
「…わかったわ」
理奈の声に、冬弥はいったん背中に回していた腕と、濡れたショーツから少しだけ退いていた指を戻して理奈の体から離れる。
…しゅるっ。
照明の中央から少し離れた所で、理奈がスカートの中からショーツを脱ぐ。程良く装飾がほどこされた乳白色のそれから目をそらしながら、理奈はショーツを半分に畳んでステージの上に置いた。それから、降り積もった落ち葉のような色をした厚めの生地のスカートを脱いでいく。
おそらく、ショーツを先に脱いだのは、明らかに一部分が変色して理奈の反応を露骨に示している下着がはっきり見えてしまう事を恐れたからだろう。ぴったりと体にフィットした下着は、スカートを脱いだ状態では液体がどのような形で付着したのかを明白に示してしまうはずだ。
…ぱた…
理奈はスカートも畳むと、濡れたショーツの上に重ねた。隠そうとしている意図は明らかと言える。
「…こ、これでいい?」
暗がりの方から、前の部分を隠して理奈は問う。
「うん…理奈ちゃん、座って、それで床に手をついてくれる?」
「…え…」
「い、いや、その方が服が汚れないだろうし、それに…」
「うん…」
「理奈ちゃん、こういうコトするの…」
「は、はじめて…なの」
冬弥の声に、理奈は顔をさらに赤くしながらもすぐうなずいた。まるで、冬弥が別の判断を示すのを怖がっているかのようだ。
「う、うん、そういう時は、後ろからの方がいいんだって聞いたことあるから…ウソかもしれないけどさ…」
「あ、あ…そ、そうなんだ」
「理奈ちゃんがいやだったらいいんだけど」
「う、ううん、わかった、そうするわ」
こくり、とうなずいて、こくんと唾を飲み込む。
そして理奈は明かりからやや遠ざかった位置のまま、冬弥に背を向けて、膝を立てて床に座った。そのまま、体を前に少しずつ倒して、腕を前についた四つん這いの体勢になる。
「こ、こう…?」
「うん…」
両脚をぴったりと閉じた理奈の体は、位置関係の差もあってとても小さく儚いものに見えた。それだけに、突き出された丸いヒップの露出はエロティックな物として冬弥の視界に飛び込んでくる。
冬弥はそれを見ながら、自分のペニスを隠している着衣を手際よく取り去っていった。金具や衣擦れのかすかな音を、理奈はどんな風に聞いているのか。あまりにも弱々しく見える理奈の肢体は、冬弥にそれを想像させる事を拒んでいた。
「理奈ちゃん…少しだけ、脚、開ける…?」
暗がりの中に冬弥もまた足を踏み出して、そう訊く。
「…こ………これ…くらい…?」
ほんの少し、指が一本通るか通らないかといった広さにだけ、理奈が脚を開く。
冬弥も不十分だとは思ったが、それ以上理奈に要求するのは酷だと思い、理奈の後ろに座るような体勢から指を伸ばしていく。
くにゅっ。
「あ…」
弾力のある太股の隙間を通過すると、理奈が息を吐き出した。
そのまま、指をもっと伸ばして、理奈の恥丘の膨らみを触りにいく。
「あっ…ああっ…!」
指一本の長さで何とか到達できるところまで伸ばして、揺さぶるように動かすと熱く潤った部分を指がかすめた。
…ちゅ…ちゅく
冬弥は指を何回か跳ね上げて、そこを叩くように刺激しながら理奈の力が抜けるのを誘う。案の定、理奈はすぐに脚に入れる力を失って、冬弥の手全体が脚の間を通るのをやすやすと許した。
ちゅく…ちゅくちゅくっ、くちゅんっ
「い、いやああ…やだ…恥ずかしい…」
ヘアの間から侵入した指が秘裂の中をかき回すと、あふれかえるような水音が立つ。何も知らない冬弥が指を動かしているだけだと言うのに、理奈の割れ目の中はお湯のようにどろどろと溶けてしまっていた。理奈は悲痛な声を上げながら、自分の痴態に涙する。
「も、もう、いい?」
「…はっ、はぁっ、はぁぁぁっ…はぁっ」
冬弥は指を止めて訊くが、理奈はしばらくの間呼吸を整えるだけで精一杯といった様子だった。
「こほっ…はぁ…う、うん…いい…」
「…じゃあ。いくよ」
そう言いながら、冬弥はペニスを理奈の濡れそぼった部分に近づけていく。全体が濡れに濡れてしまっているために入り口を探すのは一苦労だったが、今の愛撫の間に冬弥は何とか肉の隙間らしき物を淡い光の中に見つけだすことができていた。
ぬちゅ。
先端が当てられただけで、理奈の秘部は濡れた音を立てる。
「力、抜いてね」
「うん…」
数秒間、理奈の熱い呼吸が暗闇の中にただ響きわたった。
…ぬぢゅっ…!
「う…んっ」
ふんだんな熱い潤いの中にペニスが侵入していくと、理奈が小さくうめく。
「力、抜いて…」
ぬぢゅ…ぬぢゅぅっ…ぢゅ
「あっ…あっ…あっ!」
理奈の声がソプラノに高まり、そして鋭く裏返った。
「あ…ああ…ああぁぁっ…ぁ…」
脱力した理奈の声、潤いの中を伝う確かな赤い筋。理奈は確かに処女だった。それを、冬弥に今捧げた。
「…痛かったでしょ…ごめん」
「だ、大丈夫…冬弥君、好きに動いて…」
「…ごめん」
冬弥はもう一度謝ってから、ペニスを半分まで抜いて、再び差し込んだ。
ぬぢゅ…ぢゅぐっ
重く愛液と破瓜の血液が絡み合い、理奈のヴァギナの中を脈流のように駆け巡る。理奈は小さい悲鳴を上げた。
「痛い…でしょ?」
「…うん…少し」
「我慢しててね…速く終わるようにするから」
ぬぢゅっ、ぢゅぐっ、ぬぢゅっ…
冬弥は心を痛ませつつも、理奈の腰をぎゅっとつかんで腰を前後に動かし始めた。
「う…あ…ああ」
理奈はうめきともため息ともつかない、詰まった声を漏らす。冬弥はそれを気にすることなく、自らのペニスがより強く刺激を感じるように動くことにした。どのように動けば痛みが薄れるかという知識がない以上、そうするしかなかったのだ。
「理奈ちゃん…痛いよね。俺は、すごく気持ちよくなっちゃったけど…」
「い、いいの…大丈夫だから」
理奈の声が、体全体を揺さぶられて少し震えていた。
ぐぢゅっ、ぐちゅ…
「う…理奈ちゃん…」
実際、理奈のヴァギナ中は女性の体を初めて感じる冬弥にも、大きな魅力を感じさせるほど快感だった。処女のためか狭く、締め付けがきついのにあふれてくる粘液はとてつもなく豊富で、尽きる事を知らない。それが、美しく才気に富んだ理奈の体の中なのだと思うだけでも冬弥は激しい興奮を覚えた。
「と、冬弥君…私…私っ…」
あっという間に射精感まで導かれてしまった冬弥に、理奈が叫ぶ。
「冬弥君が、好きっ…! 本当に、どうしようもないくらいに好きっ…信じて…!」
「理奈ちゃん…俺も…愛しているっ…」
情熱的な理奈の声が、冬弥をさらに高ぶらせ、激しく理奈の中を衝く動きをもたらした。
「あっ、あああああーっ…ず、ずっと…ずーっと、一緒にいたいの…だから…こんな私でも、嫌いにならないで…お願いっ…! 好きなの…! 冬弥君が、好きなの…!!」
「俺も…ずっと理奈ちゃんを愛しているっ…!!」
「ああっ…もう…わからないっ…冬弥君、好き…! 好き、大好…き…」
理奈の中が、ぎゅうううっと強烈に締まる。
ビクッ…ビクゥッ…ビクン…!
知性と美を兼ね揃えた相貌が快感に乱れ、すらりとしたヴァージンの肢体が勢い良く飛び跳ねる。理奈は、はじけ飛ぶような激しい絶頂を迎えていた。
…びゅっ、びゅっ…びゅ
その締め付けに耐えきれず、冬弥もまた理奈の中に放出する。
「はぁ…はぁ…」
「うっ…ひくっ…うぅっ…」
理奈は、未だにピクピクと全身を震わせながらしゃくりあげるような音を出していた。冬弥はその中にペニスを入れたまま、感慨と憂いに浸っていた。その感慨のひとつには、処女の理奈をイカせてしまったという事実があったのには間違いない。
それを「緒方理奈」をイカせたという事実にすり替えるという甘美な誘惑を、冬弥は必死に諌めていた。
…かしゃっ。
小型のヴィデオ・カメラの中から、テープが取り出される。
闇の中で、弥生はペンライトの明かりを頼りにそのテープをケースに閉まった。そして、闇の中でわずかに口の端をゆがめて、笑みを浮かべる。
コツ、コツ、コツ…
暗いスタジオの中で、あまりに純粋な靴音とでも言うべき物を響かせて、弥生は特殊なヴィデオ・カメラの見聞きしたものを大切そうにハンドバッグの中にしまった。
(レアキャラを探す旅は尽きませんねヽ(´ー`)ノ)
「いっ…いやっ!!」
美和子が身体を後ろに引く。
…どっ。
「あ、あ、あっ…」
そのままクリアケースを抱えて逃げようとするが、美和子はあまりの動揺のために足を自分の足に引っかけてしまった。尻もちを突く形で床に転がり、
ばさっ…ばさばさっ
はずみで床に落っこちたクリアケースから、クリップやホチキスで留められた書類がばらばらと散らばった。反射的に、美和子はそれを拾い集めようとしてしまう。生真面目な性格がさせた一瞬の行動だ。
たっ。
美和子の顔のすぐ前に、上履きが床を踏む乾いた音が叩きつけられる。
「…ひっ」
顔を上げ、冷たい月島の目を見つめ、美和子は恐れを口にした。背後は壁。右も左も壁。生徒会室の隅に完全に追い込まれている。
「駄目だね。判断に迷いがあるから失敗する。直感で動かなくちゃいけない時もある」
コツ、と革靴のような音を立てながら月島がさらに一歩を踏み出す。履いているのはただの上履きのはずだが、そういう音を立てるような歩き方があるのだ。もちろん、それは月島の醸し出す威圧的な雰囲気がなければ成立しない音なのだろう。普段の柔和な様子から豹変した表情、低い声、適度に勿体ぶった仕草。とても美和子には真似できないような代物だ。
「学校の勉強だけでは不十分な事もあるわけだ。長瀬先生は良い事を言うよ。君達も今教わっているだろう? 僕も去年は長瀬先生の授業だったからね」
「………」
世間話のような会話が、何かの呪文のように美和子の身体を呪縛していく。
「桂木さんも、学年で1番を取るだけで満足していちゃいけない。それに現代文の成績は他に比べれば今ひとつ芳しくない。桂木さんにも、もっと瑞々しい感性が必要だと僕は思う。その点で言えば、吉田さんは優秀だ」
「………由紀ちゃん…ですか…?」
突然出てきた生徒会のメンバーの名に、美和子は小さい声で問い返した。
「他の教科は今ひとつでも、国語の授業では良い成績を残している。いつも生徒会の仕事ばかりしていて、勉強はあまりしていないようだけれどね。なぜだと思う?」
「え…あ…あ…か、感性ですか?」
「そうだね。桂木さんも、記憶力を生かしたオウム返しは一流だ」
「あ、は、はい…すいません」
美和子は思わず謝っていた。
「そう、そうやって人に逆らわないのも桂木さんの特技だね」
「………」
「自分がどうしたら人が反応するのかをよくわきまえている。例えばこの三つ編み…」
「あ…!」
月島は手を伸ばして、美和子の髪を無遠慮に撫でる。
「時代遅れだと自分でも思っているんだろうけど、こういうイメージが先生や家族に喜ばれる事をよく知っている。クラスメイトからも、特に良くも悪くも思われない、ただの地味な女の子で済ましてもらえる事を知っている」
「べ、別に、そんなつもりじゃっ…!」
「僕はこの学校で…いや、知っている高校生で、君以外にこんな髪型にしている子を見たことはないよ」
「こ、こうすると髪の毛が伸びても楽だし、切るときにもあまり気にしなくていいんですっ!」
「早いうちにお母さんをなくして、お父さんも実家の方からの借金が大変らしいね」
「………!!」
「地域社会というのは狭い物だよ。本当にうんざりするくらいにね」
「…そっ…それでっ…」
美和子の声が震え始めていた。
「それで、私に何をしようと言うんですか…!?」
最初の、部屋の隅に追い込まれた時の動揺とは違う、歯がみしたくなるような震えだ。普段はほとんど出さない感情を剥き出しにして、美和子は月島の顔をにらみつけていた。同情を買うことには慣れている。同情だけで、実質的な支援を何もしてもらえない事にも慣れている。今の世の中とはそういう物だと、小学生の時から美和子は自分に言い聞かせてきたものだ。
しかし、面と向かって自分の不幸を口にされると言う屈辱を味わったのは生まれて初めてだった。
「そう怖い顔をするもんじゃないよ。僕は桂木さんにプレゼントをしようというだけなんだから」
「プ、プレゼント…?」
「そう。桂木さんの感性を育てるためのプレゼントだ」
「い、要りません、そんな物」
美和子は警戒をゆるめずに言う。月島が最初に制服の胸の辺りに触れてきたショックが、未だに美和子を支配していた。感性、プレゼント、聞けば聞くほどに胡散臭い。一度生まれた猜疑心は消える事はなかった。
「わ、私、帰ります!」
いつでも叫び出せるような心構えをしながら、美和子は床に散らばった書類をまた集め始めようとする。生徒会室は音楽関係以外の文化部の部室の並びにあって、人がいる割にはいつも静かな所だ。そこに女の叫び声がこだますれば、何事かと皆駆けつけてくるはずだった。入り口のドアは閉まっているし、カーテンも閉じたままだが、鍵が掛かっていないのは間違いない。美和子はちょうど今、職員室に鍵を取りに行こうとしていた所なのだから。月島が無理な行動に出るのはまず不可能なはずだ。
「………」
美和子が紙を拾い集めて、とん、とんと音を立てながら揃えているのを月島は平然とした顔つきで見守っていた。
それをクリアケースに入れ直し、プラスチックの留め具をきちんと掛け、小脇に抱える。そして、ぱんぱんとスカートを払う。
「鍵、取ってきます」
美和子は立ち上がり、ありたけの冷たさをにじませて月島をにらみ上げた。
「プレゼントは、結構です」
ひとつひとつ区切ったような、拒絶の言葉。
何をしても上手くこなすこの生徒会長に対して、美和子は普段から気後れする物を感じていた。人当たりも良く、勉強もスポーツも一流、生徒会の仕事も無難にこなす。
その月島を、裕福な人間だという事で憎むことができるとは美和子も思っていなかった。美和子はどこかカタルシスにも似た感情を覚え、今度は皮肉っぽい目で月島の事を見つめる。
『………』
美和子は、色々と言われたぶんと同じくらいの時間、そうやって月島を軽蔑しているつもりだった。
……
………
ちりっ…
「…え…?」
ちり…ちりちり…ちりっ…
「…え…え…」
ちりちり…ちりちり…
「…あっ…ああっ!?」
がたっ…
クリアケースが滑り落ちる。
ばさ…ばささっ
美和子がたった今拾い集めたばかりの書類が、再び床に散らばる。
ちりちりちり…
しかし、美和子はそれを嘆く事もせず、かと言ってまた拾い集めようともせず、全身をこわばらせていた。気丈な目が段々虚ろになり、じわじわと涙液があふれ始める。歯や指やまぶた、ありとあらゆる微細な箇所が熱に浮かされたように震え始める。
ちりちりちり…
「あ…あ…」
その状態は、十数秒に渡って続いた。それが過ぎると、美和子は少し表情に落ち着きを取り戻す。目の焦点が合い始め、自らの手の震えを押さえ込むようにぎゅっと拳に握る。
こくっ…、と美和子が口の中に溜まったつばを飲み込んだ。
「な、なにをしたんですか」
震えを何とか抑えて、美和子は月島に問う。
「言っただろう? プレゼントさ。いつも頑張っているのに恵まれない桂木さんへのプレゼントだよ」
「何の薬なんですかっ…まさか…」
「薬物なんかじゃないよ。第一、僕が桂木さんに一服盛るチャンスがどこにあったんだい? 君は持ってきているお弁当に薬物を混ぜられるほど、荷物を適当に扱っているのかな?」
「じゃ、じゃあガスみたいなもので」
「そんな物が現実にあるのかな。ま、あったとしても、それじゃあ僕まで影響を受ける事になっちゃうね。しかし、僕は見ての通り何ら変化を受けていない」
「だ、だったら」
「いい加減、自分の常識が全てだと思うのをやめにしたらどうかな? ほら」
ちりちりちりっ…
「あっ…うああああっ…」
「ほら」
ちりちりちりちりっ!
「い、いやああっ…やめて…やめてっ!?」
「これは僕の意志でコントロールできる。決して薬物なんかじゃないよ」
「う、うーっ、うーっ……っ」
美和子はぽたぽたと涙を流しながら苦しみの声を漏らす。そしてしゃくり上げるような音を立てると、何か恐ろしい物を見ているような目つきで自分自身の身体を見つめ始めた。
「どうだい?」
「かっ…からだ…が…」
「もっと強くしてあげよう」
ちりちりちり…
「いっ…や、やめて…くださいぃ…か、からだがっ…!?」
美和子は身体を飛び上がりそうなほどにひくつかせると、次の瞬間信じられない行動に出た。
…ずるっ…
艶めかしい肌が生徒会室の空間に露出する。ふっくらとしたヴィーナスの丘が、あるべきではない所で晒される。
ぐぐうっ…
「うはぁーっ…」
何かに貫かれたような悲しい声が響いた。実際、美和子は貫かれたとも言える。無垢のクレヴァスを、自らの指の侵入によって。
ちゅくちゅく…くちゅ
「んっ、んっ、んっ」
一瞬の前までは20年前でも通用しそうな丈の長さのスカートに覆われていた部分は、完全なまでに露出され、早くも蜜液で熱く満たされつつあった。常識を逸したレベルの身体の変化である。
美和子は、保健の教科書すら開くのを嫌がるような少女だったのだから。
「おやおや…こんな所で、桂木さんは何をしているのかな?」
月島が美和子のおとがいを指先でくいっと持ち上げる。
「う…うっ」
美和子は絶望と恥辱に染まった真っ赤な顔で月島の事を見つつも、指を止めることは出来なかった。その刺激によって、美和子の身体は初々しい蜜液をとどめようが無いほどに吐き出す。性に明るい少女であったとしても、これほどの反応を示すことなど普通はないはずだ。明らかに、美和子の身体は異常をきたしていた。だが異常をきたしているという事を認識しても、淫乱に振る舞う自分の指を秘部から離す事はできない。身体の奥からにじみ出す粘液を止めることも出来ない。
そのあふれかえるような液体を美和子は何とか手の平で受け止めようとしたが、時間稼ぎにしかならなかった。たらり、たらりと指の隙間からこぼれ落ちた蜜液が、飾り気のない小学生の履くような木綿のショーツの上に次々とシミを作っていく。
それを嫌がって美和子は腰を動かそうとしたが、根本的な解決にはなっていなかった。制服のスカートに掛かろうと、安売りしていた白の靴下に掛かろうと、上履きに掛かろうと、はたまた生徒会室の床に水たまりを作ろうと――そうすれば、当然書類もびしょびしょに濡れていく――、その雫の全てが美和子の築いてきた何かを崩していっているのは間違いない。
「さっきまでの元気はどこに行ったんだい?」
「はんっ…はああっ…!」
月島の言葉に答える余裕など無かった。いつしか、美和子は自分の最も敏感な部分を探り当ててしまっていたのだ。性器の一部分としか思っていなかった部分が、はじけるような快感を産み出す器官だったと知るやいなや、美和子はその部分の虜になってしまう。
固く尖り始めた部分をくりんくりんと転がすように撫でると、美和子の無免疫な身体は限界を越えた快感の流入を塞ぎ止める事ができなかった。
月島がピン、と押さえていた美和子のおとがいを跳ね上げる。
ちりちりっ!
「んああああっ!!」
動物のような締まりのない声と共に、美和子がお下げ髪を壁に押しつける。そのままぐりぐりと頭を壁に押しつけて悶えた後、
ビク、ビクッ、ビクっ、ビク…
美和子は生まれて初めての絶頂を迎えた。
「あっ…あっ…あっ」
一定の間隔を置いて痙攣する自らの身体を、美和子はどうすることもできなかった。ただ、その肉体的な脈動に身を任せるだけである。それがどういう意味を持っているのか、どうすればいいのか、そんな事はもう美和子にはわからなかった。ただ、これまで感じた事がないほどに美和子は純粋な快感を味わっていた。
「もう、君は逃れられない」
「ふはぁ……はぁぁっ……」
「せいぜい予習と復習に励むことだね。自分の部屋が好きな桂木さんにはお似合いじゃないかな」
「あ…はぁ…」
「あ。そうそう」
月島は未だに絶頂の余韻にひくひくと身体を痙攣させている美和子を後目に、ズボンのポケットから財布をとりだした。
くちっ…
「んふぅっ」
「じゃあ僕は帰るよ。後はよろしく」
媚肉の間に差し込まれた一万円札は、美和子の蜜液に濡れて、膨らんだ敏感な突起に当たって、それでも一万円札だった。
「いっ…いやっ!!」
美和子が身体を後ろに引く。
…どっ。
「あ、あ、あっ…」
そのままクリアケースを抱えて逃げようとするが、美和子はあまりの動揺のために足を自分の足に引っかけてしまった。尻もちを突く形で床に転がり、
ばさっ…ばさばさっ
はずみで床に落っこちたクリアケースから、クリップやホチキスで留められた書類がばらばらと散らばった。反射的に、美和子はそれを拾い集めようとしてしまう。生真面目な性格がさせた一瞬の行動だ。
たっ。
美和子の顔のすぐ前に、上履きが床を踏む乾いた音が叩きつけられる。
「…ひっ」
顔を上げ、冷たい月島の目を見つめ、美和子は恐れを口にした。背後は壁。右も左も壁。生徒会室の隅に完全に追い込まれている。
「駄目だね。判断に迷いがあるから失敗する。直感で動かなくちゃいけない時もある」
コツ、と革靴のような音を立てながら月島がさらに一歩を踏み出す。履いているのはただの上履きのはずだが、そういう音を立てるような歩き方があるのだ。もちろん、それは月島の醸し出す威圧的な雰囲気がなければ成立しない音なのだろう。普段の柔和な様子から豹変した表情、低い声、適度に勿体ぶった仕草。とても美和子には真似できないような代物だ。
「学校の勉強だけでは不十分な事もあるわけだ。長瀬先生は良い事を言うよ。君達も今教わっているだろう? 僕も去年は長瀬先生の授業だったからね」
「………」
世間話のような会話が、何かの呪文のように美和子の身体を呪縛していく。
「桂木さんも、学年で1番を取るだけで満足していちゃいけない。それに現代文の成績は他に比べれば今ひとつ芳しくない。桂木さんにも、もっと瑞々しい感性が必要だと僕は思う。その点で言えば、吉田さんは優秀だ」
「………由紀ちゃん…ですか…?」
突然出てきた生徒会のメンバーの名に、美和子は小さい声で問い返した。
「他の教科は今ひとつでも、国語の授業では良い成績を残している。いつも生徒会の仕事ばかりしていて、勉強はあまりしていないようだけれどね。なぜだと思う?」
「え…あ…あ…か、感性ですか?」
「そうだね。桂木さんも、記憶力を生かしたオウム返しは一流だ」
「あ、は、はい…すいません」
美和子は思わず謝っていた。
「そう、そうやって人に逆らわないのも桂木さんの特技だね」
「………」
「自分がどうしたら人が反応するのかをよくわきまえている。例えばこの三つ編み…」
「あ…!」
月島は手を伸ばして、美和子の髪を無遠慮に撫でる。
「時代遅れだと自分でも思っているんだろうけど、こういうイメージが先生や家族に喜ばれる事をよく知っている。クラスメイトからも、特に良くも悪くも思われない、ただの地味な女の子で済ましてもらえる事を知っている」
「べ、別に、そんなつもりじゃっ…!」
「僕はこの学校で…いや、知っている高校生で、君以外にこんな髪型にしている子を見たことはないよ」
「こ、こうすると髪の毛が伸びても楽だし、切るときにもあまり気にしなくていいんですっ!」
「早いうちにお母さんをなくして、お父さんも実家の方からの借金が大変らしいね」
「………!!」
「地域社会というのは狭い物だよ。本当にうんざりするくらいにね」
「…そっ…それでっ…」
美和子の声が震え始めていた。
「それで、私に何をしようと言うんですか…!?」
最初の、部屋の隅に追い込まれた時の動揺とは違う、歯がみしたくなるような震えだ。普段はほとんど出さない感情を剥き出しにして、美和子は月島の顔をにらみつけていた。同情を買うことには慣れている。同情だけで、実質的な支援を何もしてもらえない事にも慣れている。今の世の中とはそういう物だと、小学生の時から美和子は自分に言い聞かせてきたものだ。
しかし、面と向かって自分の不幸を口にされると言う屈辱を味わったのは生まれて初めてだった。
「そう怖い顔をするもんじゃないよ。僕は桂木さんにプレゼントをしようというだけなんだから」
「プ、プレゼント…?」
「そう。桂木さんの感性を育てるためのプレゼントだ」
「い、要りません、そんな物」
美和子は警戒をゆるめずに言う。月島が最初に制服の胸の辺りに触れてきたショックが、未だに美和子を支配していた。感性、プレゼント、聞けば聞くほどに胡散臭い。一度生まれた猜疑心は消える事はなかった。
「わ、私、帰ります!」
いつでも叫び出せるような心構えをしながら、美和子は床に散らばった書類をまた集め始めようとする。生徒会室は音楽関係以外の文化部の部室の並びにあって、人がいる割にはいつも静かな所だ。そこに女の叫び声がこだますれば、何事かと皆駆けつけてくるはずだった。入り口のドアは閉まっているし、カーテンも閉じたままだが、鍵が掛かっていないのは間違いない。美和子はちょうど今、職員室に鍵を取りに行こうとしていた所なのだから。月島が無理な行動に出るのはまず不可能なはずだ。
「………」
美和子が紙を拾い集めて、とん、とんと音を立てながら揃えているのを月島は平然とした顔つきで見守っていた。
それをクリアケースに入れ直し、プラスチックの留め具をきちんと掛け、小脇に抱える。そして、ぱんぱんとスカートを払う。
「鍵、取ってきます」
美和子は立ち上がり、ありたけの冷たさをにじませて月島をにらみ上げた。
「プレゼントは、結構です」
ひとつひとつ区切ったような、拒絶の言葉。
何をしても上手くこなすこの生徒会長に対して、美和子は普段から気後れする物を感じていた。人当たりも良く、勉強もスポーツも一流、生徒会の仕事も無難にこなす。
その月島を、裕福な人間だという事で憎むことができるとは美和子も思っていなかった。美和子はどこかカタルシスにも似た感情を覚え、今度は皮肉っぽい目で月島の事を見つめる。
『………』
美和子は、色々と言われたぶんと同じくらいの時間、そうやって月島を軽蔑しているつもりだった。
……
………
ちりっ…
「…え…?」
ちり…ちりちり…ちりっ…
「…え…え…」
ちりちり…ちりちり…
「…あっ…ああっ!?」
がたっ…
クリアケースが滑り落ちる。
ばさ…ばささっ
美和子がたった今拾い集めたばかりの書類が、再び床に散らばる。
ちりちりちり…
しかし、美和子はそれを嘆く事もせず、かと言ってまた拾い集めようともせず、全身をこわばらせていた。気丈な目が段々虚ろになり、じわじわと涙液があふれ始める。歯や指やまぶた、ありとあらゆる微細な箇所が熱に浮かされたように震え始める。
ちりちりちり…
「あ…あ…」
その状態は、十数秒に渡って続いた。それが過ぎると、美和子は少し表情に落ち着きを取り戻す。目の焦点が合い始め、自らの手の震えを押さえ込むようにぎゅっと拳に握る。
こくっ…、と美和子が口の中に溜まったつばを飲み込んだ。
「な、なにをしたんですか」
震えを何とか抑えて、美和子は月島に問う。
「言っただろう? プレゼントさ。いつも頑張っているのに恵まれない桂木さんへのプレゼントだよ」
「何の薬なんですかっ…まさか…」
「薬物なんかじゃないよ。第一、僕が桂木さんに一服盛るチャンスがどこにあったんだい? 君は持ってきているお弁当に薬物を混ぜられるほど、荷物を適当に扱っているのかな?」
「じゃ、じゃあガスみたいなもので」
「そんな物が現実にあるのかな。ま、あったとしても、それじゃあ僕まで影響を受ける事になっちゃうね。しかし、僕は見ての通り何ら変化を受けていない」
「だ、だったら」
「いい加減、自分の常識が全てだと思うのをやめにしたらどうかな? ほら」
ちりちりちりっ…
「あっ…うああああっ…」
「ほら」
ちりちりちりちりっ!
「い、いやああっ…やめて…やめてっ!?」
「これは僕の意志でコントロールできる。決して薬物なんかじゃないよ」
「う、うーっ、うーっ……っ」
美和子はぽたぽたと涙を流しながら苦しみの声を漏らす。そしてしゃくり上げるような音を立てると、何か恐ろしい物を見ているような目つきで自分自身の身体を見つめ始めた。
「どうだい?」
「かっ…からだ…が…」
「もっと強くしてあげよう」
ちりちりちり…
「いっ…や、やめて…くださいぃ…か、からだがっ…!?」
美和子は身体を飛び上がりそうなほどにひくつかせると、次の瞬間信じられない行動に出た。
…ずるっ…
艶めかしい肌が生徒会室の空間に露出する。ふっくらとしたヴィーナスの丘が、あるべきではない所で晒される。
ぐぐうっ…
「うはぁーっ…」
何かに貫かれたような悲しい声が響いた。実際、美和子は貫かれたとも言える。無垢のクレヴァスを、自らの指の侵入によって。
ちゅくちゅく…くちゅ
「んっ、んっ、んっ」
一瞬の前までは20年前でも通用しそうな丈の長さのスカートに覆われていた部分は、完全なまでに露出され、早くも蜜液で熱く満たされつつあった。常識を逸したレベルの身体の変化である。
美和子は、保健の教科書すら開くのを嫌がるような少女だったのだから。
「おやおや…こんな所で、桂木さんは何をしているのかな?」
月島が美和子のおとがいを指先でくいっと持ち上げる。
「う…うっ」
美和子は絶望と恥辱に染まった真っ赤な顔で月島の事を見つつも、指を止めることは出来なかった。その刺激によって、美和子の身体は初々しい蜜液をとどめようが無いほどに吐き出す。性に明るい少女であったとしても、これほどの反応を示すことなど普通はないはずだ。明らかに、美和子の身体は異常をきたしていた。だが異常をきたしているという事を認識しても、淫乱に振る舞う自分の指を秘部から離す事はできない。身体の奥からにじみ出す粘液を止めることも出来ない。
そのあふれかえるような液体を美和子は何とか手の平で受け止めようとしたが、時間稼ぎにしかならなかった。たらり、たらりと指の隙間からこぼれ落ちた蜜液が、飾り気のない小学生の履くような木綿のショーツの上に次々とシミを作っていく。
それを嫌がって美和子は腰を動かそうとしたが、根本的な解決にはなっていなかった。制服のスカートに掛かろうと、安売りしていた白の靴下に掛かろうと、上履きに掛かろうと、はたまた生徒会室の床に水たまりを作ろうと――そうすれば、当然書類もびしょびしょに濡れていく――、その雫の全てが美和子の築いてきた何かを崩していっているのは間違いない。
「さっきまでの元気はどこに行ったんだい?」
「はんっ…はああっ…!」
月島の言葉に答える余裕など無かった。いつしか、美和子は自分の最も敏感な部分を探り当ててしまっていたのだ。性器の一部分としか思っていなかった部分が、はじけるような快感を産み出す器官だったと知るやいなや、美和子はその部分の虜になってしまう。
固く尖り始めた部分をくりんくりんと転がすように撫でると、美和子の無免疫な身体は限界を越えた快感の流入を塞ぎ止める事ができなかった。
月島がピン、と押さえていた美和子のおとがいを跳ね上げる。
ちりちりっ!
「んああああっ!!」
動物のような締まりのない声と共に、美和子がお下げ髪を壁に押しつける。そのままぐりぐりと頭を壁に押しつけて悶えた後、
ビク、ビクッ、ビクっ、ビク…
美和子は生まれて初めての絶頂を迎えた。
「あっ…あっ…あっ」
一定の間隔を置いて痙攣する自らの身体を、美和子はどうすることもできなかった。ただ、その肉体的な脈動に身を任せるだけである。それがどういう意味を持っているのか、どうすればいいのか、そんな事はもう美和子にはわからなかった。ただ、これまで感じた事がないほどに美和子は純粋な快感を味わっていた。
「もう、君は逃れられない」
「ふはぁ……はぁぁっ……」
「せいぜい予習と復習に励むことだね。自分の部屋が好きな桂木さんにはお似合いじゃないかな」
「あ…はぁ…」
「あ。そうそう」
月島は未だに絶頂の余韻にひくひくと身体を痙攣させている美和子を後目に、ズボンのポケットから財布をとりだした。
くちっ…
「んふぅっ」
「じゃあ僕は帰るよ。後はよろしく」
媚肉の間に差し込まれた一万円札は、美和子の蜜液に濡れて、膨らんだ敏感な突起に当たって、それでも一万円札だった。
「ふぅ…」
かちゃかちゃとティースプーンを触りながらのため息。
「結局、全部才能なのね」
「随分と安易な言葉で片付けること」
弥生がぴたりと瞼(まぶた)を閉じて、笑む。少し淡めのルージュの色彩から白い歯がのぞいた。
「今となって思えば、弥生が抜けていったのも全部才能だったって気がしない?」
「私に聞かれても」
「弥生と一緒に抜けていれば良かったのかな」
「あら? 4年前には呆れるほどヒステリックにわめき散らしていたのに、随分と意見を変えたものね」
「…もういいでしょ? 皮肉は1時間たっぷり聞かせてもらったわよ。あの時の事は若気の至りだと思って、こっちの愚痴も一つや二つ言わせてくれたっていいじゃない」
「私も、1時間と2分だけきっかり聞かせて頂きましたから」
弥生がリストウォッチのコンパクトな文字盤をさりげなく示して、他人行儀に言う。
「弥生が呼びつけたんでしょ。しかも用事まで言いつけて。愚痴の言い合いでトントンじゃ割が合わないわよ」
「そうね、美菜子の力をお借りさせて頂いたんだからもう少し私も謙虚になるべきかしら」
それでも余裕の笑みは崩さず、弥生はティーカップのハーブティを口にした。
「悪党」
「あなたも立派な共犯よ」
「はぁ…そうね」
美菜子はレイヤーボブの髪をかき上げながら、ティーカップの中に入った赤みがかったブラウンの液体を舐めるように飲む。
「全く、塩酸入ってても気づかなさそうな物を飲ませてくれるわね」
「体にいいのよ」
「お茶で病気が治ればクスリ屋は要らないわよ」
「大学にいた頃は、あなたももう少しナイーブに東洋医学を受け入れていたんじゃなかったかしら」
「へぇ、ハーブが東洋医学? それはそれは、初耳ね」
「言葉のあやよ」
「篠塚弥生様らしくないいい加減さで」
カチン、とティースプーンでソーサーを叩く。
「…もう帰ろうかしら」
「ご自由に」
「じゃあご自由にさせて頂くわ」
美菜子は横の椅子に置いてあったハンドバッグをつかむと、立ち上がる。
大して人も来ない16畳のリビングと6人掛けのテーブルは、そのままならがらんとした印象を与えてもおかしくないはずだ。なのに、美菜子が立ち上がっても不思議と部屋の空気の密度は変化していなかった。弥生によって計算され配置されたインテリアと、弥生自身の存在感だけでこの部屋は生き物のようなダイナミズムを感じさせた。弥生の象徴はむしろスタティックなものであるはずだが、そのスタティックが完璧につなぎ合わされるとそこにはダイナミズムがあった。
「辟易するほど、立派なお屋敷ね」
美菜子はリビングを今一度見渡してからそう評価をつけ加えた。
「私は行くわ。せいぜい完全犯罪を目指して頂戴」
「送るわよ」
「…意外ね」
「旧友が来てくれたのだから、当然でしょう」
弥生は数式がはじき出せそうな曲線動作で椅子から立ち上がる。
「確かに、これが今生の別れになるかもしれないわね」
美菜子は横目で弥生を見ながら言った。
「人の縁はそう簡単に切れる物じゃないと思うわよ」
「あなたが言うと、それほど胡散臭く聞こえる言葉もないと思うけれど?」
「本心よ」
弥生はテーブルを回り込んで、美菜子の所まで歩み寄る。
「…そうね。とっくの昔に切れて月と地球くらい離れているかと思った糸が繋がってる事もあるんだから」
「そういうこと」
言いながら弥生はすっと手を伸ばし…美菜子の胸を触った。
「な」
ふにゅっ…くい、くいっ…
両手で胸をすっぽりと包み込み、グレイのジャケットの上から遠慮無しに揉む。
「ちょ…弥生っ! そういうつもりで言ったわけじゃないわよ!」
顔色を変えた美菜子が、ぱっと弥生から飛び下がる。
「弥生がそこまで往生際の悪い女…だなんて…お…おもっ…おもっ…て…てっ…」
しかし、一気にまくしたてようとした言葉は途中で途切れた。美菜子の瞳が焦点を失い、手にした黒い革のハンドバッグがぽとりと床に落ちる。
「自覚症状が無しに進行するというのは本当のようね」
「ど…どういう…それって…!!」
美菜子は苦しそうに眉をしかめて、右の腕で自分の胸を抑え込んでいた。
「う…うっ…ああ…!」
ほどなく左の手が動いて、タイトスカートの生地をぐぐ、と自ら押し込むように抑える。
「な、なんで」
「いきなり実地で使用するわけにもいかないでしょう? あなたアルコールが入ると、人体実験がどうしたこうしたと騒ぐのが得意だったじゃないかしら」
「あ、あれはお酒のせいで…くっ…はっ…はぁぁぁっ…!!」
美菜子は頭を体に押しつけそうなほどに首を曲げて、全身をわななかせていた。
「情報を与えておいてあげるわね。ハーブティの中に1グラム入れさせてもらったわ。あなたはそれを9割以上飲んだ」
「い、い…1グラム」
絶望的な声だ。美菜子はその意味する所を熟知しているようだった。
「次の段階に移るわよ」
弥生は宣言すると、片膝を立てて美菜子の前に身を落とす。まるで銃でも構えているかのような隙のない姿勢で、弥生は美菜子のタイトスカートに手を伸ばした。
ベルトを外し、スカートを脱がせ、パンティーストッキングをくるくると丸めるように脱がせる。美菜子がジャケットとラズベリーのショーツというアンバランスな格好にされるまで、30秒とかからなかった。美菜子の左の手も、弥生が作業をしている間にいつの間にか力無く下がってしまって、抵抗の役目をわずかたりとも果たさなかった。
「や…やめて」
美菜子が弱々しく言うが、弥生は舟形にシミが出来たショーツを躊躇無く脱がせる。恥丘に生えたヘアの中央部分は、何かの液体でじっとりと濡れてしまっていた。
「4年前には嫌と言うほど見たわよ」
「それと…これとは…」
喘ぎながら美菜子は拒絶を示す。緋色に塗られた爪の先がそこに忍びより、細い指で開かれてしまうと美菜子の喘ぎが大きくなった。
「変わっていないわね」
弥生はそんな評価を加えながら、スーツのポケットを探る。まるで膨らんでいるように見えないそこから、弥生は二つの黒い球を取り出した。正確には完全な球ではなく、楕円形にやや伸びている。
「い…いやよ」
「しばらく味わっていなかったんじゃないかしら? それとも忘れられずに使っている?」
弥生はその球のひとつを美菜子の秘裂の中、その肉の隙間にぬるりと押し込む。
「ああ…」
しとどに濡れた美菜子の膣は、そのピンポン玉ほどの球体を軽く飲み込んだ。しかし、美菜子自身は軽く済ませるというわけにはいかないようだ。美菜子の体の震えが大きくなる。
さらに弥生が球を取り出したポケットに手を入れて何事か操作すると、
ヴィーン…
「くぅぅぅぅっ…」
弥生の手に残った球と、美菜子の中に挿入された球が同時に高い振動音を立て始めた。
「16分45秒1番を挿入。50秒スイッチON」
まさに機械的な言語を吐き出す。
ヴィヴィヴィヴィヴィヴィ…
「あ、ああ、ああああーーっ!?」
「55秒クリトリスに2番を固定」
弥生の手が、凶悪な振動を産み出すローターを美菜子の秘芯にあてがう。そして、敏感な肉真珠に、一定の力で圧迫を加えた。痛がらせるほどの無理な力ではない、しかしローターの振動が強烈にいたいけな秘芯を震わせ、不可避の絶頂へと導くには十分すぎるほどの圧迫だ。
「あっ、うあっ、ああ…!」
その状態から、1ミリたりとも動かない。美菜子は悶えながら腰をしきりに揺らしていたが、弥生はそれを完全にトレースして相対位置を維持する。美菜子は体にわずかに残った力を振り絞って逃げようとしても、全く無意味だった。弥生の偏執的なまでのバイブレーション刺激によって、一直線に上昇する官能を感じる他ないのだ。
ピク…ピク…!
決して性に暗くない25歳の女体が、少女のように翻弄されて最後の崖端から突き落とされる。
「いやああ…!」
ビクンッ! ビクン!
童顔気味の美菜子の顔が悲痛に歪んで、裸足の爪先からグレイのジャケットに包まれた上半身、そして肩にかかった髪までを同時に勢い良く痙攣させた。さらに膣孔から、体の収縮に合わせて豊富な愛液がにじみ出てくる。この上ない絶頂の表象だ。
「17分22秒、オルガスムスに到達」
「っ……うっ……うっ」
弥生がクリトリスに当てたローターを離したことで、美菜子はようやく官能の半分から解放された。それでも、膣に挿入されたローターは未だに強い振動を膣壁に与え続けている。
「いい仕事をするわね、美菜子」
「ぬ…抜いて…あそこの…中の…」
「ちょうどいいから、次のオルガスムスを計測させてもらうわ。4年ぶりの味なんだから、もっと楽しみなさい」
ヴィヴィ…
「いやああああっ…!!?」
充血して膨れ上がった美菜子のクリトリスに、再び黒い球が押しつけられた。
かちゃかちゃとティースプーンを触りながらのため息。
「結局、全部才能なのね」
「随分と安易な言葉で片付けること」
弥生がぴたりと瞼(まぶた)を閉じて、笑む。少し淡めのルージュの色彩から白い歯がのぞいた。
「今となって思えば、弥生が抜けていったのも全部才能だったって気がしない?」
「私に聞かれても」
「弥生と一緒に抜けていれば良かったのかな」
「あら? 4年前には呆れるほどヒステリックにわめき散らしていたのに、随分と意見を変えたものね」
「…もういいでしょ? 皮肉は1時間たっぷり聞かせてもらったわよ。あの時の事は若気の至りだと思って、こっちの愚痴も一つや二つ言わせてくれたっていいじゃない」
「私も、1時間と2分だけきっかり聞かせて頂きましたから」
弥生がリストウォッチのコンパクトな文字盤をさりげなく示して、他人行儀に言う。
「弥生が呼びつけたんでしょ。しかも用事まで言いつけて。愚痴の言い合いでトントンじゃ割が合わないわよ」
「そうね、美菜子の力をお借りさせて頂いたんだからもう少し私も謙虚になるべきかしら」
それでも余裕の笑みは崩さず、弥生はティーカップのハーブティを口にした。
「悪党」
「あなたも立派な共犯よ」
「はぁ…そうね」
美菜子はレイヤーボブの髪をかき上げながら、ティーカップの中に入った赤みがかったブラウンの液体を舐めるように飲む。
「全く、塩酸入ってても気づかなさそうな物を飲ませてくれるわね」
「体にいいのよ」
「お茶で病気が治ればクスリ屋は要らないわよ」
「大学にいた頃は、あなたももう少しナイーブに東洋医学を受け入れていたんじゃなかったかしら」
「へぇ、ハーブが東洋医学? それはそれは、初耳ね」
「言葉のあやよ」
「篠塚弥生様らしくないいい加減さで」
カチン、とティースプーンでソーサーを叩く。
「…もう帰ろうかしら」
「ご自由に」
「じゃあご自由にさせて頂くわ」
美菜子は横の椅子に置いてあったハンドバッグをつかむと、立ち上がる。
大して人も来ない16畳のリビングと6人掛けのテーブルは、そのままならがらんとした印象を与えてもおかしくないはずだ。なのに、美菜子が立ち上がっても不思議と部屋の空気の密度は変化していなかった。弥生によって計算され配置されたインテリアと、弥生自身の存在感だけでこの部屋は生き物のようなダイナミズムを感じさせた。弥生の象徴はむしろスタティックなものであるはずだが、そのスタティックが完璧につなぎ合わされるとそこにはダイナミズムがあった。
「辟易するほど、立派なお屋敷ね」
美菜子はリビングを今一度見渡してからそう評価をつけ加えた。
「私は行くわ。せいぜい完全犯罪を目指して頂戴」
「送るわよ」
「…意外ね」
「旧友が来てくれたのだから、当然でしょう」
弥生は数式がはじき出せそうな曲線動作で椅子から立ち上がる。
「確かに、これが今生の別れになるかもしれないわね」
美菜子は横目で弥生を見ながら言った。
「人の縁はそう簡単に切れる物じゃないと思うわよ」
「あなたが言うと、それほど胡散臭く聞こえる言葉もないと思うけれど?」
「本心よ」
弥生はテーブルを回り込んで、美菜子の所まで歩み寄る。
「…そうね。とっくの昔に切れて月と地球くらい離れているかと思った糸が繋がってる事もあるんだから」
「そういうこと」
言いながら弥生はすっと手を伸ばし…美菜子の胸を触った。
「な」
ふにゅっ…くい、くいっ…
両手で胸をすっぽりと包み込み、グレイのジャケットの上から遠慮無しに揉む。
「ちょ…弥生っ! そういうつもりで言ったわけじゃないわよ!」
顔色を変えた美菜子が、ぱっと弥生から飛び下がる。
「弥生がそこまで往生際の悪い女…だなんて…お…おもっ…おもっ…て…てっ…」
しかし、一気にまくしたてようとした言葉は途中で途切れた。美菜子の瞳が焦点を失い、手にした黒い革のハンドバッグがぽとりと床に落ちる。
「自覚症状が無しに進行するというのは本当のようね」
「ど…どういう…それって…!!」
美菜子は苦しそうに眉をしかめて、右の腕で自分の胸を抑え込んでいた。
「う…うっ…ああ…!」
ほどなく左の手が動いて、タイトスカートの生地をぐぐ、と自ら押し込むように抑える。
「な、なんで」
「いきなり実地で使用するわけにもいかないでしょう? あなたアルコールが入ると、人体実験がどうしたこうしたと騒ぐのが得意だったじゃないかしら」
「あ、あれはお酒のせいで…くっ…はっ…はぁぁぁっ…!!」
美菜子は頭を体に押しつけそうなほどに首を曲げて、全身をわななかせていた。
「情報を与えておいてあげるわね。ハーブティの中に1グラム入れさせてもらったわ。あなたはそれを9割以上飲んだ」
「い、い…1グラム」
絶望的な声だ。美菜子はその意味する所を熟知しているようだった。
「次の段階に移るわよ」
弥生は宣言すると、片膝を立てて美菜子の前に身を落とす。まるで銃でも構えているかのような隙のない姿勢で、弥生は美菜子のタイトスカートに手を伸ばした。
ベルトを外し、スカートを脱がせ、パンティーストッキングをくるくると丸めるように脱がせる。美菜子がジャケットとラズベリーのショーツというアンバランスな格好にされるまで、30秒とかからなかった。美菜子の左の手も、弥生が作業をしている間にいつの間にか力無く下がってしまって、抵抗の役目をわずかたりとも果たさなかった。
「や…やめて」
美菜子が弱々しく言うが、弥生は舟形にシミが出来たショーツを躊躇無く脱がせる。恥丘に生えたヘアの中央部分は、何かの液体でじっとりと濡れてしまっていた。
「4年前には嫌と言うほど見たわよ」
「それと…これとは…」
喘ぎながら美菜子は拒絶を示す。緋色に塗られた爪の先がそこに忍びより、細い指で開かれてしまうと美菜子の喘ぎが大きくなった。
「変わっていないわね」
弥生はそんな評価を加えながら、スーツのポケットを探る。まるで膨らんでいるように見えないそこから、弥生は二つの黒い球を取り出した。正確には完全な球ではなく、楕円形にやや伸びている。
「い…いやよ」
「しばらく味わっていなかったんじゃないかしら? それとも忘れられずに使っている?」
弥生はその球のひとつを美菜子の秘裂の中、その肉の隙間にぬるりと押し込む。
「ああ…」
しとどに濡れた美菜子の膣は、そのピンポン玉ほどの球体を軽く飲み込んだ。しかし、美菜子自身は軽く済ませるというわけにはいかないようだ。美菜子の体の震えが大きくなる。
さらに弥生が球を取り出したポケットに手を入れて何事か操作すると、
ヴィーン…
「くぅぅぅぅっ…」
弥生の手に残った球と、美菜子の中に挿入された球が同時に高い振動音を立て始めた。
「16分45秒1番を挿入。50秒スイッチON」
まさに機械的な言語を吐き出す。
ヴィヴィヴィヴィヴィヴィ…
「あ、ああ、ああああーーっ!?」
「55秒クリトリスに2番を固定」
弥生の手が、凶悪な振動を産み出すローターを美菜子の秘芯にあてがう。そして、敏感な肉真珠に、一定の力で圧迫を加えた。痛がらせるほどの無理な力ではない、しかしローターの振動が強烈にいたいけな秘芯を震わせ、不可避の絶頂へと導くには十分すぎるほどの圧迫だ。
「あっ、うあっ、ああ…!」
その状態から、1ミリたりとも動かない。美菜子は悶えながら腰をしきりに揺らしていたが、弥生はそれを完全にトレースして相対位置を維持する。美菜子は体にわずかに残った力を振り絞って逃げようとしても、全く無意味だった。弥生の偏執的なまでのバイブレーション刺激によって、一直線に上昇する官能を感じる他ないのだ。
ピク…ピク…!
決して性に暗くない25歳の女体が、少女のように翻弄されて最後の崖端から突き落とされる。
「いやああ…!」
ビクンッ! ビクン!
童顔気味の美菜子の顔が悲痛に歪んで、裸足の爪先からグレイのジャケットに包まれた上半身、そして肩にかかった髪までを同時に勢い良く痙攣させた。さらに膣孔から、体の収縮に合わせて豊富な愛液がにじみ出てくる。この上ない絶頂の表象だ。
「17分22秒、オルガスムスに到達」
「っ……うっ……うっ」
弥生がクリトリスに当てたローターを離したことで、美菜子はようやく官能の半分から解放された。それでも、膣に挿入されたローターは未だに強い振動を膣壁に与え続けている。
「いい仕事をするわね、美菜子」
「ぬ…抜いて…あそこの…中の…」
「ちょうどいいから、次のオルガスムスを計測させてもらうわ。4年ぶりの味なんだから、もっと楽しみなさい」
ヴィヴィ…
「いやああああっ…!!?」
充血して膨れ上がった美菜子のクリトリスに、再び黒い球が押しつけられた。
「報告は、以上です…」
「そうか」
黒いマントの後ろ姿を見せたまま、答える。羊皮紙のノートをめくりながらそれを見つめているのは、淡い紫のローブに身を包んだ少女。その目元はだいぶ大人びた印象を見せていたが、きゅっと結ばれた口元にはまだ少女らしさが残っていた。
「下がっていいぞ」
「あ、あの…北川様」
「なんだ? 美汐」
「真琴の…ことなのですが」
「あのキツネがどうかしたか?」
北川が美汐の方を振り向く。
「も、もう少し、休ませてあげて頂けないでしょうか…このままだと、あの子は」
「だめだ。ああいうすばしっこいのがいないと、どこを攻めるにしても戦略の幅が狭くなるからな」
「体の形態を変えるのは、あの子にとっても相当な負担になるんです。このままだと、取り返しのつかない事に…」
「あと3つも城を落とせばあいつらも大人しくなるさ。そうすればキツネもしばらくはお役御免だ」
「そ、そんな」
「せいぜい、飼い主のお前が世話をしてやれよ」
「私に…私にできることなんて、何もありません。ただあの子と話をしてあげるくらいしか。北川様、お願いです…真琴を助けてやってください…」
「しらん」
「………」
冷たい視線が、美汐を見下ろした。
「…わかりました。失礼します」
ぱたん。
羊皮紙のノートを閉じる。そして美汐は表情に暗い影を落としながら一礼すると、部屋を出ていこうとする。
「ああ、ちょっと待て」
「…なんですか?」
あまり期待を込めていない声で返事しながら、美汐は再び北川の方を振り向いた。
「お前も苦労ばかりじゃ可哀想だからな。褒美をやろう」
「…はぁ」
美汐は不思議そうな顔をしながら、北川の方に近づいていく。
「んーと、これだな」
北川は部屋の隅に置いてあった木製の棚に歩み寄ると、そこから一つの小瓶を持ってきた。
「これを飲め」
「え…何ですか? これは」
「お前とキツネにやる。まずお前が飲め」
ずい、と突き出す。
「は…はい」
美汐は気圧されながら小瓶を受け取って、飲み口を薄い唇につける。わずかに紫がかった半透明の液体を、きっかり半分だけ美汐は飲み干した。
「どうだ?」
「どうだ…と言われましても」
「持っててやる」
北川が美汐に向かって手を差し出す。美汐は反射的に半分中身の残った小瓶を北川に返していた。
「え、でもこれは、真琴にも飲ませるものでは」
「後でな」
ことん。
わずかに光の差してきている出窓の一角に、北川は小瓶を置く。
…ふらっ
「あ…?」
突然、美汐の視界が揺らめく。
「な、なんの薬で…で…です…す…か……??」
北川の姿が二重に、三重に見えるようになり、しゃべる言葉もろれつが回らなくなってくる。
くらっ。
おかしい、と思った時には意識が急転直下していた。
「あ…」
目を開けて見えてきたのは、二重、三重の視界。北川の顔…
だが今度は意識が落ちることなく、段々焦点が合うようになってきた。ぶれていた視界が段々と一つにまとまっていく。北川の姿もちゃんと見えるようになってくる。
「気分はどうだ?」
そう聞かれると、判断力も少しずつ戻ってきた。北川のバックになっているのっぺりとした壁のようなものは、良く見ると天井だ。美汐は床に身を横たえているのだ。
そして、なんだか気持ちよかった。
「す、少し気分がふわふわしています」
「そうか。気持ちいいか?」
「そういえば…そうかもしれません」
「そりゃあそうだろ」
「な、なんでですか?」
「いい加減気づけよ」
「え…」
美汐は北川の視線の見つめる先を追った。美汐の顔ではなく、もっと下の方を見ている…
「きゃっ!?」
その時、美汐は自分が全裸だということに初めて気が付いた。着ていたローブは影も形もなくなっている。
「な、なんで…いやっ…いやああっ!? どうしてっ…」
美汐の絶望は、それだけでは済まされなかった。黒いしっぽが脚の間から前に出てきていて、自分の恥ずかしい部分をまさぐっている。
「い、いやっ、いやっ!!」
必死になって美汐はしっぽを動かそうとする。だが、いつもは自分の思うがままに動かせるしっぽが全く言うことを聞かない。ただ痺れたような感覚があるだけで、動かすことが出来ないのだ。美汐の意志とは全く無関係に蠢き、美汐の秘裂の中を触っている。気持ちいいのがそのためだと知った時、美汐は火が吹いたように顔を赤らめた。
「どうだ? なかなかいいだろ」
「や、やめてください、北川様…」
「もう濡らしておいて、何を言っているんだ」
「……!」
美汐もしっぽに液体が絡みついてくる感覚には気づいていたが、改めて指摘されると恥辱感はますます膨れ上がる。
「じゃあ、味見といくか」
北川はばさっ、とマントを外して床に投げ捨てる。
「あ、味見…?」
「顔色一つ変えずにむごい魔法をぶっ放しまくる冷酷な魔術師、天野美汐の中がどうなっているのか味見するってことだ」
マントの下の服は、見た目に比して随分と簡単な構造をしていたようだ。北川の体は一瞬にして一糸まとわぬ姿になる。そこには長大な肉棒が屹立していた。
「あ、あっ…そ、それは」
「楽しませてくれよ」
「や、やめ…ふぐぅっ」
北川は美汐の口に、無理矢理肉棒の先を押し込んだ。
「舌を使え。丁寧にだ」
「ふぐっ…ううーっ…うくぅっ…ふぐっ」
目から涙がこぼれる。巻き毛の髪を揺らしながら、肉棒から逃れようと顔を左右に振る。しかし、半ば以上まで差し込まれた肉棒から逃げることはできなかった。美汐は恐る恐るながら、固く熱い肉棒の表面に赤い舌を這わせる。
「そう。そうだ」
「ふぐぅぅっ…ううっ」
北川がゆっくりと腰を上げ下げすると、美汐は息苦しそうにあえぐ。それでも美汐はちろちろと小さな舌を懸命に動かし、あふれてきた塩辛い液体も無言で喉の奥に流し込んだ。
ぐちゅぐちゅっ。
「ぐっ…げほっ…けほ…」
「よし」
最後に何回かピストン運動のように肉棒を出し入れしてから、北川は口腔陵辱を終了させた。唾液にべっとりと濡れた肉棒は、さらなる快感を求めて暴れ回りそうなほどに凶悪な光を帯びている。
「うっ…ふぅぅっ…」
美汐が乱された呼吸を整えている間に、北川は美汐の体の上にかぶさって肉棒をしかるべき所に近づけていた。
ぱち!
北川が指を鳴らすと、うねうねと蠢いていた美汐のしっぽが突然くたりと力を失い、秘裂の間から抜ける。そして、脚の間に挟み込まれるようにして床に伸びる。
「………」
しっぽにまさぐられる刺激がなくなると、自分が快感を感じていたということが改めて思い知らされるような気がした。されている時にはただの嫌悪感でしかなくても、いざ終わってみると何となく寂しいような気もしないではない。端的に言えば、もっと触って欲しい。
「いくぞ」
そんな美汐の気持ちに気づいているのかいないのか、北川は八重歯をのぞかせて、にやりと笑った。
ぬちゅ。
「う…!」
北川の肉棒が入ってくる。美汐は何かをつかんで耐えようとしたが、つかめるものは何もなかった。ただ床の上を指が滑るだけだ。
ぬち…みちりっ…
「お前、ひょっとして処女か?」
「う…ううううっ…」
「それはそれは…でも手加減はしないからな」
ぐぢ、ぐじゅっ…
「くぅっ、ううっ」
北川が叩きつけるように腰を振り始めた。純潔だった部分がこすられ、えぐられ、鋭い痛みを美汐に与える。
「うう…ふぅっ…うああぁ…」
しかし、勢いよく北川の腰が美汐の腰に叩きつけられるたびに、秘核がワイルドな刺激を感じて震え上がった。さっきから、自分のしっぽで丁寧にこすっていたのだ。乱暴に上から叩かれるだけでも、さやの中に隠れた真珠が敏感に官能を覚えてしまう。
そうなると、当然の反応としてじゅるじゅると愛液がこぼれ出した。潤滑液が出てきても痛いことには変わりないが、痛みが軽減されるのも事実である。そうすれば、快感もますます純粋に感じることができるようになる。
「感じてるな…お前」
「あっ、ああっ…あぅ…」
美汐は北川の突き上げを無抵抗に受け入れ、秘核がイレギュラーなタイミングでこすられるのを感じるしかなかった。蓄積された快感は美汐の理性を溶かし、ついには美汐自身も腰を少しず振り始める。
「処女のくせにスキモノだな、お前も」
「あっ…ああ」
美汐は最初とは別の感覚によって悶え、何かをつかもうとして床の上で指を滑らせていた。
もっとも、この敏感さが美汐生来のものであるわけではない。美汐は2年前に魔術師契約の儀式を通過し、そこで全裸にされて秘核を触られるという経験をしたが、そこでの緊張感と2年間の美汐の体の成長を考えても今の美汐は敏感すぎる。さっきの薬は意識を奪って体のコントロールを一部奪うだけではなく、催淫効果も持ち合わせていたようだ。
「はっ、はぁっ、はぁ、ああっ…」
美汐の呼吸が急ピッチで速まっていく。
「くれてやる…」
「うああっ!」
ビク! ビク…ビクンッ!
びゅ、びゅ、びゅ、びゅっ。
処女の狂おしい絶頂の中に、北川の精がほとばしった。
「う…ううう…ううう」
美汐は全身を小さく縮めながら激しく体を痙攣させている。そして北川の長大なモノを搾り取るように強く締め付けていた。痛みと、恍惚とした快感が入り交じる。
「さすが一級の魔術師だけあるな。こっちの方も初物だってのに極上だ」
「はぁ…北川様…」
普段の理知的な様子とはまるでかけ離れた声で、美汐はねだるような声を漏らした。
「今日はもう終わりだ。俺はやることがある。残りの薬半分はキツネに飲ませるんだぞ。いいな」
「は…はい」
少女の無邪気な性欲と、熟女の狡猾な淫乱が美汐の瞳の中で合一した。
「そうか」
黒いマントの後ろ姿を見せたまま、答える。羊皮紙のノートをめくりながらそれを見つめているのは、淡い紫のローブに身を包んだ少女。その目元はだいぶ大人びた印象を見せていたが、きゅっと結ばれた口元にはまだ少女らしさが残っていた。
「下がっていいぞ」
「あ、あの…北川様」
「なんだ? 美汐」
「真琴の…ことなのですが」
「あのキツネがどうかしたか?」
北川が美汐の方を振り向く。
「も、もう少し、休ませてあげて頂けないでしょうか…このままだと、あの子は」
「だめだ。ああいうすばしっこいのがいないと、どこを攻めるにしても戦略の幅が狭くなるからな」
「体の形態を変えるのは、あの子にとっても相当な負担になるんです。このままだと、取り返しのつかない事に…」
「あと3つも城を落とせばあいつらも大人しくなるさ。そうすればキツネもしばらくはお役御免だ」
「そ、そんな」
「せいぜい、飼い主のお前が世話をしてやれよ」
「私に…私にできることなんて、何もありません。ただあの子と話をしてあげるくらいしか。北川様、お願いです…真琴を助けてやってください…」
「しらん」
「………」
冷たい視線が、美汐を見下ろした。
「…わかりました。失礼します」
ぱたん。
羊皮紙のノートを閉じる。そして美汐は表情に暗い影を落としながら一礼すると、部屋を出ていこうとする。
「ああ、ちょっと待て」
「…なんですか?」
あまり期待を込めていない声で返事しながら、美汐は再び北川の方を振り向いた。
「お前も苦労ばかりじゃ可哀想だからな。褒美をやろう」
「…はぁ」
美汐は不思議そうな顔をしながら、北川の方に近づいていく。
「んーと、これだな」
北川は部屋の隅に置いてあった木製の棚に歩み寄ると、そこから一つの小瓶を持ってきた。
「これを飲め」
「え…何ですか? これは」
「お前とキツネにやる。まずお前が飲め」
ずい、と突き出す。
「は…はい」
美汐は気圧されながら小瓶を受け取って、飲み口を薄い唇につける。わずかに紫がかった半透明の液体を、きっかり半分だけ美汐は飲み干した。
「どうだ?」
「どうだ…と言われましても」
「持っててやる」
北川が美汐に向かって手を差し出す。美汐は反射的に半分中身の残った小瓶を北川に返していた。
「え、でもこれは、真琴にも飲ませるものでは」
「後でな」
ことん。
わずかに光の差してきている出窓の一角に、北川は小瓶を置く。
…ふらっ
「あ…?」
突然、美汐の視界が揺らめく。
「な、なんの薬で…で…です…す…か……??」
北川の姿が二重に、三重に見えるようになり、しゃべる言葉もろれつが回らなくなってくる。
くらっ。
おかしい、と思った時には意識が急転直下していた。
「あ…」
目を開けて見えてきたのは、二重、三重の視界。北川の顔…
だが今度は意識が落ちることなく、段々焦点が合うようになってきた。ぶれていた視界が段々と一つにまとまっていく。北川の姿もちゃんと見えるようになってくる。
「気分はどうだ?」
そう聞かれると、判断力も少しずつ戻ってきた。北川のバックになっているのっぺりとした壁のようなものは、良く見ると天井だ。美汐は床に身を横たえているのだ。
そして、なんだか気持ちよかった。
「す、少し気分がふわふわしています」
「そうか。気持ちいいか?」
「そういえば…そうかもしれません」
「そりゃあそうだろ」
「な、なんでですか?」
「いい加減気づけよ」
「え…」
美汐は北川の視線の見つめる先を追った。美汐の顔ではなく、もっと下の方を見ている…
「きゃっ!?」
その時、美汐は自分が全裸だということに初めて気が付いた。着ていたローブは影も形もなくなっている。
「な、なんで…いやっ…いやああっ!? どうしてっ…」
美汐の絶望は、それだけでは済まされなかった。黒いしっぽが脚の間から前に出てきていて、自分の恥ずかしい部分をまさぐっている。
「い、いやっ、いやっ!!」
必死になって美汐はしっぽを動かそうとする。だが、いつもは自分の思うがままに動かせるしっぽが全く言うことを聞かない。ただ痺れたような感覚があるだけで、動かすことが出来ないのだ。美汐の意志とは全く無関係に蠢き、美汐の秘裂の中を触っている。気持ちいいのがそのためだと知った時、美汐は火が吹いたように顔を赤らめた。
「どうだ? なかなかいいだろ」
「や、やめてください、北川様…」
「もう濡らしておいて、何を言っているんだ」
「……!」
美汐もしっぽに液体が絡みついてくる感覚には気づいていたが、改めて指摘されると恥辱感はますます膨れ上がる。
「じゃあ、味見といくか」
北川はばさっ、とマントを外して床に投げ捨てる。
「あ、味見…?」
「顔色一つ変えずにむごい魔法をぶっ放しまくる冷酷な魔術師、天野美汐の中がどうなっているのか味見するってことだ」
マントの下の服は、見た目に比して随分と簡単な構造をしていたようだ。北川の体は一瞬にして一糸まとわぬ姿になる。そこには長大な肉棒が屹立していた。
「あ、あっ…そ、それは」
「楽しませてくれよ」
「や、やめ…ふぐぅっ」
北川は美汐の口に、無理矢理肉棒の先を押し込んだ。
「舌を使え。丁寧にだ」
「ふぐっ…ううーっ…うくぅっ…ふぐっ」
目から涙がこぼれる。巻き毛の髪を揺らしながら、肉棒から逃れようと顔を左右に振る。しかし、半ば以上まで差し込まれた肉棒から逃げることはできなかった。美汐は恐る恐るながら、固く熱い肉棒の表面に赤い舌を這わせる。
「そう。そうだ」
「ふぐぅぅっ…ううっ」
北川がゆっくりと腰を上げ下げすると、美汐は息苦しそうにあえぐ。それでも美汐はちろちろと小さな舌を懸命に動かし、あふれてきた塩辛い液体も無言で喉の奥に流し込んだ。
ぐちゅぐちゅっ。
「ぐっ…げほっ…けほ…」
「よし」
最後に何回かピストン運動のように肉棒を出し入れしてから、北川は口腔陵辱を終了させた。唾液にべっとりと濡れた肉棒は、さらなる快感を求めて暴れ回りそうなほどに凶悪な光を帯びている。
「うっ…ふぅぅっ…」
美汐が乱された呼吸を整えている間に、北川は美汐の体の上にかぶさって肉棒をしかるべき所に近づけていた。
ぱち!
北川が指を鳴らすと、うねうねと蠢いていた美汐のしっぽが突然くたりと力を失い、秘裂の間から抜ける。そして、脚の間に挟み込まれるようにして床に伸びる。
「………」
しっぽにまさぐられる刺激がなくなると、自分が快感を感じていたということが改めて思い知らされるような気がした。されている時にはただの嫌悪感でしかなくても、いざ終わってみると何となく寂しいような気もしないではない。端的に言えば、もっと触って欲しい。
「いくぞ」
そんな美汐の気持ちに気づいているのかいないのか、北川は八重歯をのぞかせて、にやりと笑った。
ぬちゅ。
「う…!」
北川の肉棒が入ってくる。美汐は何かをつかんで耐えようとしたが、つかめるものは何もなかった。ただ床の上を指が滑るだけだ。
ぬち…みちりっ…
「お前、ひょっとして処女か?」
「う…ううううっ…」
「それはそれは…でも手加減はしないからな」
ぐぢ、ぐじゅっ…
「くぅっ、ううっ」
北川が叩きつけるように腰を振り始めた。純潔だった部分がこすられ、えぐられ、鋭い痛みを美汐に与える。
「うう…ふぅっ…うああぁ…」
しかし、勢いよく北川の腰が美汐の腰に叩きつけられるたびに、秘核がワイルドな刺激を感じて震え上がった。さっきから、自分のしっぽで丁寧にこすっていたのだ。乱暴に上から叩かれるだけでも、さやの中に隠れた真珠が敏感に官能を覚えてしまう。
そうなると、当然の反応としてじゅるじゅると愛液がこぼれ出した。潤滑液が出てきても痛いことには変わりないが、痛みが軽減されるのも事実である。そうすれば、快感もますます純粋に感じることができるようになる。
「感じてるな…お前」
「あっ、ああっ…あぅ…」
美汐は北川の突き上げを無抵抗に受け入れ、秘核がイレギュラーなタイミングでこすられるのを感じるしかなかった。蓄積された快感は美汐の理性を溶かし、ついには美汐自身も腰を少しず振り始める。
「処女のくせにスキモノだな、お前も」
「あっ…ああ」
美汐は最初とは別の感覚によって悶え、何かをつかもうとして床の上で指を滑らせていた。
もっとも、この敏感さが美汐生来のものであるわけではない。美汐は2年前に魔術師契約の儀式を通過し、そこで全裸にされて秘核を触られるという経験をしたが、そこでの緊張感と2年間の美汐の体の成長を考えても今の美汐は敏感すぎる。さっきの薬は意識を奪って体のコントロールを一部奪うだけではなく、催淫効果も持ち合わせていたようだ。
「はっ、はぁっ、はぁ、ああっ…」
美汐の呼吸が急ピッチで速まっていく。
「くれてやる…」
「うああっ!」
ビク! ビク…ビクンッ!
びゅ、びゅ、びゅ、びゅっ。
処女の狂おしい絶頂の中に、北川の精がほとばしった。
「う…ううう…ううう」
美汐は全身を小さく縮めながら激しく体を痙攣させている。そして北川の長大なモノを搾り取るように強く締め付けていた。痛みと、恍惚とした快感が入り交じる。
「さすが一級の魔術師だけあるな。こっちの方も初物だってのに極上だ」
「はぁ…北川様…」
普段の理知的な様子とはまるでかけ離れた声で、美汐はねだるような声を漏らした。
「今日はもう終わりだ。俺はやることがある。残りの薬半分はキツネに飲ませるんだぞ。いいな」
「は…はい」
少女の無邪気な性欲と、熟女の狡猾な淫乱が美汐の瞳の中で合一した。
「や、やめなさいよっ!? 何考えてんの、あんたたちっ…!!」
怒りに満ちた叫びが響く。テーブルの上にある、カップに入った紅茶の水面が揺れ動いていた。実際には坂下の声が原因で揺れているわけではないようだが、まるで坂下の怒りが空気を震わせているようにすら見える。それほどの勢いで、坂下は怒っている。
「そう邪険にすることもないでしょ?」
綾香が坂下の性器をマッサージするかのように軽く撫でた。
「やっ、やめなさいっ…この変態っ」
坂下は嫌悪の声を上げるが、身体の方は全く動いていない。広いベッドの真ん中に大の字に寝かせられ、筋肉質の裸を晒している。長身なだけに、膨らみに乏しいボディラインが目立っていた。それに加えてまんべんなく日焼けしている事が男性的な体つきを強調していたが、胸と恥丘の膨らみは確実に女のものである。
「昔から、好恵は男嫌いだったわね…まだここは…」
「や、やめっ」
「うん。とっても綺麗よ」
綾香は鮮紅色の秘部に息がかかるほど顔を近づけ、坂下の無垢な性器を観察する。
「あ、綾香ッ、もうこんなこと、やめなさいよ…」
「大人しくされていた方が身のためだと思うけれど」
無骨さを感じさせない綾香のすらりとした指が坂下の秘部に入り込んで、ちょんちょんと軽くつつく。
「く…うっ、うっ、うううっ…」
坂下は強烈な打撃を受けた時のような顔をすると、ぶるっ、ぶるるっと身体を震わせる。
じわっ…
「あら…これは何かしら? 坂下好恵さん?」
綾香は染みだした液体を指ですくって、微笑みながら坂下の目の前で見せつける。きらきらと光った指先から、ねっとりした体液が糸を引きそうになっていた。
「さ、さっきの紅茶」
「何のことかしらね」
しらじらしく言って、綾香は濡れた蜜壷を指一本だけで濃厚に愛撫する。
「うっ…ふくっ…あああああっ…」
坂下が筋肉を引き締めようとするほど、性感は鋭敏になってますます淫靡な蜜があふれてしまう。粘膜の中は、坂下自身の体液でぬらぬらとした光を帯びつつあった。
「うん…これだけ濡れれば、十分ね」
綾香はそう言ってのけると、濡れた指先をぺろりと舐める。
「葵、上がってらっしゃい」
「はっ…はいっ…」
葵のうわずった声が、ベッドの下から響いてきた。
そこからは、しゅっしゅっと何かをこする音がひっきりなしに聞こえてくる。葵は、ベッドを背に絨毯の上に座り、自分の身体を慰めていたのだ。脚の付け根から生やされた、異形の太い肉棒を自らしごく事によって。
あちこちを好き勝手に向いた葵のショートカットと、口元からわずかにのぞいている舌の先は葵がこの上なく興奮していることを如実に示していた。身体の周りには、放り投げられた制服や下着が散乱している。
「はっ…、はぁっ…あ、綾香さん…」
「あらあら、葵ったらそんなに大きくしちゃって…」
「も、もう我慢できませんっ…!」
葵は欲情にたぎった目をぎらぎらと輝かせながら、綾香の身体に這うようにして近づいていった。
「それは良かったわ。葵、好恵の相手をしてあげなさい」
「っ!!」
「うっ…は、はい、わかりました」
葵は一瞬の躊躇を見せたが、すぐにうなずく。綾香は素早く坂下の前から身体をずらし、代わって葵がそこに動いた。そして、何の断りもなしに坂下の腰をつかんで引き上げた。
「い、いやよっ、葵っ! 目を覚ましなさい…葵っ!」
「も、もう…我慢できません」
股間から生えた肉棒が、ほどよく濡らされた蜜壷に密着する。十分にトレーニングを積まれた葵の腕は、坂下の身体を軽々と持ち上げていた。
「綾香っ…葵を止めて! この子に何飲ませたの!?」
「好恵に飲ませたのとおんなじような物よ…ちょっとだけ違うけどね」
「な、なんでこんな…きゃああっ!?」
じゅぶ。
坂下が普段の低い声とは打って変わった、かん高い悲鳴を上げる。
「あっ、あっ…はああっ…」
葵が感極まったような声を上げて、腰をぐいと押し込んでいく。犯しているのか犯されているのかわからないような表情を浮かべて、葵は巨大な肉棒を根元までずっぽりと突き刺していた。
「かっ…かはっ…あっ…」
坂下は短い息を吐き出しながら、わなわなと身体を震わせる。
じゅぶる、じゅぶっ!
「うあっ…あっ…あっ!」
「ひあぁ…ふぅっ…くふぅ…気持ちいい…です…」
理性を失った葵の抽送に、坂下は歯を食いしばって耐えようとしていたがすぐに陥落した。反撃のチャンスがある中で相手の打撃に耐えるならともかく、一方的な陵辱、連続したじくじくという痛みは坂下に屈辱しか与えない。
じゅる、じゅる
たっぷりとした潤滑液のおかげでだいぶ苦痛は減っているはずなのだが、坂下は初経験の苦痛にすっかり動揺して取り込まれてしまったようだった。
「あ…あ…きゃっ!?」
「ちょっと手伝ってあげるわよ」
綾香が一本だけ指を用いて参戦すると、坂下がまた黄色い声を上げる。
「い、いや、綾香、もう許して…」
「なんで? こうしていると気持ちいいでしょう?」
「いや…いやよ…」
「頑固ね」
じゅぶ、じゅぶ。
葵が力いっぱいの抽送を繰り返すすぐそばで、綾香は秘裂と肉棒によって作られたデルタに指を差し込む。そして鉤状に曲げた指で、丁寧に坂下を愛撫する。
「スキンシップの場を作ってあげるって言ったら、ついてきたのは好恵じゃない」
「こ、こんなやり方なんて、聞いてないわよっ…」
涙声になりながらも、坂下は反論した。
「葵のことが一番近くに感じられるでしょ? ねぇ葵、好恵を感じてる?」
「は、はい…好恵さんの中、あったかくてきつくて気持ちいいです…」
「ほらね」
「う…うう」
坂下は涙しながらも、再び綾香がねちねちと敏感な部分を触り始めると沈黙せざるを得なかった。痛がゆいような感覚に飲み込まれて、あられのない喘ぎ声を出してしまわないようにするだけで精一杯だったのだ。
「あ、綾香さん、私もう」
「仕方ないわねぇ…一人でしてる時に気持ちよくなっちゃったんでしょ?」
「は、はい、ごめんなさい…我慢、できなくて…」
「いいわよ。このまましていても好恵イケないだろうから、思いっきりかけてあげなさい」
「なっ…」
綾香の言葉の最後の、理不尽な命令に坂下が表情を変える。
ずぶっ!
びゅぐるぅっ! どぴゅるる…
「あっ、うあ…あ」
坂下が抗議しようとした時には、葵は肉棒を引き抜いて白濁液のバルブを解放してしまっていた。大量の白い液体が勢い良く宙を飛び、驚愕している坂下の顔に直撃する。
びゅるっ、びゅる…びゅる
葵は放心しながらだらしなく前にペニスを突き出し、脈動と共に小さな体をひゅくひゅくと震わせていた。完全に理性を失った淫らな葵の顔も、少女としてありえない放出の前では、恥じらいに頬を赤らめているように見えないこともない。
「く、く…うっ」
黒い短髪から下腹部までの大量の白濁液。それが、二回の敗北を味わった者を示すレッテルだった。そのレッテリングを行ったのは、勝利をもぎ取った人間に他ならない。
坂下はがくんと頭を折りながらも、屈辱に身を甘んじるしかなかった。
怒りに満ちた叫びが響く。テーブルの上にある、カップに入った紅茶の水面が揺れ動いていた。実際には坂下の声が原因で揺れているわけではないようだが、まるで坂下の怒りが空気を震わせているようにすら見える。それほどの勢いで、坂下は怒っている。
「そう邪険にすることもないでしょ?」
綾香が坂下の性器をマッサージするかのように軽く撫でた。
「やっ、やめなさいっ…この変態っ」
坂下は嫌悪の声を上げるが、身体の方は全く動いていない。広いベッドの真ん中に大の字に寝かせられ、筋肉質の裸を晒している。長身なだけに、膨らみに乏しいボディラインが目立っていた。それに加えてまんべんなく日焼けしている事が男性的な体つきを強調していたが、胸と恥丘の膨らみは確実に女のものである。
「昔から、好恵は男嫌いだったわね…まだここは…」
「や、やめっ」
「うん。とっても綺麗よ」
綾香は鮮紅色の秘部に息がかかるほど顔を近づけ、坂下の無垢な性器を観察する。
「あ、綾香ッ、もうこんなこと、やめなさいよ…」
「大人しくされていた方が身のためだと思うけれど」
無骨さを感じさせない綾香のすらりとした指が坂下の秘部に入り込んで、ちょんちょんと軽くつつく。
「く…うっ、うっ、うううっ…」
坂下は強烈な打撃を受けた時のような顔をすると、ぶるっ、ぶるるっと身体を震わせる。
じわっ…
「あら…これは何かしら? 坂下好恵さん?」
綾香は染みだした液体を指ですくって、微笑みながら坂下の目の前で見せつける。きらきらと光った指先から、ねっとりした体液が糸を引きそうになっていた。
「さ、さっきの紅茶」
「何のことかしらね」
しらじらしく言って、綾香は濡れた蜜壷を指一本だけで濃厚に愛撫する。
「うっ…ふくっ…あああああっ…」
坂下が筋肉を引き締めようとするほど、性感は鋭敏になってますます淫靡な蜜があふれてしまう。粘膜の中は、坂下自身の体液でぬらぬらとした光を帯びつつあった。
「うん…これだけ濡れれば、十分ね」
綾香はそう言ってのけると、濡れた指先をぺろりと舐める。
「葵、上がってらっしゃい」
「はっ…はいっ…」
葵のうわずった声が、ベッドの下から響いてきた。
そこからは、しゅっしゅっと何かをこする音がひっきりなしに聞こえてくる。葵は、ベッドを背に絨毯の上に座り、自分の身体を慰めていたのだ。脚の付け根から生やされた、異形の太い肉棒を自らしごく事によって。
あちこちを好き勝手に向いた葵のショートカットと、口元からわずかにのぞいている舌の先は葵がこの上なく興奮していることを如実に示していた。身体の周りには、放り投げられた制服や下着が散乱している。
「はっ…、はぁっ…あ、綾香さん…」
「あらあら、葵ったらそんなに大きくしちゃって…」
「も、もう我慢できませんっ…!」
葵は欲情にたぎった目をぎらぎらと輝かせながら、綾香の身体に這うようにして近づいていった。
「それは良かったわ。葵、好恵の相手をしてあげなさい」
「っ!!」
「うっ…は、はい、わかりました」
葵は一瞬の躊躇を見せたが、すぐにうなずく。綾香は素早く坂下の前から身体をずらし、代わって葵がそこに動いた。そして、何の断りもなしに坂下の腰をつかんで引き上げた。
「い、いやよっ、葵っ! 目を覚ましなさい…葵っ!」
「も、もう…我慢できません」
股間から生えた肉棒が、ほどよく濡らされた蜜壷に密着する。十分にトレーニングを積まれた葵の腕は、坂下の身体を軽々と持ち上げていた。
「綾香っ…葵を止めて! この子に何飲ませたの!?」
「好恵に飲ませたのとおんなじような物よ…ちょっとだけ違うけどね」
「な、なんでこんな…きゃああっ!?」
じゅぶ。
坂下が普段の低い声とは打って変わった、かん高い悲鳴を上げる。
「あっ、あっ…はああっ…」
葵が感極まったような声を上げて、腰をぐいと押し込んでいく。犯しているのか犯されているのかわからないような表情を浮かべて、葵は巨大な肉棒を根元までずっぽりと突き刺していた。
「かっ…かはっ…あっ…」
坂下は短い息を吐き出しながら、わなわなと身体を震わせる。
じゅぶる、じゅぶっ!
「うあっ…あっ…あっ!」
「ひあぁ…ふぅっ…くふぅ…気持ちいい…です…」
理性を失った葵の抽送に、坂下は歯を食いしばって耐えようとしていたがすぐに陥落した。反撃のチャンスがある中で相手の打撃に耐えるならともかく、一方的な陵辱、連続したじくじくという痛みは坂下に屈辱しか与えない。
じゅる、じゅる
たっぷりとした潤滑液のおかげでだいぶ苦痛は減っているはずなのだが、坂下は初経験の苦痛にすっかり動揺して取り込まれてしまったようだった。
「あ…あ…きゃっ!?」
「ちょっと手伝ってあげるわよ」
綾香が一本だけ指を用いて参戦すると、坂下がまた黄色い声を上げる。
「い、いや、綾香、もう許して…」
「なんで? こうしていると気持ちいいでしょう?」
「いや…いやよ…」
「頑固ね」
じゅぶ、じゅぶ。
葵が力いっぱいの抽送を繰り返すすぐそばで、綾香は秘裂と肉棒によって作られたデルタに指を差し込む。そして鉤状に曲げた指で、丁寧に坂下を愛撫する。
「スキンシップの場を作ってあげるって言ったら、ついてきたのは好恵じゃない」
「こ、こんなやり方なんて、聞いてないわよっ…」
涙声になりながらも、坂下は反論した。
「葵のことが一番近くに感じられるでしょ? ねぇ葵、好恵を感じてる?」
「は、はい…好恵さんの中、あったかくてきつくて気持ちいいです…」
「ほらね」
「う…うう」
坂下は涙しながらも、再び綾香がねちねちと敏感な部分を触り始めると沈黙せざるを得なかった。痛がゆいような感覚に飲み込まれて、あられのない喘ぎ声を出してしまわないようにするだけで精一杯だったのだ。
「あ、綾香さん、私もう」
「仕方ないわねぇ…一人でしてる時に気持ちよくなっちゃったんでしょ?」
「は、はい、ごめんなさい…我慢、できなくて…」
「いいわよ。このまましていても好恵イケないだろうから、思いっきりかけてあげなさい」
「なっ…」
綾香の言葉の最後の、理不尽な命令に坂下が表情を変える。
ずぶっ!
びゅぐるぅっ! どぴゅるる…
「あっ、うあ…あ」
坂下が抗議しようとした時には、葵は肉棒を引き抜いて白濁液のバルブを解放してしまっていた。大量の白い液体が勢い良く宙を飛び、驚愕している坂下の顔に直撃する。
びゅるっ、びゅる…びゅる
葵は放心しながらだらしなく前にペニスを突き出し、脈動と共に小さな体をひゅくひゅくと震わせていた。完全に理性を失った淫らな葵の顔も、少女としてありえない放出の前では、恥じらいに頬を赤らめているように見えないこともない。
「く、く…うっ」
黒い短髪から下腹部までの大量の白濁液。それが、二回の敗北を味わった者を示すレッテルだった。そのレッテリングを行ったのは、勝利をもぎ取った人間に他ならない。
坂下はがくんと頭を折りながらも、屈辱に身を甘んじるしかなかった。
ぱたん。
「ここって…」
「姉さんのとこの部室よ」
綾香が雅史に向き直る。着ているのはいつも通りの寺女の制服だ。
「……」
雅史がドアの方を振り向くと、後ろ手で戸を閉めた芹香がこくりとうなずいた。
「そう…なんですか」
部屋は薄暗かった。学校の中だというのに、証明は燭台に灯(とも)されたロウソクだけだ。入り口のドアも、ただの学校の引き戸とは思えないほどにぴったりと閉まって廊下からの光を遮断している。何か細工をしてあるのかもしれない。
ぱたっ、ぱたっ…
「あの…」
小さく声を出す雅史に、前後から二人が近づいてくる。上履きが木の床を叩く乾いた音が、妙に雅史の不安感を煽った。
「そ、それで、僕に何の用事なんですか? 浩之のことですか?」
雅史は問う。
本来なら、もっと前にしておくべき質問だったのかもしれない。しかし、浩之を通じて多少知っているといった程度の関係の芹香と綾香に校庭で話しかけられてしまった時、雅史はすっかり面食らってしまっていた。しかも、他校の制服を着ている綾香が雅史の制止も聞かずに校舎の中に入っていって閉まった。堂々と校内を歩き回ろうとする綾香を放っておくこともできず、雅史は二人が歩くままについてきてしまったのだ。
だから、人目につく事を恐れて、廊下を歩く間は何も会話をしていない。
「そうねぇ…」
綾香が、口元に楽しそうな笑いを浮かべていった。思わず雅史が芹香の方を振り向くと、こちらは全くの無表情だ。どちらの表情も、この状況では雅史の不安を煽ることしかしない。
「え、えっと」
雅史は綾香の方に一歩後ずさり、それからまた芹香の方に一歩踏み出した。動くことが出来ない。何とも言えないプレッシャーが雅史の動きを押さえつけてくる。
すたっ…
「!?」
軽やかなステップの音がしたかと思うと、雅史の背中が強く抱きすくめられる。
「え、えっ…!」
雅史がびくっと顔を後ろに向けると、綾香の顔が眼前に迫って雅史の顔をのぞきこんでいた。つり目がちな綾香の瞳が、誘惑の色を帯びて光っている。
慌てて綾香から顔をそらし、視線を前に向けると芹香は懐から何かを取りだそうとしていた。
「こ、これは…」
雅史の頬を、汗がつたう。
その雅史の細いあごを、ぱし、と綾香の手がつかんだ。そのまま、ゆっくりと綾香の方を向かせる。
「しばらくの間、私たちに付き合ってもらえるかしら?」
「つ、つきあうって、何をするんですか…?」
あごを支える手の力はあくまで弱いものだったが、雅史は綾香の吸い込むような視線に顔を動かせなくなってしまう。既に少し震え始めた声で、問い返すのがやっとだった。
「い・い・こ・と」
明らかに作り声とわかる言葉でも、綾香の大人びたトーンが耳元でささやかれると雅史の緊張は一気に高まってしまう。それに加えて、綾香の手が雅史のYシャツのボタンの辺りに絡んできた。
ぷつっ…
「あっ」
最初から外されていた第一ボタンを素通りし、二番目のボタンが外される。下からランニングのシャツがのぞく。
きゅぽ…
その時何かを引っこ抜くような音がした。見ると、芹香の手に透明な色をした液体の入った小瓶がある。今のは、その栓を抜く音だったようだ。
「な、なんでこんなことを」
ぷつっ。
三番目のボタンも外される。芹香が小瓶を持って、綾香の方に近づいていく。どんどん進展していく状況に、雅史も落ち着いてはいられなくなってきた。
「ん」
ちゃぽちゃぽ…
綾香が口を開け、芹香がそこに小瓶の中身を注ぎ込む。量はそれほど多くない。栄養ドリンクの瓶の半分もないかもしれない。だが、綾香はそれが口の中に注ぎ込まれても飲み込もうとはしていないようだった。口の中に、注ぎ込まれた液体を溜め込んでいるように見える。
一体どうすればいいのかわからず、雅史は途方に暮れていた。しかし、その途方に暮れる時間すら長くは続かない。綾香の手が再度雅史のあごに掛かり、綾香の方を向かせる。
雅史はそれに大人しく従ったが、綾香の指が雅史の唇に触れると驚きの表情を深めた。
くちゅっ…
「!!」
そして、綾香の唇が自分の半開きになった口に押しつけられると、声にならない言葉が漏れる。反射的に顔をそらしそうになったが、綾香に背中を押さえられているために逃げ切れなかった。覆いかぶさるような口づけが雅史の薄桃の唇を襲う。
ちゅる…ちゅるっ
「ふんっ…んんーっ!」
生まれて初めてのキッスに、雅史は目を白黒させるしかなかった。しかも、口に含んだ液体を綾香がどんどん送り込んでくる。アルコールのような匂いのする液体が、雅史の口腔の中を満たしていく。
ちゅるん…れろっ…れろっ…
すっかり液体を雅史の中に流し込んでしまうと、綾香は舌を差し込んで雅史の舌をくすぐった。完全に未知の感覚に、抵抗力のない雅史は耐えきれず筋肉を弛緩させてしまう。倒れ込みそうになる雅史を、芹香が前から支えた。前後から少女の柔い肉体に挟まれた雅史は、それ以上に弱々しい表情を浮かべて綾香のキッスに身を委ねてしまっていた。
こく…こくん
初めは液体を飲み込むことを拒んでいた雅史も、やがて綾香の唾液と混ざったそれを少しずつ嚥下していく。既に潤み始めていた雅史の目が、じわっと揺れた。それでも綾香は雅史の胸をまさぐるような動きを加えながら情熱的に雅史の唇をついばみ続ける。
芹香も、ただ雅史の体を支えているだけではなかった。積極的な動きこそしないものの、さりげなく内股に回した手で微妙なところを撫でる。薄い学生ズボンの生地を通して、細長い芹香の指が楽器を奏でるように雅史を触った。それに加えて、下腹部をゆるゆると雅史に押しつける。あまり身長の高くない雅史は、芹香とも綾香とも身長差が少ない。芹香の敏感な部分は、そのまま雅史の敏感な部分に密着した。
「………」
芹香は、既に雅史の股間の固いものを感じている。この状況下で、健康な少年が勃起しないわけがない。しかし、初(うぶ)な雅史にとっては縮み上がるほど恥ずかしい経験だった。
そうする内に、雅史は全身が熱くなってくるのを感じる。顔とペニスだけではない。ちょっとした料理屋に行った時に飲まされたワインのように、喉から熱さが広がって、それがとどめようもないほどに広がっていった。アルコールの比ではない、すさまじいスピードで全身に熱さが広がっていく。頭のてっぺんから指の先まで、熱っぽい血流が巡っているような気分だった。
ちゅぷんっ。
「ふむんっ…はぁ…もういいかしらね」
「…はあぁぁ…はあぁっ…」
綾香がようやく雅史の唇を解放すると、雅史は震えた声で泣いているような息をしながら呼吸を整え始めた。単に呼吸が苦しかったとか、興奮したとかいうだけでは済まない。明らかに体が変調を起こしていた。
その中でも一番おかしくなっているのが…自分の先輩のスカートに押しつけてしまっている、固い肉棒だ。もちろん、雅史も勃起するのが初めてということはない。だが、これほどまでに熱く大きく固くなった状態が継続するというのは経験したことがなかった。何か熱い心棒でも通されたように肉棒が勃起しっぱなしになって、抑えようがないのだ。
「姉さん、どいて」
こく。
綾香が言うと、芹香が雅史から少しずつ体を離していった。綾香は雅史の体を両手でしっかりと抱え込んで、崩れ落ちそうになる雅史を支える。
「あら? 佐藤君、これは何かしら?」
また耳元に口を近づけて、綾香が言う。学生ズボンを激しく突き上げている隆起を指摘されているのは明らかだ。
「ううっ!」
それを強調するかのように、身を離した芹香が指先だけを雅史の股間に近づけて頂点の部分をなぞった。雅史の体に、電流にも近い快感が走る。
「姉さんの指、どんな気分?」
「や、やめてくださいっ…そこは…」
芹香の愛撫は地面に絵でも描いているような単調で軽いタッチのものだったが、雅史は弛緩しきった体を必死に動かそうとして悶える。間接的な刺激なのに、恐ろしいほどの快感が生まれていた。
「気持ちいいでしょ?」
「い、いやっ、そんなっ…だ、だめですっ! 来栖川先輩っ、やめてください! も、もう…!!」
「えっ」
綾香が意外そうな顔をした瞬間、雅史は弛緩していたはずの体を激しく痙攣させた。
びゅくん、びゅくん、びゅくん…!
「うっ…あ…ああっ…」
雅史がうなだれて、屈辱にまみれたうめき声を上げる。そして、一定の間隔で体を震わせる。
芹香も多少の驚きの表情を見せていた。止まった指の先には、確かな肉棒の振動と、何かが叩きつけられるような感触が感じられる。そして、さっきまでと比べて、明らかに温かくなっている。
「ひっ…や、やめて…くだ…」
芹香が確かめるように指をぐいぐいと押し込むと、ズボン越しにもぬるんとした感触が返ってきた。雅史はようやく絶頂が収まり始めたばかりの所に敏感な部分を刺激され、悲痛な声を漏らす。
「佐藤君、早すぎるわよ? いつもちゃんと自分でしてる?」
「そ、そんな、こと」
「ふふふ…ちゃんと自分でもできるようにお勉強しなくちゃね。それから、学校でお漏らししちゃったお仕置き…」
「え、えっ」
綾香は、雅史を支えていた手をするっと引き抜く。
「あっ…」
既に全身の力を失っていた雅史は、膝からがくっと床に倒れ込んだ。そのまま、仰向けになって床に転がってしまう。
そこに、芹香と綾香は獲物を捕らえる肉食獣のように飛びついた。芹香が上半身、綾香が上半身。
「………」
抵抗できない雅史は、自分の服が剥かれていくのをただ見ているだけしかできなかった。きちんとズボンの中に入れていたYシャツの裾が芹香の手で引っぱり出され、ボタンが全部外される。綾香が、黒いベルトを機械でも扱うように事務的かつ効果的な手つきで外す。そして学生ズボンのホックとジッパーを素早く取ると、一気にぐいっと膝の辺りまで脱がせてしまう。
「こんなに出したんだ」
白い綿のランニングとブリーフの雅史。そのブリーフはべっとりと濡れて、隙間から半透明の白濁液がこぼれてきていた。雅史はついに目を閉じてしまう。まぶたから、涙の雫があふれた。
綾香は雅史の体の左に回り込み、右に位置している芹香と一緒に雅史のランニングをつかむ。そして、子供にするような手つきでずるずるとランニングを脱がしていく。
「よっ」
最後に雅史の髪をばさっと揺らしながら、二人は雅史のランニングを完全にはぎ取ってしまった。髪の毛が乱れた雅史は、ますます憔悴したように見える。それなりに筋肉はついているが、どこか華奢なイメージを隠しきれない肉体が露わになっていた。
残っているのは汚れたブリーフだけという、惨めな格好を二人の少女の前に晒している。雅史は何も考えないようにしたが、涙ぐんでしまうのを止めることはできなかった。
ちゅく。
「!?」
だが、突然胸に濡れた感覚が走ると雅史は再び体を跳ね上げそうになる。
ちゅく…ちゅくっ。
「んっ…んん」
両方の胸の、ごく小さな突起のある部分が舐められている。綾香と芹香、それぞれが舌を出して雅史の乳頭をくすぐっているのだ。じらしの全くない、突起の部分だけを執拗に舐める動きである。初めはくすぐったさが先に立ったが、じきに背を這い上がるような快感が生まれてきてしまった。決して小さくないが、どこか間接的な刺激が雅史の体を再び熱くしていく。
「はぁ、はぁ、はぁっ…」
そんな所を刺激されるとは思っていなかった雅史も、すぐに呼吸を熱くしてしまった。肉棒を触られていたときよりもずっと被制圧感の強い愛撫に、雅史は無意識のうちに虜になってしまったようだった。
「佐藤君、男の子もここ感じるの知らなかったでしょ?」
「………」
雅史は少し顔を芹香寄りに向けながら、無言だった。
「でも、一番好きなのはやっぱりこっちね」
綾香が言うと、雅史はまた体を震え上がらせてしまう。そして、雅史にとってはかなりの長い沈黙を挟んだ後、ブリーフをつかまれたのが感じられた。
芹香と綾香は、ランニングの時と全く同じようにブリーフをつかみ、ゆっくりと下ろしていく。べっとりとしたブリーフが下ろされて、粘液のついた肉棒が外気に晒されるのがわかった。さっき放出したばかりなのにもう固さを取り戻している肉棒を屹立させながら、雅史はブリーフが下ろされ、途中でズボンと合流し、最後に上履きと一緒に脱がされるのを固唾を飲んで待つ。
ぱさっ…ぱたっ。
そして、雅史は靴下しか身につけていない状態にされた。
「ふぅん…早いけれど…結構大きいのね」
にちゃっ。
「くぅ…」
指が肉棒に絡むと、さきほどの愛撫を彷彿とさせる快感がびしっと雅史を突き抜けた。
「姉さん、来て」
目を閉じている雅史には、無言で行動する芹香が何をしようとしているのかはさっぱりわからない。ただ、次の刺激がどこに生まれるのかだけは明白だった。そう思うだけで、その部分が異様に敏感になってきてしまう。
ぺろん…
「あっ…うあっ!」
ぺろ…つぅぅっ…
次の瞬間、雅史は大声を上げていた。
舌だ。綾香と芹香が、両脇から同時に雅史の肉棒に舌を這わせたのだ。放出された白濁液を舐め取るように、二人で半分ずつを丁寧に舐め上げる。
ちゅるん。
「ふぅ…どう? 気持ちいいでしょ?」
雅史はぴくぴくと体を震わせることしかできなかった。液体を舐め取るためだけの目的だったのか、それほど長い時間の舌戯ではなかったが、雅史にショックと背徳感を与えるには十分すぎる行為だ。
「じゃ、今度は私たちの番ね」
「…?」
雅史は意味を取りかねたが、いきなり肉棒の先にぬめついたひだひだの感触が感じられると、さすがに狼狽する。雅史は、芹香も綾香もまだ服を着ていると思っていたのだ。だが、突然生まれた指でも口でもない特殊な感触は、綾香の秘めた部分なのだと本能的に雅史に伝える。
「あ、あ」
…じゅるんっ!
「あああああっ!?」
一瞬にして、雅史は童貞を失っていた。
じゅぷ、じゅぷ…
「うんっ…はぁ、なかなか…いいわよ…こんな可愛い顔した男の子を私の物にしたって聞いたら…怒る子、きっと多いんでしょうね…」
肉棒全体が、ジューシィな感触の柔らかい媚肉に包まれている。そこが生き物のようにうごめき、上下に動いて雅史の肉棒をしごくように刺激する。
初経験のぬめった膣内と、綾香のきつい締め付け。雅史は目がくらむような快感を感じながら、うっすらと目を開けようとした。
「…!?」
目の前が真っ暗になっていた。そう思ったが、違う。
ぬちゅ…
「う…ううんっ…うっ」
雅史の口は、何か温かなもので覆われていた。そして口腔の中に、酸っぱい液体が流れ込んでくる。酸味に交じって、ふんわりとした甘めの香りも交じっていた。秘部の味と香りなのだと、雅史は再び本能的に理解していた。
じゅぷ、じゅぷ…
「ふぅ…んん」
雅史の肉棒は、未だ綾香の膣内でねんごろな摩擦を受けている。つまり、今雅史の口に押しつけられているのは芹香の性器ということになる。
ぺろ。ぺろ…
全身の興奮と淫乱な少女達の空気に飲まれ、雅史は舌を動かしていた。何もわからないが、とにかく舌を上下左右に動かす。口の中に流れ込んできた酸っぱい液体は、舐め取って飲み込む。
ぺろ、ぺろ。
雅史は同じ箇所をただ舐め続けた。そうすると、芹香は自ら腰を動かして望む位置に雅史の舌を誘導する。
ぺろ、ぺろ…
舌の先に、固い粒が引っかかるようになった。雅史は同じ舌の動きを続ける。芹香は腰の位置を微調整して、雅史の舌の先がぴったりと粒に当たるようにした。
「姉さん、佐藤君の舌、どう…?」
雅史には、芹香が綾香にどう反応を返したのかわからない。ただ、口の中に流れ込む液体の量がそれとわかるほどに多くなってきているし、芹香の腰が時折震えるようになってきたのもわかった。雅史は忠実に同じ位置で舌を動かし続ける。
「う、うん…私も…すごく、いい…」
綾香の声が、随分と切羽詰まったものになってきていた。しかし腰を振る動きはますます激しくなってきている。雅史の肉棒は、早くも二回目の放出に近づきつつあった。
「さ、佐藤君も動きなさいっ! こ、腰を上げて…そ、そうっ!」
雅史は綾香の命令に従い、あるだけの力で腰を跳ね上げる。綾香はそれに合わせて、全体重を叩き落とすように腰を下ろした。強い衝撃に、綾香の中がぎゅううっと強烈に締まる。
芹香も官能を高めているようだった。腰のグラインドを強めて、雅史の舌の位置よりも強く突起を雅史の舌に押しつけることを重視した動きになっている。痙攣も、より頻繁に起こるようになってきたようだった。
「うっ…イ、イク…」
綾香が絶句して、雅史の肉棒を搾り取るように膣が収縮する。
ビクッ…ビク、ビク、ビクっ…!
びゅ…びゅくっ、びゅくん、びゅく…
完全に絶頂は合一し、雅史は極みを迎えた綾香の膣内に激しく放出した。
同時に、芹香の腰もぶるぶると震えて雅史の顔にありたけの力で押しつけられる。芹香も、雅史の舌だけで絶頂してしまったようだ。
「は…はぁっ…サイコー…」
綾香がそう言い放った。
「姉さん…ん…んんっ」
そして、二人の姉妹は雅史の上にまたがりながら口づけを始める。
雅史は二度目の絶頂に放心しながら、一週間ばかり学校を休んでいる浩之がどうしたのかをぼんやりと考えていた。
「ここって…」
「姉さんのとこの部室よ」
綾香が雅史に向き直る。着ているのはいつも通りの寺女の制服だ。
「……」
雅史がドアの方を振り向くと、後ろ手で戸を閉めた芹香がこくりとうなずいた。
「そう…なんですか」
部屋は薄暗かった。学校の中だというのに、証明は燭台に灯(とも)されたロウソクだけだ。入り口のドアも、ただの学校の引き戸とは思えないほどにぴったりと閉まって廊下からの光を遮断している。何か細工をしてあるのかもしれない。
ぱたっ、ぱたっ…
「あの…」
小さく声を出す雅史に、前後から二人が近づいてくる。上履きが木の床を叩く乾いた音が、妙に雅史の不安感を煽った。
「そ、それで、僕に何の用事なんですか? 浩之のことですか?」
雅史は問う。
本来なら、もっと前にしておくべき質問だったのかもしれない。しかし、浩之を通じて多少知っているといった程度の関係の芹香と綾香に校庭で話しかけられてしまった時、雅史はすっかり面食らってしまっていた。しかも、他校の制服を着ている綾香が雅史の制止も聞かずに校舎の中に入っていって閉まった。堂々と校内を歩き回ろうとする綾香を放っておくこともできず、雅史は二人が歩くままについてきてしまったのだ。
だから、人目につく事を恐れて、廊下を歩く間は何も会話をしていない。
「そうねぇ…」
綾香が、口元に楽しそうな笑いを浮かべていった。思わず雅史が芹香の方を振り向くと、こちらは全くの無表情だ。どちらの表情も、この状況では雅史の不安を煽ることしかしない。
「え、えっと」
雅史は綾香の方に一歩後ずさり、それからまた芹香の方に一歩踏み出した。動くことが出来ない。何とも言えないプレッシャーが雅史の動きを押さえつけてくる。
すたっ…
「!?」
軽やかなステップの音がしたかと思うと、雅史の背中が強く抱きすくめられる。
「え、えっ…!」
雅史がびくっと顔を後ろに向けると、綾香の顔が眼前に迫って雅史の顔をのぞきこんでいた。つり目がちな綾香の瞳が、誘惑の色を帯びて光っている。
慌てて綾香から顔をそらし、視線を前に向けると芹香は懐から何かを取りだそうとしていた。
「こ、これは…」
雅史の頬を、汗がつたう。
その雅史の細いあごを、ぱし、と綾香の手がつかんだ。そのまま、ゆっくりと綾香の方を向かせる。
「しばらくの間、私たちに付き合ってもらえるかしら?」
「つ、つきあうって、何をするんですか…?」
あごを支える手の力はあくまで弱いものだったが、雅史は綾香の吸い込むような視線に顔を動かせなくなってしまう。既に少し震え始めた声で、問い返すのがやっとだった。
「い・い・こ・と」
明らかに作り声とわかる言葉でも、綾香の大人びたトーンが耳元でささやかれると雅史の緊張は一気に高まってしまう。それに加えて、綾香の手が雅史のYシャツのボタンの辺りに絡んできた。
ぷつっ…
「あっ」
最初から外されていた第一ボタンを素通りし、二番目のボタンが外される。下からランニングのシャツがのぞく。
きゅぽ…
その時何かを引っこ抜くような音がした。見ると、芹香の手に透明な色をした液体の入った小瓶がある。今のは、その栓を抜く音だったようだ。
「な、なんでこんなことを」
ぷつっ。
三番目のボタンも外される。芹香が小瓶を持って、綾香の方に近づいていく。どんどん進展していく状況に、雅史も落ち着いてはいられなくなってきた。
「ん」
ちゃぽちゃぽ…
綾香が口を開け、芹香がそこに小瓶の中身を注ぎ込む。量はそれほど多くない。栄養ドリンクの瓶の半分もないかもしれない。だが、綾香はそれが口の中に注ぎ込まれても飲み込もうとはしていないようだった。口の中に、注ぎ込まれた液体を溜め込んでいるように見える。
一体どうすればいいのかわからず、雅史は途方に暮れていた。しかし、その途方に暮れる時間すら長くは続かない。綾香の手が再度雅史のあごに掛かり、綾香の方を向かせる。
雅史はそれに大人しく従ったが、綾香の指が雅史の唇に触れると驚きの表情を深めた。
くちゅっ…
「!!」
そして、綾香の唇が自分の半開きになった口に押しつけられると、声にならない言葉が漏れる。反射的に顔をそらしそうになったが、綾香に背中を押さえられているために逃げ切れなかった。覆いかぶさるような口づけが雅史の薄桃の唇を襲う。
ちゅる…ちゅるっ
「ふんっ…んんーっ!」
生まれて初めてのキッスに、雅史は目を白黒させるしかなかった。しかも、口に含んだ液体を綾香がどんどん送り込んでくる。アルコールのような匂いのする液体が、雅史の口腔の中を満たしていく。
ちゅるん…れろっ…れろっ…
すっかり液体を雅史の中に流し込んでしまうと、綾香は舌を差し込んで雅史の舌をくすぐった。完全に未知の感覚に、抵抗力のない雅史は耐えきれず筋肉を弛緩させてしまう。倒れ込みそうになる雅史を、芹香が前から支えた。前後から少女の柔い肉体に挟まれた雅史は、それ以上に弱々しい表情を浮かべて綾香のキッスに身を委ねてしまっていた。
こく…こくん
初めは液体を飲み込むことを拒んでいた雅史も、やがて綾香の唾液と混ざったそれを少しずつ嚥下していく。既に潤み始めていた雅史の目が、じわっと揺れた。それでも綾香は雅史の胸をまさぐるような動きを加えながら情熱的に雅史の唇をついばみ続ける。
芹香も、ただ雅史の体を支えているだけではなかった。積極的な動きこそしないものの、さりげなく内股に回した手で微妙なところを撫でる。薄い学生ズボンの生地を通して、細長い芹香の指が楽器を奏でるように雅史を触った。それに加えて、下腹部をゆるゆると雅史に押しつける。あまり身長の高くない雅史は、芹香とも綾香とも身長差が少ない。芹香の敏感な部分は、そのまま雅史の敏感な部分に密着した。
「………」
芹香は、既に雅史の股間の固いものを感じている。この状況下で、健康な少年が勃起しないわけがない。しかし、初(うぶ)な雅史にとっては縮み上がるほど恥ずかしい経験だった。
そうする内に、雅史は全身が熱くなってくるのを感じる。顔とペニスだけではない。ちょっとした料理屋に行った時に飲まされたワインのように、喉から熱さが広がって、それがとどめようもないほどに広がっていった。アルコールの比ではない、すさまじいスピードで全身に熱さが広がっていく。頭のてっぺんから指の先まで、熱っぽい血流が巡っているような気分だった。
ちゅぷんっ。
「ふむんっ…はぁ…もういいかしらね」
「…はあぁぁ…はあぁっ…」
綾香がようやく雅史の唇を解放すると、雅史は震えた声で泣いているような息をしながら呼吸を整え始めた。単に呼吸が苦しかったとか、興奮したとかいうだけでは済まない。明らかに体が変調を起こしていた。
その中でも一番おかしくなっているのが…自分の先輩のスカートに押しつけてしまっている、固い肉棒だ。もちろん、雅史も勃起するのが初めてということはない。だが、これほどまでに熱く大きく固くなった状態が継続するというのは経験したことがなかった。何か熱い心棒でも通されたように肉棒が勃起しっぱなしになって、抑えようがないのだ。
「姉さん、どいて」
こく。
綾香が言うと、芹香が雅史から少しずつ体を離していった。綾香は雅史の体を両手でしっかりと抱え込んで、崩れ落ちそうになる雅史を支える。
「あら? 佐藤君、これは何かしら?」
また耳元に口を近づけて、綾香が言う。学生ズボンを激しく突き上げている隆起を指摘されているのは明らかだ。
「ううっ!」
それを強調するかのように、身を離した芹香が指先だけを雅史の股間に近づけて頂点の部分をなぞった。雅史の体に、電流にも近い快感が走る。
「姉さんの指、どんな気分?」
「や、やめてくださいっ…そこは…」
芹香の愛撫は地面に絵でも描いているような単調で軽いタッチのものだったが、雅史は弛緩しきった体を必死に動かそうとして悶える。間接的な刺激なのに、恐ろしいほどの快感が生まれていた。
「気持ちいいでしょ?」
「い、いやっ、そんなっ…だ、だめですっ! 来栖川先輩っ、やめてください! も、もう…!!」
「えっ」
綾香が意外そうな顔をした瞬間、雅史は弛緩していたはずの体を激しく痙攣させた。
びゅくん、びゅくん、びゅくん…!
「うっ…あ…ああっ…」
雅史がうなだれて、屈辱にまみれたうめき声を上げる。そして、一定の間隔で体を震わせる。
芹香も多少の驚きの表情を見せていた。止まった指の先には、確かな肉棒の振動と、何かが叩きつけられるような感触が感じられる。そして、さっきまでと比べて、明らかに温かくなっている。
「ひっ…や、やめて…くだ…」
芹香が確かめるように指をぐいぐいと押し込むと、ズボン越しにもぬるんとした感触が返ってきた。雅史はようやく絶頂が収まり始めたばかりの所に敏感な部分を刺激され、悲痛な声を漏らす。
「佐藤君、早すぎるわよ? いつもちゃんと自分でしてる?」
「そ、そんな、こと」
「ふふふ…ちゃんと自分でもできるようにお勉強しなくちゃね。それから、学校でお漏らししちゃったお仕置き…」
「え、えっ」
綾香は、雅史を支えていた手をするっと引き抜く。
「あっ…」
既に全身の力を失っていた雅史は、膝からがくっと床に倒れ込んだ。そのまま、仰向けになって床に転がってしまう。
そこに、芹香と綾香は獲物を捕らえる肉食獣のように飛びついた。芹香が上半身、綾香が上半身。
「………」
抵抗できない雅史は、自分の服が剥かれていくのをただ見ているだけしかできなかった。きちんとズボンの中に入れていたYシャツの裾が芹香の手で引っぱり出され、ボタンが全部外される。綾香が、黒いベルトを機械でも扱うように事務的かつ効果的な手つきで外す。そして学生ズボンのホックとジッパーを素早く取ると、一気にぐいっと膝の辺りまで脱がせてしまう。
「こんなに出したんだ」
白い綿のランニングとブリーフの雅史。そのブリーフはべっとりと濡れて、隙間から半透明の白濁液がこぼれてきていた。雅史はついに目を閉じてしまう。まぶたから、涙の雫があふれた。
綾香は雅史の体の左に回り込み、右に位置している芹香と一緒に雅史のランニングをつかむ。そして、子供にするような手つきでずるずるとランニングを脱がしていく。
「よっ」
最後に雅史の髪をばさっと揺らしながら、二人は雅史のランニングを完全にはぎ取ってしまった。髪の毛が乱れた雅史は、ますます憔悴したように見える。それなりに筋肉はついているが、どこか華奢なイメージを隠しきれない肉体が露わになっていた。
残っているのは汚れたブリーフだけという、惨めな格好を二人の少女の前に晒している。雅史は何も考えないようにしたが、涙ぐんでしまうのを止めることはできなかった。
ちゅく。
「!?」
だが、突然胸に濡れた感覚が走ると雅史は再び体を跳ね上げそうになる。
ちゅく…ちゅくっ。
「んっ…んん」
両方の胸の、ごく小さな突起のある部分が舐められている。綾香と芹香、それぞれが舌を出して雅史の乳頭をくすぐっているのだ。じらしの全くない、突起の部分だけを執拗に舐める動きである。初めはくすぐったさが先に立ったが、じきに背を這い上がるような快感が生まれてきてしまった。決して小さくないが、どこか間接的な刺激が雅史の体を再び熱くしていく。
「はぁ、はぁ、はぁっ…」
そんな所を刺激されるとは思っていなかった雅史も、すぐに呼吸を熱くしてしまった。肉棒を触られていたときよりもずっと被制圧感の強い愛撫に、雅史は無意識のうちに虜になってしまったようだった。
「佐藤君、男の子もここ感じるの知らなかったでしょ?」
「………」
雅史は少し顔を芹香寄りに向けながら、無言だった。
「でも、一番好きなのはやっぱりこっちね」
綾香が言うと、雅史はまた体を震え上がらせてしまう。そして、雅史にとってはかなりの長い沈黙を挟んだ後、ブリーフをつかまれたのが感じられた。
芹香と綾香は、ランニングの時と全く同じようにブリーフをつかみ、ゆっくりと下ろしていく。べっとりとしたブリーフが下ろされて、粘液のついた肉棒が外気に晒されるのがわかった。さっき放出したばかりなのにもう固さを取り戻している肉棒を屹立させながら、雅史はブリーフが下ろされ、途中でズボンと合流し、最後に上履きと一緒に脱がされるのを固唾を飲んで待つ。
ぱさっ…ぱたっ。
そして、雅史は靴下しか身につけていない状態にされた。
「ふぅん…早いけれど…結構大きいのね」
にちゃっ。
「くぅ…」
指が肉棒に絡むと、さきほどの愛撫を彷彿とさせる快感がびしっと雅史を突き抜けた。
「姉さん、来て」
目を閉じている雅史には、無言で行動する芹香が何をしようとしているのかはさっぱりわからない。ただ、次の刺激がどこに生まれるのかだけは明白だった。そう思うだけで、その部分が異様に敏感になってきてしまう。
ぺろん…
「あっ…うあっ!」
ぺろ…つぅぅっ…
次の瞬間、雅史は大声を上げていた。
舌だ。綾香と芹香が、両脇から同時に雅史の肉棒に舌を這わせたのだ。放出された白濁液を舐め取るように、二人で半分ずつを丁寧に舐め上げる。
ちゅるん。
「ふぅ…どう? 気持ちいいでしょ?」
雅史はぴくぴくと体を震わせることしかできなかった。液体を舐め取るためだけの目的だったのか、それほど長い時間の舌戯ではなかったが、雅史にショックと背徳感を与えるには十分すぎる行為だ。
「じゃ、今度は私たちの番ね」
「…?」
雅史は意味を取りかねたが、いきなり肉棒の先にぬめついたひだひだの感触が感じられると、さすがに狼狽する。雅史は、芹香も綾香もまだ服を着ていると思っていたのだ。だが、突然生まれた指でも口でもない特殊な感触は、綾香の秘めた部分なのだと本能的に雅史に伝える。
「あ、あ」
…じゅるんっ!
「あああああっ!?」
一瞬にして、雅史は童貞を失っていた。
じゅぷ、じゅぷ…
「うんっ…はぁ、なかなか…いいわよ…こんな可愛い顔した男の子を私の物にしたって聞いたら…怒る子、きっと多いんでしょうね…」
肉棒全体が、ジューシィな感触の柔らかい媚肉に包まれている。そこが生き物のようにうごめき、上下に動いて雅史の肉棒をしごくように刺激する。
初経験のぬめった膣内と、綾香のきつい締め付け。雅史は目がくらむような快感を感じながら、うっすらと目を開けようとした。
「…!?」
目の前が真っ暗になっていた。そう思ったが、違う。
ぬちゅ…
「う…ううんっ…うっ」
雅史の口は、何か温かなもので覆われていた。そして口腔の中に、酸っぱい液体が流れ込んでくる。酸味に交じって、ふんわりとした甘めの香りも交じっていた。秘部の味と香りなのだと、雅史は再び本能的に理解していた。
じゅぷ、じゅぷ…
「ふぅ…んん」
雅史の肉棒は、未だ綾香の膣内でねんごろな摩擦を受けている。つまり、今雅史の口に押しつけられているのは芹香の性器ということになる。
ぺろ。ぺろ…
全身の興奮と淫乱な少女達の空気に飲まれ、雅史は舌を動かしていた。何もわからないが、とにかく舌を上下左右に動かす。口の中に流れ込んできた酸っぱい液体は、舐め取って飲み込む。
ぺろ、ぺろ。
雅史は同じ箇所をただ舐め続けた。そうすると、芹香は自ら腰を動かして望む位置に雅史の舌を誘導する。
ぺろ、ぺろ…
舌の先に、固い粒が引っかかるようになった。雅史は同じ舌の動きを続ける。芹香は腰の位置を微調整して、雅史の舌の先がぴったりと粒に当たるようにした。
「姉さん、佐藤君の舌、どう…?」
雅史には、芹香が綾香にどう反応を返したのかわからない。ただ、口の中に流れ込む液体の量がそれとわかるほどに多くなってきているし、芹香の腰が時折震えるようになってきたのもわかった。雅史は忠実に同じ位置で舌を動かし続ける。
「う、うん…私も…すごく、いい…」
綾香の声が、随分と切羽詰まったものになってきていた。しかし腰を振る動きはますます激しくなってきている。雅史の肉棒は、早くも二回目の放出に近づきつつあった。
「さ、佐藤君も動きなさいっ! こ、腰を上げて…そ、そうっ!」
雅史は綾香の命令に従い、あるだけの力で腰を跳ね上げる。綾香はそれに合わせて、全体重を叩き落とすように腰を下ろした。強い衝撃に、綾香の中がぎゅううっと強烈に締まる。
芹香も官能を高めているようだった。腰のグラインドを強めて、雅史の舌の位置よりも強く突起を雅史の舌に押しつけることを重視した動きになっている。痙攣も、より頻繁に起こるようになってきたようだった。
「うっ…イ、イク…」
綾香が絶句して、雅史の肉棒を搾り取るように膣が収縮する。
ビクッ…ビク、ビク、ビクっ…!
びゅ…びゅくっ、びゅくん、びゅく…
完全に絶頂は合一し、雅史は極みを迎えた綾香の膣内に激しく放出した。
同時に、芹香の腰もぶるぶると震えて雅史の顔にありたけの力で押しつけられる。芹香も、雅史の舌だけで絶頂してしまったようだ。
「は…はぁっ…サイコー…」
綾香がそう言い放った。
「姉さん…ん…んんっ」
そして、二人の姉妹は雅史の上にまたがりながら口づけを始める。
雅史は二度目の絶頂に放心しながら、一週間ばかり学校を休んでいる浩之がどうしたのかをぼんやりと考えていた。
「え?先輩、なんだこれ」
「………」
浩之は芹香の差し出した瓶を受け取りながら訊く。
「あ…ま、そりゃ疲れてるって言ったけどさ、別に大したもんじゃ…」
「…………」
「はぁ…朝か」
こくこく。
芹香は浩之の手の中に瓶を預けると、それを押しつけたまま手を引いてしまった。浩之は困った目で瓶を見つめながら芹香の顔をうかがう。
「……」
「えっ…」
ぺこっ。
小さくお辞儀をすると、芹香は小走りで駆けていった。
「用って…先輩がそんなに忙しくしてるのもあんま想像つかねーけどなぁ…」
廊下の奥に消えていく芹香の後ろ姿を見ながら、浩之は一人つぶやく。
そして改めて、芹香に手渡された瓶に目をやった。瓶の大きさは牛乳瓶を少しつぶして太くしたような形で、中に入っている液体もそれなりの量だった。液体の色は透明。口にコルクで栓がしてある。
きゅぽ…
試しに浩之はコルクを抜いてみた。そして、化学実験でもしているような手つきで瓶から匂いが漂ってくるかどうかを確かめる。
「うーん…」
完全に無臭というわけではない。しかし、そこから漂ってくる匂いは何とも形容し難かった。強い刺激臭というわけではないので、素人考えには害がなさそうな匂いだったが…
きゅっ。
「あれ、浩之ちゃん?そんなところでどうしたの?」
コルクの栓を戻した時、背後からあかりの声がした。浩之が振り向くと、ちょうど教室から出てきた所といった様子のあかりの姿が目に入る。
「あ…いや、ちょっとな」
浩之は適当に言って、瓶をカバンの中に放り込む。
「浩之ちゃんも今帰るとこ?」
「ああ」
「今日も行って大丈夫だよね」
「当然だろ。テスト前に急用ぶちこむほど俺も暇人じゃないって」
「そうだね」
あかりがにこっと笑いながら浩之の横に並ぶ。
「しっかし、明日は厳しそうだな…教科書問題の答え丸暗記するしかねーか」
「公式を覚えておけば大丈夫だよ」
「そんなうまくいかねーって」
と、自然に始まった会話を続けながら浩之達は階段の方に向かって歩いていった。
「はい、お待ちどうさま」
「悪ぃな」
勉強道具が広げられたガラスのテーブル、浩之の部屋である。
あかりは盆の上にふたつのティーカップを載せて、部屋の入り口に立っていた。浩之の方は床に座って楽そうな姿勢をしている。
「紅茶だけだけれど…」
「仕方ないって、俺がなんも用意してなかったんだから」
「なにか甘いものがあると、勉強もはかどるかもね」
「そうだな…ま、そういうのはあとで気が付くもんだって」
「そうかもね」
あかりは盆を持って、テーブルの所まで歩いてくる。
「…あ!」
その時、あかりが慌てた声を出した。
「あっ…きゃっ…」
「あ…バカっ」
バランスを崩しかけるあかりを、浩之は呆れ顔で見る。床に置いてあったクッションに気づかず、足を滑らしそうになったのだ。
「きゃっ…あっ………ふぅっ…」
あかりは、必死になって紅茶をこぼさないように体勢を整える。何とか転ばずに済んだようで、こぼれた紅茶もごくわずかのようだった。
「ったく…気をつけろよ」
「ご、ごめんね…忘れてた」
あかりがばつの悪そうな顔になる。そして、体勢を完全に安定させようとして後ろに一歩下がった。
どんっ。
「あっ…」
「おい…」
がたっ…
ごんっ。ばしゃあっ!
「あっ…あああっ」
「…バカか、お前は」
浩之は苦笑いをしながら立ち上がる。
あかりがぶつかったのは黒い棚だった。その拍子に、棚の上に置いておいた瓶が落っこちてきたのだ。瓶はテーブルの角にぶつかって跳ね返り、衝撃でコルクの栓がはずれて中身が完全にぶちまけられた。どうやら、コルクの栓を押し込むのが中途半端だったようだ。
「ど、どうしよう…これって、何だったの?」
「気にすんなって。ただの水だ。それより、お前着替えないだろ」
「うん…どうしよう」
勉強道具には被害がなかったが、あかりのスカートの辺りは瓶の中身の液体でぐっしょりと濡れてしまっていた。スカートどころか、下着にまで染み込んでいきそうなほどの液体の量だ。床にもいくらか液体が垂れ続けていた。
かちゃ…
あかりはテーブルの上に紅茶の盆を置くと、自分のスカートに広がった巨大なシミを見つめた。簡単に乾きそうな状態ではない。制服ではないのが幸いだったが、いずれにしろ帰るときの服に困りそうな状態なのは間違いなかった。
「俺の服じゃ…貸しても着れないな」
「…うん」
「パジャマでも着とくか?洗濯機と乾燥機使えば、帰る事に何とか…」
すとん。
「………?」
浩之が洋服ダンスの方に向き直った瞬間、床に何かが落ちる音がする。
「…あかり?どうした?」
「…浩之ちゃん…」
振り向くと、あかりはさっきの姿勢からそのまま腰を床に落としたような姿勢になっている。スカートの奥が見えてしまいそうだった。普通なら脚を固く閉じて隠そうとするのが当然であるような姿勢で、あかりはなぜか脚を少し開き気味にしたままの姿勢をとっている。
「こけたのか?早く起きろよ」
「ち、ちがうの…脚が…」
「あし?」
「う、うごかない…痺れたみたいになっていて…」
「なんだって?」
浩之は疑いの目であかりを見つめた。だが、あかりの顔の不安極まり無さそうな表情を見ていると嘘ではなさそうに見える。元より、あかりはこんな事で嘘をつくタイプではない。
「参ったな…」
先輩…
浩之は心の中でつぶやいた。
疲れを取る薬と言われて、脚に触ったときに痺れ上がってしまうような薬を渡されたのではたまったものではない。素直に信じて飲んでいたならあの世行きだったかもしれないと思うと、浩之はぞっとしないものを覚えた。
「ちょっと待ってみて、それでダメだったら何か考えるか…少しマッサージしてやるよ」
「え…あ、あ、あの…浩之ちゃん…」
浩之があかりに近づいていくと、なぜかあかりが慌てた素振りを見せる。
「どうしたんだ?そりゃ触るとじんじんするかもしれないけど、その方が早く治るかもしれないだろ。子供みたいに痛いのが嫌だとか言ってる場合じゃねーぞ」
「ち、ちがう…の…」
あかりは顔を真っ赤にして、詰まらせたような声になる。
「あ?他に何か痛いところでもあるのか?」
「じゃ、じゃなくっ…てっ…」
一言一言の間に、あかりの様子は変化しているようだった。浩之はさすがに顔色を変えて、あかりの元に駆け寄る。
「おいっ!救急車呼ぶなら呼ぶぞっ!あかり、どうなんだっ…」
「い、いや…ひろ…ひろゆき…ちゃん…」
「あかりっ!!」
「へ…部屋から出ていてっ!お願いっ!浩之ちゃぁんっ!お願いぃっ!」
「…へ?」
あかりの絶叫に、思わず浩之は間抜けな声を出していた。
「う…ううっ…いやぁぁぁ…」
「……あっ……あか…り………?」
だが、次にあかりの取った行動によって浩之は完全に言葉を失う。
「み、見ないで…あっち…向いて…お願い…」
あかりは、浩之の目の前で片手をスカートの中に突っ込んだのだ。
「ど、どうしたんだよ…お前」
スカートの上からでも、あかりの手が動いているのは明らかだった。それも、かなり激しく動いている。掻きむしっているようにすら見える勢いに、浩之はあっけに取られてしまった。しばらくの間、あかりの手が潜り込んでいる辺りを呆然と見つめる。
「うっ…見ないで…恥ずかしいよぉ…浩之ちゃんっ…」
あかりは逆の手を使って、ずり下がろうとする。しかし脚も動かない状態で、片方の手だけで体重を支えて動かすというのは無理のようだった。今のあかりはかなり無理な体勢をしているし、何より逆の手を思い切り動かしている事で意識を集中することができていない。
「あ…あっ…ああ」
浩之はうなずいたものの、どうすればよいものかわからずに動けない。
ちゅぐっ!
「あふぅぅぅぅっ……!」
あかりが強く眉をしかめたかと思うと、おさげをぶんっと振ってうつむいた。
ちゅぐちゅぐちゅぐ…
そこからは、粘液をはじいているのが明白な音がこだまし始める。最初から瓶の液体によるちゅくちゅくという微かな音は聞こえていたが、今している音は明らかにあかり自身があふれさせてしまった液体によるものだった。
「………」
目の前で展開される、急激な性のショーに浩之はただ戸惑っている。助けてやらなくてはならないという思いと、男としての好奇心が浩之の中ではぶつかっていた。しかしあかりが急を要するほど苦しんでいないように見えることが浩之に安心感を与えてしまっている。最初に、苦しんでいると思って拍子抜けしたせいもあるかもしれない。
「おっ…お願いだから、あっち向いていてよぉ…こんな所、私浩之ちゃんに見られたくない…お願いぃ…」
「なぁ、あかり、お前今気持ちいいのか…?」
「や、やだ…そんなの…」
「今している音って、あかりの中から出てきたぬるぬるだよな…」
「ち…ちが…そんなこと言わないで…」
あかりは目からぽろぽろと涙をこぼしていた。だが手の動きを止めることは全く出来ていない。むしろスピードと大胆さに拍車がかかってきているようにも見えた。
「うっ…うううう」
浩之が痴態を見つめる視線をそらさない事にさらなる涙をこぼしながらも、あかりはどんどん行為のピッチを強めていった。既に愛液だけでもショーツの外にあふれてスカート自体を濡らしてしまっているほどだ。いやらしい音を立てる水音は、さらに高く大きくなっていった。
「ああっ…ああーっ」
しかし、しばらく時間が経ってもあかりは全く解放される様子はない。何かを必死で求めるような顔で指を繰り続けていたが、それに終わりが来ることはなかった。
「…浩之ちゃん」
「なんだ?」
浩之は自分の声がかすれていたのに気づいたが、言い直すこともなくあかりを見つめる。
「このままじゃ、だめみたい…中の方が熱くって、じんじんしてて……すごい、中に欲しいみたい…」
あかりはいよいよ顔を真紅に染め、うつむいて顔を隠してしまった。これまで全く交渉のなかった二人の間に、突然絆を求めているのだから当然だろう。
「……いいのか?」
浩之は訊く。
正直、あかりと恋人関係になると言うことについて浩之は真剣に考えたことがなかった。それが、突然のハプニングによってもたらされたのである。しかも肉体と肉体が先に求め合っているという状況。無論浩之のペニスは先程から固く勃起してズボンを突き上げていた。
「い、いいよ…浩之ちゃんなら私…それに、もう身体がおかしくなりそうで…」
「…いいって、聞いたからな。もう嫌だって言っても無駄だぞ」
浩之は自分に言い聞かせるように言う。ここで躊躇をしては、境界線を越える機会が一生なくなるような直感を感じていたのだ。あかりへの恋心を見つめ直すといった事を何もかもすっ飛ばして、ただ一歩踏み出すべきだと非理性が叫んでいた。
かち…かちゃっ、かち。
しっとりと濡れた感触のスカートをつかみ、そのホックを外す。
ぐちゅぐちゅ…
浩之の目の前に、ショーツの中であかりの手が水音を立てながら蠢いている様子がありありと示された。スカートの上からと違って、あかりの手の形すらわかるような状態である。しかもショーツの生地は水の中に浸したように濡れていた。その濡れた生地が、あかりの手の動きに合わせて変形する。
「………」
あかりは固く目を閉じている。指は止められないようだったが、それを浩之に見られているのを自らの目で確認するのはあまりに忍びないようだ。
くちゅ…
浩之は端を触っただけで濡れた音がするショーツをつかんで、一気にべろっと下まで引きずり下ろした。
「…ああっ…!」
さすがにあかりは声を出す。
浩之は興奮がこらえようもないほど膨らんでくるのを感じつつ、あかりの性器の様子を確認した。恥毛はあまり生えていない。そのために秘裂が見えやすく、そこにはあかりの指が侵入して奔放に動き回っていた。秘裂の外にも、そこかしこによだれを垂らしたような透明な液が伝っている。時折のぞくあかりの性器の中は、ぬらっとした光を帯びたピンク色だった。
浩之はそこをじっくりと観察したいという欲望にかられたが、それを押さえ込んで心を落ち着ける。そして、自らのズボンを下ろし、トランクスを下ろして自分のペニスを露出させた。痛いほどに勃起していたそれは、浩之があかりの身体の上に乗る体勢になるとちょうどあかりの秘裂の辺りに宛われる状態になる。
「あかり、少しだけガマンして指止めろ。そしたらすぐに入れるから、痛くても我慢してくれよ」
…くちゅ。
あかりは浩之の声に、指の動きを止める。そして中から指を出して、寝たまま気をつけをしているような姿勢になった。
はぁっはぁっという荒い息は、押さえきれない欲望を表しているようである。あかりの中に、これほどの欲望が眠っていたのかと驚くほどだ。
ちゅぱ…
しかし浩之はそれを観察する暇も惜しんで、秘裂を指で左右に開いた。ねっとりとした感触がして、あかりの粘膜が露わになる。あかりが悶えながら触り立てていたとおぼしきクリトリスは、童貞の浩之にも一瞬で分かるほどにぷくっと膨らんで、光沢を帯びたピンク色になっていた。
その中の、、透明な液体をはしたなく吐き出し続けているヴァギナを確認して、浩之はあかりの顔を見る。
目を閉じた切なそうな表情は何をも語っていなかったが、浩之はそれによって覚悟を決めた。
ちゅぐ…
「あぅっ!」
浩之が先端をうずめようとしただけで、あかりは身体を跳ね上げる。
ちゅぐっ…ぐぢゅ…
「ひあっ!うわああっ…!」
浩之のペニスは、あかりの中を少しずつ押し開いていった。完全に未開通の部分である。あかりは破瓜の痛みを味わっているはずだった。
しかし、ぴくぴくと身体を震わせながら顔を左右にふるふる振っている様子を見る限りではあかりの反応の主たる原因は快感の充足にあるように思われてしまう。おさげが乱れかけているのを、浩之は妙に興奮して受け止めてしまった。
ぐぢゅ…ぐぢゅ!
「んっ!ううっ」
一番奥までペニスが達すると、あかりはびくっと身体を震わせて、それから多少反応を穏やかにした。
「痛いだろ…」
「う、ううん…そんなに」
これだけ愛液が豊富では、感じる痛みも半減するのかもしれない。あかりの声には、強がりや無理といったものがあまり感じられなかった。
「浩之ちゃんのが入ったら、少し落ち着いたみたい…」
あかりは目を開いて、ふわふわした声で言う。
「そっか。良かったな」
ぢゅぐ、ぢゅぐ…
「ああああっ…!」
だが浩之が腰を動かし始めると、あかりはまた甘い声を出す。
「あんま落ち着いてねーな」
「う、動いちゃったらこうなるよ…ああっ」
ぢゅぐぢゅぐっ…ぢゅぐぢゅぐっ…
「だ、だめ…強く動いちゃうと…だめぇ」
あかりは浩之が突き出す度に、身体をビクビクと震わせた。敏感になった身体は、そう簡単には収まらないようだ。
浩之はぬめぬめとした粘膜の中で抽送を行うことの快感に、ただ酔いしれて腰を動かし続ける。どう考えても、初体験同士でこれほどの快感を互いに感じられることはないだろう。得をしたような、何か騙されてような妙な気持ちになりつつも、浩之は快感から逃れることは出来なかった。
ぢゅぐ…ぢゅぐ…
そのまま、数分が経過する。浩之はあかりが限界を迎えてしまうのではないかと危惧していたが、そういうことはなかった。ところがあかりが醒めてしまったかというとそういうことはなく、あかりはひっきりなしに悶えて、全身をひくつかせている。
「っ…あかり…このままじゃ」
「う…うう…わたしも」
そして、浩之が射精感を覚え始めたと同時にあかりもヴァギナの収縮を強烈にさせ始めた。どうやら、ここに来てようやく限界を迎えそうになってきたらしい。あまりにタイミングがいい事を考えると、何かで調整を受けているのは間違いないようだ。
「………」
一気に絶頂までの道を駆けのぼりながら、浩之はこの体験を生んだ薬とその主の事を脳裏に浮かべる。そうするとなんだか可笑(おか)しくなった。
「いくぞっ…」
「う、うああ…私っ…ひぁっ!」
ずるっ…
びゅく、びゅく、びゅくっ!
「う…あ…あっ」
絶頂し、全身をビクンビクンと跳ね上がらせるあかりの上に放物線を描いた精液が降りかかっていく。あっという間にあかりの太股から胸にかけては白っぽい液体でいっぱいになり、一部はあかりの顔の辺りにまで達していた。
「…っ…ひ…っ…浩之…っ…ちゃん…っ…」
途切れ途切れに、あかりがつぶやく。
「は…はは…俺達、しちゃったんだな」
浩之は未だ吐き出されている精液で汚れていくあかりをぼんやりと見つめながら、言った。
「っ…そうだ…っ…ねっ…っ…」
あかりは複雑な表情を浮かべつつも、笑む。激烈な絶頂からはまだ解放されていないようだった。
「あ、先輩」
「…………」
芹香が、おずおずと浩之に寄ってくる。
「え?飲んだかって?あーそうだな、飲んでみたよ。なんともないみたいだったけどな」
「…、………」
一瞬表情を変えると、芹香はくるっと背を向ける。そして、昨日と同じように廊下を小走りで駆けていった。
「え?先輩…おーい」
呆然として廊下に立ちつくして、浩之は芹香を見送る。
「浩之ちゃん、先生来たよー」
あかりの声。
「あ、ああ…」
先輩が二日連続で急用抱えているなんていったら、前代未聞だな…
そんな事を思いながら、浩之は教室の中に入っていった。
「………」
浩之は芹香の差し出した瓶を受け取りながら訊く。
「あ…ま、そりゃ疲れてるって言ったけどさ、別に大したもんじゃ…」
「…………」
「はぁ…朝か」
こくこく。
芹香は浩之の手の中に瓶を預けると、それを押しつけたまま手を引いてしまった。浩之は困った目で瓶を見つめながら芹香の顔をうかがう。
「……」
「えっ…」
ぺこっ。
小さくお辞儀をすると、芹香は小走りで駆けていった。
「用って…先輩がそんなに忙しくしてるのもあんま想像つかねーけどなぁ…」
廊下の奥に消えていく芹香の後ろ姿を見ながら、浩之は一人つぶやく。
そして改めて、芹香に手渡された瓶に目をやった。瓶の大きさは牛乳瓶を少しつぶして太くしたような形で、中に入っている液体もそれなりの量だった。液体の色は透明。口にコルクで栓がしてある。
きゅぽ…
試しに浩之はコルクを抜いてみた。そして、化学実験でもしているような手つきで瓶から匂いが漂ってくるかどうかを確かめる。
「うーん…」
完全に無臭というわけではない。しかし、そこから漂ってくる匂いは何とも形容し難かった。強い刺激臭というわけではないので、素人考えには害がなさそうな匂いだったが…
きゅっ。
「あれ、浩之ちゃん?そんなところでどうしたの?」
コルクの栓を戻した時、背後からあかりの声がした。浩之が振り向くと、ちょうど教室から出てきた所といった様子のあかりの姿が目に入る。
「あ…いや、ちょっとな」
浩之は適当に言って、瓶をカバンの中に放り込む。
「浩之ちゃんも今帰るとこ?」
「ああ」
「今日も行って大丈夫だよね」
「当然だろ。テスト前に急用ぶちこむほど俺も暇人じゃないって」
「そうだね」
あかりがにこっと笑いながら浩之の横に並ぶ。
「しっかし、明日は厳しそうだな…教科書問題の答え丸暗記するしかねーか」
「公式を覚えておけば大丈夫だよ」
「そんなうまくいかねーって」
と、自然に始まった会話を続けながら浩之達は階段の方に向かって歩いていった。
「はい、お待ちどうさま」
「悪ぃな」
勉強道具が広げられたガラスのテーブル、浩之の部屋である。
あかりは盆の上にふたつのティーカップを載せて、部屋の入り口に立っていた。浩之の方は床に座って楽そうな姿勢をしている。
「紅茶だけだけれど…」
「仕方ないって、俺がなんも用意してなかったんだから」
「なにか甘いものがあると、勉強もはかどるかもね」
「そうだな…ま、そういうのはあとで気が付くもんだって」
「そうかもね」
あかりは盆を持って、テーブルの所まで歩いてくる。
「…あ!」
その時、あかりが慌てた声を出した。
「あっ…きゃっ…」
「あ…バカっ」
バランスを崩しかけるあかりを、浩之は呆れ顔で見る。床に置いてあったクッションに気づかず、足を滑らしそうになったのだ。
「きゃっ…あっ………ふぅっ…」
あかりは、必死になって紅茶をこぼさないように体勢を整える。何とか転ばずに済んだようで、こぼれた紅茶もごくわずかのようだった。
「ったく…気をつけろよ」
「ご、ごめんね…忘れてた」
あかりがばつの悪そうな顔になる。そして、体勢を完全に安定させようとして後ろに一歩下がった。
どんっ。
「あっ…」
「おい…」
がたっ…
ごんっ。ばしゃあっ!
「あっ…あああっ」
「…バカか、お前は」
浩之は苦笑いをしながら立ち上がる。
あかりがぶつかったのは黒い棚だった。その拍子に、棚の上に置いておいた瓶が落っこちてきたのだ。瓶はテーブルの角にぶつかって跳ね返り、衝撃でコルクの栓がはずれて中身が完全にぶちまけられた。どうやら、コルクの栓を押し込むのが中途半端だったようだ。
「ど、どうしよう…これって、何だったの?」
「気にすんなって。ただの水だ。それより、お前着替えないだろ」
「うん…どうしよう」
勉強道具には被害がなかったが、あかりのスカートの辺りは瓶の中身の液体でぐっしょりと濡れてしまっていた。スカートどころか、下着にまで染み込んでいきそうなほどの液体の量だ。床にもいくらか液体が垂れ続けていた。
かちゃ…
あかりはテーブルの上に紅茶の盆を置くと、自分のスカートに広がった巨大なシミを見つめた。簡単に乾きそうな状態ではない。制服ではないのが幸いだったが、いずれにしろ帰るときの服に困りそうな状態なのは間違いなかった。
「俺の服じゃ…貸しても着れないな」
「…うん」
「パジャマでも着とくか?洗濯機と乾燥機使えば、帰る事に何とか…」
すとん。
「………?」
浩之が洋服ダンスの方に向き直った瞬間、床に何かが落ちる音がする。
「…あかり?どうした?」
「…浩之ちゃん…」
振り向くと、あかりはさっきの姿勢からそのまま腰を床に落としたような姿勢になっている。スカートの奥が見えてしまいそうだった。普通なら脚を固く閉じて隠そうとするのが当然であるような姿勢で、あかりはなぜか脚を少し開き気味にしたままの姿勢をとっている。
「こけたのか?早く起きろよ」
「ち、ちがうの…脚が…」
「あし?」
「う、うごかない…痺れたみたいになっていて…」
「なんだって?」
浩之は疑いの目であかりを見つめた。だが、あかりの顔の不安極まり無さそうな表情を見ていると嘘ではなさそうに見える。元より、あかりはこんな事で嘘をつくタイプではない。
「参ったな…」
先輩…
浩之は心の中でつぶやいた。
疲れを取る薬と言われて、脚に触ったときに痺れ上がってしまうような薬を渡されたのではたまったものではない。素直に信じて飲んでいたならあの世行きだったかもしれないと思うと、浩之はぞっとしないものを覚えた。
「ちょっと待ってみて、それでダメだったら何か考えるか…少しマッサージしてやるよ」
「え…あ、あ、あの…浩之ちゃん…」
浩之があかりに近づいていくと、なぜかあかりが慌てた素振りを見せる。
「どうしたんだ?そりゃ触るとじんじんするかもしれないけど、その方が早く治るかもしれないだろ。子供みたいに痛いのが嫌だとか言ってる場合じゃねーぞ」
「ち、ちがう…の…」
あかりは顔を真っ赤にして、詰まらせたような声になる。
「あ?他に何か痛いところでもあるのか?」
「じゃ、じゃなくっ…てっ…」
一言一言の間に、あかりの様子は変化しているようだった。浩之はさすがに顔色を変えて、あかりの元に駆け寄る。
「おいっ!救急車呼ぶなら呼ぶぞっ!あかり、どうなんだっ…」
「い、いや…ひろ…ひろゆき…ちゃん…」
「あかりっ!!」
「へ…部屋から出ていてっ!お願いっ!浩之ちゃぁんっ!お願いぃっ!」
「…へ?」
あかりの絶叫に、思わず浩之は間抜けな声を出していた。
「う…ううっ…いやぁぁぁ…」
「……あっ……あか…り………?」
だが、次にあかりの取った行動によって浩之は完全に言葉を失う。
「み、見ないで…あっち…向いて…お願い…」
あかりは、浩之の目の前で片手をスカートの中に突っ込んだのだ。
「ど、どうしたんだよ…お前」
スカートの上からでも、あかりの手が動いているのは明らかだった。それも、かなり激しく動いている。掻きむしっているようにすら見える勢いに、浩之はあっけに取られてしまった。しばらくの間、あかりの手が潜り込んでいる辺りを呆然と見つめる。
「うっ…見ないで…恥ずかしいよぉ…浩之ちゃんっ…」
あかりは逆の手を使って、ずり下がろうとする。しかし脚も動かない状態で、片方の手だけで体重を支えて動かすというのは無理のようだった。今のあかりはかなり無理な体勢をしているし、何より逆の手を思い切り動かしている事で意識を集中することができていない。
「あ…あっ…ああ」
浩之はうなずいたものの、どうすればよいものかわからずに動けない。
ちゅぐっ!
「あふぅぅぅぅっ……!」
あかりが強く眉をしかめたかと思うと、おさげをぶんっと振ってうつむいた。
ちゅぐちゅぐちゅぐ…
そこからは、粘液をはじいているのが明白な音がこだまし始める。最初から瓶の液体によるちゅくちゅくという微かな音は聞こえていたが、今している音は明らかにあかり自身があふれさせてしまった液体によるものだった。
「………」
目の前で展開される、急激な性のショーに浩之はただ戸惑っている。助けてやらなくてはならないという思いと、男としての好奇心が浩之の中ではぶつかっていた。しかしあかりが急を要するほど苦しんでいないように見えることが浩之に安心感を与えてしまっている。最初に、苦しんでいると思って拍子抜けしたせいもあるかもしれない。
「おっ…お願いだから、あっち向いていてよぉ…こんな所、私浩之ちゃんに見られたくない…お願いぃ…」
「なぁ、あかり、お前今気持ちいいのか…?」
「や、やだ…そんなの…」
「今している音って、あかりの中から出てきたぬるぬるだよな…」
「ち…ちが…そんなこと言わないで…」
あかりは目からぽろぽろと涙をこぼしていた。だが手の動きを止めることは全く出来ていない。むしろスピードと大胆さに拍車がかかってきているようにも見えた。
「うっ…うううう」
浩之が痴態を見つめる視線をそらさない事にさらなる涙をこぼしながらも、あかりはどんどん行為のピッチを強めていった。既に愛液だけでもショーツの外にあふれてスカート自体を濡らしてしまっているほどだ。いやらしい音を立てる水音は、さらに高く大きくなっていった。
「ああっ…ああーっ」
しかし、しばらく時間が経ってもあかりは全く解放される様子はない。何かを必死で求めるような顔で指を繰り続けていたが、それに終わりが来ることはなかった。
「…浩之ちゃん」
「なんだ?」
浩之は自分の声がかすれていたのに気づいたが、言い直すこともなくあかりを見つめる。
「このままじゃ、だめみたい…中の方が熱くって、じんじんしてて……すごい、中に欲しいみたい…」
あかりはいよいよ顔を真紅に染め、うつむいて顔を隠してしまった。これまで全く交渉のなかった二人の間に、突然絆を求めているのだから当然だろう。
「……いいのか?」
浩之は訊く。
正直、あかりと恋人関係になると言うことについて浩之は真剣に考えたことがなかった。それが、突然のハプニングによってもたらされたのである。しかも肉体と肉体が先に求め合っているという状況。無論浩之のペニスは先程から固く勃起してズボンを突き上げていた。
「い、いいよ…浩之ちゃんなら私…それに、もう身体がおかしくなりそうで…」
「…いいって、聞いたからな。もう嫌だって言っても無駄だぞ」
浩之は自分に言い聞かせるように言う。ここで躊躇をしては、境界線を越える機会が一生なくなるような直感を感じていたのだ。あかりへの恋心を見つめ直すといった事を何もかもすっ飛ばして、ただ一歩踏み出すべきだと非理性が叫んでいた。
かち…かちゃっ、かち。
しっとりと濡れた感触のスカートをつかみ、そのホックを外す。
ぐちゅぐちゅ…
浩之の目の前に、ショーツの中であかりの手が水音を立てながら蠢いている様子がありありと示された。スカートの上からと違って、あかりの手の形すらわかるような状態である。しかもショーツの生地は水の中に浸したように濡れていた。その濡れた生地が、あかりの手の動きに合わせて変形する。
「………」
あかりは固く目を閉じている。指は止められないようだったが、それを浩之に見られているのを自らの目で確認するのはあまりに忍びないようだ。
くちゅ…
浩之は端を触っただけで濡れた音がするショーツをつかんで、一気にべろっと下まで引きずり下ろした。
「…ああっ…!」
さすがにあかりは声を出す。
浩之は興奮がこらえようもないほど膨らんでくるのを感じつつ、あかりの性器の様子を確認した。恥毛はあまり生えていない。そのために秘裂が見えやすく、そこにはあかりの指が侵入して奔放に動き回っていた。秘裂の外にも、そこかしこによだれを垂らしたような透明な液が伝っている。時折のぞくあかりの性器の中は、ぬらっとした光を帯びたピンク色だった。
浩之はそこをじっくりと観察したいという欲望にかられたが、それを押さえ込んで心を落ち着ける。そして、自らのズボンを下ろし、トランクスを下ろして自分のペニスを露出させた。痛いほどに勃起していたそれは、浩之があかりの身体の上に乗る体勢になるとちょうどあかりの秘裂の辺りに宛われる状態になる。
「あかり、少しだけガマンして指止めろ。そしたらすぐに入れるから、痛くても我慢してくれよ」
…くちゅ。
あかりは浩之の声に、指の動きを止める。そして中から指を出して、寝たまま気をつけをしているような姿勢になった。
はぁっはぁっという荒い息は、押さえきれない欲望を表しているようである。あかりの中に、これほどの欲望が眠っていたのかと驚くほどだ。
ちゅぱ…
しかし浩之はそれを観察する暇も惜しんで、秘裂を指で左右に開いた。ねっとりとした感触がして、あかりの粘膜が露わになる。あかりが悶えながら触り立てていたとおぼしきクリトリスは、童貞の浩之にも一瞬で分かるほどにぷくっと膨らんで、光沢を帯びたピンク色になっていた。
その中の、、透明な液体をはしたなく吐き出し続けているヴァギナを確認して、浩之はあかりの顔を見る。
目を閉じた切なそうな表情は何をも語っていなかったが、浩之はそれによって覚悟を決めた。
ちゅぐ…
「あぅっ!」
浩之が先端をうずめようとしただけで、あかりは身体を跳ね上げる。
ちゅぐっ…ぐぢゅ…
「ひあっ!うわああっ…!」
浩之のペニスは、あかりの中を少しずつ押し開いていった。完全に未開通の部分である。あかりは破瓜の痛みを味わっているはずだった。
しかし、ぴくぴくと身体を震わせながら顔を左右にふるふる振っている様子を見る限りではあかりの反応の主たる原因は快感の充足にあるように思われてしまう。おさげが乱れかけているのを、浩之は妙に興奮して受け止めてしまった。
ぐぢゅ…ぐぢゅ!
「んっ!ううっ」
一番奥までペニスが達すると、あかりはびくっと身体を震わせて、それから多少反応を穏やかにした。
「痛いだろ…」
「う、ううん…そんなに」
これだけ愛液が豊富では、感じる痛みも半減するのかもしれない。あかりの声には、強がりや無理といったものがあまり感じられなかった。
「浩之ちゃんのが入ったら、少し落ち着いたみたい…」
あかりは目を開いて、ふわふわした声で言う。
「そっか。良かったな」
ぢゅぐ、ぢゅぐ…
「ああああっ…!」
だが浩之が腰を動かし始めると、あかりはまた甘い声を出す。
「あんま落ち着いてねーな」
「う、動いちゃったらこうなるよ…ああっ」
ぢゅぐぢゅぐっ…ぢゅぐぢゅぐっ…
「だ、だめ…強く動いちゃうと…だめぇ」
あかりは浩之が突き出す度に、身体をビクビクと震わせた。敏感になった身体は、そう簡単には収まらないようだ。
浩之はぬめぬめとした粘膜の中で抽送を行うことの快感に、ただ酔いしれて腰を動かし続ける。どう考えても、初体験同士でこれほどの快感を互いに感じられることはないだろう。得をしたような、何か騙されてような妙な気持ちになりつつも、浩之は快感から逃れることは出来なかった。
ぢゅぐ…ぢゅぐ…
そのまま、数分が経過する。浩之はあかりが限界を迎えてしまうのではないかと危惧していたが、そういうことはなかった。ところがあかりが醒めてしまったかというとそういうことはなく、あかりはひっきりなしに悶えて、全身をひくつかせている。
「っ…あかり…このままじゃ」
「う…うう…わたしも」
そして、浩之が射精感を覚え始めたと同時にあかりもヴァギナの収縮を強烈にさせ始めた。どうやら、ここに来てようやく限界を迎えそうになってきたらしい。あまりにタイミングがいい事を考えると、何かで調整を受けているのは間違いないようだ。
「………」
一気に絶頂までの道を駆けのぼりながら、浩之はこの体験を生んだ薬とその主の事を脳裏に浮かべる。そうするとなんだか可笑(おか)しくなった。
「いくぞっ…」
「う、うああ…私っ…ひぁっ!」
ずるっ…
びゅく、びゅく、びゅくっ!
「う…あ…あっ」
絶頂し、全身をビクンビクンと跳ね上がらせるあかりの上に放物線を描いた精液が降りかかっていく。あっという間にあかりの太股から胸にかけては白っぽい液体でいっぱいになり、一部はあかりの顔の辺りにまで達していた。
「…っ…ひ…っ…浩之…っ…ちゃん…っ…」
途切れ途切れに、あかりがつぶやく。
「は…はは…俺達、しちゃったんだな」
浩之は未だ吐き出されている精液で汚れていくあかりをぼんやりと見つめながら、言った。
「っ…そうだ…っ…ねっ…っ…」
あかりは複雑な表情を浮かべつつも、笑む。激烈な絶頂からはまだ解放されていないようだった。
「あ、先輩」
「…………」
芹香が、おずおずと浩之に寄ってくる。
「え?飲んだかって?あーそうだな、飲んでみたよ。なんともないみたいだったけどな」
「…、………」
一瞬表情を変えると、芹香はくるっと背を向ける。そして、昨日と同じように廊下を小走りで駆けていった。
「え?先輩…おーい」
呆然として廊下に立ちつくして、浩之は芹香を見送る。
「浩之ちゃん、先生来たよー」
あかりの声。
「あ、ああ…」
先輩が二日連続で急用抱えているなんていったら、前代未聞だな…
そんな事を思いながら、浩之は教室の中に入っていった。
「ゆうくんっ…」
「や、やっぱり沙織ちゃんのココ、すごいね」
「やだっ…そんなに見ないで」
「うん…ごめん」
沙織は手で目を覆ってしまった。祐介は出来るだけそこに目をやらないようにしながら指を手探りで動かしたが、ちゅぐっ、ちゅぐっという派手な水音は視覚による情報抜きでもそこがどうなっているのかをありありと伝えてくる。
「だ、だめ…恥ずかしいよっ…」
「さ、沙織ちゃん」
祐介は思わず指の動きを止めて、弱った表情になる。顔を覆い隠すようにして顔を左右に振る沙織の姿は、普段のような元気の良さなどカケラも見えない。落差が激しいだけに、祐介に与える不安も大きいのだ。
「や、やめちゃだめ…」
「…えっ」
「ゆ、祐くん、やめないで…」
「でも、沙織ちゃん、いいの?」
「は、恥ずかしいけど…とっ、止まらないのっ、どうしても…このままじゃ…」
「う、うん…」
何が止まらないのか定かではなかったが、ニュアンスは伝わってくる。既に夜の校舎でいちど経験した状態であったのだから。
沙織は未だ目を覆って視界を閉ざした状態だったが、それでも祐介は律儀に目をそらしながら指を動かした。我ながら闇雲な指の動かし方だと祐介は思ったが、それでも熱く指先に絡みついてくる粘膜と愛液は、沙織の激しい乱れようをこの上なく表していると言えるだろう。
時折混じるかん高い沙織の嬌声を聞くにつけて、祐介自身の中の欲望も段々膨らみ上がってくる。そうなってくると、「後遺症」とでもいうべきこの沙織の症状も消えて欲しくないという不謹慎な想いが浮かび上がってきたりもするのだが…
「祐くん、もうわたし我慢できないようっ…」
「…うん」
沙織の懇願が発せられると、そんな思考も消えた。理性的な欲望よりも、肉体的な欲望の充足の方が勝ってきたのだ。
祐介がズボンとブリーフを脱いでいる間にも、沙織の身体はかすかに震えているように見えた。これまであまり目をやっていなかった部分にちらりと視線をやると、合わさった秘裂から、あふれ出したという表現が相応しいほどに粘りのある液体が垂れている。もちろん、その下のシーツはじっとりと濡れて変色していた。
「は、はやくっ…わ、わたし…」
うわずりきった沙織の声に、祐介のペニスが反応する。
祐介は手早く沙織の上にのしかかると、指で秘裂を開いて入り口の部分を確認した。そしてペニスの狙いをつけたかと思うと、間髪入れずに腰を押し出して侵入していく。
「あはぁっ…」
抵抗は無かった。豊富すぎる潤滑の液によって、沙織はいとも簡単に祐介を受け入れてしまったのだ。はじめての時に比べれば締め付けの強さは劣っていたかもしれないが、熱く粘りつくような感触ははじめての時以上である。ペニス全体に、ジーンと痺れるような気持ちよさがあった。
「は…はぅっ…うああっ」
一方でしきりに声を上げるのは沙織である。祐介がぎごちなく腰を前後させるだけで、沙織は切羽詰まった声を上げながら身をよじらせた。処女の時に絶頂を迎えるような身体に仕立て上げられたのだから、それは当然なのかもしれないが。
だから、祐介は未熟な動かし方であることを気にせずに、いろいろと試してみる事ができた。スピードやら動かす向きやらを微妙に変えて、動かしやすいペースをつかんでいく。
そうしていく内に、一番ヴァギナの内部と強く擦れ合う角度をつかんできた。疲れない程度に速い抽送のペースもわかってくる。
「ひっ、ひっ、ひいいっ!」
それは沙織にとって、最も強い快感が休みナシに続く事を意味する。だらしなく空いた口から唾液が垂れだしているのが見えた。絶叫にも近い喘ぎ声を上げ続けながら、手足をわなわなと震わせている。
一方の祐介も、次第に余裕を無くしていった。最初に比べれば弱いとは言え、沙織の締め付けは十分だったし、中の感触も激しく祐介の官能を煽るのだ。腰の奥に、熱いカタマリが集まってくるのが感じられた。
「沙織ちゃんっ…」
「ゆうくん…祐くん!」
二人は呼び交わし合い、自然とお互いの手を求めて固く握り交わし合う。祐介は後先考えず、出来うる最高の力で沙織の中を突いていった。
「あああーっ!」
沙織が顔を反らせて悶える。手がどけられても目は閉じられていたが、淫らに喘ぐその顔はたまらなく祐介の心を動かした。
これが、女の子の本性…
チリチリチリ…
「っぁっ!?なにっ!?なんなのっ!?」
突然沙織が目を見開いて叫ぶ。
チリチリ…チリチリチリ…
「あ、あ…やめて、やめてっ!やめてよぉっ!だめ、やめてぇっ!おかしく…おかしくなるぅっ!」
沙織は狂ったように訴えた。しかしそれも一瞬のことだ。
どくんっ!
ビクビクっ…ビクビク、ビクビクビクビクっ!!
どくっ、どくっ、どくん…
ビク…ビクビクっ…
祐介が放出したのと、沙織が全身を痙攣させたのはそのすぐ後だったからだ。ただし、沙織の絶頂は尋常ではない。背中を大きく反らせたまま、身体が壊れてしまいそうな痙攣を何十秒も続けていたのだから…
その間、ヴァギナも強烈な締め付けを繰り返した。祐介の出した白濁液を一滴も残らず搾り取るような勢いで、幾度も幾度も収縮を繰り返す。
ばさっ…
最後に力つきたように、自らのロングヘアーの中へ沙織は落ち込んだ。完全に気絶してしまったらしい。
どろっ…
祐介がペニスを引き抜くと、大量の液体がそこからあふれ出た。
「今のは…」
ひとりつぶやく。一瞬の内に消えていった感覚がなんだったのか、祐介は必死に思い出そうとしていった。
「や、やっぱり沙織ちゃんのココ、すごいね」
「やだっ…そんなに見ないで」
「うん…ごめん」
沙織は手で目を覆ってしまった。祐介は出来るだけそこに目をやらないようにしながら指を手探りで動かしたが、ちゅぐっ、ちゅぐっという派手な水音は視覚による情報抜きでもそこがどうなっているのかをありありと伝えてくる。
「だ、だめ…恥ずかしいよっ…」
「さ、沙織ちゃん」
祐介は思わず指の動きを止めて、弱った表情になる。顔を覆い隠すようにして顔を左右に振る沙織の姿は、普段のような元気の良さなどカケラも見えない。落差が激しいだけに、祐介に与える不安も大きいのだ。
「や、やめちゃだめ…」
「…えっ」
「ゆ、祐くん、やめないで…」
「でも、沙織ちゃん、いいの?」
「は、恥ずかしいけど…とっ、止まらないのっ、どうしても…このままじゃ…」
「う、うん…」
何が止まらないのか定かではなかったが、ニュアンスは伝わってくる。既に夜の校舎でいちど経験した状態であったのだから。
沙織は未だ目を覆って視界を閉ざした状態だったが、それでも祐介は律儀に目をそらしながら指を動かした。我ながら闇雲な指の動かし方だと祐介は思ったが、それでも熱く指先に絡みついてくる粘膜と愛液は、沙織の激しい乱れようをこの上なく表していると言えるだろう。
時折混じるかん高い沙織の嬌声を聞くにつけて、祐介自身の中の欲望も段々膨らみ上がってくる。そうなってくると、「後遺症」とでもいうべきこの沙織の症状も消えて欲しくないという不謹慎な想いが浮かび上がってきたりもするのだが…
「祐くん、もうわたし我慢できないようっ…」
「…うん」
沙織の懇願が発せられると、そんな思考も消えた。理性的な欲望よりも、肉体的な欲望の充足の方が勝ってきたのだ。
祐介がズボンとブリーフを脱いでいる間にも、沙織の身体はかすかに震えているように見えた。これまであまり目をやっていなかった部分にちらりと視線をやると、合わさった秘裂から、あふれ出したという表現が相応しいほどに粘りのある液体が垂れている。もちろん、その下のシーツはじっとりと濡れて変色していた。
「は、はやくっ…わ、わたし…」
うわずりきった沙織の声に、祐介のペニスが反応する。
祐介は手早く沙織の上にのしかかると、指で秘裂を開いて入り口の部分を確認した。そしてペニスの狙いをつけたかと思うと、間髪入れずに腰を押し出して侵入していく。
「あはぁっ…」
抵抗は無かった。豊富すぎる潤滑の液によって、沙織はいとも簡単に祐介を受け入れてしまったのだ。はじめての時に比べれば締め付けの強さは劣っていたかもしれないが、熱く粘りつくような感触ははじめての時以上である。ペニス全体に、ジーンと痺れるような気持ちよさがあった。
「は…はぅっ…うああっ」
一方でしきりに声を上げるのは沙織である。祐介がぎごちなく腰を前後させるだけで、沙織は切羽詰まった声を上げながら身をよじらせた。処女の時に絶頂を迎えるような身体に仕立て上げられたのだから、それは当然なのかもしれないが。
だから、祐介は未熟な動かし方であることを気にせずに、いろいろと試してみる事ができた。スピードやら動かす向きやらを微妙に変えて、動かしやすいペースをつかんでいく。
そうしていく内に、一番ヴァギナの内部と強く擦れ合う角度をつかんできた。疲れない程度に速い抽送のペースもわかってくる。
「ひっ、ひっ、ひいいっ!」
それは沙織にとって、最も強い快感が休みナシに続く事を意味する。だらしなく空いた口から唾液が垂れだしているのが見えた。絶叫にも近い喘ぎ声を上げ続けながら、手足をわなわなと震わせている。
一方の祐介も、次第に余裕を無くしていった。最初に比べれば弱いとは言え、沙織の締め付けは十分だったし、中の感触も激しく祐介の官能を煽るのだ。腰の奥に、熱いカタマリが集まってくるのが感じられた。
「沙織ちゃんっ…」
「ゆうくん…祐くん!」
二人は呼び交わし合い、自然とお互いの手を求めて固く握り交わし合う。祐介は後先考えず、出来うる最高の力で沙織の中を突いていった。
「あああーっ!」
沙織が顔を反らせて悶える。手がどけられても目は閉じられていたが、淫らに喘ぐその顔はたまらなく祐介の心を動かした。
これが、女の子の本性…
チリチリチリ…
「っぁっ!?なにっ!?なんなのっ!?」
突然沙織が目を見開いて叫ぶ。
チリチリ…チリチリチリ…
「あ、あ…やめて、やめてっ!やめてよぉっ!だめ、やめてぇっ!おかしく…おかしくなるぅっ!」
沙織は狂ったように訴えた。しかしそれも一瞬のことだ。
どくんっ!
ビクビクっ…ビクビク、ビクビクビクビクっ!!
どくっ、どくっ、どくん…
ビク…ビクビクっ…
祐介が放出したのと、沙織が全身を痙攣させたのはそのすぐ後だったからだ。ただし、沙織の絶頂は尋常ではない。背中を大きく反らせたまま、身体が壊れてしまいそうな痙攣を何十秒も続けていたのだから…
その間、ヴァギナも強烈な締め付けを繰り返した。祐介の出した白濁液を一滴も残らず搾り取るような勢いで、幾度も幾度も収縮を繰り返す。
ばさっ…
最後に力つきたように、自らのロングヘアーの中へ沙織は落ち込んだ。完全に気絶してしまったらしい。
どろっ…
祐介がペニスを引き抜くと、大量の液体がそこからあふれ出た。
「今のは…」
ひとりつぶやく。一瞬の内に消えていった感覚がなんだったのか、祐介は必死に思い出そうとしていった。
「あ…あゆちゃ…」
「名雪さん、寝てなくちゃ駄目だよ…」
「う…うん…で、でも、なんだか」
名雪は不安そうな顔をしてあゆの事を見つめる。
「熱があるんだから、身体がおかしくてもしょうがないよ」
「で、でもね、あゆちゃん、なんだか熱だけじゃないみたい」
「そう?なんなんだろう…」
「そ、それとあゆちゃん、なんでずっと私の額に手を置きっぱなしなの?」
「うーん…なんとなくだよ」
「なんだか…頭がちょっとふらふらするから、離してくれると私嬉しいんだけど…」
「………うん、わかったよ」
名雪の声からある程度経ったところで、あゆはやっと手を離す。そして、その自らの手の平をじっと見つめた。
「ふぅ…」
名雪は一息ついたといった様子だった。いつもの半纏姿のまま、ベッドに寝転がって天井を見つめている。
そのまま、少しだけ沈黙の時間が過ぎた。
「…名雪さん、調子どう?」
「うん…」
要領を得ない返事を返す。名雪はあゆの方をちらちらと伺ったりと、落ち着かない素振りを見せ始めていた。
「名雪さん」
あゆは言いながら、ベッドの上に上がっていく。
「あ…」
名雪はぼやけた瞳であゆの事を見た。
「うつっちゃうよ…」
「ちょっと、いい?」
あゆは名雪の制止を気にせず、さらに名雪の身体に近づいていく。
「あ…だめ、だめだよ、あゆちゃん」
力無い声だったが、名雪はやや慌て気味に言う。
「どうして?」
あゆはにっこり微笑んだ。
「どうしてって…風邪、うつっちゃうよ」
「ボク、そんなの気にしないよ」
「気にしないって…」
名雪はどう反応すればわからずに、まごまごする。その名雪のパジャマを、あゆは突然ぐいとつかんだ。
「え」
ずるっ…と、次の瞬間にはそれがショーツと一緒に下ろされる。
「………!」
名雪は信じられないといった目をして飛び退こうとした。だが、身体は極めて緩慢にしか動かない。いつの間にか、身体は全く名雪の言うことを聞かなくなっていたのだ。
「な、なんで、あゆちゃん!?」
しかし発声は普通にできる。
「名雪さん、これなぁに?」
名雪の慌てぶりをむしろ楽しむような声を出しながら、あゆが名雪の秘裂をなぞる。果たしてそこには、ぬるりとした粘液の感触が生まれていた。
「う…」
「これってエッチな気分になっている証拠だよね?ボク、名雪さんがこんなにエッチなんて知らなかったよ」
「ち、ちがうの…それは…」
「ちがわないよ…」
あゆが秘裂の中に指を差し込んで、ぐりぐりと動かす。そこは名雪の吐き出した液体でいっぱいになっていた。まるで温かいプールの中を指が泳いでいるような感触は、そのまま名雪に伝わっていく。
「だ、だめ…あゆちゃん、やめて…」
泣き出しそうな声で名雪が懇願する。しかしあゆは残酷すぎる微笑みを浮かべたまま、次々と名雪の感じる部分を刺激していった。性的に全く無垢な少女から明確な性感を引き出すという困難な試みを、あゆはいとも簡単に達成していく。
名雪はぎゅっと瞳を閉じ、身体を小さく震わせながらも、そこに自らが快楽を感じているという事実を認めずにはいられなかった。未だ何物をも受け入れた事がない所から愛液があふれ出しているのは理解できたし、あゆの細い指が動く度に、腰の奥まで沈み込むような甘い感覚が生まれるのも否定できないのだ。
「名雪さん、自分でこういうのした事あるんだ」
「な…ないよ…」
頭を左右に振る。本当に身に覚えがない事だったからだ。
「はじめてでこんなになる女の子なんていないよ、名雪さん嘘ついてるでしょ」
「ほ、ほんとうだよ」
「素直に言わないと、こうしちゃうよ」
ぐりゅっ。
「!」
名雪はびくっと身体を震わせる。あゆがおもむろにクリトリスをつまんだのだ。
「い、いたいっ!知らないの、本当に知らないの、あゆちゃん」
ぐりゅっ。
「ひっ!」
ぐりゅっ。ぐりゅっ。
「あーっ!ご、ごめんなさい!してます!だから、やめて、あゆちゃん!」
「何を?」
「オ、オナニーです…」
言葉の上でしか知らない行為を、偽って認めさせられる。名雪は屈辱に涙を流した。
「名雪さん、エッチ…」
あゆは打って変わって優しいタッチでクリトリスを転がす。
「あ…ああ」
触られ方が変わるだけで、それはとろけるような快感に変わった。既に十分高められていた名雪の身体は、いよいよ頂点に向かって追いつめられていく。
「ふ…ふぅぅっ」
「ねぇ、名雪さん気持ちいいでしょ?ボクの指で、もっと感じて…」
「あ、あっ」
名雪は思考がどんどん薄れていくのを感じていた。全身を駆け巡る性感に完全に支配されていく。あゆの指戯に支配されていく。
「はぁぁっ!」
最後にひときわ高い声を上げて、名雪は完全に悶絶した。
「名雪さん、寝てなくちゃ駄目だよ…」
「う…うん…で、でも、なんだか」
名雪は不安そうな顔をしてあゆの事を見つめる。
「熱があるんだから、身体がおかしくてもしょうがないよ」
「で、でもね、あゆちゃん、なんだか熱だけじゃないみたい」
「そう?なんなんだろう…」
「そ、それとあゆちゃん、なんでずっと私の額に手を置きっぱなしなの?」
「うーん…なんとなくだよ」
「なんだか…頭がちょっとふらふらするから、離してくれると私嬉しいんだけど…」
「………うん、わかったよ」
名雪の声からある程度経ったところで、あゆはやっと手を離す。そして、その自らの手の平をじっと見つめた。
「ふぅ…」
名雪は一息ついたといった様子だった。いつもの半纏姿のまま、ベッドに寝転がって天井を見つめている。
そのまま、少しだけ沈黙の時間が過ぎた。
「…名雪さん、調子どう?」
「うん…」
要領を得ない返事を返す。名雪はあゆの方をちらちらと伺ったりと、落ち着かない素振りを見せ始めていた。
「名雪さん」
あゆは言いながら、ベッドの上に上がっていく。
「あ…」
名雪はぼやけた瞳であゆの事を見た。
「うつっちゃうよ…」
「ちょっと、いい?」
あゆは名雪の制止を気にせず、さらに名雪の身体に近づいていく。
「あ…だめ、だめだよ、あゆちゃん」
力無い声だったが、名雪はやや慌て気味に言う。
「どうして?」
あゆはにっこり微笑んだ。
「どうしてって…風邪、うつっちゃうよ」
「ボク、そんなの気にしないよ」
「気にしないって…」
名雪はどう反応すればわからずに、まごまごする。その名雪のパジャマを、あゆは突然ぐいとつかんだ。
「え」
ずるっ…と、次の瞬間にはそれがショーツと一緒に下ろされる。
「………!」
名雪は信じられないといった目をして飛び退こうとした。だが、身体は極めて緩慢にしか動かない。いつの間にか、身体は全く名雪の言うことを聞かなくなっていたのだ。
「な、なんで、あゆちゃん!?」
しかし発声は普通にできる。
「名雪さん、これなぁに?」
名雪の慌てぶりをむしろ楽しむような声を出しながら、あゆが名雪の秘裂をなぞる。果たしてそこには、ぬるりとした粘液の感触が生まれていた。
「う…」
「これってエッチな気分になっている証拠だよね?ボク、名雪さんがこんなにエッチなんて知らなかったよ」
「ち、ちがうの…それは…」
「ちがわないよ…」
あゆが秘裂の中に指を差し込んで、ぐりぐりと動かす。そこは名雪の吐き出した液体でいっぱいになっていた。まるで温かいプールの中を指が泳いでいるような感触は、そのまま名雪に伝わっていく。
「だ、だめ…あゆちゃん、やめて…」
泣き出しそうな声で名雪が懇願する。しかしあゆは残酷すぎる微笑みを浮かべたまま、次々と名雪の感じる部分を刺激していった。性的に全く無垢な少女から明確な性感を引き出すという困難な試みを、あゆはいとも簡単に達成していく。
名雪はぎゅっと瞳を閉じ、身体を小さく震わせながらも、そこに自らが快楽を感じているという事実を認めずにはいられなかった。未だ何物をも受け入れた事がない所から愛液があふれ出しているのは理解できたし、あゆの細い指が動く度に、腰の奥まで沈み込むような甘い感覚が生まれるのも否定できないのだ。
「名雪さん、自分でこういうのした事あるんだ」
「な…ないよ…」
頭を左右に振る。本当に身に覚えがない事だったからだ。
「はじめてでこんなになる女の子なんていないよ、名雪さん嘘ついてるでしょ」
「ほ、ほんとうだよ」
「素直に言わないと、こうしちゃうよ」
ぐりゅっ。
「!」
名雪はびくっと身体を震わせる。あゆがおもむろにクリトリスをつまんだのだ。
「い、いたいっ!知らないの、本当に知らないの、あゆちゃん」
ぐりゅっ。
「ひっ!」
ぐりゅっ。ぐりゅっ。
「あーっ!ご、ごめんなさい!してます!だから、やめて、あゆちゃん!」
「何を?」
「オ、オナニーです…」
言葉の上でしか知らない行為を、偽って認めさせられる。名雪は屈辱に涙を流した。
「名雪さん、エッチ…」
あゆは打って変わって優しいタッチでクリトリスを転がす。
「あ…ああ」
触られ方が変わるだけで、それはとろけるような快感に変わった。既に十分高められていた名雪の身体は、いよいよ頂点に向かって追いつめられていく。
「ふ…ふぅぅっ」
「ねぇ、名雪さん気持ちいいでしょ?ボクの指で、もっと感じて…」
「あ、あっ」
名雪は思考がどんどん薄れていくのを感じていた。全身を駆け巡る性感に完全に支配されていく。あゆの指戯に支配されていく。
「はぁぁっ!」
最後にひときわ高い声を上げて、名雪は完全に悶絶した。
「ね…姉さんっ…なんか、やっぱりこれ変よ」
「…………」
芹香はパラパラと手に持った分厚い本をめくりながら、綾香に答えた。綾香の手には小さな空の小瓶がある。芹香によれば、そこに入っていた薬には簡単な睡眠薬の効果があるということだった。最近眠れないという綾香の愚痴から、いつのまにかそこまで話が進んでいったのだが…
「え…なに…間違えちゃったみたい?ちょっと…大丈夫だって言ったじゃない」
ぺこり…
芹香は頭を下げる。表情の変化に乏しいせいか、あまり謝っているようには見えない。
「それで、これってなんだったの」
「……」
「…ちょ…ちょっと!」
「………」
芹香の声が、言いながらどんどん小さくなっていった。それでも綾香は聞き取れているのだから、大したものである。
「シャ、シャレになんないでしょっ!どうすんの…直す薬とかないの?」
「…」
「姉さんっっ」
綾香は困り切った顔になって抗議する。綾香の身体はどんどん熱くなってきていた。綾香は自分の腹を押さえるようにして耐えようとしていたが、それだけではどうしようもなかった。
「どうするのよぉ…これ」
「…、……、…」
「え?」
「………、……」
芹香が視線を下の方に落としながら、ぽそぽそと名詞を口にする。
「しっ!知らないわよっ、そんなの」
綾香は顔面を真っ赤にして叫んだ。余裕のなさは、薬の効果がどんどん進行してきている事によるのか、はたまた綾香がこういった事にあまりに無垢であるからだったのか。
叫んでから、綾香は両手で腹をきゅうぅっと押さえて泣きそうな顔をする。
「あ、頭がおかしくなっちゃうっ…助けて…助けてよ、姉さんっ!」
綾香は悲痛な声を上げた。それは多少大げさだったかもしれないが、芹香はその声に打たれたように、確信した瞳になって綾香の元へ歩き始める。
「ね、姉さん?なんか、あるの?」
「……」
「え…」
「…ふむっ!」
芹香の唇が、綾香の唇を優しくふさいだ。
「ん…んっ」
驚いた目をする綾香。芹香は舌を少しだけ出して、唇の間に滑り込ませてから浅く撫でていく。ゆるめのキスだったが、綾香はひどい戸惑いの色を見せていた。芹香の方もやや戸惑っているようだったが、目に確信が宿っているためか、積極性のようなものすらあるように見える。
「んっ…」
芹香が唇を離すと、つっ、と細い糸が伝った。
「ね、姉さん…」
綾香はもう本当に泣き出しそうな顔になっている。今のキスで落ち着いたのか、ますます熱情を煽られたのか、それはわからない。ただ、綾香がこのままで済むわけがないのは確かだ。
「……」
「や、やだ…」
芹香の言葉に、拒絶の言葉を示しながらも綾香の手は動いた。震える手で、パジャマのズボンをショーツと一緒に下ろしていく。その様子は、普段の綾香と違って非常に幼く見えた。つり目がちな目が、弱々しく潤んでいるせいもあるかもしれない。
「…」
「やだ…やだよっ、こんなの」
綾香は言いながら脚を開く。どこか操られているようにも見えるが、動かしているのは間違いなく綾香の意志だ。
ひとつ年下の妹の性器は、思ったよりもずっと幼かった。大人びた役割を演ずるのが好きな少女も、この方面にかけて潔癖であったのは本当らしい。
芹香は身をかがめ、慎重に綾香のその部分に触れた。はじめは産毛を撫でているような微細な動きだったが、次第にはっきりと綾香の身体に指を這わせ始める。
「こっ…こわいっ…」
「……」
大丈夫、と芹香は言った。綾香の身体は恐怖のためかか苦悶のためか、ずっと震えている。綾香は、強力な相手に対峙したときにも、自分の身体に打撃を加えられた時にもそんな感覚を感じた事はないだろう。内部から沸き上がってくる感覚には、綾香は全く無力だった。
一方の芹香は、あまりに冷静な表情で行為を続けている。姉妹の対比は滑稽なほどだったが、どちらもこの事態を何とかしたいという気持ちは同じだ。
「…ひっ!」
芹香の指がはっきり粘膜に触る。綾香は鋭い声を上げた。
「……」
大丈夫、大丈夫と子供に諭すように芹香は問いかけた。年の離れていない二人はどちらが年上なのかわからなくなる事も多いが、こういう時には年齢に即した反応の差が出てしまうようだった。
芹香はゆっくり指を動かし始めた。すると、綾香は上げた声ほどには痛みなどを感じていない事がわかってくる。痛いなら、そう言うだろう。それに、その部分の帯びている熱から、既に快感を感じる準備が出来ているという事を自分の経験から推測できた。
「あ…な、なんか変」
綾香は少し落ち着いた声を出す。芹香は安心して指の動きを強めた。
「っくっ…そ、そこ…そこ、いやっ…」
嫌という反応が示すものを芹香は論理的に導いた。芹香は左の手で包皮を剥いて、すぐに右手で直接的にさわり始める。
「あっ…だめっ…姉さん、やめて…」
綾香は腰やら脚やらをしきりによじらせて、もたらされる強い刺激から逃げようとする。しかし芹香が愛撫しやすいように綾香の腰に左手を回して固定すると、それすらも出来なくなる。後は激烈な感覚が生まれてくるのを受け止めるしかない。
もはや、綾香にも快感を否定する事が出来なくなってきたようだった。そうなると、行為への恐怖より相手が姉であるという安心感の方が強くなってくる。ふるふると顔を振りながらも、そこにはほとんど拒絶の様子がない。
「ね、姉さん、なにか、なにか来るっ」
「……」
「ひ、ひっ…なに…これっ、おかしいっ…私の身体…」
綾香がぐぐーっと脚を閉じて、自分の身体を両の腕で抱きしめる。
「っ……!!」
その瞬間に、温かで透明な液体が少しあふれた。綾香の生まれて初めてのエクスタシーだ。
「…………これで、済んだの」
それからだいぶ経ってから、消耗しきった顔で綾香が問う。
「……」
「しゅ、習慣性があるってこと!?」
「…………」
「お、おんなじよ…」
「………」
「できないわよっ!そんなこと……私、寝るから」
綾香はショーツとズボンを上げる。その時、はじめて液体の存在に気づいたようだった。
「…………」
芹香はパラパラと手に持った分厚い本をめくりながら、綾香に答えた。綾香の手には小さな空の小瓶がある。芹香によれば、そこに入っていた薬には簡単な睡眠薬の効果があるということだった。最近眠れないという綾香の愚痴から、いつのまにかそこまで話が進んでいったのだが…
「え…なに…間違えちゃったみたい?ちょっと…大丈夫だって言ったじゃない」
ぺこり…
芹香は頭を下げる。表情の変化に乏しいせいか、あまり謝っているようには見えない。
「それで、これってなんだったの」
「……」
「…ちょ…ちょっと!」
「………」
芹香の声が、言いながらどんどん小さくなっていった。それでも綾香は聞き取れているのだから、大したものである。
「シャ、シャレになんないでしょっ!どうすんの…直す薬とかないの?」
「…」
「姉さんっっ」
綾香は困り切った顔になって抗議する。綾香の身体はどんどん熱くなってきていた。綾香は自分の腹を押さえるようにして耐えようとしていたが、それだけではどうしようもなかった。
「どうするのよぉ…これ」
「…、……、…」
「え?」
「………、……」
芹香が視線を下の方に落としながら、ぽそぽそと名詞を口にする。
「しっ!知らないわよっ、そんなの」
綾香は顔面を真っ赤にして叫んだ。余裕のなさは、薬の効果がどんどん進行してきている事によるのか、はたまた綾香がこういった事にあまりに無垢であるからだったのか。
叫んでから、綾香は両手で腹をきゅうぅっと押さえて泣きそうな顔をする。
「あ、頭がおかしくなっちゃうっ…助けて…助けてよ、姉さんっ!」
綾香は悲痛な声を上げた。それは多少大げさだったかもしれないが、芹香はその声に打たれたように、確信した瞳になって綾香の元へ歩き始める。
「ね、姉さん?なんか、あるの?」
「……」
「え…」
「…ふむっ!」
芹香の唇が、綾香の唇を優しくふさいだ。
「ん…んっ」
驚いた目をする綾香。芹香は舌を少しだけ出して、唇の間に滑り込ませてから浅く撫でていく。ゆるめのキスだったが、綾香はひどい戸惑いの色を見せていた。芹香の方もやや戸惑っているようだったが、目に確信が宿っているためか、積極性のようなものすらあるように見える。
「んっ…」
芹香が唇を離すと、つっ、と細い糸が伝った。
「ね、姉さん…」
綾香はもう本当に泣き出しそうな顔になっている。今のキスで落ち着いたのか、ますます熱情を煽られたのか、それはわからない。ただ、綾香がこのままで済むわけがないのは確かだ。
「……」
「や、やだ…」
芹香の言葉に、拒絶の言葉を示しながらも綾香の手は動いた。震える手で、パジャマのズボンをショーツと一緒に下ろしていく。その様子は、普段の綾香と違って非常に幼く見えた。つり目がちな目が、弱々しく潤んでいるせいもあるかもしれない。
「…」
「やだ…やだよっ、こんなの」
綾香は言いながら脚を開く。どこか操られているようにも見えるが、動かしているのは間違いなく綾香の意志だ。
ひとつ年下の妹の性器は、思ったよりもずっと幼かった。大人びた役割を演ずるのが好きな少女も、この方面にかけて潔癖であったのは本当らしい。
芹香は身をかがめ、慎重に綾香のその部分に触れた。はじめは産毛を撫でているような微細な動きだったが、次第にはっきりと綾香の身体に指を這わせ始める。
「こっ…こわいっ…」
「……」
大丈夫、と芹香は言った。綾香の身体は恐怖のためかか苦悶のためか、ずっと震えている。綾香は、強力な相手に対峙したときにも、自分の身体に打撃を加えられた時にもそんな感覚を感じた事はないだろう。内部から沸き上がってくる感覚には、綾香は全く無力だった。
一方の芹香は、あまりに冷静な表情で行為を続けている。姉妹の対比は滑稽なほどだったが、どちらもこの事態を何とかしたいという気持ちは同じだ。
「…ひっ!」
芹香の指がはっきり粘膜に触る。綾香は鋭い声を上げた。
「……」
大丈夫、大丈夫と子供に諭すように芹香は問いかけた。年の離れていない二人はどちらが年上なのかわからなくなる事も多いが、こういう時には年齢に即した反応の差が出てしまうようだった。
芹香はゆっくり指を動かし始めた。すると、綾香は上げた声ほどには痛みなどを感じていない事がわかってくる。痛いなら、そう言うだろう。それに、その部分の帯びている熱から、既に快感を感じる準備が出来ているという事を自分の経験から推測できた。
「あ…な、なんか変」
綾香は少し落ち着いた声を出す。芹香は安心して指の動きを強めた。
「っくっ…そ、そこ…そこ、いやっ…」
嫌という反応が示すものを芹香は論理的に導いた。芹香は左の手で包皮を剥いて、すぐに右手で直接的にさわり始める。
「あっ…だめっ…姉さん、やめて…」
綾香は腰やら脚やらをしきりによじらせて、もたらされる強い刺激から逃げようとする。しかし芹香が愛撫しやすいように綾香の腰に左手を回して固定すると、それすらも出来なくなる。後は激烈な感覚が生まれてくるのを受け止めるしかない。
もはや、綾香にも快感を否定する事が出来なくなってきたようだった。そうなると、行為への恐怖より相手が姉であるという安心感の方が強くなってくる。ふるふると顔を振りながらも、そこにはほとんど拒絶の様子がない。
「ね、姉さん、なにか、なにか来るっ」
「……」
「ひ、ひっ…なに…これっ、おかしいっ…私の身体…」
綾香がぐぐーっと脚を閉じて、自分の身体を両の腕で抱きしめる。
「っ……!!」
その瞬間に、温かで透明な液体が少しあふれた。綾香の生まれて初めてのエクスタシーだ。
「…………これで、済んだの」
それからだいぶ経ってから、消耗しきった顔で綾香が問う。
「……」
「しゅ、習慣性があるってこと!?」
「…………」
「お、おんなじよ…」
「………」
「できないわよっ!そんなこと……私、寝るから」
綾香はショーツとズボンを上げる。その時、はじめて液体の存在に気づいたようだった。
「ふ…!?は…うぅっ、うっ、うっ」
股間に埋めた顔が上下左右に激しく動かされる。
「あ…ちょ、ちょっと強すぎるよっ」
やや余裕を無くした声が上がり、茜の頭に軽く手が添えられる。
「ほら、もっと優しくやってよ」
「んん…ん、んっ!」
詩子の声の言うことなどまるで気にせず、茜は秘裂の間に差し込んだ舌を無茶苦茶に動かした。不慣れな動きではあったが、何かから逃れようとするような切羽詰まった動き。それは、茜に痛みとぎりぎりの強い快感をもたらしていく。
それとは別に、じゅぶっ、じゅぶっというくぐもった水音が聞こえてきていた。茜は背後から犯されているのだ。ついさっきまでは未経験であったはずの茜のヴァギナには十分すぎるほどの愛液が溢れかえっており、男のペニスをやすやすと受け入れてしまっている。
「うっ…締め付けるな」
その声は浩平だった。
「ちょっと前まで処女だったのにね」
「う…ううっ、ううっ」
アイマスクがつけられている、視界が遮られた状況。その状況で背後から突かれている。
そういう異常な状態であるにも拘わらず、膣壁がこすられる度に恐ろしいほどの快感が走った。茜が自ら性感を開発してきたクリトリスでは感じられなかったような、別種の快感が次々に生まれていった。
「詩子」が飲ませた媚薬のせいだとわかっていても、その感覚を無視する事は出来ない。嫌だと思っても腰が動いて、ペニスの動きに応えてしまう。その事を忘れようとする衝動が、無意識のうちに「詩子」への激しいクンニリングスになっていった。
もはや、茜の理性は飛んでいる。
「………っ」
突然、後ろから突かれる動きが止まった。
「…あっ…浩平、やめないでくださいっ」
「欲しいのか?」
「は…はい」
「茜、すごいこと言ってるよ」
「結局、いつもこうされたくてたまらなかったってことだろ」
じゅぶっ。
「ひーっ…ああっ」
悲鳴のような嬌声の後の、安堵しきった声。
「ほら、なめるの止めちゃだめ」
詩子の声に応えて、クンニリングスも再開する。
じゅぶっ、じゅぶっという重い音とぺちゅぺちゅといういやらしい水音が重なっていった。茜の身体の奥底から、熱いものがせり上がってくる。これまでに何度も絶頂に導かれていたが、その中でも最大の波がやってくる。
次第に、茜のヴァギナがひゅくひゅくと震え始めた。
「…イクのか」
「茜、イクの?」
茜は腰と舌の動きを強くする事でそれに応えた。
「…………っ!!」
ビクンッ!ビクンッ!
茜の性感が爆発した。
「あ…ふぁ…あっ」
力つきたように「詩子」の秘部から唇を離し、茜は力つきる。
「まだ、わたしイッてないのに」
「俺もだ」
「罰だよね」
「そうだな」
「まずはオナニー見せてもらうってのがいいよ」
声だけが、茜の脳裏に響いていった…
股間に埋めた顔が上下左右に激しく動かされる。
「あ…ちょ、ちょっと強すぎるよっ」
やや余裕を無くした声が上がり、茜の頭に軽く手が添えられる。
「ほら、もっと優しくやってよ」
「んん…ん、んっ!」
詩子の声の言うことなどまるで気にせず、茜は秘裂の間に差し込んだ舌を無茶苦茶に動かした。不慣れな動きではあったが、何かから逃れようとするような切羽詰まった動き。それは、茜に痛みとぎりぎりの強い快感をもたらしていく。
それとは別に、じゅぶっ、じゅぶっというくぐもった水音が聞こえてきていた。茜は背後から犯されているのだ。ついさっきまでは未経験であったはずの茜のヴァギナには十分すぎるほどの愛液が溢れかえっており、男のペニスをやすやすと受け入れてしまっている。
「うっ…締め付けるな」
その声は浩平だった。
「ちょっと前まで処女だったのにね」
「う…ううっ、ううっ」
アイマスクがつけられている、視界が遮られた状況。その状況で背後から突かれている。
そういう異常な状態であるにも拘わらず、膣壁がこすられる度に恐ろしいほどの快感が走った。茜が自ら性感を開発してきたクリトリスでは感じられなかったような、別種の快感が次々に生まれていった。
「詩子」が飲ませた媚薬のせいだとわかっていても、その感覚を無視する事は出来ない。嫌だと思っても腰が動いて、ペニスの動きに応えてしまう。その事を忘れようとする衝動が、無意識のうちに「詩子」への激しいクンニリングスになっていった。
もはや、茜の理性は飛んでいる。
「………っ」
突然、後ろから突かれる動きが止まった。
「…あっ…浩平、やめないでくださいっ」
「欲しいのか?」
「は…はい」
「茜、すごいこと言ってるよ」
「結局、いつもこうされたくてたまらなかったってことだろ」
じゅぶっ。
「ひーっ…ああっ」
悲鳴のような嬌声の後の、安堵しきった声。
「ほら、なめるの止めちゃだめ」
詩子の声に応えて、クンニリングスも再開する。
じゅぶっ、じゅぶっという重い音とぺちゅぺちゅといういやらしい水音が重なっていった。茜の身体の奥底から、熱いものがせり上がってくる。これまでに何度も絶頂に導かれていたが、その中でも最大の波がやってくる。
次第に、茜のヴァギナがひゅくひゅくと震え始めた。
「…イクのか」
「茜、イクの?」
茜は腰と舌の動きを強くする事でそれに応えた。
「…………っ!!」
ビクンッ!ビクンッ!
茜の性感が爆発した。
「あ…ふぁ…あっ」
力つきたように「詩子」の秘部から唇を離し、茜は力つきる。
「まだ、わたしイッてないのに」
「俺もだ」
「罰だよね」
「そうだな」
「まずはオナニー見せてもらうってのがいいよ」
声だけが、茜の脳裏に響いていった…
「やめて…やめて、ください」
「どうして?」
「こ、こんなのおかしいです」
茜は後ろ手に縛られ、足と手を柱にくくりつけられた体勢のまま訴えかける。顔には真っ黒のアイマスクがつけられていた。
「いいじゃない」
「だめです…」
「すぐに言うこと変わると思うよ」
「そんなはずありません!」
「嘘ばっかー。じゃあ試してみよっか」
「やめてくださいっ!」
茜の懇願も聞き入れられず、つぅっと秘裂に指が一本添えられ、割れ目に沿ってなぞり上げられる。
ぷちゅ。
「ひぅっ…」
「ほら…軽く触っただけなのに」
「ちっ、違いますっ!」
「私が触っているから気持ちいいんでしょ?茜」
「違います!あなたは詩子じゃありません!」
しかし、確かに声は詩子だった。
茜はがんがんする頭の中で必死に記憶を探る。詩子の買ってきてくれた紅茶のペットボトルに、さらにガムシロップを入れたものを飲んでいる間に意識がなくなってきて…
「でも、茜だったから楽チンだったなぁ。薬入れても甘さで全然わかんないんだもんね」
「な…なんの薬ですか」
「睡眠薬と、気持ちよくなれる薬」
ぬぷ。
指が無遠慮に秘裂の中に侵入してくる。ぬるぬるした液体の潤滑で、その指は自在に動き回りながら茜の秘部をいじくり回った。
「あっ…あ…あ!」
「茜のクリ、けっこー大きい…ひょっとして触ってる?意外ー」
茜はアイマスクの下でぼろぼろと涙を流しながら、頭を必死で振って否定した。しかし、それで指の与える刺激を忘れられるわけではない。細いしなやかな指の感触が、最も感じる部分を容赦なくこすり立てる。
「茜…やらしい」
いつもの友人のままの脳天気な声に、貶められる。それがとどめだった。
「うっ…うう…」
何かが崩壊する感覚を味わいながら、茜は身体をびくびくっ…と震わせていた。
「どうして?」
「こ、こんなのおかしいです」
茜は後ろ手に縛られ、足と手を柱にくくりつけられた体勢のまま訴えかける。顔には真っ黒のアイマスクがつけられていた。
「いいじゃない」
「だめです…」
「すぐに言うこと変わると思うよ」
「そんなはずありません!」
「嘘ばっかー。じゃあ試してみよっか」
「やめてくださいっ!」
茜の懇願も聞き入れられず、つぅっと秘裂に指が一本添えられ、割れ目に沿ってなぞり上げられる。
ぷちゅ。
「ひぅっ…」
「ほら…軽く触っただけなのに」
「ちっ、違いますっ!」
「私が触っているから気持ちいいんでしょ?茜」
「違います!あなたは詩子じゃありません!」
しかし、確かに声は詩子だった。
茜はがんがんする頭の中で必死に記憶を探る。詩子の買ってきてくれた紅茶のペットボトルに、さらにガムシロップを入れたものを飲んでいる間に意識がなくなってきて…
「でも、茜だったから楽チンだったなぁ。薬入れても甘さで全然わかんないんだもんね」
「な…なんの薬ですか」
「睡眠薬と、気持ちよくなれる薬」
ぬぷ。
指が無遠慮に秘裂の中に侵入してくる。ぬるぬるした液体の潤滑で、その指は自在に動き回りながら茜の秘部をいじくり回った。
「あっ…あ…あ!」
「茜のクリ、けっこー大きい…ひょっとして触ってる?意外ー」
茜はアイマスクの下でぼろぼろと涙を流しながら、頭を必死で振って否定した。しかし、それで指の与える刺激を忘れられるわけではない。細いしなやかな指の感触が、最も感じる部分を容赦なくこすり立てる。
「茜…やらしい」
いつもの友人のままの脳天気な声に、貶められる。それがとどめだった。
「うっ…うう…」
何かが崩壊する感覚を味わいながら、茜は身体をびくびくっ…と震わせていた。