Daily-EROtic 友里

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「や…やだっ…お姉ちゃんっ…!?」
 由依が震えきった声で叫ぶ。
 脚に当てられたカッターナイフの感触は、由依を完全に動揺させていた。たとえそれが実の姉の持っている物であるとしても、その冷え切った刃が直接身体に当てられて恐怖しないわけがない。いや、むしろ肉親であるからこそ、由依はさらなる恐怖を覚えているようだ。見たことがないほどの冷徹すぎる目、記憶の中の姉とは全く違う恐ろしい表情。着ている服こそ由依も覚えている物だったが、自分の姉と同一人物とは思えないほどに今の友里は鋭い眼光をしていた。
 …びっ
「!!」
 友里が由依のスカートをピンと伸ばして、そこにカッターの刃を食い込ませる。
 びぃぃぃぃーっ…
「い、いやあっ…お姉ちゃん、やめて…」
 由依は力無い声で訴えたが、友里は制服のスカートを真ん中からまっぷたつに切り裂いていった。腰の締め付けている部分の直前まで来るといったんカッターを床に置き、
 びりりっ!
 残った部分を一気に引き裂く。スカートは、いとも簡単に原型を失ってただの布きれと化した。
 友里はカッターを床から拾い上げると、再び由依の身体に近づけていく。
「……!?」
 その刃先がショーツの真ん中にぴったりと当てられた瞬間、由依は全身の筋肉をこわばらせて硬直した。
 ぐぐ…
「い、いや、いやだっ…お姉ちゃん、やめて…」
 由依は徐々に食い込んでくるカッターの圧力に、怯えた声で恐れを示す。カッターの刃はあまりに正確な位置で秘裂の筋に当てられていたため、その刃が食い込み始めても痛みはほとんどなかった。薄い刃が、そのまま秘裂を割って入り込んでくるような感じである。
 しかしだからといって、由依が安心できるはずもない。カッターの刃が半ばほどまで食い込んでくると、由依は失禁してしまいそうなほどに筋肉が弛緩してきてしまった。ショーツの生地を通して、ステンレスの固い刃が秘部の内側に当たっているのがよくわかる。
 ぐぐぐ…ぐっ
「あっ…ああ…あ…」
 刃に無理な力が加わらないように身体を緊張させても、震えを完全に止めることなどできないのだ。いつ自らの震えで刃が勢い良く切り込んできてしまうかわからない。由依は半ば以上泣き声になりながら、その恐怖にただ耐える。
 …ぱっ
「………」
 いよいよ刃が危険な位置まで入り込んできたと由依が思った瞬間、友里は一気に刃を引いた。
「……あ…」
 由依は呆然とした声を上げる。危険は去ったというのに、涙がぽろぽろとこぼれてきた。刃が入ってきている時はこらえていた涙が、突然堰を切ったように瞳から溢れ始める。
「脱ぎなさい」
「……え…?」
 涙を流したまま、由依は問い返す。涙が流れ、喉の奥につっかえるような感覚が生まれても、意識はしっかりとしたままだった。
「………」
「あっ…あっ!」
 友里がカッターナイフの刃を今一度近づけようとすると、由依は慌てて自分の白いショーツに手を伸ばす。そして、飾り気のない白いショーツをずるっと子供のように下ろしてつま先から脱ぐ。
「じっとしていなさい」
 友里はカッターを左の手に持ち替えると、右手を何のためらいもなく由依の幼い秘裂に伸ばした。
「あ…!」
 突然秘められた部分に同性の指が入り込んできた事に、由依は困惑の声を上げる。しかし未だに鈍い光を放っている銀色の刃を見れば、抵抗することなどできなかった。
 ぐっ、ぐっ…くにゅっ…くりゅっ…
「んぅ…そ、そこは」
 友里の指は由依の秘核に当てられている。指の先だけで軽くマッサージするようなタッチが、由依の性感を凝縮した地点をジワジワと刺激する。そして、友里の目はじっ…と由依の目を見つめていた。
 くにゅ…くっ、くっ…くにゅっ
「お姉ちゃん…だめ…ここはっ…」
 由依は顔を赤くしていたが、姉から目をそらす事ができない。友里のじっとしていなさいという命令が、さっきのカッターの恐怖と相まって由依の身体を呪縛していた。
 くにゅ、くにゅ…クチ…クチッ…
 ほどなく、指先の動きに合わせた小さな水音が聞こえてくるようになる。痛感になってしまうかしまわないか、その境界線上の大胆な刺激で、由依の身体はあっという間に高ぶってしまった。小柄で幼く見える身体の奥底から少女の秘めた欲望が溶けだし、甘ったるい酸味を帯びたジュースとなってあふれ出す。
 くちゅくちゅ…
「お、お姉ちゃんやめて…恥ずかしい」
 由依がリボンの髪をさらさらと揺らしながら、ぎごちなく顔を横に振った。だが友里はそこがどれほど潤っているのかを確かめ、それを由依にも自覚させようとしているかのように、蜜液の入り口を指でかき回す。
「やだ、やだよ…お姉ちゃん、こんなこと…」
 口元を押さえながら、由依は友里に訴えかけた。
「…あんたがこんなに淫乱だから…私達は…」
「…え?」
 いきなり口を開いた友里に、由依は頬を染めたままきょとんとした顔になる。
「あんたがこんなじゃなければ…家族がばらばらになることもなかった…!」
「えっ…えっ? お、お姉ちゃん? 何を言っているのかわからないよ…」
 由依は何回か目をしばたたかせながら言った。
「あんたのせいで家族が無茶苦茶になったんじゃないっ!」
 友里は叫びながらカッターナイフを振り上げる。
「きゃっ…!!?」
 それが振り下ろされると思いつつも、由依はとっさに反応できず目を閉じるだけだった。
「………………」
 しかしいつまで経っても刃が肌に食い込んでくる感触はない。
 くちゅっ。
「…えっ」
 代わりに生まれたのは、何か無機質な物が秘裂の中に入ってくる感触だった。
「…あ…!」
 由依が目を開けると、自分の割れ目に赤いカッターナイフの柄の部分が入ってきているのが見える。友里はカッターを逆向きに持って、それを由依の秘部に入れてきたのだ。
 ぐちゅっ…
「ううっ…!?」
 友里はためらいなくそれを突き出し、由依の膣内に押し込んでいく。
 ぐぐぐ…
「んっ…んぅっ…!? ……あ…あれ…?」
 由依が予想した破瓜の激痛は生まれなかった。カッターナイフの柄は、由依の膣内にいともたやすく挿入されていったのだ。
「ど、どうして…?」
「何を言っているの?」
「だ、だって…私、男の子と付き合ったことなんかないし…それなのに…」
「…あんたが道で男に襲われたんでしょっ!」
 ぎゅっ…
「んああっ…!」
 友里がきつく由依の秘核を押し込む。その乱暴な刺激も、由依は燃え上がるような快感として受け取ってしまった。
「こんなに平べったい体しててっ…それなのに、ココをいじくる事ばっかりしてるから…あんな男に襲われて、家族が滅茶苦茶になっちゃったんじゃないっ!?」
「し、知らないっ! そんなこと…ん、んああっ…ふぅんっ…うあっ…!」
 由依は必死になって否定しようとしていたが、友里がグリグリと指で突起を転がすと甘い叫びを上げずにはいられなかった。
「いっそ、ココをカッターで切り取ってあげればいいのかもしれないわね…」
「!!?」
「そうすれば、あんたみたいな淫乱も感じなくなるし、少しは反省するでしょ」
「や、やめてっ!? お姉ちゃん…そんなこと、しないでっ…!! んっ、ふぅっ、ううーっ…!」
 友里は言いながらも激しく秘核を攻め立てている。由依のつるんとした恥丘にはねばねばした透明な液体がたっぷりとあふれ出して、姉の指を根元近くまで濡らしていた。切除される事への恐怖が、異常なほど秘核の感度を高めてしまっている。
「い、いやっ、あふぅっ、ふぁっ…あああーっ…だ、だめっ、お姉ちゃん…イ、イッちゃうっ…」
 …ビクッ! ビク、ビク…ぴくっ…ぴくぅっ…
 由依は小さな体を飛び上がるほどに跳ね上がらせ、カッターナイフをぎゅうぎゅうと締め付けながら初々しい絶頂に達してしまった…


「…あ…」
「第四段階終了です。お疲れさまでした」
 どこからともなく聞こえてくるスピーカーを通した声。暗い部屋、足元に浮かび上がった方陣のような緑色の光。
 由依は全身がびっしょりと汗をかいているのを感じながら、ふらふらと部屋を出ていった。



8/29
 コツ…!
「抱きたければ勝手に抱けばいい」
 目の前で鋭く響きわたった靴音にも反応せず、友里は言い放った。
「あれを舐めろと言われれば舐めるし、目の前で自慰をして見せろと言われれば見せる」
 冷ややかに続ける。目の前の男に向けられた視線も、それと同じくらいに冷たい。
「それが不可視の力を修得するために必要なことなら、私は何だってする」
 そして、友里は自らの着衣を無造作に脱ぎ払い始めた。自分の肌をさらけ出しているという事への意識など皆無に見える。ただ、行為への準備をしただけ。
 友里が男達の前で何度となく言ってきた科白と同じように、毎回毎回変わらない乾燥した行為。仮に目の前の男の目がいつもより下卑ていたとしても、そんなものは友里にとって誤差に他ならなかった。
「…そうか」
 男の口元が、にやりと歪む。
 それは、露わになった友里の肢体を見ての反応ではない。何かしらの期待か予測を持ってのものと見て間違いないはずだった。
 と言っても、そんな表情を見ることは友里にとって日常茶飯事だ。その結果は鞭による打擲(ちょうちゃく)だったり、浣腸による排泄だったりした。しかしそれすらも友里は無感動に受け止めてきたのだ。盲目的な信念によって。
「するなら早くすればいい」
 きぃ…
 友里が不機嫌そうに言った瞬間、入り口の扉がきしんだ音を立てた。
「こっちに来い」
 男が扉に向かって声をかける。
「………」
 面倒くさそうに、友里は新たな来客に目をやった。相手が二人になろうと三人になろうと、知ったことではないのだ。
「あ、あのっ…」
「…!!」
 だが、扉の隙間から顔を出している顔を見て、友里に動揺が走った。
「…早くこっちに来い。早くだ」
「は、はい…」
 きぃっ。
 男ではなく、少女。
 ばたんっ。
 重い扉が閉まる。そして少女がおずおずと全身を現した。小柄なショートカットで、友里よりも年下のようだ。
 少女は両手を身体の前で揃えながら、恐る恐るの足取りで男の方に向かっていく。
「B‐73」
「え、え…は、はいっ」
 少女は自分の手の甲を見てから、慌てて返事をした。
「そこで、止まれ」
「わ…わかりました」
 ちょうど男と友里の中間地点で少女は立ち止まる。そして、きょろきょろと交互に二人へ目をやった。
「…どうした、知り合いか?」
「く…」
 友里は歯がみした。その友里に、何か言いたそうな様子で少女が顔を向ける。どこか申し訳なさそうな、恥ずかしそうな。同性の裸を見せられている事が原因のひとつではあるだろうが、それだけではないようだ。
「まぁ、そんな事はどうでもいいな…」
「あ、あのっ…お姉ちゃんと話をさせてくれるって言いましたよね…」
「そんな事は言っていない。人の話はよく聞くんだな。会わせてやると言っただけだ」
「そんな…」
 少女がきゅっと眉をしかめて苦しそうな顔をする。
「ところで今こいつが言ってたが。姉妹か?」
「…知らない」
 友里は床を見つめながら吐き捨てた。
「お姉ちゃん…」
 もちろん、眼前の少女が由依である事は扉の隙間から顔が見えた時から気づいている。その由依が、悲しそうだが責めてはいない、今のような声を出すだろうことも分かっていた。それでも友里は知らないと言ったのだ。
「そんな子は知らない。他人だ。部屋の外に出してやってほしい」
 由依を前にしても、友里は事務的に話し続けた。その声のトーンの低さに由依は不安を覚えているようだったが、仕方がない。
「なんで外に出す必要があるんだ?」
「私とは関係ない人間だから」
「バカか。ここは精錬の間だぞ。Bー73も、ここがどういう所か知ってるよなぁ?」
「は…は、はいぃっ…」
 由依がピクンと震えて、友里の方に一歩後ずさりする。
「じゃあ、お前はどうなると思う?」
「わ、わかりませんよぉ…」
「だそうだ。お前は?」
「…わからない」
「想像力のない奴らだな。じゃあ言う。お前がB−73を脱がして絡め。姉妹じゃないなら抵抗もないだろ?」
「…っ!」
「えっ…ええぇっ!?」
 友里と由依は二様の動揺の仕方を見せた。友里はぐっと男をにらみ、由依は男と友里の顔を見比べて混乱している。
「…なんだ?命令を聞かないのか?」
「う…」
 友里はぎりっと歯を噛みしめた。
 目の前に、おののく妹の顔と、食堂で謝られた時の表情が順番にフラッシュしていく。ここまでの動揺を感じるのは、友里にとってそうそうない事だった。
「……わかった」
「お、お姉ちゃんっ!?」
 だが友里はそう言った。悲鳴にも似た声が上がる。
「私は、不可視の力を手に入れるっ…」
 友里は目を閉じて、言い聞かせるようにつぶやいた。そしてうっすらと目を開いて、由依に向かって歩き始める。
「そうだ。お前は選ばれた人間なんだからな…」
 男は満足そうに言い、腕組みをして二人を見つめた。
「お、お姉ちゃ…うぷっ」
 由依が何か言おうとした時には、もう友里の口が由依の唇をふさいでいた。
「んっ…んふっ…んんんーっ」
 いやいやと顔を振ろうとするが、友里はしっかりと由依の頬を支えて逃そうとしない。その唇の隙間から入り込んだ友里の舌は、由依の舌にねっとりと絡みついてなぶっていた。
「ふ…ふうっ」 
 由依は手をぱたぱた振って暴れていたが、次第に抵抗が小さくなってくる。最後にはくたりと手を垂らして、姉のキスに身を委ねてしまっていた。
「…ぷはぁっ…はぁっ…はぁっ、はぁっ…」
 やっと解放されると、由依は荒く息をつきながら肩を落とす。顔を真っ赤にして力無く床を見ている様子は、由依の精神的ダメージを表しているように見えた。
 友里は口元の唾液をぬぐいながら、遠い物を見つめるような目で由依の事を見る。
「キスだけで終わりってこたないだろ?」
 しばし二人はそうしていたが、男の促(うなが)しに友里が動いた。
「い…いやぁ…」
 由依は顔を少しだけ上げて言ったが、抵抗するだけの気力はないようだ。ただ立ちつくしているだけである。
 友里は床に脚をつくと、自分の服と同じように由依のスカートを機械的にずり下げた。すぐに由依の白いショーツが見え始め、膝を過ぎたところでスカートはぱさりと床にすり落ちてしまう。
「!」
 ショーツを脱がされる時だけはさすがに由依も手を伸ばして友里の手を押さえつけようとしたが、友里は何も乗っていないかのように作業を進めていった。すぐに由依の恥部は露わになり、それと同時に由依の手からは力が抜けてしまう。
「ううっ…」
 由依は目を固く閉じて、顔を少し上げた。目の端からこぼれ落ちそうな涙を必死にこらえる。
 しかし友里はこれまでと同じように、意思を感じさせない動作で妹の性器に口づけていった。
 ちゅぱっ。
「んっ……」
 口が触れた瞬間は、さすがに由依も声を出してしまった。由依は両手を後ろに組んで、無反応でいようと懸命になる。
 ちゅぱちゅぱ。ちゅぱっ。
 施設で暮らす中、決して清潔に出来ているとは言い難い性器を友里は嫌がりもせずに舐めていった。ぴったりと閉じていた由依の幼い割れ目を開いて、中にある唇状の部分を本物の唇で幾度もしごく。
 何十回もそうした後で、友里はさらに舌を奥深くまで差し込んだ。そして、見過ごしてしまいそうなほど小さい秘核を舌の先で見つけだすと、ころころと軽やかに転がし始める。
「ん…ン…!」
 由依の息が、また荒くなってくる。他の部分と同様に未発達だった由依の性感でも、巧みな舌の動きで秘核を責められては快感を見出さざるを得ないようだった。
 くりっくりっ…ちゅぱっ。
 幾度となく男の精を吐き出させてきた友里の舌戯である。友里は出来るだけ何も考えないように努めている様子だったが、そのために無意識下にインプットされている行動様式が直接出てきてしまっているのだ。由依は容赦ない姉の絶妙な舌の攻撃に、未体験の悦びを感じてしまう。同性の嫌悪感もほとんどなかった。由依の深層にある、ペニスで犯される事への恐怖が作用しているのかもしれない。
 とろん…
「あぅ…」
 由依が恥ずかしそうな声を出した。
 友里はすぐに攻撃の対象を秘核から由依の濡れた部分に変更する。
 ちゅるっ…じゅるっ…
「あ…あはぁっ」
 淫乱な液を吸い立てられる感覚が、背徳的な刺激を由依にもたらした。そうなればすぐにまた透明な液体が生まれ、由依の秘部を濡らす。それはまた友里に舐め取られていく。
 くりゅくりゅっ。
 友里は同時に指で秘核も責めた。唾液に濡れた部分を高速でバイブレーションされると、由依の身体をずんっと何かがせり上がってくる。
「…んあああっ!?」
 手を後ろに組んだまま、由依は激しく背中を反らせて絶叫した。友里は指を濡れそぼったヴァギナに突っ込み、カギ状に曲げてぐりぐりと刺激する。もちろん、秘核をいじる手も止めていない。
 小さなブラジャーを可愛く勃起した乳首が突き上げ、最後のトドメとなる。「あうっ!ふあああんっ!」
 そして、由依は生まれて始めてのエクスタシーを姉の手によって得たのである。
 友里は何かが壊れたような顔で、呆然と床を見ていた。