Daily-EROtic 澪

12/22
 かちっ…かち…
 詩子が二回電灯の紐を引っ張り、部屋は淡いオレンジの光だけに満たされる。
「お休みなさい…」
 そして、先客のいるベッドの布団に詩子はもぐりこんだ。
 既に半分眠りかけている、その小さな体躯は澪である。
「柔らかいベッドだよね」
「………」
 澪がこくんとうなずく。
「ゆったりしていて、おおきいし…」
 確かに詩子と澪が寝転がっても、まだ十分にスペースが余っていた。ダブルベッド並みの大きさがある、しっかりした作りのベッド。浩平の叔母、由起子の部屋に置いてある物だった。
 二人がこの部屋で寝ることになった理由は…浩平の家での、泊まりがけのクリスマスパーティだ。浩平と茜が、二階にある浩平の部屋で寝ることになるのは暗黙の了解である。残った詩子と澪は、由起子の部屋で寝る事になった。由起子はクリスマスだと言うのに、家に帰ってきていない。
「折原君と茜…今頃、もう…」
「……?」
 詩子がつぶやくように言うと、澪は何回か目をしばたたかせた。
「澪ちゃん…そっか、わかんないか」
 こく…とうなずいてから、澪は枕元に置いてあったメモ帳に手を伸ばした。スケッチブックを置いておくのは邪魔すぎるという事で、リビングにあったメモ帳とペンを持ってきて置いたのだ。
『寝る、って言ってたの』
「そだね…寝てる、だろうね…」
『お酒を飲んだら眠くなるって言ってたの』
「茜は強いし…折原君も、結構途中から抑えていたし…」
 はぁ…と酒気を帯びた吐息を澪の髪の毛に当てながら、身体を寄せる。
「お楽しみの真っ最中…かな…」
 詩子が言うと、澪は少し考えてから、メモ帳のページをめくってペンを動かした。
『遊ぶの?』
「うん…遊んでる…だろうね」
『ずるいの』
「ずるいね…」
 詩子は澪の頭を撫でながら言う。澪はしばらくそのまま詩子に身を預けていたが、
『遊ぶの』
 不意に詩子の手から抜け出ると、メモ帳にそう記した。
「澪ちゃん…」
『遊ぶの』
 澪が、メモのページを詩子の目の前にぐぐっと押しつけてくる。いつもに増して子供っぽいその仕草は、澪の身体にもアルコールが回っている事を思わせた。
 明日になれば、今日の事などすっかり忘れてしまうかもしれない。
「遊びたいの…澪ちゃん…」
『遊ぶの』
 ページを見せつけながら、うんっと大きくうなずく。
「私も…澪ちゃんとなら、遊んでもいいかな…?」
『遊ぶの』
 澪がもう一度メモ帳を見せてから、それを枕元に置いてベッドから立ち上がろうとした。
「待って、澪ちゃん…ベッドの中で、遊ぼうよ…」
「…??」
「澪ちゃんの知らない遊び方…教えて上げるから…」
 詩子は毛布を顔の近くに引き寄せながら言う。首筋を撫でる柔らかい毛の感触が、アルコールで熱くなった身体をぞくぞくと痺れさせた。
 …こくん。
 澪は頭を縦に振り、詩子の方に引っ張られた毛布を自分の方に引き戻すようにして布団の中へ戻る。
「…澪ちゃん…」
 詩子は澪の無垢な好奇の瞳を見つめながら、澪の体にぴったりと身をくっつけた。そして、澪の背中に腕を回して抱き締める。
 …ちゅ…
「…!?」
 そしてすぐ近くまで迫っていた澪の唇へ、詩子は口づけた。
 ちゅっ…ちゅく
「っ……っっ………」
 澪が二、三度身体をよじらせて逃げようとする。しかし詩子が優しく舌で澪の唇を舐め上げていると、澪の身体からするすると力が抜けていった。
 ぬる…
 詩子がやや強引に舌を割り入れると、澪の唇は防ぎきれずにその侵入を許す。
 ぬっ…れろ…れろん…
 甘いアルコールの香りに満ちたその口内を、詩子は舌で静かに撫でた。澪の柔らかな舌を、ときほぐすように少しずつ舌でくすぐる。こぢんまりと整った前歯を、溶かしてしまいそうなほど何度も何度も舐める。
 ぬちゅ…ちゅく、ちゅく
 詩子が唾液を送り込むと、澪は耐えきれなくなったようでそれを素直に飲み込んだ。詩子の肌が、サッと汗ばむ。とてつもない悪事をしているような、極めて自然な事をしているような、その二重の感覚に詩子は囚われていた。
「んっ…んんっ…んふ…」
 ぬちゅっ、ぬちゅ…
 あまり豊かでない胸の膨らみを、互いに押しつけ合う。そう、澪は舌を動かして応える事はしなかったものの、詩子の乳房の圧迫には身体を前に押し出すことで応えていた。詩子のニプルは、控えめなブラジャーの下でたちまちにピンと尖っていく。
 詩子は、澪の胸がどういう状態になっているのかを確かめたいという欲望に逆らえなかった。唇と唇を軽く合わせた状態を維持しつつ、詩子は澪のパジャマの胸元に手を入れる。
 ボタンのついていないゆったりとした澪のパジャマは、詩子の手の侵入を簡単に許した。詩子はその先にあったすべすべした生地のブラジャーの中に指を滑り込ませ、ずらす。詩子よりも未熟な膨らみを包んでいたブラジャーは、詩子が少し手を動かすだけで簡単に外れてしまった。
 くりゅっ…
 しかしそのほのかな膨らみの先は、詩子に負けないほど固くしこっている。詩子は指先でそこをつまみ、くにくにとしごき始めた。
「んっ…ふぅ…ん…」
「……っ………ん…」
 荒くなった呼吸と呼吸が唇の隙間で混ざり合い、漏れている。あたたかな存在感を持ったその気体が、澪の胸の所までこぼれ落ちて染み込んで行くかのようだった。詩子は激しく興奮し、澪の股間に己の敏感な部分をすりつけ始める。
 しゅっ…しゅ
 澪はすぐに詩子の動きに合わせて腰をくねらせ始めた。ナイロンのパジャマ同士が擦れ合い、隠蔽され乾いた響きを薄暗い部屋にもたらす。しかしその乾いた摩擦音の中で、詩子のショーツはじっとりとした潤いを帯び始めている。
 胸と同じように澪のその部分の状態を確かめたいという欲望が詩子の中に生まれるまで、そう長い時間は必要としなかった…
 ちゅる…
「………」
 詩子はいったん唇を離し、澪の胸元から手を出す。
 澪は不安に満ちた顔をしながら、濡れた唇から熱くなった吐息を漏らしていた。自分の体の中にある興奮は澪自身にもよくわかっているようだ。
 それについて、問いを発しようとしたのか、澪がメモ帳に手を伸ばそうとするが…
 しゅぐっ…
「!」
 詩子が乱暴な手つきで澪の下半身に手を伸ばすと、澪はびくっと身体を震わせて手を止めてしまった。
 しゅぐっ、しゅぐ…ぐしゅ…
「…! …!!」
 ショーツの上から指でこすり立てると、不自然にくぐもった音が響き始める。詩子は澪の身体が確実に官能を示しているのを見て、ますます激しく指を動かした。その食いつくような荒々しい愛撫に、澪は腰をビクッビクッと跳ね上げながら反応する。
 詩子はたまらず、自分のショーツの中へと指をつっこんだ。ぬるぬるした液体に濡れたヘアをかき分けて、自分の最も気持ちいい部分を澪にしているのと同じくらい激しくこすり始める。
 ちゅくちゅく…ちゅく
「うっ…うう…あ…」
 低いうめき声を出しながら、詩子は一瞬にして自分が高まっていくのを感じていた。
 まるで当然のように、澪のショーツを詩子の指がずりさげ…スリットの部分を直接触る。
 びくっ!
 無毛の柔らかい秘唇を詩子の指が割り開くと、澪はメモ帳を握りしめながら身体を跳ねさせた。詩子は指先に伝わってきたにゅるんという瞬間に、澪の幼い性器の形状をこれ以上ないほど感じさせられる。
 くりゅっ、くりゅ…くりゅくりゅ
「っ…!! っ!!!」
 幼いながらも懸命に勃起した秘核をいじめ立てると、澪がいやいやをするようにリボンを解いた髪を振りたくった。指先に絡みつくさらさらした愛液をたっぷりとそこに塗りたくって、詩子はぐりぐりっと強烈なバイブレーションを加えていく。
「…………!!?」
 澪が思い切り背中をぐぐーっと反らして、メモ帳をくちゃくちゃになるほど強く握りしめて…ビクンッと決定的な一瞬を迎える。
 ビクッ、ビクッ、ビクンッ…ビクンッ、ビク…!!
「ううー、うっ、ううーっ…」
 詩子は首を前に思い切り曲げて、声を出しながらの絶頂に達してしまった。澪の身体にも伝わっていきそうなほどに、全身が激しく痙攣している。
 ビクッ、ビク…ビク、ビク…ビク…ビクン…びくびく…
「う…うう…澪ちゃん…澪ちゃん、可愛いよぉ…」
 詩子はぼろぼろ涙を流しながら、未だ捉え続けている澪の小さな秘核を撫でた。
「っ! っっ!」
 澪はその度に身体をまた跳ねさせてしまう。メモ帳とペンをどうにかしてつかもうとしても、詩子が意地悪な動きを加えるだけで手を離してしまうようだ。
「ね、ねえ…まだ、遊ぼう…澪ちゃん」
「………」
 澪は涙に濡れた目で詩子を見つめ返し…やがて、震える手でくしゃくしゃになったメモ帳の紙を広げ始めた…



11/12
(7/1の続きです)
「うぉっ…」
「んふぅぅ…」
 のしかかってきた詩子の顔が、眼前に迫る。
「やめろ、やめ、やめ、お前はやめろ」
「なんでぇ?」
「まずい、お前はまずいっ」
「なんで澪ちゃんがよくてあたしはだめなのよぅ」
「お前は、お前はシャレにならんっ」
 浩平は詩子に簡単に押し倒されてしまうほど鈍い動きしかしない体を、必死によじらせる。今にもキスされてしまいそうな詩子の顔から、何とかして顔をそむけようとする。
「なんでぇっ?」
「うーっ…ううう」
 唇が至近距離にまで迫って、アルコールを帯びた詩子の吐息が直接口の中に入り込んでくるほど近くに感じられる。何をしでかすかわからない不安定な瞳が浩平をじぃっと見つめる。
「お前はどう考えてもアウトだっ、あとあと冗談じゃ済まされない…」
「なんでよぉ」
「だめだっ、だめだっ、だめだめだめっ」
「…けちぃ」
 詩子が、顔を上げる。
「…そ、そうだ、こんな事やめろ」
 意外と素直な反応に、浩平は胸を撫で下ろす。
「よいしょ…」
 詩子はそのまま、浩平に背中を向けて胸の辺りにまたがる姿勢になった。
「く、苦しいぞ…お前、早くどけ」
「澪ちゃぁん?」
 浩平の言葉を聞いているのか聞いていないのか、詩子は間延びした声で澪を呼んだ。
 とてとて…
 少し離れた所で顔を拭いていた澪がやってくる。まだ白い液体が顔のところどころに残っていたが、べとべとというほどではなくなっていた。テーブルの上には、拭き取るのに使ったティッシュの巨大なボールが出来ている。
「澪ちゃん、こっちおいでっ」
『わかったの』
 まだ酔いは全然醒めていないようで、平仮名だというのに読みとりにくい事この上ない。
「スカートとパンツ、脱いでぇ」
「おい!?」
『わかったの』
 さっき書いたスケッチブックのページを、また澪が見せる。
 しゅるる…
 そして澪は、子供が服を脱ぐときの仕草そのままでスカートとショーツを一緒にずり下ろしてしまった。
「み、澪、こいつの言うことを聞くなっ!」
 浩平の位置からは詩子が邪魔になってよく見えないが、澪が本気で脱いでしまったのはわかる。澪の状態を見れば、詩子の言葉と好奇心だけで何をしでかすかわからないのは一目瞭然だ。
「そうっ、そしたらぁ、私の前に来て」
『わかったの』
 またスケッチブックを見せる。今の澪には、そのページくらいしか用はないようだった。
 とてとて…
 また澪が危なっかしい足取りで歩いている音が聞こえる。
「柚木っ! どけっ! 離せっ!」
「離さないもぅん」
「こっ…あっ…み、澪…」
 詩子とやりあっている間にも、澪は詩子の体の真っ正面の位置に来ていた。浩平の腰の辺りをまたぐ状態で立っている。詩子の体があるから、浩平に見えるのはリボンをつけた澪の頭と、全然焦点が定まっていない瞳くらいだが…
 もし詩子の体が邪魔していなければ、澪の素っ裸の下半身が見えてしまうはずだった。
「………」
 浩平は自分の言うことを聞かずにムクムクと頭をもたげてくるペニスを悟られないよう、出来る限りの平然を装う。あろうことか、そのペニスは澪の体の直下にあるのだ。今の状態で詩子が気づいたなら、何をされるかわかったものではない。
「澪ちゃぁん…」
 しかし詩子はそれについて何も言わず、澪の体に抱きついていく。詩子の方は座っているから、澪の腰の辺りに抱きついていく感じだが…
「!!」
 澪が、体を一瞬飛び跳ねさせる。
「ゆっ…ゆずき…」
 浩平は思わずうめくような声を漏らしてしまった。
「ん…んんっ」
 詩子は顔を正面から澪の体に押しつけていた。顔を横に向けて頬ずりしたりしているわけではなく、鼻先をぐりぐりと押しつけるような状態だ。
 ちゅ…ちゅっ
「!!!」
 澪が切なそうに目をぎゅっと閉じて、詩子の頭をぐいぐいと押さえ込む。詩子の頭がいくぶん前に行ったため、澪の上半身は浩平にもだいぶ見えるようになっていた。もちろん、肝心の部分は詩子の頭に隠れてしまって全く見えない。しかし、
 ちゅっ…ちゅぅ…ちゅく、ちゅく…
 ねっとりした水音と、詩子の頭の動き方と、息を荒くしながら詩子の頭を押さえ込んで悶える澪の反応を見ていれば、何をしているのかは明らかだ。
「んふぅ…澪ちゃんっ、気持ちいぃ?」
「………」
 かくかくと澪が首を縦に振る。
「ここはぁ?」
 ぺろ…
「!!」
 澪が舐め始めの時のように、大きく体を跳ねさせた。
 ぺろっ。ちゅく、ちゅく…
「……!!」
 詩子の頭を押さえていた手を、澪は片方口元に持っていた。そして舐めずる音がする度に、ピクンピクンと小刻みに体を震わせる。澪の顔はもう真っ赤だった。
「もう…こんなになってるぅ…澪ちゃん、びんかん…」
 じゅる、じゅる…
 舐める時に立つ音が、最初よりも相当派手になってきている。
 じゅっ。じゅううう…
 …ぽたっ。
 浩平のペニスに、温かい液体がしたたり落ちてきた。
(うっ………)
 ぽた。ぽた…
 また落ちてくる。恐らく、澪の中からあふれてきた液体なのは間違いない…
 じゅ…じゅる。
「んぅ…澪ちゃん、もうびしょびしょだぁ…」
 詩子の声が、それをさらに確信に近づける。浩平は、ペニスがいきり立ってくるのをどうしても鎮められなかった。
「澪ちゃん、しゃがんでっ…」
 こくっ。
「え!? お、おい! 柚木!?」
 思わず雰囲気に飲まれ掛けていた浩平が、一瞬で我に返る。だがその時にはもう澪は身を沈めていて、浩平の視界から消えていた。
「そうっ…そう、そうするのぉ…澪ちゃん…わかってるぅ」
 ぬち…
「うっ」
 ペニスの先に、熱くぬらぬらとした感触が生まれる。詩子が言う前に、澪が自分で腰を落としてきたようだった。
「動かないようにお○んちん手で持ってぇ、それでゆーっくり入れていってねぇ」
「待て、柚木…待て…」
 ぎゅっ。
 澪の小さな指が、ペニスの剛直を不器用につかむ。
「だ、だめだって…澪」
 ぬち…ぬぢっ…
 だいぶ弱々しい浩平の制止と同時に、浩平のペニスが濡れた柔らかい肉壁の中へと少しずつ埋まり始めた。
「そうっ…頑張って、澪ちゃんっ…」
 ぴち…ぴぢっ…
 ある程度まで入った所で突然澪の中から返ってくる抵抗が大きくなる。それでも澪が腰を落としてくると、何かを無理に剥がしているような感触と共にペニスがめり込んでいく。
 痛々しい感触だ。だが浩平にとっては、熟れたリンゴの皮に爪を立てるような甘美で新鮮な感覚だった。
 …じゅぐっ。
「うん…澪ちゃん、よく頑張ったね」
 澪がはぁ…はぁ…と少し苦しそうに息をしているのが聞こえる。
 アルコールが抜けていない浩平にとって、すっぽりとペニスが媚肉にくるまれる感触はひどく遠い所にあるような、あるいはものすごく近くにあるような、むしろ全身を柔らかな物でくるまれているような、不思議な感触だった。
「でも、もう少し頑張ろうね」
 詩子が言うと、澪が腰をずずっ…と上げる。
 …ずっちゅっ!
「ううっ…」
 そして、一気に落ちてくる。浩平のペニスは、狭いながらもそれなりに潤滑の液をたくわえた澪の膣壁の刺激をたっぷりと感じてしまう。
「うん…そう」
 ずず…ずちゅっ! ず…ずちゅ!
「澪ちゃん、キスしようっ…」
 詩子が言い、
「んっ…ふぅ…ん」
「………」
 ちゅ…ちゅる…ちゅる…
 ずず…ぢゅくんっ! ずずず…ぢゅっ!
 少女同士の唾液が絡む音と、澪が腰を上げては落とす音がただただ響き続ける。
「んっはっ…澪ちゃん…」
「!」
「痛いけれど、ここを触るとやっぱり気持ちいいでしょっ?」
「…! …!!」
「あははっ、澪ちゃんのココ、ピンピンになってるぅ」
 浩平のペニスに、詩子の指がぶつかる感触がある。詩子は澪の感じるところを刺激して、痛みを中和してやっているようだった。
 ずじゅっ…じゅぐぐっ!
 澪の中が、ますますぬるぬるした液体でいっぱいになってくる。狭くてきついのに、かなりスムーズに澪の腰を上げ下ろしが行われるようになる。
「う…うっ」
 もちろん、浩平はそのぶん快感を味合わされてしまう。
「もっと…もっと、もっと、澪ちゃん…もっとっ」
 ずじゅ…じゅぐっ! ず…じゅぐっ!
 詩子が急き立てるように言うと、澪の動きがさらに速まった。浩平の腰の奥から、きゅうぅぅっと熱い物が急激な勢いでせり上がってくる。
「だ…だめだっ! 澪、柚木、どいてくれっ!」
 浩平は慌てて叫ぶが、体はのろのろとしか動かなかった。詩子と澪の体重にしっかりと押さえつけられ、動けないままに浩平の限界の瞬間が刻一刻と近づいていく。
「ほら、澪ちゃん…澪ちゃんっ」
「!!」
 詩子が浩平のペニスに何度もぶつけながら指を小刻みに震わせ始めた。
「くぅぅ…」
 …びゅっ! …びゅっ! …びゅっ!
「あ…折原君、出した」
「う…」
 びゅびゅびゅ…びゅ、びゅ、びゅっ、びゅっ…
 詩子に宣言されてしまうと、タガが外れたように精液が澪の中に噴き出していく。
「気持ちよかった?」
「お、おい、柚木………お前、本当に酔ってるか?」
「え? 何言ってるのぉ? あたひ、酔ってなんかいないよぉっ?」
 詩子がふらっ、と今にも倒れそうな勢いで浩平の方を振り向く。
「あ…なんだか、あたひも眠くなってきちゃったぁっ、茜と一緒に寝てくるねぇっ」
 おぼつかない足取りで、詩子が浩平の上から起き上がる。
「お前…」
 千鳥足のくせにいやに速いスピードでリビングから出ていこうとする詩子を、浩平は何か言いたそうな目で見送った。
 つんつん。
「あ…」
 その時、浩平の胸を澪がつつく。
『もっときもちよくなりたいの』
 片手で、スケッチブックを示しながら…
「おい、澪っ…」
『ここをさわってほしいの』
 恥ずかしそうに目を細めた澪が、ヘアに全く覆われていない自らの秘裂を指で広げる。
 行為の間もずっと浩平の目に触れる事のなかったそこは、綺麗なピンク色をしていて、透明な雫によって驚くほど濡れていた。そこに浩平のペニスが突き立って、隙間から桜色の液体が流れだしている。
 澪の指さしたのは、割り広げた部分の上端近くにある、見逃してしまいそうな小さな突起だった。
「…澪…」
 浩平は、幼い性器と結合している事実に改めて唾を飲み込みつつも、吸い込まれるように指を澪の秘部に伸ばしていった。



9/17
(5/25の続きかもしれない…って黎明期だなぁ)
 澪はふらふらとした足取りで、部屋の隅の折り畳み机に向かって歩いていく。スケッチブックを今にも落としそうな、おぼつかない足取りだった。しかし、秘部からのぞいている黒いマジックはしっかりと締め付けられていて、とても落ちそうにない。
「ほら、さっさと歩け」
 こくんっ…と澪は健気にうなずいたが、未だに震えている足はいつまで経ってもなかなか前に進まない。机までは澪の足でも10歩あれば十分な距離だったが、一歩一歩と踏み出す度につぅっ、とマジックを透明な液体が伝い落ちてくるような状態では10歩と言えども非常に長い距離となる。
 ぽたっ。
 半分ほどを歩いたところで、マジックの先から液体が滴(したた)り落ちた。絨毯の上に小さなシミが出来る。
 ぽた。ぽた。ぽた。
 一度垂れ始めてしまうと後は止まらなかった。澪は必死に前へと進もうとしていたが、シミとシミの間隔はどんどん狭まり、ついにはシミとシミがくっついて大きなシミを作るほどになってしまう。
「そんなにいいのか?マジックが」
 ふるふる、と澪は首を振る。振り向いた顔は、涙でくしゃくしゃになっていた。
 しかし、マジックを使うことの出来ない今の澪は何も伝えることが出来ない。立ち止まっていても、自分の下に出来るシミをどんどん大きくしていくだけだ。
 ぎゅぎゅっ、とスケッチブックを身体全体で抱え込むようにしながら、澪は再び前に進み始めた。傍目にも震えているのが分かる足で、二歩、三歩と最後のステップを歩ききる。
 ばたっ!
 最後はスケッチブックごと机の上に倒れ込んだ。
 そのまま、澪ははぁはぁと荒い息を立てていた。しかし、今の澪の体勢は机の上に手をついてヒップを後ろに思い切り突き出した姿勢に他ならない。秘部に突き立てられ、澪の愛液でべっとりと濡れたマジックがはっきりと見えていた。澪の呼吸に合わせて、マジックが微かにうねうねと動いているのが分かる。それは澪の媚肉が未だにひくついている事を如実に示していた。
 …じゅぽっ。
「!」
 後ろからマジックが引き抜かれると、澪が身体を一瞬震わせる。締め付けが強いだけに、単に引き抜かれただけでもかなり強い刺激が走ってしまうのだ。
「ほら、椅子に座れ」
 机の中に入っていた椅子が引き出され、澪の方に向けられる。澪はしばらくの間無反応だったが、やがて身体を跳ね上げるように起こし、また倒れ込むようにして小さな椅子に座り込んだ。それだけでぬちゅ、と澪の媚肉が椅子の天板に絡みつく音がする。
「じゃあやれ」
 マジックが差し出される。愛液でぬるぬるするマジックを、澪は何とか指でつかんだ。
 そのまま澪は呆然とした顔で宙の一点を見つめていたが、不意にくるっと机の方を向く。そして、スケッチブックの上にマジックの先を向けた。机に対して垂直に向けられた椅子から書くのは大変そうだったが、澪は身体全体を動かすようにしてスケッチブックの上にマジックを滑らせ始める。
 透明な液体で濡れたペン先で書かれる文字は最初のうち滲(にじ)んでいたが、すぐに黒いラインがはっきりと出た文字が書かれるようになってきた。
『えっちな気持ちになってるの』
 本当に小さな文字だったが、一文字一文字が何の文字なのかはしっかりと分かる。最初の愛液に滲んでしまった文字を、澪はわざわざ書き直したほどだ。澪は顔を真っ赤にして横からの視線をしきりに気にしていたが、さらにマジックを進める。
『だからおなにーしたいの』
 文字は震えていたが、示されている内容は一切の婉曲が無かった。書いている時にどれほど澪が恥じらいを示そうとも、後から見ればこの上なく直接的で淫靡な表現に見えてしまう。それは澪も理解しているようで、自分の書いた文字からすぐに目をそらしてしまった。そして、正面を向いて上目遣いをする。
「なんだ…」
 えぐっ…と、涙でいっぱいの瞳で澪は懇願していた。だが、すぅっと視線が細くなった瞬間、澪は慌ててマジックをスケッチブックの上に戻してしまう。そして急いで文字を書き連ねた。
『もう、あそこがべちょべちょになってるの』
『おっぱいも、くりちゃんも、かたいの』
『いまから、するの』
 それだけ立て続けに書いてしまうと、澪は空いていた左の手を自分の胸にあてがい始める。
 小ぶりの胸だが、確かに桜色の先端の部分は固くしこって尖っている。そこを澪は小さな指先でつまんだ。そのまま、上下左右に動かしたり、つまむ力を強くしたり弱くしたりの刺激を加える。
『おっぱいをさわると、じんじんするの』
 澪はマジックを走らせながら、つまんでいた指を離すと今度は指の腹で乳首を転がし始めた。澪の顔がとろんと惚けた表情になってくる。最初は左の胸だけだったが、やがて右の胸にも手を伸ばし、同じように乳首を責め立てた。
『もうがまんできないの』
『あそこを、さわるの』
 そう描写すると、澪を見つめる視線は満足そうなものになった。
 澪はつるりとした恥丘に左の手を這わせていく。覆う物がないために、濡れそぼった媚肉の様子は澪が少し脚を開くだけで露わになってしまった。
 ぎゅ。
 マジックを握る手に力が入る。さすがにそこを直視されるのは羞恥の感情を煽られてしまうようだった。しかし澪はもはや諦めたようで、躊躇する事すらなく指を媚肉の中に差し入れていく。
 ちゅく。
 はぅ…と、しどけない吐息が澪の口から漏れた。
『すごくきもちいいの』
 澪は指を少し曲げて、一直線に自分の幼い突起へと狙いを定める。外からでもわずかながら膨らみを確認できるそこは、未発達なはずの澪の性器の中で不自然なほど快感の神経を発達させていた。
 つんっ。
 少しだけつつくと、澪がかくっと首を垂れる。
 つん、つん…ころころっ。ころころ…
 細い指先が優しく転がし始めると、澪のか弱い身体は甘い性感の膨らみにあっという間に屈してしまった。澪は取りつかれたように指先で集中的にその突起をいじり始める。
「……!……!」
 じゅくっ、じゅくっと一定の間隔を置いて豊富な愛液がほとばしり出た。澪の座っている椅子にはすぐに水たまりのように愛液が広がり始める。
「右手がお留守だぞ」
 そう言われると、澪は息も絶え絶えになりながら顔を上げる。そして、右手のマジックをスケッチブックの上でぐりぐりと大きく動かし始めた。
『くりちゃんがかたくて、ぴんぴんしてて、かんじちゃうの』
『あそこからじゅっじゅっておつゆがでてるの』
 既に澪は文字を小さくするような余裕もないようだった。この上なく恥ずかしい言葉を、スケッチブックの上に大きな文字で記していく。
『またいっちゃうの』
 最後にそれを書き記すと、澪はマジックをスケッチブックの上に放り投げ、一瞬にして右手を自分の性器にあてがった。
 ぢゅく、ぢゅく…
 澪は左手で突起をこすりながら、右手の指を二本ヴァギナの中に突き刺して、ぐりぐりと膣壁の一点を撫でる。間もなく、澪は顔をぐぐーっと反らせて強烈に指を動かし始めた。
「イクんだな?」
 澪の口がぱくぱくと動いて、がくがく頭を縦に振る。きゅうっとヴァギナが収縮して自分自身の指を締め付ける。
「!!」
 澪は、反らせていた頭を一気に前の方に垂れた。
 ビクンっ…ビクンっ…
 身体をくの字に折り曲げながら、澪は絶頂を迎える。リボンのついた頭がピクピクと震えていた。お尻の辺りまで愛液の海に浸からせながら、澪は真っ白になった意識の中で強烈な快感を感じる。
 突き刺した指を引き抜くことすらせずに、澪は数分間もそのまま身体をひくつかせていた。
 びびびっ。
「………」
 理性がわずかに戻ってきたのは、何か紙を切り取るような音が聞こえてきた時だった。



7/1
「ほらぁ、ここだって、こんな、なってるでしょぉぉ?」
「や、やめろ、やめろっ、お前酔いすぎだっ」
「いいじゃないのぉ、折原君っ」
「くんづけやめろっ」
「なんでぇ、あたし、いつもそうやって呼んでるよぉ」
「猫なで声で言われると鳥肌が立つっ…」
「じゃあもっと言って上げるぅ、折原君、折原君、折原君のここ、かたいぃ」
「ぐあぁっ…み、澪、こいつ止めろっ」
 ほとんど期待はしていないが、藁にもすがる思いだ。
 案の定、澪は理解していない目でこちらを見ながら、アルコールにふらつく足取りで浩平達の方にやってきた。どう見ても役に立ちそうにはない。
「茜が気づいたらどうするんだっ、あいつ素面(しらふ)だぞ」
「起きてこないわよぉ、そんな簡単に」
「だ、だからって、万が一起きてきたら…み、澪、何考えてるんだっ!」
 すりすり…
 澪までが詩子の行為に参加し始める。ほとんど詩子の真似といった感じで自発的にやっているものかどうかは分からないが、浩平はパニックに陥らざるを得ない。
「やめ、やめるんだ、二人とも」
 浩平は後ろにずり下がる。動きが鈍くなった身体ではそれが精一杯だった。
 がしっ。
「ゆ、柚木っ!」
 いつの間にか後ろに回り込んでいた詩子にがっちり身体を押さえられる。簡単なはがいじめだったが、予想以上に力は強かった。それだけ浩平の力が弱くなっていたとも言えるだろうが、不思議なほど押さえつけるのが詩子は上手い。
「澪ちゃん、折原君のズボンきつそうだから脱がしてあげるといいよぉ」
「や、やめ…」
 しかし澪はためらいなく浩平のズボンのチャックに手をかけて、完全に下ろしてからボタンの方もはずしてしまった。それから思い出したように傍らに置いてあったスケッチブックとペンを取り上げて、
「わかったの」
 判読が極めて難しい、ぐねぐねと曲がった字で書いた。
「わ、わかるんじゃないっ!澪」
「澪ちゃんにまで手を出して、この色男ぉ」
「俺には何の責任もないだろ!頼む、澪、やめてくれ」
「もっとして欲しいって頼んでるよぉっ」
 こくこく。
 妙な納得顔で澪はうなずいて、トランクスとジーンズを一気につかんでずりずりと引き下ろしてしまった。身体の小さい澪がやると滑稽にも見えるが、浩平にとってはたまったものではない。
「こんなもの女の子の前に見せて、恥ずかしくないのぉ」
「お前らが…澪、さわるなぁっ」
 澪は正に興味津々といった様子で浩平のペニスをもてあそんでいた。既に固く屹立しているその部分は、その刺激を敏感に受け止めていく。アルコールのせいか、身体が浮かび上がるような変わった性感が感じられた。
 鈍くなった思考はそこに引き込まれていきそうになったが、浩平は必死で耐える。しかし、耐えるのが精一杯だった。もはやこの状況に引き込まれていると言った方が正しいかもしれない。
「そこ、ぺろぺろしてあげると折原君喜んじゃうよぉ」
 はむっ。
「わっ、うわっ、澪っ!」
 詩子が言うと同時に澪は反応していた。小さな唇で精一杯に浩平のペニスの先端をくわえこんでいる。浩平は腰が溶けていきそうな感覚を覚えた。
「だ、だめだ…そこはっ…」
「ほらぁ、段々良くなってきたんだぁ」
「ちが…ううっ」
 澪はそのままの状態で、舌をちろちろと動かす。先端だけの刺激とは言え、感覚が鋭敏な部分だ。小さな舌が小刻みにペニスの先を撫でる度、この上ない快感が浩平を走り抜ける。
「澪ちゃん、もっとたくさんくわえて、ちゅぽちゅぽ出来ない?」
「……」
 澪は何とかそれをしようと試みたが、どうにも上手くいかないようだった。涙目になりながら詩子の事を見つめる澪に対し、
「いいよぉ、折原君、澪ちゃんにぺろぺろされただけですぐに出しちゃうからぁっ」
「っ〜〜〜」
 首を曲げて詩子の事をにらんだ浩平を、詩子は目を細めた余裕の表情で見つめた。そうすると、何も言えなくなってしまう。図星だったからだ。
 澪は一生懸命に舌の動きを考えて、試しているようだった。そのひとつひとつが浩平の性感を高め、追いつめていく。その取り組み方は普段の澪の姿勢と変わらなかったが、こういう方向に向けられるとは浩平は夢にも思わなかった。どう考えても、少なくとも澪は、こういう行為の経験があるはずがないのだ。
 その無垢な純粋さに、とうとう浩平は屈した。
 びゅっ!
「!!」
 澪が満面を驚きにして、唇を離す。
 びゅびゅっ、びゅっ…
 呆然とする澪の顔に、白濁の液は勢い良く襲いかかった。たちまち澪の顔は浩平の出した精液でべたべたになってしまう。唇から髪の毛のリボンのところまで、所構わず白く汚れていく。
「はい、浩平君の負け〜」
「ま、負けってな…」
 浩平は思わずつぶやいた。
 澪は精液もふき取らずに、ペンとスケッチブックに手を伸ばしている。
「あ、澪ちゃん、ティッシュティッシュ」
 詩子はそれを制止し、ボックスティッシュを取りに行った。
 しかし澪は何か書いている。浩平からでは文字がさかさまにしか読めなかったが、何を書いているのかわかった。
「びっくりしたの」
「お前なぁ…」
 浩平は深いため息をつく。この後どうするかという事より、今の脱力感の方が大きかった。


5/25
 くちくち、くちくち。
 かすかに水っぽい音が秘裂の間から漏れだしてくる。
 小柄な少女の体躯は、四つん這いの姿勢のままで背後からの指戯を感じていた。上半身はペパーミントグリーンのシャツが隠していたが、下半身は何にも覆われておらず、小さなヒップが完全に露わになっている。無論、少し角度を変えれば今にも愛液がこぼれ落ちそうな幼い秘裂も丸見えになってしまうはずだった。
 少女の両手は、前にある椅子をつかんでいる。いや、正確に言うと、椅子の上に置かれているスケッチブックをつかんでいるようだった。片方の指は、ぷるぷると震えながら必死でマジックをつまんでいる。
「どうだ…澪」
「……」
 澪は官能に打ち震えながらも必死にマジックを動かし、言葉を書き記す。
『きもちいいの』
 後ろの方を見ようとせず、澪はただスケッチブックを持ち上げ、字だけを示した。
「どこが一番気持ちいい?」
 ぶんぶん、と澪は首を横に振った。
「この前、教えただろ?」
 指がほのかなクリトリスを捉える。潤滑の液を使って、ちゅるちゅると指を滑らせる。澪は腰をひくひく震わせながら、観念したようにマジックを動かし始めた。
 そして、スケッチブックを上げる。
『くりちゃんが気持ちいいの』
 小さな小さな文字で書かれている。しかし、判読できないほどの大きさではない。
「そうか」
 指の動きが速まり、ぐりゅぐりゅと幼い突起をいじくり回す。澪はいやいやとをするようにリボンのついた髪を振ったが、決して腰を引いて逃げようとはしなかった。とろり…とろりと、透明なつゆがとめどもなく生まれてくる。
 澪が自らマジックを走らせる。
『いくの』
 弱々しい震えるタッチの字を、澪は力無く示した。
 くちゅくちゅ…くちゅくちゅ…
 びくんっ!びく、びくんっ!
 そして澪の身体は大きく打ち震え、絶頂を迎えた。
 力つきて倒れ込んでしまった澪の手から、マジックが転がり落ちる。それを拾い上げると、未だひゅくんひゅくんと震えているヴァギナに、ぐいっと乱暴に差し込む。抵抗感などない。
 ぴくっ…と澪の身体が震えたが、嫌がりはしなかった。
 それどころか、反射的にマジックをぎゅうぎゅうと締め付けている。
「起きろ。今度はオナニーの日記を書くんだ」